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イージーモードが気分です

留学に来てからというもの、運に見放されている気がしてならない。くだらない不幸が幾度となく私を見舞う。

ロンドン、携帯をすられ。
〜防犯について学ぶ〜
ポケットに入れていた私の愛し、iPhoneが忽然と姿を消す。
よく人の記事で見る「まさか自分が〇〇されるなんて」が
”まさか自分が”な、そんな経験を”まさか自分も”するハメになるなんて、この時ばかりは信じがたいものがあった。このやり場のない怒りと悔しさは、どこへ向かえばいいのやら。
iPhone追跡するも、帰ってこず。

ベルギー、事故に遭い。
〜歩行に集中しろ〜

いつもの買い物帰り、何気なく道を横断していると右から曲がってきたバスにはねられる。
日本では、幾度となく車にはねられてきた私だが、ベルギーの路上でバスにはねられ、体が車道に投げ飛ばされるさなか頭をよぎったのは、ここでもか!という言葉と、運は私を見放してはいないというとんでもない自信だった。というのも、買い物に行くには大きすぎるリュックを背負っていたことで、怪我なく大事を免れたのだ。
ありがとう、数時間前の自分。


そして、ドイツ、違反切符を切られる。
〜金輪際、一人で行動するな〜

ドイツでの私のついてなさが、またまた、どうにもこうにもしょうもない。
ロンドン(携帯すられ)、ベルギー(車にはねられ)でのトラブルは自分の過失が幾分かあったので、このドイツ旅行はミスなく、何がなんでも完全に、完璧に、スマートにこなそう。そう自分の中で目標を掲げて挑んだのだった。(これまでの数々の失態もあり、一人で行動することに少し自信をなくしていた。この旅行が滞りなく進めば自信が戻ってくるんじゃないか、そんな一抹の望みも込めて。がこの旅の裏テーマ)

しかし、どうもそれを許してはくれない誰かがいるらしい。

友人2人と、1週間ほどの行程の東欧旅。
ハンガリー、オーストリア、チェコを周り、ドイツはミュンヘン、ニュルンベルクへ。

ニュルンベルクのホテルで、友人と別れ一足先にベルギーへ帰る私である。

少し、冷や汗をかきながら、往路。
少し離れた夜行バス乗り場へ向かうため、ひとり地下鉄へ乗り込んだ。夜8時。

スルッと改札を抜け、目的の電車に乗り込んだ。ふぅ。と座席に着いたのも束の間。
そこへ立ちはだかるは、係のおっさん。何やらドイツ語で切符を出せとおっしゃっているようだ。

ヨーロッパは、自動改札機のない地域が多いので、抜き打ちで係の人がチケットをチェックしに来る事がある。
チケットを購入していない人には、国によって様々だが、罰金が課せられるところも少なくない。その日のドイツも自動改札機は無く、私は「1日チケット」をその日の朝に購入していたのでそのまま電車に乗り込んでいた。

まあまあ待ちなさい、そんなに慌てずとも私は違反なんてしていませんよ。ほら、

と今朝買ったはずの切符を出したかったが、どこへ行ってしまったのか。胸のポケットに入れたはずの切符がない。

絶望感を覚えたが、ないものはないで仕方ない。

それを見て、ドイツ語で、なんか言うおっさん。どうやら60ユーロの罰金らしいということは理解したものの、そのほかのドイツ語わからない。

なんて言ってんねん!英語しかわからん!と英語で必死に応戦するもあえなく失敗。

隣に座っていた地元の人ぽい乗客が、見かねてパスポートを見せろって言ってるよ、と教えてくれた。

あぁ。なるほど、とパスポートを弱弱しく突き出す。おっさんは、罰金を取りっぱぐれないよう、私のパスポート情報が人質にとり、違反切符を今まさに目の前で発行している。

はいはい、罰金の60ユーロくらい払いますよ、と口では早々に諦めたそぶりを見せ、
ギリギリまで切符はとりあえず探す往生際の悪さは、態度で示しておいた。

この旅の総評

よし、何事もなく終わりそうだ!と自信フツフツと思っていた矢先での失敗。ダメージは大きくやっぱり今回もダメだったかと肩を落とす。

係のおっさんが、英語を話そうとしてくれない焦りも相まって半ベソをかき、ほんとにほんとにドイツなんて大嫌いだ。

どうやら、人質は取り納めたらしい。黄色くて長い、コストコのレシートのような違反切符が差し出された。

それで?だからなんだ?と、めげずに(英語で)ほんでどうしたらいいのだ?支払い方法は?と尋ねると、駅ではらえよ、とおっさん。

今じゃなくて?えぇー!夜行バスのりおくれるじゃん!涙
夜の9時。

駅についてすぐさまチケットカウンターを探す。しかし営業時間外の受付。この時の私の絶望と言ったら、、、明日の朝まで待つのか?!
罰金が払えなかったら、私はもしかして犯罪者かも、、、

運良く?そこに立っていたスタッフなのか、警察なのか、そんな装いの2人にお金払いたい旨を伝えると、ここの番号に払えと指さす彼ら。

どうやら国際送金ができるらしいという事を知り、ことなきを得たがまだ友人と別れてから1時間しか経っていないよ…なんで自分はこうなんだ、と重いパンチを喰らい、お腹の底からため息が出た。

その後トボトボ、バス乗り場へ向かう。

何がなんでもこのバスだけは間違えられない!と思い、その辺にはべっていた運転手、これまたおっさん、に自分の乗るバスがどこにくるのか確認しようと

Excuse me ?

と英語で声をかける。
するとおっさん、第一声目が

I don't accept English and also 'Deutsch' . Only Italy!
(俺は英語なんて話さねえ、’ドイチュ’語もだ。なんてたってイタリアーノだからな)

ははは、冗談だろとは思ったが、絶望の中の私にそんなくだらないジョークが通じるわけもなく、あ”ぁ”?と、カチンとくるのが自分でもわかったのでその場をそそくさ退散。 もうどうでもよい。

hey!と後ろからおっさの声
私を呼び止めて、冗談だよ、ごめん(笑)とでも言いたかったのか。なんなんだいったい。イタリアなんて大嫌いだ。(おじさんのトバッチリ)

となんだかんだとありながらも、一応体は無事に帰宅。

ベッドに身を投げる。自室の居心地のいいこと。この時ばかりは、旅行なんて大嫌いだと思わざるをえなかった。ドイツ旅行(完)

と最近私は、このような有様でして。

人生はtry and error だ!と言わんばかりに、試練を与えられるのはなにごとか。
どうかこの先の私の人生よ。イージーモードであってくれ、、、
そう願うばかりの、毎度の珍道中なのだ。



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