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ドミニカでの野球文化に関する情報交換

私は2月から3月にかけてドミニカ共和国(以下、ドミニカ)へ行ってきました。
まず、私が何を目的にドミニカを訪問したかと言いますと「野球を通して相互国間の友好関係を築く」という目的の元、外務省の広報文化外交の一環である「中南米対日理解促進プロジェクト」というプロジェクトの一員として訪問しました。数回の記事の投稿で私の経験を紹介させて頂きたいと思います。

この記事では、日本とドミニカ両国の野球文化に関する情報交換をしましたが、それについてまとめています。

1. 大使館、大学での情報交換

我々は、両国特有の文化や野球文化の違いに関する情報交換を実施しました。

私はまず、駐ドミニカ大使館、ペドロエンリケスウレーニャ大学(首都サントドミンゴ市内に存在する私立の総合大学、以下UNPHU)で日本の野球文化を発表し、議論をさせて頂きました。

発表した内容は主に、
日本野球におけるサイエンス、野球競技人口問題、普及方法、NPB、甲子園大会、NPB在籍のドミニカ選手、国際大会での立ち位置などです。私の発表は、大使館の方々や野球部所属の大学生、のちに説明する各アカデミーのコーチ陣や経営者を始め、MLB通算650試合登板でかつてのイチロー選手のチームメイトであるミゲル・バティスタ選手や現メッツのロビンソン・カノー選手のお父様であるソリアーノ・カノー氏、元西武、オリックスで活躍されたエステバン・ヘルマン氏にも聴いて頂きました。発表後の質疑応答においては、彼らと貴重な議論や情報交換が出来、非常に有意義な時間となりました。特に、日本の部活動文化に関して非常に強い興味を抱いてくれたようでした。ソリアーノ氏は息子さんが日系企業のスポーツメーカーと契約しているらしく、加速度センサー内臓ボールに関しても興味を抱いておられました。私は、今後も交流を継続し、多くの議論をして行きたいと思います。

2. V. ゲレーロ氏との情報交換

ブラディミールゲレーロ氏の自宅を訪問し、情報交換を行いました。彼の家は街の半分ぐらいの大きさであり、家に到着してから会うまでが大変でした。

ゲレーロ氏とは、かつてMLBのエクスポズ、エンゼルス、レンジャーズ、オリオールズに所属し、11年連続3割25本以上をマークし、オールスターには9度出場、2004年ア・リーグMVP受賞、さらには2018年にアメリカ野球殿堂入りを果たした正真正銘の大スーパースターです。ドミニカで彼を知らない人はいません。彼からは、野球で人生を激変させた自身のことや、日本に対する思いなどを聞く事が出来ました。貧困家庭で育った少年が野球によって人生を大きく変えるという、ドミニカ野球のプロトタイプのような選手です。

現在の仕事はというと、環境に慣れない渡米したドミニカ人のサポートやドミニカの野球普及に尽力されているみたいです。また、彼も尊敬する日本人はイチロー選手だそうです。野球選手としても人間としても尊敬されるイチロー選手、こんな方が同じ日本人というのは本当に誇らしいですね。

尚、現在トロントブルージェイズで4番を打つ息子さんのことも誇りに思ってらっしゃいました。今のゲレーロさんの夢は息子さんらを全員MLBへ排出することだそうです。

3. D. マルティネス氏との情報交換

ドミンゴマルティネス氏と会食をし、情報交換をしました。彼はかつて1997年から2001年まで日本プロ野球の西武と讀賣に所属し、活躍された方です。ちょうど私がプロ野球にのめり込みはじめた時期の選手であり、隊員の中で唯一現役時代を知る身として激しく興奮しながら話を聞かせてもらいました。マルちゃんという呼び名が懐かしいですよね!

彼は現在、中日のスカウトとして活動しており、中南米エリアにいる日本野球に適応出来る忍耐力がある人材の発掘に努めておられます。ドミニカの野球選手は基本的にMLBを目指して野球に取り組むことが多いケースですが、NPBとの契約も視野に入れつつ野球に取り組む選手も少なくはありません。やはり契約金や年俸が高いことが魅力なんでしょうね。そんな選手達の為にも、ドミニカにはNPB入りに特化した施設「広島カープアカデミー」も存在します。マルティネス氏からはNPB時代のことを多く聞くことが出来ました。プロ野球知識比べ対決では、無事勝利させていただきました。

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