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NPB初の女性トレーナー林優衣さん退団

お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

閉鎖的なNPBに画期的な挑戦

ベイスターズといえば女性初のプロ野球球団オーナーを生み、2020年に女性初のトレーナー林優衣を誕生させました。MLBでは女性コーチ・アリッサ・ナッケンが一塁コーチを務めたりしています。肉体的なパフォーマンスの差があるため、女性プロ野球選手というのは難しいかもしれませんが、トレーナーや監督コーチに女性がもっといてもいいはずです。

林さんの経歴

林さんは中学まではソフトボール選手。高校で野球部のマネージャーでした。この時の経験から「将来は球団のトレーナーになりたい!」と思うようになったそうです。高校卒業後は『総合学園ヒューマンアカデミースポーツカレッジ』という専門学校で米国大学プログラム専攻されます。米国ネブラスカ州立大学カーニー校に留学し、日本では学べない、実践形式のトレーニングノウハウを学びました。そして日本ハムでインターンをした後に、ベイスターズを見学した際にトレーナー募集をしていることを知り、採用されました。ベイスターズはチームドクターの横浜南共済病院と連携しつつも、トレーナーの数を増やし、チームドクター以外の医師のセカンドオピニオンも含め、MLB並みに積極的に故障を治療し、選手の体をケアする体制を作る過程でした。

林さんの役割

林さんのトレーナーとしての役割は≪ストレングス&コンディショニング≫。体の強化やケガの予防など、選手の能力アップを目指すトレーニングを指導しています。中日に移籍した砂田投手は林さんについて「メチャクチャ厳しいし、細かい。(指示されたトレーニングを)やらないでいると、すぐ怒る」といいます。確かな理論と技術に裏打ちされた、トレーナーとしての手腕を発揮していました。牧選手は「股関節のストレッチなんですが、すごく実戦向きで、バッティングや守備での効果を感じています」と林さんの指示を絶賛しています。選手一人一人の動きをつぶさに観察し、その日のコンディションを把握してくれました。些細(ささい)な変化も見逃さないし、見逃せば、それが大きなケガにつながることもあると常に必死だった林さん。選手生命に関わる可能性がある変化を見逃してはならないプレッシャーと戦
っていました。

ファンからは誤解させる存在

林さんの在籍した2020年からはコロナ渦で選手のコンディションも難しい時期でした。またチームの方針から10人を超える手術者を出したことで、心ないファンからは「トレーナーがダメ」とか、罵詈雑言を浴びせられたことでしょう。スタジアムに足を運んで試合前の林さんが練習で指揮を執る姿を見たことがある人ならば、トレーナーだけの責任とか、積極的治療の有効性について理解し、責めることはなかったでしょう。投手の投球の高速化やそれに対抗するスイングスピードアップ、送球の強度が要求される時代の中で、選手は平成の時代の数倍故障しやすくなっていると言われます。MLBに活躍の場を移した日本人選手が大きな手術をするを憂いていた識者がいましたが、高速化と体に負担のかかるムービングボールの影響、滑りやすいボールのせいで故障を防ぐことが難しい環境がそこにはありました。だから積極的に手術をし、厳しいリハビリでより強い体で復帰する方向をMLBは選んでいました。ベイスターズもNPBでいち早く、MLB型のアプローチを選んだものだと思われます。

林さんがベイスターズ退団

チームに新しい空気をもたらしてくれた林さんが2022年12月いっぱいでベイスターズを退団するそうです。アメリカのトレーニングを持ち込んだ先駆者である林さんには感謝でいっぱいです。また林さんきっかけで、女性だけでなく、ジェンダーフリーに能力があるコーチやトレーナーといった人がベイスターズの門を叩き、チーム強化してくれることを期待したいです。林さん、ありがとうございました。


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