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小園育成方針への違和感と期待

お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

小園育成で谷繁が球団批判

2021年ドラフト1位の小園に関しては入団1年目故障もないのにほとんど登板しませんでした。小園自身も「投げられるのにマウンドに立てないことへの苛立ちもあった」とのこと。仁志二軍監督は「投げさせたいが、小園の球速に対して筋力量が足りていないということで身体づくりをさせている。」と登板させられないことに対して、どこかモヤモヤした発言をしています。そしてOBの谷繁氏が日刊スポーツで「正直、約1年がたって見た小園の投球に拍子抜けした。「順調にブレークへと来ているぞ」という雰囲気が感じられない。一生懸命に投げているが、本人が思うように球が来ていない。」「大きな故障はない状況で2カ月ほどブルペンに入らない時期もあったという。同8月に2軍戦でデビューしたが登板機会は少なかった。明確な意図は分からないが、球団の育成方針に沿ったルーキーイヤーを送ったとのこと。その結果、これまで培った「投球する」という感覚を、呼び起こす段階まで戻ってしまっているように見えた。」「高卒とはいえ、選手寿命はそんなに長くはないのも事実。この日の現在地で言えば、成長具合に疑問符がついた。」と球団の小園育成に対して批判しました。また谷繁氏は野村克也さんの言葉を借りて「「監督とは気付かせ屋」という言葉を残された。監督に限らず指導者すべてに当てはまる言葉だろう。選手に気付かせるように導くことも大事な一方で、自ら気付けない選手もいる。そういう選手には早い段階で手を差し伸べることが必要だ。」と最近のルーキーにはあまり教えない風潮に対しても釘を刺します。

高校生投手育成下手球団のトライアル

ベイスターズと言えば大洋時代から高校出の投手が育たない球団です。その極めつけは1978年から3年連続で獲得した高卒ドラフト1位3人で一軍に登板したのが杉永3試合、広瀬84試合、勝ち星は広瀬の3勝のみという体たらくぶりです。高卒ドラフト1位投手でタイトルを獲得したのは盛田、山口俊ぐらいという状況です。DeNAになってからも高卒投手では、砂田、京山がなんとか一軍で活躍したという感じです。高卒投手を大きく育てることに関して伝統的に苦手な球団であることは間違いなさそうです。

10代の肉体の難しさ

関節が大人になりきらず、成長過程の10代では大人の投手以上に関節が柔らかく、しなやかな投球フォームから自らの筋肉量のポテンシャル以上の球速で投球することが可能です。そしてそれが高卒投手に大怪我をもたらすのです。この10代後半から20歳過ぎまでにうまく筋力を付ければ、関節の腱などへの負担を軽減できます。小園が取り組んでいるのは、まさにこの取り組みです。最近までは球速に対して必要な筋肉量など測定することができませんでしたし、筋肉量と球速の関係が明確に判明していませんでした。そういった意味ではベイスターズの小園に対する取り組みは球界にとって最先端の取り組みでしょう。ベイスターズでは京山が10代の柔らかな関節からのしなやかなフォームで入団2年目に6勝しました。しかし、筋肉量を増やす過程でしなやかなフォームを失い、球速こそ145km/h超えに戻したものの、回転量が豊富なホップする投球を取り戻すのに時間が掛かりました。

小園の成功が今後の高卒投手育成の新指標となる

私自身も試合経験こそが選手を伸ばすと考えていたので、小園の体力強化で1年を過ごすという育成に違和感を覚えていました。しかし筋肉量や体の組織まで調べて、小園のポテンシャル球速に耐えられる状態まで肉体を作り、コンスタントな成績を残せる投手育成に取り組んでいるベイスターズが、小園育成で成功すれば、今後の高卒投手育成の新指標となりそうです。

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