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【セブンスコート】4月1日なので

⚠️この記事はNovectacleさんのゲーム「セブンスコート」の感想になります。決定的なネタバレは避けていますが、台詞や本文の引用があるのでほんのりバラしてます。



このゲームはエイプリルフールの企画で2016年に配信されたそうなのですが、私はその数年後に初めて本作と同じキャラクターが登場する「ファタモルガーナの館」の方をプレイして、その翌年、去年くらいにやっと「セブンスコート」をプレイしました。この作品、ファタモルのパラレルものとなっています。先にプレイしたファタモルがほんとに心に残るゲームだったからこそ、全然違う世界線で同じキャラが登場すると知って、キャラクターのイメージが壊れないかなぁと心配もしていました。でもやっぱりファタモルが好きだったから気になって、夜中に布団の中でやりました。
本当に心が共鳴するゲームでした。ファタモルのパラレル作品だからではなくて、セブンスコートというゲームとして心に来たんです。それくらい感動したし、創作をするのと受け取るのがたまらなく好きな人間としても、社会を生きている人間としても、生きる気力をもらえる作品でした。最初のオープニングの詐欺とかBGMのギャップも好きで、ファタモルでキャラを知ってたからというのもあるのですが、登場人物の一人一人に愛着が湧いて、プレイしてて楽しかったです。今回2週目をプレイして、1周目の時よりさらに沢山のことに気付かされ、深い共感を覚えました。


この作品には創作者の葛藤がこれでもかというほどに生々しく詰め込まれています。主人公のミシェル(Dark†Knight)はインディーズゲームを創るクリエイターで、自作ゲームを投稿するために、Webサイトロワイヨムヘブンを運営しています。彼は一人のゲームクリエイターである以前に、後ろ向きで脆くて不器用で間が悪い、とっても人間くさい一人の人間として描かれます。⚠️この記事はNovectacleさんのゲーム「セブンスコート」の感想を含みます。決定的なネタバレは避けていますが、台詞や本文の引用があるのでほんのりバラしてます。


このゲームはエイプリルフールの企画で2016年に配信されたそうですが、私はその数年後に本作と同じキャラクターが登場する「ファタモルガーナの館」の方をプレイして、さらにそれから1年後の、去年くらいに初めて「セブンスコート」をプレイしました。先にプレイしたファタモルが本当に好きなゲームだったからこそ全然違う設定で同じキャラが登場するパラレルものだと知って、キャラクターのイメージが壊れないかなぁと心配もしていました。
でも、ファタモルガーナの館から派生した作品だということを抜きにしても、本当に心にくるゲームでした。ファタモルのパラレル作品ではなく、セブンスコートというゲームとして心に来たんです。それくらい感動したし、生きる気力をもらえる作品でした。そして、歌ってるなぁ、それから1年くらい経ってまた2週目をプレイして、1周目の時よりさらに沢山のことに気付かされ、共感を覚えました。

一人の人間としての、悩みや葛藤

この作品には創作者の葛藤がこれでもかというくらい生々しく詰め込まれています。主人公のミシェル(Dark†Knight)はインディーズゲームを創るクリエイターで、自作ゲームを投稿するためのWebサイトロワイヨムヘブンを運営しています。彼はゲームクリエイターである以前に、考え方が後ろ向きで脆くて不器用で間が悪い、一人の人間として描かれます。これはゲームクリエイターだけでなく、すべての創作者に対して言えることです。

自分は人とは違う才能を持っていると思っていて、

批判を受けてきた結果として意地を張るようになってしまって、

自分の中の劣等感にやりきれなくなったりもします。

どれも、少なからず創作をする方には共感できるところがあると思います。というか私には、ビシバシ来ました。

創作者も人間です。現代の世の中を生きています。

そしてそれは、それを受け取るプレイヤーも同じことです。
この作品ではミシェルだけでなく、彼のサイトの常連たちもそれぞれ色んなものを抱え、生きている、一人一人の人間として描かれます。そこに優しさを感じて、とても好きです。

結局、創作者であるゆえに生じる葛藤をどうにかする術はこの物語の中では明示されません。私は、クリエイターもプレイヤーも互いを一人の人間として大切に扱い、少しでも寄り添い合うことが大切なのだと思います。ネット上では当然互いのことを知らないし顔も合わせない。だけど、軽く発したものは人の心に傷を残します。プレイヤーの批判で人が傷つくこともあれば、逆に、クリエイターが作ったもので人が傷つくこともあるかもしれません。どちらにしろ、悪意を持って発さなければ、傷はできません。できたとしても、やり直せます。その反面、悪意を持って発したらやり直せないことがあります。

傑作

傑作というものが人の心を大きく動かす作品であるとするならば、それは人の心を明るい方へと向わせてくれる作品であるべきだと思います。
作中で語られることでもあるのですが、大勢の賞賛を得て自分を認めさせてやる!という気概でなにかを創るよりも、大切な人だったり過去の自分だったり、誰か特定の人に向けて気持ちを込めてなにかを創った方が、それを受け取る人の心に響く作品になるのではないかと思います。それが今の私の思う傑作です。

ありがとう!

私はまだまだ人生においても創作においても未熟で、ゲーム作りの知識も無いです。
だけど、何かを残してくれるゲームでした。二週目でもすごく楽しめました。
意外とこのゲームで一番感動したのは、前回も今回も変わらず最後のエンドロールのメッセージです。私はファタモルをプレイした時に、強く心を揺さぶられて「どうやったらこんなもの創れるんだ!」と思ったのですが、そういった作品を創った人たちもまた、一人一人が同じ人間なのだと気づきました。
心を良い方に動かしてくれる作品でした。本当にプレイしてよかった。
このゲームを創ったすべての人に感謝を伝えます。

ネタバレをなるべく避けたのであまり長々と感想を綴ることはできませんでしたが、どうしてもこの記事を書きたかったので満足できました!
読んでくれてありがとう!



↓セブンスコートはこちらからプレイできます。2、3時間あれば読了できると思うので、是非どうぞ!

https://novelsphere.jp/ns00000128

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