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BiSH論Ⅱ

おことわり

私は自称清掃員ではありますが、BiSHを聞き始めて1年程度と日が浅く、これから書くBiSH論について歴史的検証や科学的根拠、データによる裏付けがない感想以下のものであることをご了承ください。

BiSH歌詞の拘り

昔のアイドルといえば、阿久悠さんだとか、松本隆さん、阿木燿子さんだとか大御所が歌詞を書いて、都倉俊一さん、筒美京平さん、平尾昌晃さん等々大御所が作曲して売れるというものが多かったです。「おニャン子クラブ」出現からプロデューサーである秋元康さんが作詞するなど、アイドルをプロデュースする側が作詞するケースが増えました。小室哲哉さんやつんく♂さんも同様です。BiSHもプロデューサーの渡辺淳之介氏がJxSxK名で作詞したり、松隈ケンタさんが作詞するものもあります。

松隈ケンタの作曲に歌詞を乗せる

メンバーたちはデモ音源を聴いて渡辺氏に歌詞を提出、コンペにかけられるのだ。そうすることでメンバーが自主性を持ち、グループに対する愛情が深くなるのだそうです。日本では大御所の作詞に後から曲を付けるというスタイルが多かったのですが、シンガーソングライターが登場してからは曲が先にできて、後から歌詞を乗せるというやり方が増えてきました。桑田佳祐さんはギターのコードを鳴らして、「ウェ、ゴーマイ・・・」とか適当な英語みたいな歌詞を録音し、曲が完成してから詞を作るというスタイルです。阿久悠さんらの時代は叙情などが大切にされており、きちんとしたテーマに沿った作詞とそれを聴き手に染み入るような曲作りという楽曲が日本のヒット曲でした。シンガーソングライターの登場等で感性や実体験の詞が受けるようになり、自分のことや自分に近いことを歌に乗せることがヒットへ繋がるようになりました。その点においては渡辺氏も「『等身大』で『心を動かすもの』を書くようにと伝えていて。例えば、死にたいと思った人がその曲を聴いて救われるようなものを書きなさいと、アドバイスしています」と語ります。

メンバーが作詞を手掛けた作品

ALLS 作詞:アイナ・ジ・エンド
Am I FRENZY?? 作詞:リンリン
beautifulさ   作詞:リンリン
Beginning, End and Beginning 作詞:アユニ・D
BiSH -星が瞬く夜に- 作詞:BiSH・JxSxK・松隈ケンタ
BODiES 作詞:モモコグミカンパニー
BUDOKAN かもしくはTAMANEGI 作詞:セントチヒロ・チッチ、松隈ケンタ、JxSxK
CAN YOU?? 作詞:アイナ・ジ・エンド、JxSxK
CHOP 作詞:モモコグミカンパニー
DA DANCE!! 作詞:モモコグミカンパニー
DEAR...   作詞:モモコグミカンパニー
FiNALLY  作詞:セントチヒロ・チッチ
Help!!  作詞:リンリン/アイナ・ジ・エンド
Here's looking at you, kid. 作詞:リンリン
Hey gate 作詞:アイナ・ジ・エンド
HUG ME 作詞:ハグ・ミィ
I'm waiting for my dawn 作詞:セントチヒロ・チッチ
Is this call?? 作詞:アイナ・ジ・エンド
JAM 作詞:モモコグミカンパニー
KNAVE 作詞:モモコグミカンパニー
Lonely girl 作詞:ユカコラブデラックス
Marionette 作詞:モモコグミカンパニー
MONSTERS 作詞:ユカコラブデラックス
MOON CHiLDREN 作詞:モモコグミカンパニー
My distinction 作詞:リンリン
NATURAL BORN LOVERS 作詞:アイナ・ジ・エンド
NO THANK YOU 作詞:セントチヒロ・チッチ×モモコグミカンパニー
Nothing. 作詞:モモコグミカンパニー
O・S 作詞:リンリン
Primitive 作詞:ハシヤスメ・アツコ、JxSxK
SCHOOL GIRLS, BANG BANG 作詞:セントチヒロ・チッチ
SHARR 作詞:モモコグミカンパニー
spare of despair 作詞:アユニ・D
STAR 作詞:アユニ・D
STORY BRIGHTER 作詞:セントチヒロ・チッチ
STORY OF DUTY 作詞:アイナ・ジ・エンド
summertime 作詞:モモコグミカンパニー
S・H・i・T 作詞:アユニ・D
Throw away 作詞:アイナ・ジ・エンド
TOUMIN SHOJO 作詞:ユカコラブデラックス
VOMiT SONG 作詞:リンリン
WiTH YOU 作詞:モモコグミカンパニー
YOUTH  作詞:セントチヒロ・チッチ 作曲:セントチヒロ・チッチ
ウォント 作詞:モモコグミカンパニー
狂う狂う 作詞:セントチヒロ・チッチ
社会のルール 作詞:ハシヤスメ・アツコ
スーパーヒーローミュージック 作詞:アユニ・D
デパーチャーズ 作詞:モモコグミカンパニー
飲ませろ 作詞:リンリン 作曲:リンリン
ハッピーエンドじゃなくても 作詞:アイナ・ジ・エンド
パール 作詞:ハシヤスメ・アツコ
ぴらぴろ 作詞:モモコグミカンパニー
ファーストキッチンライフ 作詞:リンリン
ぶち抜け 作詞:モモコグミカンパニー
本当本気 作詞:アユニ・D
まだ途中 作詞:モモコグミカンパニー
身勝手あいにーじゅー 作詞:ハグ・ミィ
リズム 作詞:モモコグミカンパニー 作曲:アイナ・ジ・エンド
ろっくんろおるのかみさま 作詞:セントチヒロ・チッチ
メンバーの作詞曲は以下の通りです。
リンリン9 モモコ19 アイナ9 アユニ6 チッチ9 ハシヤスメ3 ハグ・ミィ2 ユカコデラックス3
作曲はチッチ、リンリン、アイナがそれぞれ1曲です。

メンバーの作詞の特徴

圧倒的に作詞楽曲が多いのがモモコグミカンパニーです。松隈氏はモモコについて「モモコは文学的な才能があって、言葉をすごく大事に歌ってくれます。モモコが歌うと歌詞がドバーンと出てくる気がしていて。歌のうまさとは別次元の、モモコにしか出せない歌があって、それが大きな魅力だと感じていますね」と語ります。モモコの作詞の中には「勉強するいい子」だった自分がよく出てきます。受験中の弟のために書いたという「デパーチャーズ」では「数字の世界だった無感情な日常」と偏差値の上下動に一喜一憂する受験生を闇から救うために行動することが歌詞に込められています。一方で「ウォント」では「意思をはっきり示して行動する」自分が彼に振られて、「見た目重視で少しバカ」な女の子を彼が選びます。彼のためにと思った行動や自分の心が全て無駄になり、何をしても満たされない状況、無駄に終わった時間を取り戻したい焦燥が歌われています。「ウォント」は大人にスケジュールを管理され、ファンに「彼氏はいません」なんて言いながら笑顔を振り撒く、忙しさのために自分が「今何をしているか?」さえわからなくなるような典型的な日本のアイドルではなく、自分自身で清掃員に対して表現するBiSHを象徴するような歌詞になっています。リンリンは「beautifulさ」に象徴されるように、殻に閉じこもって辛い日々を過ごす人たちに勇気を与えるような楽曲です。「絶望した朝」に街に飛び出しても尾崎豊みたいに校舎の窓ガラス壊すこともバイクを盗むこともできない鬱屈した日々を心の中で叫びながら、自分を変えていくような詞になっています。リンリンの感覚の鋭さを感じます。こういった形でメンバーが作詞をすることで、楽曲に対してメンバーが時々の想い出と共に感情を込めて歌うことができるのです。そういった部分がまた清掃員をBiSHにのめり込ませるのでしょう。

そういえば、「MEET THE BEATLES」のジャケットにBiSHの写真寄せてますかね?

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