FX取引で「三山」パターンを見極める5つの決め手


はじめに

FXトレードを行う際、チャート分析は欠かせません。その中でも特に重要視されているのが、「三山」と呼ばれるテクニカルパターンです。三山は相場の転換点を示唆する強力な合図として知られていますが、その見極め方は意外と難しいのが実情です。本記事では、三山の特徴と見極めのコツ、さらにはその後のトレンド転換のパターンについて、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。FXトレードの勝率を高めるには欠かせない知識をお届けします。

三山とは何か

三山とは、上昇相場の終盤に現れるチャートパターンのことです。上昇トレンドの中で、相場がある一定の水準で3つの山を形成するのが特徴的です。この3つの山の頂点を結んだラインは、しばしば上値のトレンドラインとして機能します。三山が出現した場合、その後の相場はどのように動くのでしょうか。

三山の構造

三山の基本的な構造は以下の通りです。

  1. 上昇トレンドの中で、相場が一定の水準で3つの山を形成する

  2. 3つの山の頂点を結んだラインが上値のトレンドラインとなる

  3. 上値のトレンドラインを突破できずにもみ合いが続く

このように、三山は上昇トレンドの終盤に現れ、相場が一定の水準で上値に阻まれ、もみ合いが続くパターンといえます。投資家の心理としては、「上昇は限界に達したのではないか」と感じ始める局面だと言えるでしょう。

三山の変種パターン

三山にはいくつかのバリエーションが存在します。代表的なものは以下の通りです。

  • 赤三山(あかさんざん):上昇相場の天井圏で現れる3本の連続陽線のパターン

  • 黒三山(くろさんざん):下落相場の底値圏で現れる3本の連続陰線のパターン

  • 逆三山(ぎゃくさんざん):下落相場の底値圏で現れる3つの谷のパターン

これらのパターンは、三山の特徴を踏襲しつつ、相場の強弱や転換点を示唆する重要な合図となります。

三山の見極め方

三山を見極める際のポイントは以下の5つです。

1. 相場の大局観を把握する

三山が出現する局面は、上昇トレンドの終盤です。したがって、現在の相場がどの位置にあるのかを大局的に捉えることが重要です。もみ合い相場の中に三山が現れたのか、それとも上昇トレンドの序盤や中盤に現れたのかによって、その意味合いは大きく変わってきます。

2. トレンドラインに注目する

三山の特徴として、3つの山の頂点を結んだラインが上値のトレンドラインとなります。このトレンドラインの動きに注目することで、相場の転換点を読み取ることができます。上値のトレンドラインを突破できるかどうかが、その後の相場の行方を占う重要なポイントです。

3. 下値のトレンドラインにも着目する

三山の場合、上値のトレンドラインだけでなく、下値のトレンドラインにも着目する必要があります。上値のトレンドラインを突破できず、下値のトレンドラインを割り込んでしまった場合、相場は下降トレンドに転じる可能性が高くなります。

4. 変種パターンにも注目する

先述の赤三山や黒三山、逆三山などの変種パターンにも注目しましょう。これらのパターンは、相場の強弱や転換点を示唆する重要な合図となります。単純な三山だけでなく、変種パターンの動きにも留意することが肝心です。

5. 他のテクニカル指標と組み合わせる

三山は単独でも重要な意味を持ちますが、他のテクニカル指標と組み合わせて分析することでより精度の高い判断が可能になります。RSIやMACDなどのテクニカル指標と三山のパターンを照らし合わせることで、相場の転換点をより正確に把握できるでしょう。

三山出現後の2つの展開パターン

三山が出現した後の相場の動きには、大きく2つのパターンが考えられます。

上値のトレンドラインを突破するパターン

三山が上昇トレンドの序盤や中盤に現れた場合、上値のトレンドラインを突破する可能性があります。この場合、相場は上昇トレンドの継続を示唆し、強い上昇に転じる可能性が高くなります。投資家の心理としては、もみ合い相場の中で蓄えられたストレスが一気に解消されるイメージです。

下値のトレンドラインを割り込むパターン

一方で、三山が上昇トレンドの終盤に現れた場合、上値のトレンドラインを突破できず、下値のトレンドラインを割り込む可能性があります。このパターンでは、相場は下降トレンドに転じる可能性が高くなります。投資家の心理としては、「上昇は望めない」という諦めムードが広がりやすくなります。

実践事例で見る三山の見極め

ここからは、実際のチャート事例を用いて三山の見極め方を解説していきます。

事例1:上昇トレンドの序盤に現れた三山

この事例では、上昇トレンドの序盤に三山が出現しています。上値のトレンドラインを突破できずにもみ合いが続いていますが、下値のトレンドラインは守られている状況です。 このような場合、相場はさらなる上昇に向かう可能性が高いと判断できます。三山形成後、上値のトレンドラインを上抜けすれば、強い上昇トレンドの継続が期待できるでしょう。

事例2:上昇トレンドの終盤に現れた三山

一方、この事例では、上昇トレンドの終盤に三山が出現しています。上値のトレンドラインを突破できず、下値のトレンドラインも割り込んでしまっている状況です。 このような場合、相場は下降トレンドに転じる可能性が高くなります。三山形成後、下値のトレンドラインを下抜けた時点で、売りのタイミングと判断できるでしょう。

三山を活用したトレード手法

三山を活用したトレード手法としては、以下のようなものが考えられます。

上値ブレイク狙い

三山形成後、上値のトレンドラインを突破した場合は、強い上昇トレンドの継続を期待して買いポジションを入れるのが有効です。上値ブレイクを待つことで、リスクを抑えつつ、大きな利益を狙えるでしょう。

下値ブレイク狙い

三山形成後、下値のトレンドラインを割り込んだ場合は、下降トレンドへの転換を見越して売りポジションを入れるのがおすすめです。下値ブレイクを待つことで、相場の転換点を的確に捉えられます。

変種パターンの活用

赤三山や黒三山、逆三山といった変種パターンにも注目しましょう。これらのパターンは、相場の強弱や転換点をより明確に示唆することがあります。変種パターンの動きを見極めることで、より精度の高いトレードが期待できます。

まとめ

FX取引において、三山パターンは相場の転換点を示唆する重要なテクニカル指標の1つです。その見極め方のポイントは、相場の大局観の把握、トレンドラインの動き、変種パターンの確認、そして他のテクニカル指標との組み合わせ分析にあります。 三山が出現した後の相場の動きには大きく2つのパターンが考えられますが、いずれの場合でも、その後の推移を冷静に見極めることが肝心です。三山を活用したトレード手法として、上値ブレイク狙いや下値ブレイク狙い、変種パターンの活用などが有効です。 FXトレードの勝率を高めるには、三山パターンの見極め方を習得することが不可欠です。本記事で解説した内容を参考に、三山分析の実践に役立ててください。

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