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韓国 雑談ねた 2024.6.5 韓国の「石油・ガス埋蔵」、経済性評価は時期尚早…

 今日は、朝からいい天気です。今日も1日ご安全に。

 韓国から突然、石油・天然ガスが見つかったー!という発表があったのだが、国内でも賛否両論のようで。


尹大統領「東海ガス田のボーリング承認」…産業部「商業開発2035年」

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は3日、「浦項(ポハン)の迎日湾(ヨンイルマン)沖に140億バレルに達する石油とガスが埋蔵されている可能性が高いという物理探査の結果が出た」と述べた。この発表に関連業界は期待を示したが、「ボーリングまでは予断できない」との慎重な評価も示されている。

 尹大統領はこの日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室のブリーフィングルームで、「本日、産業通商資源部(産業部)に対し、国内の深海の石油・ガス田に対するボーリング調査計画を承認した」としつつ、上のように述べた。大統領は「現政権発足後の昨年2月、東海(トンヘ)ガス田周辺にさらに多くの石油ガス田が存在する可能性が高いとの判断のもと、世界最高水準の深海技術評価専門企業に物理探査の深層分析を任せた」とし、「最近140億バレル(1バレル=159リットル)に達する石油とガスが埋蔵されている可能性が非常に高いとの結果が出た。有数の研究機関と専門家たちの検証も経た。これは1990年代後半に発見された東海ガス田の300倍を超える規模で、韓国全体が天然ガスは最大29年、石油は最大4年以上使える量だと判断される」と述べた。

 尹大統領は、「これからは、実際に石油とガスが存在するのか、実際の埋蔵規模はどれくらいかを確認するボーリング調査の段階へと移行する。少なくとも5カ所のボーリング孔をあけなければならないが、1カ所につき1000億ウォン(約110億円)以上の費用がかかる」とし、「世界最高のエネルギー開発企業もすでに関心を示している。国民の皆さまには落ち着いてボーリングの結果を見守っていただきたい」と付け加えた。

https://japan.hani.co.kr/arti/politics/50208.html

 ボーリング調査をしないと、なんとも言えないという話なのだが、そうだとしたら、何を根拠に大規模な油田があると言えるのだろうか?

 ボーリング調査に1か所1000憶ウォン必要で、最低5カ所なので、合計5000憶ウォンだ。かなりな金額だ。それでも、出てくればまだいい。


韓国産業部、尹大統領の「浦項石油試掘」突如発表に当惑…「大統領室が決定」

 資源開発・エネルギー関連の主務省庁である産業部もざわついていた。尹大統領の国政ブリーフィングにアン・ドックン産業部長官が同席することを、産業部の報道官室も午前9時ごろに認知し、「内容を把握中」だと9時40分に記者団に伝えた。産業部は「突如の発表」となったことについて、「大統領室が決めた事案」だと説明するにとどまった。アン長官は、「先週確定した結果について大統領室と緊密に意思疎通し、昨日(2日)大統領に探査結果を直接報告した」と述べた。事前予告なく極度の保安の末に発表がなされた背景について、大統領室と産業部の内外では「不正確な情報が事前に流出すると、投資市場に影響を与えうるため」と説明されている。

 証券市場に上場されている資源開発関連株は急騰した。韓国ガス公社、韓国石油、興丘石油などは一斉に価格制限幅まで上昇して取引を終えた。別の石油・エネルギー・鋼管テーマ株である中央エナビスは前取引日に比べ29.5%上昇。大東スチール(27.91%)、ハイスチール(19.91%)、大成産業(15.00%)なども急騰して取引を終えた。

 共に民主党のイ・ヘシク首席報道担当は、「今回の発表は、下落傾向にある支持率を上昇させるための局面転換用の発表なのではないかと非常に疑われる」と論評した。改革新党のホ・ウナ代表はフェイスブックで、「大統領の初めての国政ブリーフィングの素材が『迎日湾(ヨンイルマン)沖に石油がある』だとは。唐突な大統領」だと述べた。ホ代表は、「目立つ部分では大統領が出てきて、責任を取って反省すべき部分では徹底的に隠れている、本当にひきょうな大統領だ」と批判した。

https://japan.hani.co.kr/arti/politics/50207.html

 こういう発表をすればエネルギー関連の株が買われるのは定番だ。ボーリング調査の結果も、先になるので、今回の結果で支持率が上がれば、その期間はなんとか政権を保てるかも知れない。

 しかし、こういう時に上がった支持率は、少し時間が経てば、元に戻ってしまうし、油田がなければ、一気にその支持率も失ってしまう。かなりな賭けだ。


韓国の「石油・ガス埋蔵」、経済性評価は時期尚早…業界「掘ってみないと分からない」

ボーリング孔を5カ所あける計画…「失敗の責任は問わない」 
政府「ボーリングで石油・ガスが出る確率は20%」 
 
 韓国政府が慶尚北道浦項(ポハン)の迎日湾(ヨンイルマン)沖に大規模な石油とガスが埋蔵されている可能性を示したが、実際の商業生産につながるには不確実性が高い。まず最初の段階である深い地中を掘り下げるボーリング調査で石油・ガスを見つける確率を、政府は20%と見通している。通常、石油探査からボーリング、生産に至る一連の過程は、期間が長くかかるだけでなく、「ハイリスク・ハイリターン」の様相を呈する。「存在の可能性」だけでバラ色の未来を描くことは難しいというのが、専門家らの反応だ。

 3日の韓国政府の発表によると、政府は浦項近海の東海(トンヘ)の深海(迎日湾から38~100キロメートル離れた地域、深さ1キロメートル)に少なくとも35億バレル、最大で140億バレルの石油とガスが埋蔵(探査資源量基準)されている可能性があると判断した。探査資源量とは、物理探査の資料解釈を通じて算出した推定埋蔵量で、ボーリングを通じてはまだ確認されていないものを指す。政府が明らかにしたガスと石油の探査資源量は、それぞれ最大12億9000万トン、最大42億2000万バレルだ。これは、韓国全体の使用量と比べると、ガスは最大29年間、石油は最大4年間使用できる規模だ。

https://japan.hani.co.kr/arti/economy/50209.html

 「探査資源量とは、物理探査の資料解釈を通じて算出した推定埋蔵量で、ボーリングを通じてはまだ確認されていないものを指す」ということなので、資料解釈を通じて算出した推定埋蔵量という、資料を読んで、自分の都合の良いように解釈して、推定してみた埋蔵量とも言える。

 結局、ボーリングしないと何もわからん!という話に落ち着く。最近話題になっている中米のガイアナでも大規模な油田が採掘され、経済が一気に上向いている。

 2015年にエクソン・モービルがガイアナの沖合200kmで発見して、2019年に生産を開始している。生産をしながら探査地域も拡大して、新たな油田がみつかったりしている。ボーリング調査で、商業生産に向かない場所もあるので、石油が見つかっても、全てが生産できるものでもない。

 隣国のベネズエラが石油が出てきた沖合の場所は、ベネズエラの土地だと言い出していたり、資源が発見されれば、こういう事はどこでも起きる。

 尖閣諸島も、中国が領有権を主張し始めたのは、海底資源が見つかってからだ。結局、エネルギー、資源問題ということになる。

 国に金が入ると汚職も問題になってくる。急に金持ちになると使い方がわからん!というやつだ。国も豊かになって、国民の生活も豊かになるだろう。税金も免除になり、社会保障も充実するが無料という感じになるだろう。

 資源がある間はいい。資源がなくなってきたり、新しいエネルギーが開発された時が問題になる。資源がない国からすれば、羨ましい限りだ。何もしなくても国が全部支給してくれる環境というのは想像できない。

 韓国の予想される埋蔵量は、そこまでではないので、経済的な恩恵は限定的だろう。


迎日湾石油を分析した米国の専門家が5日にも訪韓

慶尚北道浦項市(キョンサンブクト・ポハンシ)迎日(ヨンイル)湾一帯の石油・ガス埋蔵の可能性を分析した米国企業「アクトジオ(Act-Geo)」の創業者ビクトル・アブル博士(写真)が早ければ5日にも、韓国で記者会見を開く。政府の発表後、さまざまな議論が巻き起こる中、直接疑問点を解消するという。

4日、政府関係者によると、アブル博士は早ければ5日にも韓国石油公社とともに記者会見を開く予定だ。アブル博士は東亜(トンア)日報に「韓国石油公社と秘密保持協約を締結しているため、技術的な面については答えられない」としながらも、「今週中に石油埋蔵の可能性について提起されたいくつかの質問に答えるために石油公社の経営陣と協議する」と述べた。

韓国石油公社は昨年、東海(トンヘ)岸沖の深海探査資料の分析を同氏に依頼した。政府関係者は「アブル博士は資源物理探査解析の権威で、大手石油精製企業のエクソンモービルで高位エンジニアとして長い間働いた人物」と話した。

この日、アクトジオの本社住所が米国の一般住宅であることが明らかになり、「1人会社」ではないかという論争が巻き起こった。同社の本社は、米不動産取引会社のウェブサイトに、家賃7000ドルの住居用賃貸物件として登録されている。ビジネス特化型SNS「リンクトイン(Linkedin)」によると、アブル博士はアクトジオで2015年8月から昨年11月まで最高経営者(CEO)として勤めた後、退社した。昨年5月からは、ブラジル所在のエネルギー企業であるFluxusOGEの共同創業者兼最高技術責任者(CTO)として働いている。

https://www.donga.com/jp/article/all/20240605/4985668/1

 アブル博士は、専門家であるのは間違いないようなのだが・・・別の記事でも、アブル博士の事が書かれている。


CEOが米堆積地質学会長出身…「迎日湾石油埋蔵分析」米アクトジオとは=韓国

浦項(ポハン)の迎日湾(ヨンイルマン)の石油埋蔵と関連した物理探査段階で深層分析を担当した米国アクトジオに対する関心が大きくなっている。石油開発の初期段階のひとつである物理探査は弾性波検査などを通じて地下油田構造を調査する。人体のエックス線写真を撮るのと似た形だ。アクトジオは浦項近海に最小35億バレルから最大140億バレルの石油とガスが埋蔵されている可能性があるという評価結果を昨年末韓国政府に通知した。 
 
資源開発業界によると、アクトジオは2017年に設立された米ヒューストン所在の深海探査評価専門コンサルティング企業だ。各国の石油・ガス会社、政府機関、大学に地球科学分野のコンサルティングと教育サービスを提供する。韓国、カザフスタン、ミャンマー、ブラジルなどの探査プロジェクトを支援した経歴がある。仁荷(インハ)大学エネルギー資源工学科のカン・チョング招聘教授は「物理探査を専門にする機関は多くないが、アクトジオは小さい企業ではあるが専門家の間で人望がある。韓国石油公社の場合、まだ探査分析技術力が優れておらず外部の専門機関に依頼したもの」と説明した。
 
アクトジオ最高経営責任者(CEO)のビクター・アブレウ博士は米国堆積地質学会(SEPM)会長とエクソン・モービル地質グループ長などを歴任した世界的な深海地域探査の権威として知られている。2000年から米ライス大学の兼任教授も務めている。SEPMの韓国アンバサダーであるソウル大学地球環境科学部のチェ・ギョンシク教授は「SEPMは由緒深く権威がある学会。アブレウ博士は大手石油会社で長く勤務し対外活動も活発にした人物」と評価した。

韓国産業通商資源部関係者は、「アブレウ代表は過去エクソン・モービルにいた時に現在最も大きい鉱区であるガイアナ鉱区の開発に直接参加した。アクトジオの人材は少ないが代表が定評のある人物で、深海評価履歴が多く韓国石油公社の入札過程を経て選ばれた」と明らかにした。続けて「物理探査は石油公社が直接担当し、その資料解釈をアクトジオが引き受けたもの」と付け加えた。

https://japanese.joins.com/JArticle/319496

 物理探査というのが、弾性波検査ということで、調べてみると、海底の調査ではなかったのだが、コンクリートや地表を調べる検査方法としてはあった。超音波などを使って、海底の振動の違いを調べる方法ではないのだろうか?

 振動の違いで材質の違いを予想し、過去のデータと比べることで、地底の材質まで特定する。そういう事なんではないだろうか?

 この博士がエクソン・モービルにいたときに、あのガイアナの油田の開発にも参加しているので、実績があると言えばあるのだが・・・

ただアクトジオとアブレウ博士の評判とは別に、専門家らは物理探査段階での数値があくまでも推定値であることに注目しなければならないと口をそろえた。カン教授は「石油開発は通常、物理探査、ボーリング、開発、生産の4段階を経るが、その中で最も重要なのはボーリング。物理探査が電波を利用して予測するならば、ボーリングは実際に掘ってみるもので、ボーリングまでされてこそ確定埋蔵量を話すことができる」と説明した。

チェ教授もやはり「韓国東海は探査するのが非常に難しい環境。物理探査結果はあくまでも間接的な推定値のため直接ボーリングをして確定値が出るまでは保守的に見るのが一般的だ」と話した。

https://japanese.joins.com/JArticle/319496

 この話題だけで、これだけ色々な記事が出てくるので、話題としてはいい。内容も、悪い話ではないので、色々と考えを巡らせるには面白い。

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