スクイズとかヘッドスライディングとか

石川雄洋引退試合

2021年6月5日は一度雨天中止となった石川雄洋選手の引退試合でした。ベイスターズはロッテとの試合で11-9で勝ちました。濱口が投げた5回まで11-2で大量リードのベイスターズでしたが国吉以下勝ちパターンでない酷使を避ける消極的継投が裏目に出て終わってみれば11-9でした。最後は三嶋まで登板しました。国吉、石田は少し調整した方がいいかもしれません。昨日は投げてませんが平田もそうですね。さて石川選手の引退セレモニーはあたたかいものでした。気迫あふれる石川選手のプレーがDeNA初年度の辛い時期に輝いていたことを忘れません。

練習しないプレー

Numberなどでお馴染みのスポーツライター渋谷真氏の記事から抜粋です。「30年以上、プロ野球を追っているが、試合でやるのに練習するのを見たことがないプレーが2つある。それがヘッドスライディングとスクイズだ。」確かにバント練習は相当するがスクイズの練習はしないです。スライディングパンツ履いて足からのスライディング練習はするがヘッドスライディングの練習は遊び程度にするかどうかという感じでチームで練習することはまずないです。スクイズと二塁、三塁への進塁のためのバントでは大きく異なります。バントは基本的に打球を殺して野手が捕球するまでの時間を稼ぎ塁上のランナーを進塁させるのが常套です。しかしスクイズでは打球を殺したバントは本塁により近くなるため得点は難しく、打球を殺さなければ捕球までの時間が稼げないので三塁ランナーが動けないという特殊シチュエーションとなります。バントは全て同じではなくスクイズの成功率はかなり低いため作戦としては奇策に近いもので相手チームが油断しまくった場面でしか使えません。一方ヘッドスライディングの有用性についてもスピードが走り抜けるよりも落ちるし、操作性が高い腕から飛び込むことでタッチを回避する目的での優位性はありますが怪我のリスクも高いので日頃から練習しないのが普通です。

なぜスクイズやヘッドスライディングなのか?

「ノーアウトかワンアウトでランナーが三塁にいるときスクイズしないと死んじゃう病」というのがあります。有名な患者は近藤昭仁元ベイスターズ監督です。ノーアウトかワンアウトでランナーが三塁にいる場合、ファンは、「外野フライでもボテボテの内野ゴロでも、まず間違いなく1点は入るだろ」と考えます。そして、強攻策に出て三振やポップフライで点が入らなかった場合、ファンによる批判は選手だけでなく無策のベンチにも向かいます。監督がこの病気に罹患している場合、そのような批判を受けることを恐れて、相手に見破られていようがなんだろうがスクイズを敢行します。そうしておけば、たとえ失敗した場合でも「ベンチとしては最善の策をとったが、選手がそれを実行できなかった」として批判の矛先を選手に向けることが可能になると近藤さんは常々考えていたようです。スクイズでは1960年の大洋対毎日の日本シリーズでここ一番の場面でスクイズ失敗して4連敗した西本監督が解任された例があります。西本監督は「江夏の21球」でお馴染みの1979年広島対近鉄の日本シリーズでもスクイズ失敗で日本一を逃しています。スクイズしておけばファンからの批判を回避できるという思いがベイスターズの三浦監督にはあるのかもしれません。ヘッドスライディングについてはアスリート本能としかいいようがありません。少しでも前に行きたい、速く着きたいと頭で考えると効率が悪くても前のめりにヘッドスライディングしてしまうのです。もう1つは監督・コーチ、ファンに対してのやってる感アピールです。たいていは前者のアスリート本能だと思いますが。

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