キャナァーリ倶楽部のドキッ!こういうのが恋なの?を聴いた短い感想文
思い立ってキャナァーリ倶楽部(名前ヤバイな)の"ドキッ!こういうのが恋なの?"を聴いた。
つんく♂が書く純度の高いアイドルソングの中でも、時代に左右される言葉が出てこない名曲。曲中に流れてくる名詞を抽出すると「あなた 願いごと 呪文 時 恋 昨日 乙女 気持ち のど ラブ」になる。これだけで97年の広末涼子みたいな輝きがある。
これは恋なの?と自覚しつつある乙女の心情を歌っているのだけど、断定をさけながら「かもね」を効果的に挟んでいるのがにくい。それは二番では「いいな」になって曖昧な肯定へ移っていく。
例えどれだけ使い古された表現の連なりに見えても、切り離された場所に置かれた「…かもね」と「…いいな」の、その三点リーダーが妙な心情をたたえている。それは音として曲に乗らないところにある、完全に詩として目配せされたもので、私はつんく♂のそういうところが好きだ。彼がどんなに明るい曲を作っても、気軽に手放さない寂しさこそがつんく♂をつんく♂足らしめているところだと思う。
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