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アクティベーションプラナー岩﨑さんに聞く「生活者の心を動かすアイデアの作り方」

BranCo!の卒業生で、現在社会人として活躍されている方々に、BranCo!での学びや現在のキャリアについて伺う連載企画「After BranCo!」。
今回は、第5回BranCo!(テーマ:「平和」)に参加し、現在 hakuhodo DXDに所属されている岩﨑有紗さんに、学生スタッフの遠藤・栗原でインタビューを行いました!
 


良いアイデアを作る秘訣とは

 ― 現在は、どのようなお仕事をされていますか?

現在は hakuhodo DXDで、アクティベーションプラナーとして働いています。

入社時はコロナ禍だったこともあり、オンラインでwebサイトの制作やコミュニケーション施策の企画をしていました。現在では、さまざまな媒体を使った広告制作やクライアントの自社サービス開発の仕事などをしています。
いかにもな「広告」というより、新しいwebサービス等の構想を考える企画の仕事をメインに行っています。

ー 学生時代は、どのような活動に熱中していましたか?

大学ではプロダクトデザインを専攻していました。プロダクトを作るだけでなく、リサーチをしながら新しいサービスの形を考えていました。学業以外だと、サークルイベントの開催、複数のアルバイト、アプリのデザインのインターン、留学など、興味が沸いたもの全てに取り組んでいました。

その中で、仲の良い同じデザイン学科の友人に誘われて学外の活動にも興味を持ち、BranCo!には、大学1年と2年の2年連続で参加をしました。1年生の時は2次選考まで進んで、2年生の時に優勝しました。

ー 優勝した時の岩﨑さんのチームはどんなアイデアを提案されたのですか?
 
優勝した年のテーマは『平和』でした。
幼い子供や小学生向けの腕につける紙の時計を考えました。その時計には喧嘩をしてから仲直りするまでのタイムリミットが書くことができ、「いつまでに仲直りしよう」「いつまでに気持ちの整理をつけよう」と子供たちが自発的に仲直りを行う時間を考えることで、仲直りを促す仕組みになっています。

 プレゼンしたアイデアの中でのこだわりはありますか?
 
他のチームは「平和な状態な時に使えるアイデア」を出していた一方で、私たちのチームだけは 「最初から平和なわけではなく、喧嘩し仲直りすることが平和である」と考え、一度喧嘩することを許容したことがポイントだと思います。


 ー 出場2年目で優勝したとのことですが、1年目と2年目で参加した時のプレゼンに違いは何かありましたか?

1年目と2年目のプレゼンであった違いは、一発で伝わるユニークさがあったかどうかだと思います。
「喧嘩して仲直りをする」というひねりがある考え方でありつつも、割とストレートに伝わるアウトプットに落とし込むことができたと思います。1年目は、説明してやっと理解してもらえるような、複雑なアウトプットを作ってしまっていました。

ー BranCo!以外にもコンテストには参加をされていましたか?
 
BranCo!をきっかけに1年に1回ぐらいのペースでいろいろなコンテストに参加をしていました。
キャリアインカレ、ビジコン、販促コンペなどに出場しました。

ー 沢山コンテストに出場する中で、共通して大事にしていたことはありますか?

大学がデザイン学科だったということもあり、アウトプットを出すことを特に大事にしていました。
BranCo!とビジネスコンテストに共通して、サービス系のアウトプットを提案するグループが非常に多かったように思います。
例えば、「新しいコミュニティを作る」や「新しいビジネスモデルを作る」などは実際に形がなく想像しにくいため、他と差別化できるようなアウトプットを作成することを特に意識していました。
 
また、あまりビジネスモデルや収益のことは提案しないということも、かなり意識していました。当時仮説として持っていて、今も実際にそうだなと思うのですが、ビジネスモデルや収益に関しては、社会人が簡単に思いつくことだと思っていました。なので、周りが簡単には思いつかないようなアイデアやモノを考え、それがどのように消費者の手に届くかについて考えていました。

BranCo!に求められているのは、社会人がパッと思いつくような収益やお金の流れの提案ではなく、人に共感されて、心に刺さるようなアイデアやモノを提案できるかどうかだと思っています。なので、あえてプレゼンの資料には、ビジネスモデルや収益に関することは書きませんでした。

生活者が共感できるものを作ることの大切さ

ー BranCo!終了後、普段の過ごし方で、視点や考えに変化はありましたか?

大学の授業をより意義を感じながら、受けることができたことです。BranCo!の中で自分なりに沢山考えたことで、授業を受けるとBranCo!で活きる考え方を発見したり、BranCo!参加中に悩んだことが授業中に解決されたりしました。BranCo!で、たくさん考えたからこそ、大学の授業でも吸収することが増え、普段の生活の物事の捉え方もより深めることができたと思います。
 
ー BranCo!で得たものの中で、今でも仕事で大切にしていることはありますか?
 
実際の業務で企画をすると、学生で自由に企画を考えるときよりも、制限がどうしても出てきてしまいます。ですが、BranCo!参加時に考えていた、「生活者として共感できるものを作りたい」という思いは今でも大切にしています。
プラナー目線で作ったらかっこいいなと思える企画よりも、やっぱり生活者が共感できて、楽しくみられるものを作りたいと思っています。まさに、博報堂が大切にしている、「生活者発想」というところを大事にして、普段は仕事をしています。

良いアイデアを言語化できる力

ー 「正解のない問い」に挑む経験は、どんな社会人にも役に立つと思いますか?
 
もちろん役に立つと思います!
広告は、広告効果といった数字だけでははかりきれないところもあるので、最後は自分だけでなく博報堂のチーム全体やクライアントが面白いと感じるかでも判断が下されることが多いです。今の業務は、「正解のない問いに挑むこと」と同じだと思います。
どんな社会人にとっても、なぜ自分がこのアイデアが良いと思っているのかを言語化できることはすごく役立つし、大事なことだと思います。

ー BranCo!に参加をし、これからブランディングを学ぶ学生に何かメッセージをお願いします!

「正解がない問い」を考える機会は、大学生の時に沢山あるわけではないと思います。ですが、一番大事だと思うことは、自分でどのアイデアがいいのかを考え、言語化できる判断力や価値観を身につけることだと思っています。
それは、BranCo!に2回参加する中で、非常に鍛えることができました。BranCo!は、自分のアウトプット力の力試しができる場所だと思います。普段の授業でも気づきが増えたり、自分の考え方が広がったりする大変いい経験になると思うので ぜひBranCo!に参加してみてください!
 
ー 作り手目線にとどまらずに、どうしたら生活者の心を動かせられるのかを考えることで、魅力的なアイデアが生まれてくることがよくわかりました。本日は大変ありがとうございました!
 

岩﨑 有紗(いわざき ありさ)

hakuhodo DXD

アクティベーションプラナー
2021年博報堂入社。生活者エクスペリエンスクリエイティブ局で、家電メーカー、飲料メーカー、通信事業者等のwebやアプリの企画〜UI設計、体験設計、XRを利用した企画を中心に経験。

2022年より、hakuhodo DXDに。家電メーカーや飲料メーカー、食品メーカー等の自社サービス開発、グローバルワークショップ設計、プロモーション企画を中心におこなう。

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