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David Fletcherの契約延長まとめ


David Fletcher(LAA) 5年総額2600万ドル               21年$2MM  22年$4MM  23年$6MM  24年$6MM  25年$6.5MM  26年$8.5(1.5)MM  27年$8.5(1.5)MM

15年ドラ6で入団。18年に昇格を果たし、80試合で打率.275OPS.678を記録。175センチと小柄ながらバットに当てる技術はMLBでもトップレベルで20年は打率.319でリーグ3位。ポジションは二塁を中心に遊撃と三塁も守れ、左翼での起用もできるユーティリティープレイヤー。

その他選手たちとの比較


Jose Ramirez 4年総額2600万ドル

 Fletherと同じく175センチの小柄な選手で、二塁、三塁、遊撃に左翼までこなすUT性とコンタクト能力に優れている点が共通している選手です。16年にレギュラーを奪取してOPS.825、11本塁打を記録。パンチ力は上といった感じでしょうか。その後の活躍は述べる必要性すらなく、4年間で3度目のMYP投票トップ3入り。



Cesar Hernandez 

17年$2.55MM  18年$5.1MM  19年$7.75  20年$6.25MM  21年$5MM   合計$26.65MM

 低迷期のPHIでメジャー昇格を果たし、15年に二塁のレギュラー奪取。当初はUT性も持ち合わせる選手で、昨季は58試合でDRS6を記録して初のゴールドグラブを受賞。16,17年と打率.294を記録し出塁率も.370台をマークし、18年には19盗塁に加えて、15本塁打とパンチ力もみせた。ただ、OPSは低下してKingeryの存在もあってノンテンダーとなった。ノンテンダーとなったのは予想年俸が約$11MM達することも原因のひとつ。


 そのScott Kingeryはメジャーデビュー前に6年2400万ドルの契約延長を手にしました。15年ドラ2でプロ入りしプロスペクトとして評価を受けてきた選手でポテンシャルの高さを評価されての契約でした。ポジションは投手を含めて7つをこなし、18年はCF、19年はSS,20年は2Bをそれぞれメインにこなす汎用性を発揮するも、プロ3年間でOPS.677(Fletcherは通算.732)。

Enrique Hernandez

18年$1.6MM  19年$3.725MM  20年$5.9MM  21年$6MM  22年$8MM    合計$25.22MM

 スーパースター軍団のLADでバッテリー以外のすべてのポジションをこなすスーパーユーティリティーとして確立。明るいムードメーカーとしても人気でジャージ売り上げがTroutよりも上という快挙も。通算OPS.738はFlethcerに近いですが、打率の自己ベストは.256で21本塁打を放ったパンチ力が持ち味の一つ。ただ、2年契約で加入したBOSではリードオフマンとしての活躍に期待がかかる。


まとめのまとめ

 Flethcerが契約延長を手にしたのは汎用性の高さも大きいかなと思います。もし、二塁しか守れなかったらそこまで需要はないでしょう。打撃に関しては時代に反してパンチ力は乏しくもコンタクト能力のある巧打者タイプです。Jose Ramirezのようになるかは別にして、2020年のような成績を残しチームの主力選手として活躍してくれれば、チームにとってはかなりのお買い得契約になるのは間違いありません。

 Cesar Hernandezのケースをみれると、レギュラー定着を果たした以降、16年fWAR4.4  17年fWAR3.3 18年fWAR2.2 19年fWAR1.7と年々fWARが低下していき、19年オフにノンテンダーとなってFA市場へと出ました。年俸調停制度だと成績が下降していっても、年俸は上昇していきますので、この年俸では現在の活躍度に見合っていないと判断されればノンテンダーとなってしまいます。選手側から見れば安定した条件下でプレーできるのが理想のはずです。契約延長に合意しなければ、年俸調停でより良い年俸を得られると思いますが、その分ノンテンダーとなる可能性も出てくるということも言えるのではないでしょうか。

 また、Flethcerは年俸調停権を有していなかったので、今季年俸はメジャー最低年俸でしたが、新契約によって$2MMへと昇給することになりました。その分、5年目の年俸は$6.5MMと低く抑えられていて、球団側にとっては将来のペイロールに柔軟性を得られる利点を狙った感じでしょうか。$2MMぐらいあれば、リリーバーの一人ぐらいは獲得する予算になるはず。

 仮にFletcherがスーパーユーティリティー的な役割に落ち着いた場合、Enrique Hernandezと比較しても、年俸は決して高くなく、むしろ適正といって良い。タイプは異なる打者ですが、安定した守備力を維持して、OPS.740前後あれば十分すぎるでしょう。昨季は対左投手に出塁率.408,OPS.908と記録していて、対右投手のOPSとは.161の差があり、対左投手要員のスーパーユーティリティーという役割にもシフトできるかも。

 

 年俸調停権を得ていない選手との契約は、基本的にはチームにとって有利な、お買い得契約に感じることが多いのは仕方ありません。そうでなければ、契約延長なんてしませんから。以前のケースでも、Jose Ramirezは球界最大のバーゲン契約となり、Ozzie Albies(ATL)の契約延長も大きな話題となるバーゲン契約だといわれています。FletcherがCesar HernandezやEnrique Hernandezと比較するのが正しいのかは意見がありそうですが、FlethcerがLAAの中心選手として活躍を願っています。

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