プロ野球チップスの伊藤のエラーカードはレアじゃない!?修正版の方がレア!? レアになるエラーカードの条件

先日発売された2024プロ野球チップスにおいて日ハムの伊藤選手のカードがエラーカードであることがカルビーよりお知らせされました。
プロフィールの身長表記が本来176cmのところ176mとなっているという内容でした。
プロ野球チップスのエラー自体はわりと最近もあり2022年の商品は1-3弾で各一枚エラーカードがあった気がします。
ただ、今回いつもと違う盛り上がりとなっており一番の理由はニュースとして取り上げられたことかと思います。近年トレカブームで盛り上がっていることや野球カードの注目度も高いことでメディアがこぞって記事にしたような気もします。
また記事の内容の一部ではこのエラーカードがメルカリで高額取引されていいるという内容もありました。
ただ、そこそこ色々とコレクションを続けている筆者としてはこのエラーカードがかなりのレア扱いされている現象に少々疑問を持ちました。
むしろ今までのケースでいえば今回のようなエラーカードはむしろ修正をされた正規のカードの方がレアになるパターンが多いからです。
もちろん状況が違えばエラーカードがレアになるパターンもありますので今回はどういう時にエラーカードに価値が出るのか、むしろ価値がつかないのかといったことを書いていこうと思います。

※毎度のことですが今回筆者が書いた記事の内容が100%正しいということはありません! あくまでもコレクションライフを送るうえでのある一つの考え方、視点、知識として捉えてもらえればと思っておりますのでよろしくお願いします。


そもそも前提としてカードに価値がつく条件

まず本題の前にカード(に限らず多くのコレクション全般)に価値がつく条件とは何だったかを頭に入れておくこととします。
当然様々な条件や理由はあるのですが多くの場合にあてはまる条件のひとつが「希少性」でありその中でも「流通量」だと思います。
さらに「流通量」から細かくすると「現存数」でいいかなと思います。
ザックリ言えばそのアイテムが世の中にどれくらい存在しているかということですね。世の中で少なければ少ないほどレアで多ければ多いほどレアじゃないという前提です。
もちろん他にも色々要素がありますが今回はこの希少性、現存数という前提を今一度頭に入れて記事を読んでいただければと思います。

価値の出るエラーカードとそうでないエラーカード

基本的には価値のつくことが多いエラーカードですしエラーカード=レアと思っている人も多いのですが、ではなぜエラーカード=レアとなるパターンが多いのかという話です。結論だけ言えば先ほど前提とした「希少性」が高いからという話になります。

エラーカードの中でもパターンがあるかと思いますが一般的な物として工場での製造ミスがあります。例として
・裏面の印刷が同じ印刷所で製造している別のカードの物が印刷されてしまう
・一部の製造ラインの印刷機が不調で特定のラインだけ色味が違ったり加工(ホログラム加工など)が施されなかったりする
・裁断やプレスの機械不調で間違ったカットやパックに巻き込まれてプレスされてしまう

などがあると思います。これらのエラーカードの多くは印刷工場において複数の機械で印刷されている中で一部の機械のみでおきてしまうエラーであったり何百何千と印刷される中ですり抜けてしまった1枚におきるエラーなどの場合が多く数の割合でいえば
エラーでない正規のカード>エラーカード
という形で流通することになり「希少性」の高いエラーカードになることが多いです。このパターンのエラーカードは数も極めて少ないことが多いためかなりレア扱いされることも多く高額取引されるようなものもこのパターンのエラーカードを多く見かけます。

もう一点はデザインの段階でミスがあるカ場合です。例として
・文字等のつづりや入力ミス(今回の伊藤のカードのパターン)
・カードに使用する写真で修整すべき場所を修正していなかった
・配色やデザインを間違ったまま修正をしなかったパターン

などがあると思います。この場合はどこで気づくかにもよりますが多くは工場での製造が終わった後にエラーであることが判明することが多いかとおもいます。つまりカードそのものが製造された時点では全てのカードがエラーカードとなりエラーカードの「希少性」はほぼなしと言える状態です。
このパターンのエラーカードの場合はその後の処理によってレアになるか否かが大きく変わってくると言えます。それと同時に修正をされた正規のカードに希少性が出る場合も出てくるのです。

製造者の処理によって希少性がかわるエラーカードと修正カード


では「その後の処理」とは例えばどのような物か例を出していきたいと思います。

①希少性がなくなるパターン

エラーカードの希少性がなくなるパターンは
・製造元がホームぺージ等で訂正文を発表するのみとしそのままエラーカードが販売され続ける
のパターンです。この場合世の中に出回った該当カードはすべてエラーカードとなり変な表現ですがエラーカードが当たり前のカードとなります。こうなると希少性は皆無で「希少性」という観点でのレア度はなくなります。※面白味という意味で若干価値がつくようなことはあるかもしれませんが。

②希少性が出るパターン

エラーカードの希少性が出るパターンの例は
・製造元が販売後に市場から商品を全回収して修正した物に差し替えて商品をあらためて販売する
パターンです。頻繁におきることではないと思いますが該当のエラーカードが致命的な場合、例えば写ってはいけないものが写っていたり(センシティブやスポンサー関係など)似たことですが描かれるのが販売地域によっては好ましくないものが描かれている(イラスト系カードでの宗教表現など)などこういった場合にこのような処理がされる場合があります。
こうなるとエラーカードが市場に出回った時間は販売されてから回収されるまでの期間となりこれが短ければ短いほど手に入れるチャンスが少なかったものとしての希少性が生まれレアものになっていく傾向があります。
またこのようなパターンで回収されそのまま販売中止になったり再販はされるもののそもそもエラーだったカードは欠番とするような場合は存在するカードすべてがエラーカードとなりますが市場に出回った数が極めて少ないことから「希少性」は生まれてレアになる傾向になります。
また似たようなパターンですが
・初版分ではエラーカードがそのまま販売され2版・3版….と初版分を超える数の再販分には修正版が封入される
ようなパターンでこれはエラーカードよりも修正版が多くなることからエラーカードの希少性が高くなるというのが分かりやすいかと思います。

③(ほとんどの場合)希少性がなくなり修正版の方がレアになるパターン

もう一点存在するパターンがエラーより本来想定された正規の物、修正されたものの方がレアになるパターンがあります。例として
・エラーカードの販売は続けるが訂正を発表し正規品との交換対応を行う
パターンです。多くの場合初回出荷のみが想定されている商品や元々販売期間が短い予定の商品などの場合でこういった対応が行われることが多く販売市場にはエラーカードのみが流通するが手間を踏むことで修正版が手に入る状況となる。
こうなった場合の多くは最終的に世の中に出回る総数が
エラーカード>修正カード
となる場合が多く、数が少ない=「希少性」が高いのは修正カードという形になる。
理由としては、
・そもそもエラーが存在し交換対応を行っていることを知らない人が多い(告知してもWeb上と店頭掲示程度のため)
・わざわざ郵送してまで交換する手間をかけてまで修正版を必要としない人も多い
などがあります。
ただ、見出しにも(ほとんどの場合)と記しましたがあくまでここまで説明したのは通例で例えば
エラーカードが最大100枚製造されて流通したうえで99枚が修正版と交換された
となればエラーカード<修正カードとなるので当然エラーカードの方が「希少性」が高くなるわけです。
そのため断言はできない要素ではありますがあくまでも今までの通例では修正版の方が流通数が少なくなる傾向が強いという話になります。

2024プロチの伊藤のエラーカードの場合は?

では今回の伊藤のカードはどのパターンでしょうか。
これは
③(ほとんどの場合)希少性がなくなり修正版の方がレアになるパターン
になります。状況も例にあげたパターンにほぼほぼ当てはまる状況です。
ただ今回は「通例」と状況が違うのも頭に入れておく必要もあります。

まず最初に現状のカルビーのお知らせでは修正版が今後出荷されるチップスに封入されるか否かが明確にお知らせされていません。そのためもし今後の出荷分等に封入されるのであれば修正版の方が多くなる可能性があります。
ただし過去のエラーカード時は修正版が封入されなかったと思いますのでその可能性は低いと考えてもいいのかと推測でしかないですが思います。
また筆者はカルビーに今後出荷分に修正版を封入するか問い合わせもし回答もいただきました。
ただしカルビーのお客様相談利用規定で回答の転載は禁止となっているためここには記しませんが質問をして回答を頂いたという事実のみは記しておきます。

もう一点はメディアに取り上げられたことで交換対応をしているという事実がいままで以上に周知されている点です。先ほどそもそも交換対応を知られていないという点をあげましたが今回は少し状況が違います。
ただしメルカリでの高額販売であったりをみるとそもそも交換していないエラーカードの方が注目されていそうな感じもあるため影響はない..というかもしかしたら今まで以上に修正版に交換する人が少ない可能性もあるかもしれない状況かもしれません。

今回のメルカリでの状況は通例を知っていて売り手がだまそうとしたり市場調整しようとしているというよりシンプルに売り手も買い手もエラー=レアで間違いないという判断でこういうことになっているのではないかなと思うのですが、ただ現状メルカリで高額取引されている以上は理屈云々関係なくそれはレアだと言えるのかなと思うところもあり…

結論

結論と言っていいのか分かりませんが今回の伊藤のカードに関しては今までのパターンや状況からもコレクター視点だと
エラー版は大してレアではなく修正版がレア
になると思うのですが市場価格主義で考えれば今はエラーがレアと言ってしまえるのかなと…なんともハッキリしないですが通例をとるか今をとるかによってですかね…
あくまで個人的な結論でいえば5000円とかでメルカリで買うのはおススメしないですが売るなら今といったところでしょうか。

また今回は伊藤のカードに関しては話のきっかけであって エラーカードにも色々なパターンや価値の違いがあるということを知ってもらえれば良いかなと思って書いた記事ですので皆様の知識や考え方のとある視点のひとつになればいいなと思います。

それでは良いコレクションライフを!



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