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【赤-善逸】そのあり得ない強さについて

やしろです。

前回の記事はこちら

※記事内に他記事のリンクがありますが、記事の最後に再掲するので最後まで読んでから飛んでもらえると嬉しいです!

※本記事では下記の表記を使用します。
 デッキ名:【デッキ色-デッキ俗称】
 カード名:《必要エナジー/消費AP カード名》
例)【青-宿儺】《4/1 虎杖悠仁》等



突然ですがみなさん、「鬼滅の刃」という作品をご存じでしょうか。

~中略~

とまあ作品自体は国内外問わず大人気なわけですが、ことユニオンアリーナの競技シーンにおいては不遇タイトルと言わざるを得ません。

先日行われた世界大会でもこんなことがあったそうな……

海外勢と会話を楽しんでいた時に、通訳の方に

「このゲーム、ポスターには鬼滅の刃あるんですけど、使用してるデッキがみなさん同じで鬼滅の刃を見ないです、なんででしょう…?鬼滅の刃ぐらいしか知ってる作品がなくて…」っていう素朴な疑問を受けてしまいました。

一応しっかり回答しておきました!

https://note.com/marumarusinboon/n/nbfb77304a91f

「しっかり回答」(意味深)

ところがどっこい、カードプールを見てみると意外に骨がありそうなテキストが多いじゃあないですか。
自身が【黄-炭治郎】からユニオンアリーナを始めたのもあって、鬼滅のコモンパーツは一通り揃っています。80円(!?)のSRたちを追加購入して紫・赤のデッキも組んでみることにしました。

今回は「鬼滅の刃」の中でも特に不遇、というかびびるほど誰も話題に挙げていない【赤-善逸】デッキについての紹介になります。

■デッキのコンセプトについて

「我妻善逸」「嘴平伊之助」「竈門炭治郎」のそれぞれが、他の誰かが自分の場にいることにより強力なメリットを発現するいわゆる「名称指定系」です。……ま 待って!まだ帰らないでください!!

特定の名称のカードを並べるタイプのデッキは、フロントLの制約があったり2~3種の複数名称がすべて揃わないと効果を発動できなかったりとネガティブなイメージを持っている人が多いと思います。
でも大丈夫!本デッキの名称指定効果はすべてフロントL・エナジーLの制約なし、かつ効果ごとの発動判定は「誰か1種類が場にいること」です。お手軽!

■採用圏内のカードについて

カード種類別・エナジー帯ごとに紹介していきます。

◆0-1エナジー

《0/1 炭子》《1/1 善子》はそれぞれ「炭治郎」「善逸」としても扱います

名称指定の対象になるカードが0エナジーに3種、1エナジーに2種います。0~1エナジーのカードは試合の初めに必ず2枚以上プレイするカードなので、ここが指定の名称で固まっているのは非常に心強いです。

レイド元である《0/1 我妻善逸》《0/1 嘴平伊之助》はゲットトリガー、《0/1 炭子》は序盤に強いBP2000で、かつ終盤も仕事をし得るインパクト無効持ちです。

《1/1 善子》《1/1 嘴平伊之助》はともにBP2500で、序盤の戦闘を支えます
。《1/1 善子》は登場時トップ確認もでき特に優秀な1枚。

◆2エナジー

炭治郎が同ステータスで2枚いてややこしい
レアリティを基に左側を「U」右側を「R」と記載します

特に目を引くのが《2/1 我妻善逸》の登場時効果。トップ7枚からレイドキャラをサーチする破格の性能を持っています。自身もレイド元であり、序盤から終盤までいつ引いても嬉しいカード。《4/1 嘴平伊之助》をサーチ・素出しすることで無理やり名称を揃えに行くこともあります。

《2/1 竈門炭治郎:U》はよく見る共通テキスト。毎ターンレストにすることでキャラ1体のBPを+1000し、BP3000~3500を有効アタックに変えたりBP4000でBP5000の壁を踏み越えたりできます。
後述の《4/1 嘴平伊之助》の登場時効果との相性がgood。

《2/1 竈門炭治郎:R》は「伊之助」がいれば自ターン、「善逸」がいれば相手ターンにBP3500となり、序盤にフロントLに置くカードの中でも最高峰の性能を持っています。先攻2ターン目に善逸をエナジーLに置きながら《2/1 竈門炭治郎:R》をフロントLに出せると、レイドが絡まなかった場合のほとんどの相手の攻撃をシャットアウトできます。

なぜか踏み越えてくる人たちもいます

中盤以降3500の攻撃は通りづらくなりますが、《2/1 竈門炭治郎:U》と組み合わせることで優秀なフロント要員でありつづけます。
この2種の2/1炭治郎のバランスが構築のキモになりそうです。

《2/1 竈門禰豆子》は普通のアクティブニコタマ。名称指定に引っかからないのが惜しいところです。

◆3エナジー

《3/1 猪子》は「伊之助」扱いです
カラーは2種どっちもデッキコンセプトに対応

カラートリガーの《3/2 我妻善逸》はやや控えめな効果。登場時に場外からキャラを拾えますが、「善逸以外」の指定が足を引っ張ります。現代ユニオンアリーナだと誰でも良くて拾ったカードはレスト登場かレイドになっていそうな気も……
BP3500、ステップ、ニコタマと良い要素は持っていますが採用には至らなそうです。

一方《3/1 猪子》の「3/1 BP3000 ステップ・ニコタマ・トリガー持ち」はニコタマを必要とする多くのデッキで採用されるスペックで、その上でこのカードはレイド元。文句なしのテキストです。
BP3000は《2/1 竈門炭治郎:U》と相性が良く、いざとなればステップもあるので強気に前に出していけます。

もう1種のカラートリガーである《3/1 宇髄天元》は、登場時にディスカードのない優秀なサーチ効果を持っています。そのサーチ対象は[特徴:天元の嫁or変装]。《0/1 炭子》《1/1 善子》《3/1 猪子》の3種が特徴:変装に当たります。
名称を揃えるに当たり優れた効果ではあるのですが、あくまでもサーチ対象は3種類のカードだけで他の「善逸」や「伊之助」はサーチできないこと、自身のBPが2000しかなく登場時以外に仕事がないことから採用はなさそうです。
発生エナジー2であれば1~2枚入れると活躍したかも。

《3/1 ムキムキねずみ》は、全タイトルに配られている対抗色相手に必要エナジー2で登場できるニコタマです。
《3/1 猪子》同様、《2/1 竈門炭治郎:U》の強化を受けてアタッカーになれるBP3000が優秀。
反応する対抗色は紫と黄色です。
紫については言わずもがな。黄色は現状そこまで高いシェアではありませんが、新タイトルで人気のあるテーマに黄色が多いので今後発動の機会は増えていきそうです。

◆4-5エナジー

真打登場

第一のエース、《4/1 嘴平伊之助》
「炭治郎」がいる間はインパクト持ち、「善逸」がいる場合は登場時に味方1体をアクティブにすることができます。レイドキャラがインパクトを持っているのは強デッキのひとつの指標であり、そのハードルが低いのも◎。
登場時効果も非常に強力で、
・このターンにレストで出したばかりのキャラがアタックに参加できる
・このターンにレストで出したばかりの《2/1 竈門炭治郎:U》の起動効果を使える
・《2/1 竈門炭治郎:U》の起動効果を1ターンに複数回起動させられる⇒BP3000 2体をバフしたりBP2000をBP4000まで引き上げたりできる
・(トリガーでめくれた場合)すでにブロックに参加してレストになっているキャラを起こしてブロックに参加させられる(疑似アクティブトリガー)
と用途は多岐にわたります。特に《2/1 竈門炭治郎:U》や後述の《4/1 煉獄杏寿郎》と組み合わせた動きが優秀です。
また、相手によっては《5/1 宿儺》や《3/1 アーマーキング》等のレスト効果に対しても有効に働く場合があります。

《4/2 嘴平伊之助》は非常にピーキーな性能のカード。
BP5000、アクティブイン、インパクト1にダメージ2と恐るべきスペックを持っていますがアタックフェイズの終了と共に退場します。猪突猛進。
BPが高いこともあり確実に相手に損害を与えられますが、2AP分の仕事をしてくれるかは難しいところ。

NEW CARD SELECTIONで追加された《4/1 煉獄杏寿郎》は他タイトルを含めて見てもトップクラスの単体性能を誇るカードです。
最近流行りのBP4000・インパクト無効に加えて、「「杏寿郎」以外のキャラが狙い撃ち対象にならない」「退場時味方1体をBP+1000」と防御面で非常に優れた効果を発揮します。おまけにアクティブトリガーまで。非の付け所がありません。
余談ですが、鬼滅のプールに「狙い撃ち」を持つキャラは1種類しかいません。開発者がオタクすぎる……🙏
BP4000のカード群の中で唯一アクティブインの手段がないので、《4/1 嘴平伊之助》で起こしたい筆頭カードになります。逆にこのカードが追加されるまでは《4/1 嘴平伊之助》で起こしたいカードが不足していた感がありますね。
退場時効果は、BP4000のキャラだけでなくBP3500の《2/1 竈門炭治郎:R》に振っても有効に働きます。また、相手がBP4000×4体で攻撃してきたとき、最初の攻撃を《4/1 煉獄杏寿郎》でブロックし、2発目をBP4500以上のキャラでブロックすると、3発目の攻撃で《4/1 嘴平伊之助》がめくれた際にライフ損失1枚、盤面損失1枚で相手の攻撃を受けきることができます。状況次第では狙ってみても良いかも。

第二のエース、《5/1 我妻善逸》
「炭治郎」がいる間はダメージ2持ち、「伊之助」がいる場合は登場時に2ドロー1ディスがついています。
条件付きかつ5エナでニコタマ必須とはいえ、《4/1 宿儺》と同じ登場時を持ちかつ序盤に活躍するダメージ2を持っているのは強力です。《4/1 宿儺》はインパクト持ちであるため序盤で容易に切れないことがありますが(もちろんフィニッシャーを兼ねていることは宿儺の強みでもあります)、こちらは切り込み隊長なのでガンガンプレイしていけます。序盤からプレイしたいダメージ2と登場時ドロー効果は非常に噛み合いが良いです。
また、《4/1 嘴平伊之助》にも共通していますが、「炭治郎」が必要なのはアタック時だけなので受けの際に意識すると役に立つかもしれません。手札に次の炭治郎をプレイする余裕があるなら場の炭治郎は除去されてしまってもOKです。
逆に、レイドトリガーの受けを作りたい時は「伊之助」が場に残るよう注意しましょう。

《5/2 煉獄杏寿郎》は、《5/1 紅蓮弐式:SR》を彷彿とさせるテキストを持っています。手札2枚、AP2を消費してアクティブ登場し、BP3000以下を除去しながらターン終わりまでインパクト。

なんかこの記事紫ギアスがよく出てきますね

《5/1 紅蓮弐式:SR》と比較したときのメリットは
・除去とインパクトが不要なときには手札消費を抑える選択肢が取れること
・消費する手札は何でも良い(手札の何かしらのカードにレイドできる、と捉えられる)こと
です。
対してデメリットは、
・レイドトリガーではないこと
・ターンをまたいで1APずつ使えないこと(カレンは前のターンに出しておけばエナジー発生やブロッカーとしての仕事がある)
・額面通りエナジーLに5エナないとプレイできないこと(《5/1 紅蓮弐式:SR》はレイド元の発生エナジーを数えることができるため、場に3エナや4エナの状態でも手札次第でプレイ可能)
といったところでしょうか。
デッキ単位で見ると、相手キャラのBPを下げる手段がある【紫-ゼロカレン】では《5/1 紅蓮弐式:SR》の登場時でBP4000以上を取ることも可能、というのも差として挙げられそうです。
パッと見強力なカードで小物除去はダメージ2との相性も抜群なのですが、意外とシビアな運用を迫られる印象。採用するとしても1~2枚程度になりそうです。

再度余談ですが、鬼滅の2APキャラBP3000以下退場させすぎじゃないですか?

◆フィールド・イベント

鬼滅はすべてのファイナル・スペシャルにパラレルがあります
安価でデザインも良いのでオススメ

《弁当》は《2/1 竈門炭治郎:U》と同じ起動メインを持ちます。
アクティブインが偉いポイントですが、比較維対象の名称が「炭治郎」であることと《4/1 嘴平伊之助》の存在から採用されることはなさそうです。

《全集中の呼吸》は割愛。

《雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃》は、「善逸」がいることで除去対象がBP3000以下からBP5000以下に変わる最もスタンダードなスペシャル。
扱いやすくて良いスペシャルです。

■サンプルリスト

デッキ内のほとんどのカードが指定名称で固められており、
0にはBP2000、1にはBP2500が、2にはBP3000こそいませんが条件付きBP3500がいます。

レイド2種がインパクト・ダメージ2・ドローを網羅しており、レイド以外のBP4000ラインも優秀です。
インパクト無効もたっぷり入っていて受け性能も高い。

なんだか結構強そうですね!?!?
っていうか絶対強いっしょ!!!!!!

いっちょ回してみますか!!!

はいはいはい いいね
まあまあ
うんうん うーんまあまあまあ
はい?


■【赤-善逸】の問題点

◆トリガー割合が終わっている

サンプルリストから一部抜粋
お分かりいただけただろうか……

普通にデッキを組むと1/3のカードにトリガーが付いていません。

◆カラートリガーが弱い

BP2500以下除去 ダメージ2との相性は良いが……

緑と並んで最弱と名高い赤のカラートリガーですが、このデッキは主軸にダメージ2が組み込まれているのでこれを防ぐために相手が小物を前に出してくることは多いです。
毎回カラートリガーこえ~~~って言われるんですが、入ってません。カードが弱いので……

◆ドロートリガーが引くほどない

↑引けないのにね

2件。2件!?

善逸というか、そもそも赤鬼滅のプールにこの2枚しか存在していないです。なんで?

◆総評

盾が終わっている

■Vol.2への期待

既存のカードにこれ良いじゃんがめっちゃある

↑こんな雰囲気のテキストが追加されたら嬉しいです。
正直なところメインのパーツはすでに十分強いので、期待するのは
すべてトリガーがある前提で←重要
・ドロー・サーチ持ち
・3/1 BP3000のニコタマ
・レイド「炭治郎」
になります。名称が「善逸」「伊之助」「炭治郎」3人のどれかであればなお良し。

グッドデザイン賞
めちゃくちゃ良いテキストだと思います

《3/1 和泉愛依》の互換テキストの炭治郎が来たら嬉しすぎて泣くかもしれない。
アクティブでもドローでもありませんが、《2/1 我妻善逸》のサーチに炭治郎が引っかかるようになったり過剰に引いた炭治郎にアタッカーに化けるルートが残ったりと良いことづくめです。

他タイトルのVol.2では既存テーマに結構クリティカルな強化をもらっている印象があるので、鬼滅のVol.2にも期待してしまいます。
黄色や紫もあと一歩のデッキという印象なので同じく期待が高まるところ。
バンダイさん、よろしくお願いしますよ。


最後までお読みいただきありがとうございました。


■リンク

・前回記事

・「鬼滅いないけど…」の事件現場


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