小柄な剛腕　濱口遥大

26　濱口遥大とは？

基山中学校では軟式野球部に所属していたが、この時は体が小さかったことから、投手は通用せず断念、ポジションはライトで打順も6、7番でした。このようなことからその後、高校進学後は野球をやめるつもりでした。しかし、佐賀県立三養基高等学校（元横浜　中村日出夫出身校）への進学後は中学時代の先輩に勧められて投手として硬式野球部へ入部。1年秋の大会から控え投手で公式戦に出場すると、3年春の県大会では、エースとしてチームの準々決勝進出に貢献しました。3年夏の選手権佐賀大会では、1回戦からの2試合で完封するとともに通算27イニングで31奪三振6失点をマークしています。ただし3回戦で敗れたため、在学中は春夏ともに甲子園球場での全国大会へ出場できませんでした。高校卒業後に神奈川大学へ進学すると、1年春からリーグ戦に登板。2年春の関東学院大学戦では先発で9回を2失点に抑えると、延長10回のタイブレーク中にストレートで自己最速の150km/hを計測しました。在学中は、リーグ戦で通算51試合に登板。通算で359回1/3を投げて20勝（15完投7完封）16敗、防御率2.10を記録しました。2年春・3年春のリーグ優勝を経て臨んだ全日本大学野球選手権では、2年時にチームの準優勝、3年時に準々決勝進出に貢献しています。さらに、野球日本代表の一員として、2年夏にハーレムベースボールウィーク、3年夏にユニバーシアードの野球競技、4年夏に日米大学野球へ出場しました。16年のNPBドラフト会議で、神奈川大学の地元球団でもある横浜DeNAベイスターズから1巡目で指名されました。柳裕也（明治大学）・佐々木千隼（桜美林大学）の重複指名による抽選で交渉権を逃した末の指名でした。力のあるストレートを投げるが球の行き先不明でモノになるかどうかはギャンブルというドラフト通の評価でした。背番号は近藤和彦、田代、佐伯といったベイスターズでは強打者イメージの26。17年オープン戦で好投するとセントラル・リーグの球団にドラフト1巡目で入団した新人選手でただ1人開幕一軍入りを果たしました。4月2日には、東京ヤクルトスワローズとの開幕カード第3戦に、先発投手として公式戦にデビュー。次に先発した4月9日の対中日ドラゴンズ戦では、左ふくらはぎの痙攣によって6回裏1死で降板したものの、1失点に抑えて公式戦初勝利を挙げました。一軍公式戦の開幕2カード目までに初勝利を挙げたDeNAの新人左腕投手は、前身球団を含めても59年振り3人目でした。その後の公式戦では、主に高城俊人とのバッテリーで、一軍の先発ローテーションの一角に定着しました。シーズンでは97年川村以来の新人2桁勝利10勝をあげました。CSでも勝利をあげて貢献しました。福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズでは、チームの3連敗で迎えた第4戦に先発として初登板を果たすと、四死球や振り逃げで4人の走者を出しながらも、8回表1死まで無安打無得点と好投。鶴岡慎也の安打（二塁打）で「1人の投手によるノーヒットノーラン」という日本シリーズ史上初の快挙を逃したものの、7回2/3を2安打無失点に抑える好投で、チームの19年振りのシリーズ勝利とチームの新人投手によるシリーズ初勝利につなげました。18年には3月に日本代表に選ばれます。しかし、春季キャンプから左肩の違和感が癒えないまま、強化試合への出場を辞退しました。その後も調整が遅れ、初登板は5月となります。このシーズンは19試合の登板で4勝5敗、防御率3.90という成績でしたがオフには再び日本代表に選ばれました。19年は完封勝利をあげるなどしましたが一軍公式戦全体では17試合の登板でチーム3位の6勝でした。

暴れ馬

投手としては小柄（身長173cm）ながら、オーバースローから繰り出す最速151km/h（プロ入り後の最速は150km/h）のストレートとブレーキの効いたチェンジアップが持ち味。変化球では、チェンジアップを勝負球に使う一方で、スライダー、フォーク、ナックルカーブなどの球種も織り交ぜています。その一方で、左の腕を強く振ることにこだわるあまり、「暴れ馬」と称されるほど与四死球が多いのが特徴です。

ハマのハマちゃん

濱口の出身校である神奈川大学はベイスターズの地元でありながらあまり入団する選手はいませんでした。（石橋外野手ぐらい？）濱口選手の活躍で神奈川大学の野球部も盛り上がればと思います。また濱口投手のボールは球速以上にボールの回転で揚力（ようりょく）を発生させる「マグヌス効果（Magnus Effect）」をうまく活用して揚力のぶんだけ重力に逆らってボールが落ちないで進む球威のあるボールを繰り出します。極端なオーバースローへの拘りが日本代表に選ばれやすい世界に通じる球威を生み出しています。ご結婚おめでとうございます。