KAITO V3の調声メモ
■はじめに
こちらは優しい歌声が売りのKAITO兄さんに力強く歌ってもらうべく奮闘したマスターの記録です。備忘録として書き記したものですが、同じくKAITO兄さんの調声にお困りの方の参考になれば幸いです。又は「ここはこのようにした方が良い」などの御意見があれば頂けるとありがたいです。
今回使用させていただく楽曲:スーサイドパレヱド(ユリィ・カノン様)
■余談
音声を貼り付けつつ記事を書こうとしたのですが、Noteの音声貼り付け方法が分からなかったため、画像+文章のみの記事となっております。申し訳ない。
■ボーカル設定
画像の通り。ブライトネスを強めにして、後は好みです。
ブレシネスもジェンダーもいずれピアノロール画面の方で弄ります。
■ピアノロール画面
ベタ打ち段階です。子守唄みたいな歌声です。
全ての音符を選択し歌唱スタイルを変更。
ベンドの深さ、ディケイ→0%
アクセント→100%
子音と母音に分けます。子音は大体1/32くらいの短さです。ここは適当。
「すーさいどぱれーど」の最後の「ど」の後ろに吐息を追加します。発音の最後に「_0」を追加(赤文字)。
子音を上げたり下げたりします。基本は下げてしゃくりあげている感じにします。
「すーさいどぱれーど」の「す」「さ」「ぱ」「ど」の子音を強調するために直前のノートを短くし隙間を作り、ベロシティを弄ります。
ついでに「ぱ」の発音を「p a_0」に書き換えました。
■Studio One画面へ移行
MIXします。
コンプで底上げして(画面の切り取りが汚い)
イコライザで声を変えて
リミッターで大きすぎる音を押さえます。
Piapro Studioの設定のみでは力強さに限度があったため、イコライザで声を変えています。プリセットから良さそうなものを選び、音声を聴きつつ理想の声に近付けます。
これをKAITOの調声と言っていいのだろうか?とは思います。
良い感じのパワーサウンドになったらPiapro Studio画面に戻ります。
■母音の変更
ジェンダーを下げると口を横に開いて歌っている雰囲気↓になり、上げると縦に開いて歌っているように聞こえます(個人差があります)。
「すぅさァアいどぱれードォ」という音になるよう調声します。ジェンダーを弄ると「兄さん頑張ってるなあ…」と思います。喉の負担が凄そう。
■子音の強調
「す」「さ」「ぱ」の子音にダイナミクスでアタックを付けます。「す」のブレシネスも山を作ってはっきり聞こえるようにしました。
ついでにダイナミクスを弄って吐息の大きさを削ります。そのままだとコヒュコヒュうるさいです。
この先はStudio OneでMIXしつつ、気になるところがあればPiapro Studioの画面に戻り調声します。
■オケと合わせる
※MIXに関してはド素人です。各パラメータの意味も良く分かっていません。プリセットにいつもお世話になってます。
音合わせをし大きさのバランスを取ります。
再生して音を聴きつつボーカルの波形を見つつ
オケにイコライザをかけて、ボーカルとぶつかりそうな部分を削ります。ボーカルのこもりが解消されるらしいです。
ボーカルにコンプをかけて(2度目)
子音がコヒュコヒュと目立っていたので、MIX画面を漁っていたら発見した「Noise Removal」とやらを掛けました。
イコライザ(2度目)。低音をカットして、ボーカルが目立つように少し持ち上げます。
初回のコンプとイコライザは声作り、2度目のコンプとイコライザはオケとの馴染ませのために行っているイメージです。2度掛けた方が好みの歌声になったのでこのようにしていますが、MIXが上手い人なら一度にまとめて出来るのかもしれません…私にはMIXの事がなにもわかりません…助けて…
気を取り直して更に加工します。ディストーションをうす~く掛けて少し歪ませます。こうした方がオケに沈まない気がします。
黄色で囲っている部分のみ弄っています。
ディレイを掛けます。プリセットのままだとエコーが大きすぎたように感じたので少し弱めました。
いまだにディレイとリバーブの違いが分かっていません。
パラメータはほぼ全てプリセットを元にし、「なんとなく」設定しています。MIX師様が見たら卒倒するようなことをしているのではないかとビクビクしています。
最終的にこうなりました。やりすぎでは?と毎回思います。
■音量調整
コーラスを合わせ、音量調節をします。
左からメインボーカル、下ハモリ、ラジオ加工ボイス(カバー02:01~)、上ハモリ、オケの音量です。
メインボーカルのMIXもですが、それ以上にコーラスのMIX方法が分かっていません。プリセット頼りです。誰か助けてください。
■書き出し→仕上げ
SoundEngine Freeを開き、ノーマライズ→マスタリングリミッター。
何故わざわざSoundEngine Freeを使うのか?というと、Studio Oneでのマスタリング方法が分からなかったためです。宝の持ち腐れ。
ノーマライズ後リミッターを掛けると右のように全体音量が大きくなるので、これで完成です。
と言いつつマスタリング後に「バランスわっっっる」と感じる事も少なくないので、そういった場合には再びStudioOneに戻りMIXします。
できあがり。
パワーがあると言えるような…そうでもないような…
この記事を書きつつ聴き直していたのですが、喉で歌っているような声になってしまったなあ…と感じました。もっと腹から声出せ。
■おわりに
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
大まかに纏めると
①音程調整(Piapro Studio画面)
②ボーカル声質調整(Studio One画面)
③母音・子音調整(Piapro Studio画面)
④オケとのMIX(Studio One画面)
⑤書き出し、マスタリングリミッター(SoundEngine Free)
の順で調声しました。
KAITO_Powerがあればこんなに面倒な事をしなくても良かったのでは?
終
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