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【読書感想文】死にたがりの君に贈る物語 綾崎隼 著

今日までなんだよ!読書感想文コンテスト!もう9時半だよ、どーするどーする、書く書かない寝ちゃう?いや、書く、例え駄文でも。


先日さらっと書いたこちら読書感想文に、なんと作者がスキを押してくれた。noteの住人なんですよ、綾崎隼さんは。すごいでしょ?プロの作家と繋がれるなんて。感想書いたら見てもらえるなんて。だから、またとないチャンスだ書こうよ、感想文。

この小説を私が一気に読めたのは、とにかく続きが気になるから。あれ、みんな廃校に集まるの?この女の子って最初…した女の子だよね、え?小説の続きが出てきた?こういう場合は小説になぞらえて、誰かが亡くなったりするのか?

などなど考えながらページをめくるも予想はことごとく外れた。ミマサカリオリは生きているとして誰なんだー!と疑問に陥った後は、まんまとミスリードされてしまった。これは作者から読者への挑戦状なんだろうか。

助かったのは、舞台となる廃校の見取り図が載っていたこと。先日読んだ学園ミステリーでは、新校舎の○階からは、旧校舎の○○室が見え、○○室の奥には更に○○があるなど、脳内で図を再現するのに疲れた。私は図面を想像するのが得意でない。

探してしまったのが作中作の人物紹介。この小説自体の登場人物紹介は、見取り図同様、はじめにある。読んでいくと、作中作の登場人物も設定が細かくあり、人同士の繋がりが濃かったりする。その当たりが整理しきれなくて、でももしかしたら、本編ミステリーにおける重要なヒントが書かれているのではないかと、何度も往復した。

さて、本題。この小説のテーマとも思える話。小説は人を救えるのだろうか。

少しずれるが、NHK朝ドラの製作に関わる人の話で気になったことがある。朝ドラは、入院している人のことを考えて作るというのだ。病気などで入院を余儀なくされている人が、毎朝同じ時間に起きて朝ドラを見る、続きが気になるから明日も見ようと思える、生きようと前向きな気持ちになれる、そんな面白いドラマを作りたいというような話だった。

この場合、そのドラマは救いになっていると思う。また、私は今「カムカム エヴリバディ」にどはまりしている。見たからと言って人生がガラリと好転する訳ではないが、今日の放送を見た直後から、明日の放送を楽しみに生きられる、それは一つの生きる希望で救いだとも言える。

私にとってこのドラマが少なからず「救い」となっているように、誰かにとっては何かの小説が、救いになっているのかもしれない。

受け手にとっては救いにもなるし、ならない場合もある、それが小説、広く言えば創作物全般に言えることだとも思う。


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