示唆富み〜(IKKO flow)
マルクス・ガブリエルのインタビュー本、『マルクス・ガブリエル新時代に生きる「道徳哲学」』/丸山俊一 NHK「欲望の時代の哲学」制作班 を読みました。
NHKのインタビュー番組の書籍化です。
今の時代、というかこの状況(遠い未来人がこのデータだけを見つけて読んでくれたときの為に記すと、西暦2019年終盤から続く非常に感染力の強い疫病によるパンデミック)には、哲学が必要なんじゃないか、という漠然とした意識が、この状況下に入ってからあったのですが、どうやらこのマルクスもおんなじ事思ってそうだったので、ウェーイっつってコブシとコブシをぶつけたくなる気分で読みました。
数学的真実と、哲学が議論する真実の違いに対して、答えてる部分があって、
数学は選択する公理によって、いくつかの形式があるけど、ある程度数学的真実は導き出せても、どの公理が正しいか、最適かは分からない、選択の仕方は数学の範疇にない。
哲学は、どの公理がより良いかを議論する。哲学によって研究や数学が導かれるべきだ、
的な事を言ってて、これこれ、ウェーイと思っておりました。数学的な真実では見えなくなってしまう哲学的な世界の理解を、より必要とするのではないか、と。
人間が現実に関与する際、そこに仮想と想像の層が必ずあり、思想の外で現実と接さない、思想は第一の学問だと。
所謂スピってるような思想とか、グノーシス的な神話体系も、ここら辺の思想に合流というか、研磨する事である種近しい着地点に行くのではないかな、と思ったり、一方(?)、ゴジラS.P.のアーキタイプみたいな自然科学を凌駕する場の理論が出来上がるのかな、とか、どんなふうに世界が振れるのか楽しみではあります。
自分は、現状や状況の認識には、個々人、或いは帰属する集団に深度の差異があると思っています。今の時期は、深度が近しい人々としか行動を共にできない状況だ、とも思っています。
できるだろうけど、過度のストレスや衝突は避けられないだろうなと考えます。
その差異はある種の科学信仰も物質主義も手伝って、大きな分断を生んでいる元とも言えると思います。そんな事を思いながら読みました。
この本はインタビュー形式で、ほとんどエッセイに近い雰囲気の本で軽く読めましたし、現状に対する示唆に富んでいて、なるほど、と思わされる事山の如しでした。
(山の如しの使い方が孫子と武田信玄と違いますが、気にしないでください)
原文と訳文を対で読みたいなと少し思いました。
(野暮な話ですが、この人のめっちゃ有名な著書、『なぜ世界は存在しないのか』や、2018年10月号の『現代思想』も合わせて読まれると、良いと思います)
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