見出し画像

ベイスターズ再建録

前半戦終了

2021年7月14日ベイスターズは阪神に4-3で勝ちました。先発今永が7回1失点の好投。しかし山崎康晃が8回2失点。9回は三嶋が見事に抑えました。先発投手陣が揃ってきたのに対してリリーフ陣が苦しくなってきています。ここからはオールスターと五輪休みです。最下位で折り返しですが少しでも上の順位を目指して後半戦に準備して欲しいです。そろそろトレードの動きもあるでしょう。若い外野手を獲得しそうですね。

継承と革新

DeNAがベイスターズの親会社になって10年の歩みがまとまった「ベイスターズ再建録」を読みました。DeNAからやってきたTシャツとGパンの若者とPCもほとんど使わず人から人への継承でやってきた旧ベイスターズ社員、そして後に合流する横浜スタジアム社員、それぞれの葛藤が記録されています。旧ベイスターズ社員も大洋漁業からの転籍組やTBSからの転籍組、元選手やいろいろな時代からのプロパー社員と複雑な構成です。ただみんなスポーツビジネスが好きでベイスターズが好きだという繋がりです。しかしそれぞれの流儀が違うからぶつかることもあったようです。ただ常に「継承と革新」という過去を単純に切り捨てずに過去の良い部分を継承することに重きを置いたことが球団職員のモチベーションを上げました。古い選手の連絡先を知る球団職員もいるし、新しいアイディアを試行錯誤する球団職員もいる。それぞれがお互いをリスペクトすることから生まれた物語は読みごたえがあります。

人気球団への道のり

2011年に110万人だった観客動員数は2019年には228万人と倍以上になっています。名物企画の「STAR☆NIGHT」も2013年は6回までに12点奪われて3連敗。それでも中畑監督の一声で試合終了後選手がグラウンドに整列するとファンに配られたペンライトがグラウンドに投げ込まれました。それを企画した球団職員たちが涙ながらに拾うところからスタートするのです。2011年には売上52億円で24億円の赤字を出していた球団です。TBSの株主総会では毎年のようにベイスターズ売却が株主から質問されました。日本ではプロ野球は親会社の宣伝費で賄う道楽という考えが主流でスポーツビジネスという意識はとても低い時代でした。パ・リーグがスポーツビジネスに転換する中でDeNAはベイスターズをスポーツビジネスとして成功すべく転換させていきます。2019年には売り上げは3倍以上、利益も10数億円出ていると言われます。2020年のコロナ禍でも赤字転落は避けられたのも集客による収益でなくグッズやオンラインイベント等幅広いファンがベイスターズを応援しているからです。2016年には神奈川県内の897の小学校、683の幼稚園、穂意見、特別支援学校の72万人の子供たちにベイスターズの帽子と野球のルール説明書、選手の顔写真入り冊子を配り次世代のベイスターズファンを作るため、地域の子供たちが野球帽を被って楽しく外で遊ぶことを支援するための活動をしました。野球が好きではないライトユーザーも気軽にスタジアムで楽しめるようなイベントをディズニーリゾートやMLB、野外フェスなどを視察し参考にして実施し続けています。横浜スタジアムを中心としたボールパークコミュニティーはベイスターズというコンテンツを核としながら進化拡大しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?