DH制とベイスターズ

DH制は不人気対策から始まった

DH(指名打者)制度は1973年投高打低で観客数が減っていMLBのア・リーグが採用したことで始まりました。1975年には同じく不人気だったパ・リーグが採用しました。野球のルールを逸脱するということで当初はセ・リーグがオールスターなどでDH制が採用されても投手を打席に立たせたり反抗していました。日本シリーズでパ・リーグの本拠地でDH制が採用されるのは1985年と10年後です。守備や走塁に不安がある強打者がDHに座ることで4番打者が二人いる感覚に襲われるという意見もありました。2020年の日本シリーズ後に原監督や巨人のオーナーがパ・リーグに日本シリーズで負け続ける原因はDH制の有無ということでセ・リーグもDH制採用をと訴えて改めてDH制に脚光が当たりました。

アマチュア野球ではDH制採用が多い

アマチュア野球でも中学生以下の野球や東京六大学、関西学生野球以外の大学野球以外の大学野球、社会人野球ではDH制が採用されています。野球の国際大会でもほとんどDH制が採用されています。高校野球だけはDH制が採用されていません。選手の人数が限られるアマチュア野球ではDH制があることで試合のやり繰りがしやすくなるというメリットがあります。

内角を思い切り攻めることができる

セ・リーグからパ・リーグに移籍した投手が話すことにはセ・リーグだと内角の際どい所を攻めると投手が打席に入った時に報復投球を仄めかす捕手がかなりいたそうです。これによって内角球を攻める配球ができずに外角のボール球が多くなり球数を増やし自滅することが多かったようです。パ・リーグでは自分が打席に入らないので思い切って内角球が使えます。逆にパ・リーグの打者は甘い配球が多いセ・リーグと違いどんどんレベルアップしていきます。

打撃練習の量

投手と捕手は投球練習にかなり時間を割くために打撃練習の量が少なくなりがちです。特に投手は利き腕を痛めないように振り込んだりせずに打撃練習量が少ない状態でシーズンに臨みます。そういった質の低い打者が打席に立つということも巨人などは疑問視しています。

ベイスターズの場合

守備での貢献度は低いが打撃は一級品のソトが指名打者に回れば、オースティンを本来の守備位置一塁に起用して右翼手には若手の細川、蛯名、楠本といったあたりが競争するという図式ができあがります。ドラフト上位指名の打者が少なかったのでどうしても守備に難がある野手や逆に守備はいいけど打撃がダメという野手が多いベイスターズだけにDH制はプラスに動く可能性はあります。

パ・リーグに勝ちたいならDH2人制にしたら?

パ・リーグに勝ちたいという意識なら投手の打席意外に打撃練習が少ない捕手や守備優先の二遊間選手に代わってDHを用いてDH2人制にしたらドラフトの指名方針も一気に変わるでしょう。打撃優先の大型選手をどんどん指名する可能性がでてきます。一方投手たちは強力打線揃いのチームとの対戦ばかりになるのでより強い球を投げなくてはいけなくなります。当然レベルアップしていかざるを得なくなります。

セ・リーグの持ち味が失われる

DH制採用で一番危惧されるのはセ・リーグの持ち味が失われるという部分でしょう。人気が落ちているからDH制でパフォーマンスアップするというモチベーションではない部分が理由になっており、セ・リーグファンがどう思うかをきっちり調査する必要があると思います。多くのセ・リーグファンがDH制で球場に足を運びたいと思うならプロ野球なのでDH制採用もあり得ると思います。DH制採用でセ・リーグの持ち味が失われるとファンが望まないのであれば採用すべきではないでしょう。ファンの視点というものは大事にした方がいいと思います。

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