MLB今日の移籍市場(Super Rosario)

インディアンスがEddie Rosario外野手と契約

インディアンスがEddie Rosario選手と1年800万ドルで契約合意。

 Rosarioは19年に32本塁打109打点(ともにキャリアベスト)をマークした選手でしたが、積極打法でもあり、四球を選ばないタイプ。また、強肩が売りもトータルの守備力は平均以下とされています。ツインズで中軸の担っていた選手ですが、今オフはツインズからノンテンダーFAとなっていました。この判断は有望株のAlex Kirilloffが控えているため、若返りとともにペイロールの余裕を確保して、他のポジションへの補強資金に回すためでしょう。契約を提示されていた場合の予想金額は860万ドルから1290万ドルとなっていました(MLB Trade Rumorsより)。また、前年の年俸は775万ドルとなっていて、前年からだと25万ドルアップしたことになります。

 1年800万ドルは打線強化を図りたいチームにとってはお買い得ではないでしょうか。契約合意前にはレッドソックスが狙っていたともいわれていましたが、外野の層が薄く、チームの顔Francisco Lindor遊撃手が抜け中軸に不安のあるインディアンスにはフィットしています。

まあ、そもそもレッドソックスは、レフトにAndrew Benintendiがいますから、噂に上がっていた彼のトレード話が成立しなければ、獲得には至らなかったのではないでしょうか。もしくは、ライトでHunter Renfroeと併用?いや、それはただのぜいたくでしかないですね。

 Rosarioは併用起用のイメージがないのですが、下記の通り、対左投手に苦しんでいて、昨季は特に苦しんでいます。打率は同じですが、ともかく左投手相手に長打を打てていません。

対左投手成績
2020年(左)  打率.236出塁率.263長打率.273OPS.536RC+45
2020年(右) 打率.265出塁率.333長打率.548OPS.882wRC+132
通算(左)    打率,277出塁率.304長打率.406OPS.710wRC+88
通算(右)   打率.277出塁率.312長打率.507OPS.818wRC+113

RosarioとSchwarber、そしてPederson。三人の左翼手について。

 今日は、Rosarioと同じく主にレフトでプレーするJoc Pederson外野手も、カブスと1年700万ドルで契約合意と報道がありました。どうも、来季の相互オプションがあるらしいですが、詳細はまだわかっていません。

 Pedersonはあのスター軍団ドジャース一筋でプレーし、19年には36本塁打を放ったパワーが売り。左投手が苦手で、通算対左投手打率.191OPS.576、右投手の打率.238OPS.849とだいぶ差が開いています。当然のように、選手層の分厚いドジャースでは左投手相手にはまったく打席に呼ばれなかった選手です(2020年は10打席)。今シーズンは打率.190と不振でしたが、プレーオフの経験も豊富な実力者です。

 カブスでもプラトーン起用の可能性がありますが、おそらく右打者のNico HornerもしくはPhillip Ervin(開幕前に放出される可能性もあり)辺りとの併用が考えられます。昨季、前者はOPS.571wRC+63、後者はOPS.481eRC+47と打撃成績はあまり良くありません。現状では、レギュラーとしてより多くの出場機会が与えられる可能性もあります。

 Pedersonと契約したカブスは、昨季までの左翼手Kyle Schwarberをノンテンダーで手放しています。

 そのSchwarberは、ナショナルズと1年1000万ドルで契約合意。こちらも来季の相互オプションがあり、球団がオプションを破棄する(バイアウト)際に300万ドルを支払うことになっていて、正確には、今季の年俸は700万ドルとなっています(Pedersonもオプションがあるなら、年俸とバイアウト額の合計が700万ドルということになりそう)。

 Schwarberも19年に38本塁打をマークした強打者で、Pedersonと同じようにキャリア全体では左投手を苦手とし、2020年はOPS.597、三振率36.1でした。ただ、2019年は打率.229OPS.756をマークしており、左投手相手にも伸びしろがありそうです。

・まとめ(られる範囲で)

Eddie Rosario 1年800万ドル 20年fWAR0.9 19年fWAR1.2 18年fWAR3.4 17年fWAR2.5
Joc Pederson 1年700万ドル  20年fWAR-0.1 19年fWAR3.0 18年fWAR2.7 17年fWAR0.6
Kyle Schwarber 1年1000万ドル 20年fWAR0.4 18年fWAR2.6 18年fWAR1.5 17年fWAR1.5

 

 Schwarberポテンシャルは特大で、本塁打王のタイトル争いにも参戦できる選手です。まだ、26歳。ナショナルズがFAで獲得できたのは幸運で、カブスとしてはせめてトレードで見返りを得られれば良かった思っているのではないでしょうか。

 Rosarioは低出塁率という課題もありもOPS.836がベストと2選手に比べて低い数字です。ただ、2選手にはないコンタクトスキルを持ち、3選手の中では昨季最も安定した選手といえます。また、対左投手にも比較的対応ができている選手です。ただ、2019年は守備力が大きく低下していて(左足首のケガの影響?)、この年を除いてもあまりよくはありません。WARが低い原因は守備力にあるといえます。

 PedersonはfWARが3.0以上が3回18年も2.7を記録しています。OPSも.840以上を3度マークし、19年OPS.876は3選手の中でベストの数字です。ただ、左投手時の出番がほとんどないため、他2人に加えて打数が少ない傾向にあります。これはドジャース球界NO.1の戦力層が影響していることが多分にあると思われ、カブスでどのような起用になるかが注目です。仮に、左投手相手により多くの打数を与えられたとき、どれほどの成績を残せるか。また、守備力は2019年にLFでDRS6をマーク。キャリア全体でも平均レベルをクリアしているといって良いと思います。

 Rosarioの800万ドル、Pedersonの700万ドルと似たような契約を得た二人ですが、Rosarioは昨季苦しんだ対左投手への対応次第で、例年のような数字であれば、中軸打者としての期待に応えられるでしょう。もちろん、走塁や守備力も最低限の安定感が必要です。Pedersonはドジャースを抜けたことでより多くの打数を得られ、改めて、自身がより安定した選手であるかを証明したいシーズンです。また、Schwarberの代わりの選手としてみられることになり、常に比較されることになりそうです。

 3選手の来シーズンのさらなる活躍とその先のキャリアと評価(市場でどのぐらいの契約を得られるか)を楽しみにしています。

 

 


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