落ちる球のリスク

逃げない投球

2021年6月8日ベイスターズは西武との交流戦でした。8-3で惨敗。4回ピープルズが四球やエラーで6失点。打線は14安打で3点でした。ピープルズは前回も好投しているので守りに入ってしまいましたね。打たれたくない思いが走ると外角のボール球でカウントを悪くして、交わそうとして落ちる系の球を投げて長打を浴びるというパターンになります。

ボールゾーンに落ちる球はボール

ベイスターズの投手陣は山崎康晃のツーシームをはじめ、スプリットや大家コーチ直伝のカットボールなど落ちる球を使って勝負する投手が多いです。捕手も「亜大ツーシーム」の伝道師東浜投手専用捕手の嶺井などは落ちる球ばかり要求します。落ちる球は打者を空振りに取れた時はウィニングショットとして最高級の働きをします。1980年代初頭まではカーブ、シュートといった横に曲がる変化球がほとんどで1970年代後半から村田や遠藤といったフォークボールの使い手が増えてくると速球とフォークボールの組み合わせで「消える魔球」のごとく打者から三振の山を築きました。ベイスターズでは大魔神佐々木のフォークの威力を覚えている人もいるでしょう。横に曲がる変化球の主流はスライダーに代わり、フォーク、スプリット、ツーシーム、シンカーといった落ちる系ボールをウィニングショットに使う投手が増えはじめ、落ちるボールを見逃すことができる打者も増えてきました。審判の判断もストライクゾーンからボールゾーンに落ちるボールをストライクと判断していたのが、近年はボールと判断するようになっています。山崎康晃が2018年あたりから苦しんだのがツーシームを見逃されボールと判断されカウントを悪くするというパターンです。

ストレートで勝負しろ!

投手が投げるボールはリリースされた瞬間から地球の重力によって地面の方向に力が加わります。伸びのあるボールとか言われる投手は捕手のミットに届くまで重力にあまり負けずに初速と終速が変わらない状況が作れていますがやはり重力の影響は受けます。落ちる系のボールはホームベース近辺で重力の影響を最も受けながら落ちていく回転を加えているのです。打者から見るとアッパーブロー気味にミートすれば長打になりやすいです。ただしキレイなストレートのように順回転していないので簡単にスタンドインはできません。落ちるボールの見逃しリスク、長打リスクを考えると落ちる球をメインにした配球よりもストレート中心に組み立てた方が投手にとっては有利になりそうです。ベイスターズの投手陣は球速があるので順回転のフォーシームではなく、握りだけ少し汚い回転にしてあげてストレート系で組み立てる投球も研究して欲しいと思っています。

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