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AI:ソムニウムファイル 感想

待ちに待った打越さんの新作ADVをクリアしました。
打越さんといえばever17と極限脱出シリーズで有名な、複雑なトリックとその伏線回収に定評のあるゲーム脚本家です。
数年前にever17をプレイしたところめちゃめちゃハマる&感動した経験から僕はこの人の作品に興味津々なのです。



以下ネタバレありの感想


総プレイ時間は50時間でした。
これだけ聞くとボリュームは普通〜多めに聞こえますが、気になるところを毎回ポチポチと調べながらプレイしたことと、アニメのように登場人物が動くビジュアルノベルなため細かいところを気にせず進めれば15〜20時間でクリアできる人もいるみたいで、過去作と比べると意外と少なめです。
でもキャラクターのモデルがとても活き活きとしていて見ているだけでとても楽しかった。これに関しては極限脱出の正当進化だと思います。前は3dsとvita用に作られていたので。スペックが上がってより繊細な表現をできるようになったのは素直に嬉しいです。

ストーリーに関しては、応太ルートでツボの中から世島のバラバラ死体が出てきたときが一番びっくりしました。
しかも一件落着後イリスが包丁持ち去ってたり連珠が硝子の眼球呑んでたりしたことが分かって…最初に遊んだこのルートが一番なんだなんだ!って展開で興奮しました。
(同じ犯人の仕業かと思ってたらもしかして違うのか…?)
そう感じた序盤が自分としてはピークで、ただ、それ以降は謎が比較的易しかったというか、意外と予想通りな展開というか、これまでの伏線から推理すれば解決できることが中盤の時点で多かった気がします。
謎の引っ張り具合、どんでん返し具合ではever17や極限脱出の方が好きだったかもしれません。
でもストーリー・トリックの面白さは安定してたし、爽やかにエンディングを迎えられたし、後日談でも伏線回収と解説をめちゃめちゃ丁寧にやってくれる様は流石打越脚本だと思いましたよ。
あとソムニウムパートではアイボゥに無茶苦茶な指示(というか7割方無茶苦茶な指示しかない)をするのが楽しかったです。一々アイボゥの反応が面白かった。


ここからは明確な不満点?
・寒いギャグや下ネタが過去作より異常に増えすぎた
増えすぎってくらい増えてしまって、極限脱出と比べると多分2,3倍はあったかと思う。確かにそれも世界観の一つだし自分も好きなんだけどそれでも多すぎると感じるぐらい。極限脱出くらいが理想です。エロ本ネタは面白かったけどね。
・(switchのパッケージ版限定?)ロードが長い
会話の中で映像等が出てくる度に長めのロードが入り会話のテンポが悪くてちょくちょくイライラしました。ビジュアルノベルということで、基本読む・見るしかしないゲームでこのロードの長さはもうちょっと改善してほしかった。switchのパッケージ版だけかもしれないですけど。
・アクションパート(ソムニウムパートではない)の疾走感が足りない
↑で書いたロードが長いせいなのか、みずき√で世島邸に攻め込んだ時やイリス√で沖浦水産にイリスを助けに行った時に起こる連打や決められたボタンを押すアクションパートのテンポがめちゃめちゃ悪かったです。アクションパートが起きる前には決まってアイボゥの脳内シミュレーション映像が挿入されるので、その映像をロードするために毎回待たされたりして折角のアクションパートに疾走感がありませんでした…。やはりロードの長さはネックか。


以上、個人的にはever17や極限脱出の衝撃を超えられはしませんでしたが、それらのハードルが高過ぎただけで小綺麗にまとまっていて良いビジュアルノベルだったと思います!
(というか、最近やったレイジングループが面白すぎたせいで余計ハードルが上がっちゃったってのはあるかも。脚本家が違うのでここではあまり比較するようには書きませんでしたけど。)

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