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甦れ,クワ。(ネット情報だけで語る無観客嘉手納4日目)

ハマのリードオフマン

ロマンのある選手だと思った。
決して大柄ではないその身体から繰り出されるスイングは誰よりも鋭く,打球が上がれば誰よりも速く落下地点へ駆けつける。
日本一になる勢いを生み出すのはこういう選手なんだと思った。

日本一の壁

2017年,大きな壁が立ちはだかる。

福岡ソフトバンクホークス 柳田悠岐

1番に定着した桑原を,その勢いに乗って駆け抜けてきたベイスターズを,その男は一瞬にして飲み込んだ。
柳田を出したら,ホークスは止められない。それは翻って「桑原が打てなければ勝てない」という呪縛となり,チームを支配する。

福岡で2連敗の後,桑原はそれを「1番打者の差」と語った。

日本シリーズ第4戦

3連敗で迎えた日本シリーズ第4戦。横浜スタジアムで見たあの光景を,私は忘れることが出来ない。

スタジアム全体が分かっていた。
1番を抑えること。1番が塁に出ること。それが勝利への絶対条件であることを肌で感じていた。

柳田への初球が決まると,勝ったんじゃないかというほどの大歓声が上がった。柳田がセカンドゴロに倒れると優勝を決めたかのようなお祭り騒ぎ。
そして,1回裏の攻撃が始まる。

勝利の輝きが鳴り止むか鳴り止まないかのその瞬間,桑原の打球がライト前に落ちる。勝った。
勝利を確信させるだけの力が,あの時の桑原のヒットには確かに宿っていた。

1番・中堅の座

今年のベイスターズで最も注目されるのは,「1番・センター」が誰で固定されるかということだ。

一時はレギュラーを掴んだかに見えた神里。未完の大気,関根。メキシコの英雄,乙坂。

有望な選手たちが取りざたされる中で,私はいま嘉手納で汗を流す彼の名を挙げずにはいられない。

桑原 将志

横浜の1番は,彼に一番よく映える。


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