ロペス

1632守備機会連続無失策 ホセ・ロペス

2 ホセ・ロペスとは?

13年にロペスが巨人入りすると聞いて何かの間違いかと思いました。まだ20代でMLBのオールスターにも出場した選手です。ましてMLBの通算安打数1005という実績です。二塁手としての印象が強かったので強打の二塁手が巨人に入るってすごいと思いました。しかも年俸は1億いかない。野球太郎で元ベイスターズの外国人担当スカウトの牛込氏が「ロペスは太りやすくオフに太ってケガすることが多く自分に甘いので良い選手ではない。」と厳しく評価していました。イチローと一緒に活躍していたマリナーズ時代は完全なるレギュラーとして活躍していましたが10年オフにマリナーズを放出されると不振に喘いでいました。中南米の選手で若くから活躍した選手が20代半ば過ぎに急激に成績を落としてしまう典型のようにも思えました。ロペスは巨人に入団すると一塁手としてゴールデングラブ賞を獲得、打率も3割を超えて日本シリーズでは楽天田中から同点2ランを放つなど活躍します。14年になると巨人は同じ一塁手のアンダーソンを獲得したり、阿部を一塁コンバートするなどしロペスの出場機会は減ります。ロペスはケガが多く、スランプも長いため原監督の1日でもスランプは許さない方針からチームトップの22本塁打を放ちながら巨人を解雇されます。15年からはベイスターズに移籍します。ベイスターズは13年に41本塁打、136打点で打点王になった一塁手のブランコを解雇していました。14年はケガのため成績が低下したこと、14年途中にキューバの至宝グリエルが加入したことが理由でした。15年来日予定のグリエルは来日せずロペスはグリエルとコンビを組むことはありませんでした。ロペスは本塁打、打点も日本でのキャリアハイを記録します。16年には骨折で1か月近く戦線離脱するも外国人選手のモチベーションアップがうまいラミレス監督の下でチームのCSファイナルステージ進出へ貢献します。17年には打点王、最多安打でチームを日本シリーズ進出に導きます。18,19年では1517守備機会連続無失策(日本プロ野球公式戦記録)を達成し、19年まで4年連続ゴールデングラブ賞に輝きます。

打撃

ボールコンタクトに長け、右方向へ打つ事がうまいです。「右投手相手なら右足に、左投手なら左足に体重を残す」というシンプルな打撃理論を持っています。マイナー時代は強打のプルヒッターでしたが、メジャー昇格後は逆方向へ打球を運ぶ意識が強くなり、2006年から2008年にかけては引っ張る打球の割合が45%程度になりました。しかし、2009年以降は再び引っ張る打球の割合が高くなり、NPB時代における引っ張り方向の打球の割合は54%とリーグトップクラスになっています。四球を選ばないフリースインガーで、メジャー通算の四球率は3.7パーセントを喫し、レギュラーに定着した2006年から2009年にかけては打率.277を記録していたが、出塁率が低くOPSは.727でした。2010年から2012年にかけては打率.236、OPS.615と低迷しています。緩い変化球も苦手としています。

自己管理

前述の牛込氏の記事にもあった通りMLBでロペスは自己管理が苦手な選手として有名でした。2007年にマリナーズと4年契約を交わした際には、「毎年行われる体脂肪率チェック、60ヤード走、20ヤード反復走、垂直跳びの4つで、一定の数値をクリアできれば、1つクリアにつき2万5000ドルのボーナス、4つクリアできればさらに2万5000ドルのボーナスがつく」という出来高と体重制限条項が組み込まれました。現在では遠征から戻る際にはチームメイトより早い新幹線で横浜に帰り、トレーニングや体調管理に務めています。

チャモ

応援では、スペイン語圏出身の外国人へは通常だと「バモス」コールですが、自身の強い希望により、「チャモ」(スペイン語でやんちゃ坊主)とコールされています。チームメイトにも「チャモさん」と呼ばれています。

リーダーシップ

キャプテンの筒香が基本は外野手だったため、ロペスがチーム守備時のピンチにはバッテリーをはじめ内野陣に声掛けをすることが多いです。若い選手をかばったり、チームを盛り上げるためにストッキングをオールドスタイルで戦うことを提案したりリーダーシップに優れています。ラミレスからの信頼も厚く、ロペス自身もラミレスからコーチングやチームを強く導くためのスキルを学んでいます。巨人からロペスを獲得時にSNSなどではなんでブランコのようなリーダーシップのある選手をクビにして巨人のお古をラミレスの時のように獲得するんだ、意味不明という罵詈雑言が飛びましたがベイスターズで責任感を持ったロペスは指導者としても視野に入れた強いリーダーシップでチームを引っ張ってくれています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?