FXトレードに活用できる「はらみ足」の見極め方とポイントを徹底解説


はじめに

FXトレードを行う上で、チャートパターンの見極めは非常に重要です。なかでも、2本のローソク足で構成される「はらみ足」は、相場の転換点を示す重要なサインとして知られています。この記事では、はらみ足の特徴や見つけ方、そしてそれを活用したトレード手法について、詳しく解説していきます。

FXの市場では、24時間取引が可能なため、他の金融商品とは少し異なる特徴を持つチャートパターンも存在します。はらみ足はその代表格の1つで、株式市場とは異なる形態で出現することが多いのが特徴です。

また、はらみ足には「トレンド転換」を示唆するパターンと、「トレンド継続」を示唆するパターンがあることもポイントです。これらを見極めて適切にタイミングを捉えることが、はらみ足を活用したFXトレードのカギとなります。

本記事では、はらみ足の基本的な特徴から、その見分け方、さらには具体的なトレード手法まで、初心者でも理解しやすいよう詳しく解説していきますので、FXトレードに役立てていただければと思います。

ローソク足チャートにおける「はらみ足」の意味とは

**「はらみ足」**とは、2本のローソク足で構成される特徴的なチャートパターンです。具体的には、1本目のローソク足の高値と安値の範囲に、2本目のローソク足全体が収まっている状態を指します。

FXでは、前日の終値を次のローソク足が引き継ぐことが一般的ですが、はらみ足が出現する場合、2本目のローソク足の始値は1本目の終値とほぼ同水準になります。ただし、2本目の終値が1本目の実体部分を超えてしまうと、はらみ足とは呼べなくなります。

はらみ足は、別名「はらみ線」や「インサイドバー」とも呼ばれています。これは、1本目のローソク足に2本目の足が「はらんで」いるように見えることから来ています。また、「インサイドバー」という呼び方は、バーチャートにおいて同様の特徴を持つパターンを指しています。

はらみ足の2つの定義

はらみ足には、以下の2つの定義があります。

  1. 1本目のローソク足の高値と安値の範囲に、2本目のローソク足全体が収まっている

  2. 2本目のローソク足の終値が、1本目のローソク足の実体部分を超えていない

つまり、はらみ足とは、1本目の足に2本目の足が包み込まれる形で、かつ2本目の終値が1本目の実体を超えないという条件を満たすパターンを指すのです。

FXでは、前述のように始値が前日の終値を引き継ぐことが一般的ですが、この場合でも2つ目の定義は満たされていれば、はらみ足と認められます。ただし、株式市場などでは、ローソク足の始値と終値に大きな差が生まれることがあるため、より厳密な定義が適用されます。

はらみ足のパターンと特徴

はらみ足には、大きく分けて2つのパターンが存在します。

  1. 1本目が陽線で2本目が陰線

  2. 1本目が陰線で2本目が陽線

FXでは、前日の終値を次のローソク足が引き継ぐため、ローソク足の連続する中で、1本目と2本目の実体が完全に入れ替わるようなパターンは稀です。そのため、上記の2つのパターンが典型的なはらみ足の形となります。

また、はらみ足では、2本目のローソク足の終値の方向性が重要です。1本目の足に2本目の足が包み込まれるという共通点はありますが、2本目が陽線なのか陰線なのかで、その後の相場展開が大きく異なってきます。

具体的には、2本目が陽線の場合は「陽のはらみ足」、2本目が陰線の場合は「陰のはらみ足」と呼ばれ、前者は上昇への転換、後者は下降への転換を示唆するサインとして捉えられます。

ただし、はらみ足単体では、まだ相場の転換が確定したわけではありません。その後の値動きを見守る必要があり、他の指標や足型との組み合わせで判断することが重要です。

はらみ足とアウトサイドバー、インサイドバーの違い

はらみ足は、FX市場特有のチャートパターンですが、株式市場などでは「アウトサイドバー」や「インサイドバー」と呼ばれる、類似のパターンが知られています。

アウトサイドバーは、1本目のローソク足の高値と安値の範囲を、2本目のローソク足が完全に覆っている状態を指します。 一方、インサイドバーは、1本目のローソク足の高値と安値の範囲に、2本目のローソク足全体が収まっている状態を表します。

つまり、アウトサイドバーは包み足の定義に、インサイドバーははらみ足の定義にそれぞれ近いパターンといえるでしょう。

ただし、アウトサイドバーとはらみ足の最大の違いは、2本目の終値の扱いです。 アウトサイドバーでは、2本目の終値がどうなっているかは問題とされませんが、はらみ足では2本目の終値が1本目の実体を超えてはいけないという条件があります。

このように、はらみ足は株式市場のインサイドバーに近い特徴を持ちつつ、FX市場ならではの定義を持っているのが特徴です。

はらみ足の出現場面とその意味

はらみ足は、相場の天井圏や底値圏で出現することが多く、トレンド転換を示唆するサインとして注目されています。

具体的には、以下のような場面ではらみ足が確認できます。

  • 上昇トレンド中の天井圏:大きな陽線の後に小さな陰線のはらみ足が出現

  • 下降トレンド中の底値圏:大きな陰線の後に小さな陽線のはらみ足が出現

このように、はらみ足は、これまでの強いトレンド相場が一服し、方向性が変わろうとしていることを示唆しています。

ただし、はらみ足が出現しただけでは、まだトレンドの転換が確定したわけではありません。その後の値動きを見守る必要があり、他の指標や足型との組み合わせで総合的に判断することが重要です。

例えば、はらみ足の後に、1本目の高値や安値をブレイクするような動きが出現した場合は、トレンド転換の可能性が高くなります。 一方で、はらみ足の後も相場がレンジ相場の状態で推移し続ける場合は、トレンド転換には至らない可能性もあります。

はらみ足を使ったトレード手法

はらみ足を活用したトレード手法には、大きく分けて2つのパターンがあります。

  1. 天井圏や底値圏でのはらみ足を活用したエントリー

  2. レンジ相場でのはらみ足を活用したエントリー

天井圏や底値圏でのはらみ足を活用したエントリー

相場の天井圏や底値圏ではらみ足が出現した場合、それはトレンドの転換を示唆する重要なサインとなります。

具体的には、上昇トレンド中の天井圏で陰のはらみ足が出現した場合、前の大陽線の高値をブレイクしたタイミングでショートポジションを入れるのが有効でしょう。 同様に、下降トレンド中の底値圏で陽のはらみ足が出現した場合は、前の大陰線の安値をブレイクした時点でロングポジションを入れるのがおすすめです。

ただし、はらみ足だけでなく、移動平均線の状況やサポート/レジスタンスラインの動きなど、他の指標との組み合わせで判断することが重要です。 はらみ足が出現しただけでは、まだ相場の転換が確定したわけではないため、慎重にタイミングを見極める必要があります。

レンジ相場でのはらみ足を活用したエントリー

はらみ足は、相場がレンジ相場の状態で推移している場合にも活用できます。

レンジ相場では、上下の方向性が不明確なため、はらみ足単体ではトレンド転換を示唆するサインとしては弱くなります。 しかし、はらみ足が出現した後に、1本目のローソク足の高値や安値をブレイクする動きが出現した場合は、その方向性を追いかけてエントリーするのが有効です。

例えば、下降トレンド中にはらみ足が出現した後、1本目の高値をブレイクするような陽線が現れた場合は、ロングポジションを入れるチャンスと考えられます。 一方で、上昇トレンド中にはらみ足が出現し、その後1本目の安値をブレイクする陰線が出現したら、ショートポジションを検討するのがよいでしょう。

ただし、はらみ足の後にすぐブレイクが起きるとは限りません。しばらく方向性が定まらずに推移する可能性もあるため、焦らずに推移を見守る必要があります。

はらみ足のダマシを回避する方法

はらみ足は、相場の転換点を示唆するサインとして有効ですが、時にはダマシにもなりかねません。

はらみ足が出現したからといって、すぐにエントリーするのは避けたほうがよいでしょう。はらみ足の後も、相場がレンジ相場の状態で推移し続ける可能性があるためです。

ダマシを回避するためのポイントは以下のようなことが考えられます。

  • 移動平均線の動きなど、他の指標との組み合わせで判断する

  • はらみ足の後、1本目の高値や安値をブレイクするまで待つ

  • 短い時間足だけでなく、より長期的な視点で相場の流れを確認する

特に、移動平均線の状況は重要です。はらみ足が出現した際に、移動平均線がトレンドの方向を示唆していれば、はらみ足を参考にしてエントリーのタイミングを判断できるでしょう。

また、はらみ足の後に1本目の高値や安値をブレイクする動きが出現するまで、少し様子を見るのも賢明です。焦ってすぐにエントリーすると、ダマシに遭遇する可能性があります。

さらに、短い時間足だけでなく、より長期的な視点で相場の流れを確認することも重要です。短期的には方向性が不明確に見えても、長期的なトレンドから判断すれば、適切なエントリータイミングが見えてくるかもしれません。

はらみ足とマルチタイムフレーム分析

はらみ足を活用するうえで、マルチタイムフレーム分析は非常に有効な手法です。

マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間足のチャートを組み合わせて相場の状況を把握する手法です。 はらみ足は、短期的な方向性を示唆するサインですが、より長期的な視点から見れば、別の解釈が可能になる場合があります。

例えば、4時間足のチャートでは相場がまだトレンドを維持している状況でも、15分足では既にはらみ足が出現しているといったケースです。 このように、異なる時間足のチャートを組み合わせて分析することで、はらみ足の信頼性をより高めることができます。

短期的な方向性と長期的な方向性が一致していれば、はらみ足を活用したエントリーのタイミングを確信を持って判断できるでしょう。 一方で、短期と長期の方向性が異なる場合は、慎重にタイミングを見極める必要があります。

また、マルチタイムフレーム分析を行えば、より長期的な また、マルチタイムフレーム分析を行えば、より長期的な視点から相場の節目となるサポートラインやレジスタンスラインを把握することもできます。 短期的な動きだけでは見落とされがちな重要なラインも、長期チャートの中で明確に確認できるはずです。 そうした情報を組み合わせれば、はらみ足のエントリータイミングをより適切に判断できるはずです。

例えば、1時間足のチャートでは明確なはらみ足が確認できても、日足レベルでは相場が上昇トレンドを維持している場合、そのはらみ足は単なる調整局面の可能性が高くなります。 このように、異なる時間足のチャートを組み合わせて分析することで、はらみ足の意味合いをより正確に把握できるのです。

はらみ足以外のローソク足パターンも活用しよう

はらみ足以外にも、FXチャートには様々なローソク足パターンが存在します。 これらのパターンを理解し、組み合わせて分析することで、相場の変化をより的確に捉えることができます。

代表的なローソク足パターンには以下のようなものがあります。

明けの明星・宵の明星

前日のローソク足と次のローソク足の間に大きな空隙(窓)が開いた状態を指します。 明けの明星は下降トレンドの底で出現し、上昇への転換を示唆します。 一方、宵の明星は上昇トレンドの天井で出現し、下降への転換を示唆します。

毛抜き天井・毛抜き底

1本目のローソク足の高値と2本目のローソク足の高値が全く同じ水準となるパターンです。 毛抜き天井は上昇トレンドの終盤に出現し、相場の上昇力が弱まっていることを意味します。 毛抜き底は下降トレンドの終盤に出現し、相場の下落力が弱まっていることを示唆します。

赤三兵・黒三兵

同じ方向のローソク足が3本連続で出現するパターンです。 赤三兵は3本の陽線、黒三兵は3本の陰線で構成されます。 これらは、相場の強い上昇トレンドや下降トレンドを示唆する重要なサインとなります。

このように、はらみ足以外にも様々なローソク足パターンが存在します。 これらを組み合わせて分析することで、相場の変化をより的確に捉えられるはずです。 FXトレードでは、チャート分析力を高めることが成功への近道と言えるでしょう。

まとめ

本記事では、FXトレードにおいて重要なチャートパターンの1つである「はらみ足」について詳しく解説しました。

はらみ足は、2本のローソク足で構成され、相場の天井圏や底値圏で出現することが多い特徴的なパターンです。 はらみ足が出現すれば、トレンドの転換が予想されるため、適切なタイミングでエントリーできる可能性が高まります。

ただし、はらみ足単体では、まだトレンドの転換が確定したわけではありません。その後の値動きを注視し、他の指標や足型との組み合わせで総合的に判断することが重要です。

また、はらみ足にはダマシのリスクも付きまといます。焦ってすぐにエントリーするのではなく、移動平均線の動きや時間足の違いなど、様々な角度から相場を分析することが肝心です。

FXトレードでは、チャート分析力が勝負を分ける重要なファクターです。 はらみ足をはじめ、様々なローソク足パターンを理解し、それらを組み合わせて相場の変化を見極められるよう、日々の学習を怠らないことが大切です。

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