宮本慎也招聘に失敗したラミレス

作戦面で相談できるコーチが欲しかった

2018年に戸柱の起用や伊藤光の移籍について光山コーチと対立したラミレス監督は2019年相談できるコーチを失いました。2019年2位だったベイスターズは2020年優勝に向けるタイミングでした。監督だったラミレスはヤクルトを退団した宮本慎也コーチ招聘をフロントにお願いしました。フロントはヘッドコーチの青山が優秀なので残留させたいということ、二軍監督に配置転換する三浦を次期監督として考えている中でヤクルトの監督候補だった宮本が入団することで軋轢が生まれる可能性を案じてラミレスの提案を受け付けませんでした。ラミレスが特定のコーチをフロントにお願いすることはほとんどはじめてのことで、それだけ宮本の手腕を買っていたと言うことでしょう。

走塁、作戦ではなくデータに偏ったラミレス采配

ラミレスは監督就任時にベイスターズでもヤクルトや巨人でやっていたような走塁を駆使した野球をしたい思いがありました。しかしベイスターズの補強は足が速くても走塁に意欲的でない選手や打撃はすごいが走塁が苦手な選手が多かったのです。代表例が宮崎で中畑監督が情熱的に守備を鍛えてゴールデングラブ賞を取るまでになりましたが、打撃だけの選手という位置づけで走塁にまでは意識が回りませんでした。筒香や佐野も同系列です。走塁面では桑原や神里という足の速い選手もいるのですが、チームとして走塁が優先されていない文化の中で消極的な走塁が多かったです。またヘッドコーチの青山がかつて三塁コーチャーだった時代に「壊れた信号機」とファンから攻撃を受けて心病んだ時期の経験から「ベイスターズファンは積極的な走塁を嫌う」ということをしきりにラミレスに漏らしていたとも言います。そのためラミレス自身も当初の積極的走塁よりもデータ重視で打撃やシフトを駆使した野球に傾倒していきます。しかし2019年が終わって走塁を中心にした作戦面を取り入れないとベイスターズは勝てないと考え、ヤクルト時代の同僚だった宮本コーチを招聘したいとお願いしたようです。

宮本慎也のベイスターズ入りは?

2004年アテネ五輪で苦楽を共にした三浦監督とは決して仲は悪くありません。DeNA歴代監督の中畑とはアテネ五輪での絆があり信頼関係があります。また前述のラミレスとはヤクルト時代に主力として共に日本一になっています。ラミレスがベイスターズ退団後、引退していた宮本と独立リーグについて協力し合うなど非常に深い関係がありました。ベイスターズの高田前GMがヤクルト監督時代に三塁コンバートがあり、現役を長く続けることができたこともあり、歴代のベイスターズ首脳と宮本との縁は深いものがあります。ただ現在のベイスターズのフロントが宮本のような外部の人間をコーチに招聘するかは不明です。

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