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JORDAN AIR JORDAN XXXIV PF レビュー

 今回は私の現在の「バッシュローテ」の中でも、個人的に「お気に入りの一足」のレビューを。
 ちなみに、この靴(25.0cm)は私にとって「マイサイズ」(ナイキのグローバルラストで"24.5cm")から「0.5cmサイズアップ」。
 そして、「靴下2枚重ね履き」に「足首サポーター装着」、インソールを「SUPERfeet Green」に交換している。

※2019年11月、ナイキの公式オンラインストアにて購入


・フィッティングについて

 まずこの靴の「サイズ感」について。

 ジョーダンブランドにおいて「幅広モデル」として位置付けられる「PF」モデルではあるが、この靴は意外と幅の狭い造り。
 靴の縦の長さは、その他のジョーダンブランドの靴とほとんど変わらない感じなので、いわゆる「グローバルラスト」が幅が狭くて履けないという人でも履けるかもしれないが、アッパーがほとんど伸びない素材なので、やはりある程度「履く人を選ぶバッシュ」だと感じる。

 あと、私自身は足首にサポーターを着けているので気にならないが、デザイン面でも特徴的な踝の「パーツ」は、足が合わない人には当たって痛いかもしれない。

 その他、爪先やシューレースホール付近など、力の掛かりやすい部分には補強に硬い部品が使われていて、人によってはこういった部分が局所的に当たって痛む可能性があるので、やはり購入前には出来る限りしっかりとした「試着」をおすすめしたい。


 一方、靴紐によるフィット調整については、最新モデルの割にサイドのフィットをフォローするようなワイヤーなどのロック調整機構が無いにも関わらず、靴紐をしっかり締め切った後の「ロックダウン」は意外と良好。
 ただし、紐は短めなので甲高の人は一番上のホールまで通すと紐が足りなくなってしまうかもしれないが、この一番上のホールまで靴紐を通さないと絶望的にフィットが悪くなってしまうので要注意。
 とにかく、フィット調整に関してもアッパーに伸縮性が無いおかげでそこまで「融通が利かない」印象なので、やはりしっかりと「試着」の上、「ジャスト」のサイズを選ぶべきである。

 ちなみに、シュータンにある「レースホール」には、靴紐を「通さない」方が個人的にはロックが良いように感じる。


・ソール剛性について

 次にソール周辺における「剛性」について。

 まず、このモデルの一番の「注目点」である「Eclipseプレート」は、私の体格と身体操作の仕方ではとても「丁度良い」剛性を持っており、ダッシュ時に身体を押し出してくれる反発力もありながら、屈曲からの復元タイミングも合っているので、とてもコントロールがしやすい。

 また、ミッドソールのクッションの方も、良い意味でエアの存在を感じないほどに密度が高いもので、踵は全く沈まずとても快適に感じる。
 フォアも適度な厚みで、着地の衝撃を抑えながら、エアが「Eclipseプレート」と上手く連動し、その衝撃を次の動きへとスムーズに「繋げる」役割を果たしているのが体感出来る。

 そしてとにかく不思議なのが、靴のど真ん中に大きな「穴」があり、一見すると地面と足の「距離」が遠そうな見た目にも関わらず、普通に立っている時はもちろん、プレイ中も「接地感」に全く違和感が無いこと。
 むしろ、他の多くのバッシュよりも地面の感触が鋭敏に感じられるほどで、ある意味この「接地感の良さ」は、このシューズの機能の中で最も大きな「サプライズ」だったかもしれない。


 こうしたソール周辺の各機能が生み出す「反発力」は、個人的に今まで履いてきたバッシュの中で一番「合っている」と感じられるものになっていて、これがこの「AJ34PF」が私自身の中で、「お気に入りバッシュ」となっている最大の「理由」である。


・グリップ力について

 アウトソールは、フラットな造りな上に溝のパターンも良い意味で特徴が無いものになっているが、フォアの黒いパーツは材質が違うからなのか、ここに体重が乗ると突然スリップしてしまう場面があった。
 とはいえ、しっかりとフロアを「押し込む」ステップを使っていればほとんどの場面で滑ることは無いので、基本的な「グリップ力」は良好である。


・総評

 余計な「装飾」を取り払い、「機能美」を追求したシンプルさに、靴の中央が大きくくり抜かれた大胆さが同居する、「革新的」とも呼べるデザインが特徴の今作「AJ34」。
 これはそのまま実際の「バッシュとしての機能」にも現れ、「エアジョーダン史上最軽量」ながらバッシュとしての剛性と耐久性とのバランスを取った画期的な一足となっている。

 特にその「ソール剛性」については、「屈曲からの復元スピード」など、私個人の「好み」が大きく反映されているが、この「AJ34PF」はまさしく「エアジョーダン」の名に相応しい、「現在の世界最高峰の技術を結集させた一足」と評価したい。


・「AIR JORDAN XXXIV LOW PF」についての「感想」


 今回レビューした「AJ34PF」の"ローカット版"である、「AIR JORDAN XXXIV PF」も1度だけ履いた事があるので、そちらの「感想」も簡潔にここに。

 とにかく、「ソール剛性」が「別物」というレベルに変化していて、踵のクッションが沈み、フォアの屈曲からの復元力が弱い。
 それに対し、アウトソールは良くも悪くも全く変化を感じず、残念ながらこの「ソール剛性」に関して「ポジティブ」だと捉えられるところは全く見当たらなかった。
 その他の部分は、踵のパットが増量されて靴紐も適正な長さになり、爪先にさらなる補強が施されるなど、フィットやロックダウンに関しては大きな「改善」を感じられただけに、この「ソール剛性」における「改悪」は、個人的に本当に残念だった…。



P.S.
 実は私も、バッシュに本格的にハマり始めた4年ほど前から、バッシュの「フラッグシップブランド」とも言える「エアジョーダン」には、やはり興味は持っていました。(当時の最新は「31」。)
 しかし、当時は私もまだバッシュについての「知識」に全く自信が無かった事や、体重の軽さから「ソール剛性」の高いモデルを敬遠していた事、そして「ジョーダンブランド」ならではの「価格の高さ」から購入までは至りませんでした。(当時同じ「ジョーダンブランド」の「CP3.X AE」を気に入っていた事も大きかったかも)

 その後、次作「32」は上記とほぼ同じ理由で見送りましたが、その翌年には「ソール剛性」の高いモデルへの「理解」がかなり進んでいたので、割と本気で「33」は購入しようと考えていました。

 しかし、その「33」にはまさかの「ファストフィット」という「キワモノ」が搭載されてしまい、私自身の「初挑戦」にはハードルが高過ぎた為、結局見送り…笑

 そんな「紆余曲折」を経て、満を辞して私が人生で初めて購入した「エアジョーダン」が、この「AIR JORDAN 34 PF」だったのです。
 そんな私の「初めてのエアジョーダン」は、このレビューでもかなり強調してありますが、デザイン面でも機能面でも「さすが」という一言しか思い浮かばないほど、バッシュとしての「クオリティ」が非常に高いモデルだと感じられました。

 そして今では、すっかりこの「AJ」シリーズの虜になっています。
 今季の「35」はもちろん、今後は「レトロAJ」の方にも注目していこうと思います。

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