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 サウジアラビア 韓国産の防空ミサイルを購入

韓国型パトリオットミサイル「天弓2」、サウジアラビアに向け約32億ドルの輸出契約を締結=韓国報道
 
 韓国型パトリオットミサイルと呼ばれる国産中距離地対空誘導兵器「天弓2」がサウジアラビアへの輸出に成功した事実が公開された。アラブ首長国連邦(UAE)に続いて2番目の中東に向けた輸出だ。

 韓国国防部は6日、「韓国とサウジアラビア国防部は、韓・サウジアラビア国防相会談を契機に、2023年11月に韓国LIGネクスワンとアラブ首長国連邦国防部との間で締結したM−SAM−2の砲台10門約32億ドル(約4730置億円)規模の契約を結んだことを公開した」と明らかにした。

 「天弓」は国防科学研究所(ADD)主導のもと、韓国の防衛産業企業であるLIGネクスワンなどが開発した航空機および弾道ミサイル迎撃システムで、交戦統制所と3次元位相配列レーダー、垂直発射台などで構成されている。

 誘導弾は弾頭にレーダーと慣性航法装置(INS)、探索機、指令受信機があり、後方には固体ロケット推進機関と操縦翼を備えている。

 天宮は最大射程距離が40キロメートルに達する。高度40キロメートル以下で接近する敵の航空機とミサイル迎撃に使用される。1つの発射台当たり8基の誘導弾を搭載することができ、1つの発射台で数秒間の短い間隔で単発、連発射撃ができる。数機のレーダー機能を1つのレーダーに統合した3次元位相配列レーダーは、すべての方向から接近する数十の敵のミサイルを同時に探知・追跡することができる。

 天弓は最高36度、最低マイナス30度の環境と激しい雨、電磁波でかく乱された状況でも発射できる。また、高速・高機動能力で回避する標的を正確に迎撃したり、多数の標的に対して同時に射撃できる能力を備えている。

 天弓はアラブ首長国連邦で開かれた多国籍防空・ミサイル防御訓練「ファルコンシールド(FalconShield)」にも参加し、対空防御能力を披露している。

https://www.wowkorea.jp/news/read/422956.html

 韓国が開発した「天弓II」がサウジアラビアに向けて輸出される。UAEに続いて中東で2例目となる。別の記事を見てみよう。

韓国型パトリオット10基 サウジに輸出=UAEに続き2例目
 
【ソウル聯合ニュース】「韓国型パトリオット」と呼ばれる弾道ミサイル迎撃システム「天弓2」10基をサウジアラビアに輸出する32億ドル(約4760億円)規模の契約が昨年11月に締結されていたことが6日、分かった。韓国の申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官のサウジ訪問に合わせて同部が発表した。
 
 天弓2は韓国型ミサイル防衛(KAMD)の主力兵器として、国防科学研究所の主導で2012年から開発が進められ、韓国軍需企業のLIGネクスワンが製造する中距離・中高度の地対空迎撃ミサイルシステム。17年に戦闘用として適しているとの判定を受け、18年から量産が進められている。最大射程は40キロで、高度40キロ以下で飛行する航空機やミサイルを迎撃できる。

 天弓2の輸出は2022年1月のアラブ首長国連邦(UAE)に続き今回が2例目。韓国の防衛産業の競争力が海外市場で認められた証しと評価される。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20240206003900882?section=politics/index

 「韓国版パトリオット」ということで、最大射程40キロ、高度40キロとなっている。では、本家パトリオットであるPAC3は、どうだろう。航空目標では、80km、弾道ミサイルは、20kmとなっている。改良型のPAC3 MSEは、航空目標100km、弾道ミサイル30kmとなっている。前提として、軍用で使用される装備に関しては、性能は秘中の秘なので、正確な性能は違う可能性が高い。その前提で考えても、天弓IIは、パトリオットを超える性能を持っているということになる。

 過去記事を見ると、面白い記事が見つかった。

「韓国を信頼できないのか」とUAEに問いただす…イスラエルを抑えた「天弓II」の顛末(1)
 
◆進撃のK(韓国)防衛産業

 先月、「韓国・サウジアラビア共同声明」が採択された。両国が防衛産業(防産)を含む全方向の協力を強化するという内容に「ミスターエブリシング」がサインした。中東の盟主がK防産に注目している。イスラム圏メディアではサウジアラビアが隣国のUAEに続いて「天弓II」の購買を控えているという報道もあった。複雑な国際政治地形を突破して中東の空を守ることになったK防産の技術力と外交力を見てみよう。

 「進撃のK防産」がまた大ヒットする勢いだ。昨年ポーランドで大規模な契約をしたのに続き、サウジアラビアでも大規模な契約を控えている。
 
 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が先月、サウジアラビア・カタールを国賓歴訪したのがきっかけだ。尹大統領は先月24日(以下、現地時間)、サウジのリヤドでムハンマド・ビン・サルマン皇太子と「韓国・サウジ共同声明」を採択し、全方向での協力強化を明らかにした。全方向での協力には防衛産業も含まれている。これに関し趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室長は先月26日のメディアのインタビューで、サウジに対する防産輸出規模について「規模が非常に大きい」と明らかにした。

 軍事専門メディア「ディフェンス・セキュリティ・アジア」は先月27日、サウジが「コリアン・パトリオット」の購買を控えていると報じた。同メディアはサウジが関心を見せた韓国武器体系の中にはLIGネクスワンの「天弓II」(韓国版パトリオット)防空体系があるとし、サウジが領空を守るために隣国のアラブ首長国連邦(UAE)に続いてこの防空体系(天弓II)を購入する可能性が高いと伝えた。

 その間、サウジはオイルダラーで全世界から先端武器を導入してきた。米国のパトリオットはサウジの購買目録にあり、最も高価な防空体系である米国の高高度防衛ミサイル(THAAD)の砲台7基も契約した。問題は米国の防空体系が石油富国のサウジでも負担を感じるほど高いという点だ。パトリオットは砲台1基あたり7000億ウォン(約800億円)を超える。さらにサウジが自由に運用することもできない。サウジはパトリオットの製造企業RTX(旧レイセオン)に運用まで任せている。

 結局、サウジは安くて質が高い防空体系を求め、韓国を協力の対象として注目した。軍事専門家のチェ・ヒョンホ氏は「米国は納期が遅いうえ、米議会の承認も障害になることが多い。サウジは性能・納期が優秀な韓国防空体系を好むしかない」と話した。

 これに先立ち韓国のLIGネクスワン・ハンファシステム・ハンファエアロスペースとUAEのタワズン(TAWAZUN)経済委員会は昨年1月、35億ドル(約5260億円)規模の天弓II契約に署名した。タワズン経済委員会はUAE国防省調達契約を管理する機関だ。UAEが天弓IIを選択したのは意味が大きい。UAEの防空体系は米国のTHAADとパトリオットだ。しかし2015年9月のマアリブ空襲以降、UAEは防空体系の代案を探すことになった。当時、イエメン内戦に加わったUAEはマアリブ地域にサウジやバーレーンと駐留していた。この連合軍基地にフーシ派反乱軍がロシア製OTR-21トーチカ短距離弾道ミサイル(SRBM)を撃った。この攻撃でUAE軍52人、サウジ軍10人、バーレーン軍5人が戦死した。UAEの創軍以降、最大の人命損失を出した日だった。ミサイル攻撃当時、マアリブ周辺に連合軍はパトリオットを配備した。しかし過熱のためにパトリオットレーダーを24時間稼働できず、レーダーの電源を消している間にフーシ派反乱軍のミサイルが飛んできた。連合軍が対応できなかった理由だ。

https://japanese.joins.com/JArticle/311142?sectcode=220&servcode=200

「韓国を信頼できないのか」とUAEに問いただす…イスラエルを抑えた「天弓II」の顛末(2)
 
 それ以降、UAEは新しい防空体系を物色した。韓国は天弓を24時間稼働可能な防空体系にアップグレードできるとUAEに強調した。交渉は順調に進んだ。2020年9月15日まではだ。

 この日、米国の仲介でUAEとイスラエルが修交するアブラハム合意が締結された。その直後、UAEはイスラエル製防空体系の購買を検討した。韓国は韓国はUAEに強く問いただした。「修交したばかりイスラエルと特別戦略的パートナー関係の韓国のうちどちらを信頼するのか」と尋ねたという。結局、UAEは韓国の天弓を最終的に選択した。

 UAEはすでに韓国から導入して実戦配備した天弓IIを現地で試験発射したが、天弓IIが目標弾道ミサイルを正確に直撃して完全に破壊した。政治的な考慮を除いて純粋に軍事的観点で選択した天弓IIの優秀性を表している。
 
 一方、ディフェンス・セキュリティ・アジアは3月、マレーシア空軍が中距離防空システムに「天弓」を考慮していると報じた。天弓がK防産の輸出に寄与している。

https://japanese.joins.com/JArticle/311143

 長いので、まとめてみよう。

・サウジアラビアが「天弓II」の購入意思がある
・サウジアラビアは、パトリオットを7砲台購入している
・パトリオットは砲台1基あたり7000億ウォン(約800億円)を超える
・サウジアラビアは、パトリオットの運用も自由にできない
・パトリオットは、納期が遅い。米国議会の承認が必要だから
・サウジアラビアは性能・納期が優秀な韓国防空体系を好むしかない(笑)(自画自賛)
・UAEも、天弓IIを購入した
・2015年9月のフーシ派反乱軍がロシア製OTR-21トーチカ短距離弾道ミサイル(SRBM)の攻撃の際に、連合軍はパトリオットを配備した。しかし過熱のためにパトリオットレーダーを24時間稼働できず、レーダーの電源を消している間にフーシ派反乱軍のミサイルが飛んできて、被害が出た
・韓国は天弓を24時間稼働可能な防空体系にアップグレードできるとUAEに強調した

 2015年の9月のフーシ派の攻撃の際にパトリオットがレーダーを24時間稼働できなかったとなっているのだが、真意は不明だ。別の理由があったのか?その個体の問題だったのか?色々と検索してみたが、パトリオットでそのような問題があったという記事は、ない。

 そもそも、パトリオットよりも安価で、性能は劣るとしている天弓IIがパトリオットより性能がいいというのは変だと思わないのだろうか?

 高価なパトリオットを購入し必要な場所に台数を揃えることができないよりは、性能が低くても無いよりはマシということで、数を揃えるというのはアリだろう。

 UAEがイスラエルとアブラハム合意によって関係が接近し、イスラエルの防空システムを購入するつもりだった。あの「アイアンドーム」だ。ただ、イスラエルが、簡単に輸出するとも思えない。性能も実証されているアイアンドームが欲しいところだが、イスラエルにしても、UAEを手放しで信じることもできないだろう。

 サウジアラビアも、イスラエルからアイアンドームを購入なんて絶対にできない。かといって、パトリオットは高い。では、安い韓国製でいいか。という感じなんだろう。

 「韓国を信頼できないのか」とかいう問題ではない。韓国製のものに信頼なんてしていないだろう。北朝鮮の弾道ミサイルの発射に対する対抗措置で、弾道ミサイルを発射した韓国軍。そのミサイルは、発射した基地の敷地内のゴルフ場に落下したくらいだ。方向も逆で、ミサイル発射の失敗もすぐに公表しない。いつもの韓国らしい対応だ。

 韓国製の武器が好調だと書いているのだが、アメリカ製の兵器を高価で購入できない国や、ロシア製の兵器では性能が心配。代わりがないので、韓国製でいいかという、いつもの隙間商法だ。もっと、問題だと思うのが、アメリカ製の武器の代わりに韓国製を選んでいるということだ。韓国製がなければ、アメリカ製の武器が売れていた可能性が高い。新品でなくても、中古品が売れていた可能性もある。

 アメリカの軍需産業がこれを放置するだろうか?もっと怖いのは、こういう情勢が不安定で、流動的な国に武器を輸出するという危険を知っているのだろうか?これらの国と敵対する国や組織から韓国が目をつけられる可能性もある。

 テレビや、自動車、スマホを輸出するのとは訳が違う。それも、わからないだろう。

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