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韓国 出生率が最低を更新

 韓国の出生率が年々低下しているが、2023年も最低記録を更新して、OECD加盟国の中で最下位だ。

韓国の少子化加速 23年出生率0.72で過去最低に
 
【世宗聯合ニュース】世界でも例のない少子化が続く韓国で、昨年の出生数と合計特殊出生率がまたも最低記録を更新した。統計庁が28日発表した2023年の出生数は前年から1万9200人(7.7%)減少した23万人で、前年に続き過去最低を記録した。1人の女性が生涯に産む子どもの数に相当する合計特殊出生率も前年比0.06ポイント下落した0.72で、過去最低となった。合計特殊出生率は15年(1.24)をピークに8年連続で下落傾向を示しており、21、22年にいずれも0.03だった下落幅が昨年には2倍に拡大するなど、下落のスピードも増している。
 
◇10~12月期の出生率 初0.6台に

 昨年10~12月期の合計特殊出生率は前年比0.05ポイント下落した0.65と初めて0.70を割り込んだ。

 同期間の出生数は5万2618人で、前年同期比3905人(6.9%)減。昨年12月の出生数は1万6253人で、前年同月と比べ643人(3.8%)減少した。

 統計庁のイム・ヨンイル人口動向課長は、ここ3年では昨年の合計特殊出生率の減少幅が大きかったとして、新型コロナウイルス禍で婚姻件数が大幅に減った影響とみられると説明した。

 韓国の少子化は世界でも類を見ないほど深刻な水準だ。21年の時点で経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国のうち、合計特殊出生率が1.00に満たない国は韓国が唯一だ。女性の第1子出産平均年齢(32.6歳)も加盟国の中で最も高い。女性の出産年齢は上昇傾向にある。平均出産年齢は33.6歳で、前年比0.1歳上昇した。35歳以上で出産した女性の割合は前年比0.6ポイント上昇した36.3%。

◇底の見えない少子化 出生数は7年前に比べ急減

 第1子の出産年齢は33.0歳で、前年から0.1歳上昇した。第2子と第3子の出産年齢もそれぞれ0.2歳、0.1歳増えた34.4歳、35.6歳となった。

 23年に生まれた第1子は13万8300人で、前年比6700人(4.6%)減少した。第2子と第3子はそれぞれ9500人(11.4%)、2900人(14.5%)減少した7万4400人、1万7300人。

◇政府は婚姻件数増加で出生率改善に期待も…

 政府は今年の出生数と合計特殊出生率も下落傾向が続くと見込んでいる。統計庁の昨年の推計によると、今年の合計特殊出生率は0.68だ。

 新型コロナのエンデミック(一定期間で繰り返される流行)移行後に婚姻件数が増加したことは今後の出生率改善の肯定的要因とされるが、政府は子どもを持たない共働き夫婦が増えているため決して楽観できないと分析した。

 イム課長は「婚姻件数の増加が出産につながる蓋然(がいぜん)性があり、合計特殊出生率が反発する余地はある」とする一方、結婚後も子どもを持たない傾向が強まっており、婚姻が出産につながる可能性は過去に比べ低いと述べた。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20240228001500882?section=society-culture/index

 2023年の合計特殊出生率が0.72人で2022年の0.78人から0.06ポイント下落した。OECD加盟国の中では最低の記録で、しかも1人を割っているのは、唯一韓国だけだ。

 2023年の10月から12月の出生率は、0.65人と0.7人を切っているので、2024年の合計特殊出生率は、0.7人を切ると言われている。

 1人だとしても、夫婦で1人しか子供がいないと、単純に人口は半分になる。それが続くと、どんどん人が減る。1人以下の韓国の場合は、夫婦に子供がいない人が多いので、更に人口減少が早くなる。

 どこの国でも、少子化の問題を抱えている。夫婦共働きじゃないと生活できない状況では、共働きしながら子供を産み育てるというのは、本当に大変だ。

 韓国の場合は、子供が生まれても激しい受験戦争で、塾に通わせたり、深夜まで勉強させるのが普通なので、親の負担も増える。激しい受験戦争で戦っても、上位グループの財閥企業に入れるのは、全雇用数の10%程度しかいないので、かなり狭き門だ。

 親も地獄だが、子供も地獄だ。これが、韓国のリアルな姿だ。

韓国、30兆円以上投じても最悪の出生率…ジェンダー平等・労働短縮なしには効果低い
 
 28日、統計庁が昨年の合計特殊出生率が年間基準で過去最低水準の0.72人に下がったと発表したことで、韓国政府が実効性のある少子高齢化対応策を打ち出せるかどうかに関心が集まっている。

 専門家たちは、世界最高水準の労働時間、家庭と仕事場での男女差別などの問題に注目しなければならないと指摘する。一部では、政府と政界が現金支援の拡大だけに重きを置いていることに懸念の声もあがっている。

生活の質を保障せず30兆円以上投じたところで…

 政府が少子化現象を国家的議題に設定し、本格的な対策準備に乗り出したのは2004年からだ。以後、政府は2006年に初めての「少子高齢社会基本計画」の樹立を始め、5年単位で基本計画を更新してきた。大統領直属の少子高齢社会委員会の資料によると、2006年から2021年まで少子高齢化対応政策に分類された事業に投入された政府予算は280兆ウォン(約31兆5千億円)。2004年の合計特殊出生率は昨年より1.6倍多い1.16人だった。

 20年にわたる努力にもかかわらず、少子化現象が深刻化しているのは、結婚と出産を避けたり、諦めるようにする社会経済構造と認識が変わっていないためだという分析が多い。

 この間、無償保育の拡大と児童手当の導入および拡大、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後に始まった親給与など、出産と養育の「費用」の負担を軽減する努力は続いたが、仕事と家庭の両立ができるほどの労働時間の短縮や男女差別の解消に至らなかったということだ。

 ソウル女子大学のキム・ジンソク教授(社会福祉学)は「結婚と出産を選択した人の『生活の質』を保障する取り組みが必要だ」とし、「子どもを産んだら政府があれこれ恩恵を与えるようなアプローチは、ある程度時効を迎えたといえる」と語った。
 
 労働時間とジェンダー平等のレベルが出産率と明確な相関関係を示すということは多くの研究で確認された。

 一例として国会予算政策処が2018年に出した報告書「韓国の少子化の原因と経済的影響」には、既婚女性の労働時間が週当り1時間増えれば1年以内に妊娠する確率が0.3%低くなり、未婚女性が勤務時間外の仕事をした場合、1年以内に結婚する確率が3.7%減少するという内容が含まれている。

 韓国保健社会研究院が先月出した「社会経済的発展にともなう出産率とジェンダー平等の関係に関する研究」は、世界の146カ対象を分析した結果、後期産業化社会ではジェンダー平等レベルが高いほど合計出産率が高くなるという分析結果を示している。

 このような研究結果に比べ、現政権になって、社会全般の労働時間を短縮しジェンダー平等を実現するための政策が見られないのは懸念を抱かせる。むしろ昨年、労働時間をさらに増やす効果をもたらす「週69時間勤務制」を進めようとして、世論の激しい反発に遭ったうえ、ジェンダー平等主務部署の女性家族部を廃止する方針に縛られている。

 最近、尹錫悦大統領の指示で、企画財政部が検討している出産奨励税制の恩恵は、国策研究院さえ効果が低いとみている。韓国租税財政研究院のクォン・ソンジュン副研究委員は27日に出した報告書で、「20~30代は他の年齢層に比べ、所得水準が低く、所得税負担もやはり低いか、免税者である可能性が高い」として、「所得税支援を通じた少子化対応は容易ではないだろう」と指摘した。

https://japan.hani.co.kr/arti/politics/49289.html

 韓国政府も、30兆円以上を投じて、少子高齢化対策に費用を捻出している。ただ、日本でもそうだが、お金を出しても、その政策が本当に意味があることに使われているかは怪しい。何が一番効果的なのか?それが実際には、わかっていない。お金があっても、子供ができるかは別だし、パートナーが見つかるかも別の話だ。

 働きすぎは、婚姻の機会も下げるし、出産の確率も下げるというのは、イメージできる。出産にかかる費用や育児にかかる費用を政府が負担すれば、子供の数も増える可能性はある。

 しかし、それらを国がバックアップするということは、税金が投入されている。その財源を賄うには増税するしかない。増税して、支援金も貰っても役人の仕事が増えているだけだ。同じような事を、増税くそメガネがやっていたが。

 企業の業績が好調であれば、法人税の税収アップを期待できる。企業の業績を上げるには、残業規制とか最低賃金のアップは、企業にとってはデメリットだ。労働する側からすれば、残業規制も賃金アップも当然必要なことだが。

 企業の業績のためには、みんな働いて欲しい。しかし、みんな働いて残業すれば、婚姻の可能性も下がるし、子供の数も増えない。完全に矛盾している。

 国家としては、人が増えて多くの人が税金を払ってくれて、更に労働力を提供してもらわないと成り立たない。純粋に昔から変わっていない。

 女性は、子供を産むための道具ではない。なんて言葉もあるが、出生率の話題が出るたびに、女性一人が生涯で産む子供の数が、合計特殊出生率なんて言われる。その数値自体が、何か釈然としない。

 色々な支援金も、金を払うから子供を産めと言われているような気がする。少子高齢化対策も必要なんだろうけど、ロボットやAIを使って人が就労しなくても社会が回るような仕組みを考える方が大切なのかも知れない。

 それでも、子供を産めるのは女性だけなんだが・・・

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