巨人が常勝チームである理由

巨人は日本代表チームが前身

巨人は１９３１年に読売新聞社がメジャーリーグ選抜チームを日本に招聘し学生野球選抜などと試合をして興行的に成功しました。しかし１９３２年文科省が野球統制訓令を出し日本で当時一番強かった大学チームとメジャー選抜との対戦をNGとしたために１９３４年に日米野球の時のみの日本代表を職業野球団としてベーブルースなどと対戦しました。このチームが大日本東京野球倶楽部となり、１９３５年からアメリカ遠征をし、１９３６年には東京巨人軍となり１９３６年に日本職業野球連盟が結成されて名古屋金鯱軍や大阪タイガースと試合をするようになります。そもそも日本代表ですから戦前の１１シーズンで８シーズン優勝するという強さでした。つまり巨人＝日本代表、それは正義のヒーローのようなもので勧善懲悪のような日本プロ野球の図式が戦前に既に出来上がります。戦後１９５３年に読売新聞が作った日本テレビが巨人戦をプロ野球中継すると全国に巨人ファンが広がります。特にセ・リーグは当時のパ・リーグよりも東京、大阪（兵庫）、名古屋、広島というフランチャイズ色が強かったので正義のヒーローに対するヒールのようなローカルエリアチームという図式がテレビのコンテンツとして相性が良く、これが人気のセ・リーグを作りました。ヒーローである巨人は王、長嶋というスーパーヒーローを中心に昭和４０年代優勝し続けます。９連覇なんていうのは異常事態です。その後はドラフト制度ができたことなどもあり連覇こそありませんが近年においても２００７年にクライマックスシリーズができて以来２０１７年を除いて全ての年にAクラスとなり出場しています。球団創設以来の常勝チームと言って間違いないでしょう。

親会社との関係

読売新聞社が親会社で発行部数１位の新聞社として販売力推進のために巨人軍の存在は欠かせません。フロントのトップである球団社長や球団代表には読売新聞から出向者が来ます。彼らは巨人を読売新聞を野球で体現する存在として紳士であること強くあることを実現させるために補強や選手たちの振舞いも含め厳しく親会社から内容をチェックされます。新聞社の記者時代には新聞に載ってしまった記事はどんな記事であれ読売新聞を代表するものとなります。そこで名誉棄損や偽りなどが起きれば読売新聞を傷つけてしまいます。読売新聞の意見として自分の意見が取り上げられてしまうこともあります。そのため巨人に出向した読売新聞の人間も新入社員の頃から読売新聞を代表する記事を書くために身近な先輩から鍛え上げられ、上長とも議論しながらその時の読売新聞を代表する記事を書けるように鍛えられてきたのです。親会社から来た素人が球団運営しているのではなく読売新聞を体現するために巨人を運営するために使命を負ってきているのです。毎年優勝しなくてはいけない、観客をいっぱいにしなくてはいけない、かつては視聴率が取れる野球もしなくてはなりませんでした。

ドラフト戦略

いい選手は全部取る。ドラフト以前は大学時代から南海からお小遣いをもらっていた杉浦、長嶋のうち長嶋を横取りするなど最後に大金でかっさらうイメージでした。ドラフト後は明大に進学の決まっていた甲府商堀内を単独指名した以外は苦しみました。江川事件後、原、松井を抽選で獲得したのは巨人ならではのスターを捕まえる運命のようなものを感じました。近年は清宮も外してますし、現在チームの顔である坂本も堂上の外れという必ずしもアマチュアの至宝を必ず取りに行くという感じではなくなっているのかもしれません。ただ巨人のスカウトは宿もいいところに泊っていると言われますが、これはスカウト活動の際に目当ての選手の関係者からどこに泊っているか問われたり、目撃された時にしょぼいホテルに泊まっていると「この球団は金がないから行くべきではない。」と思われるのを避けるためです。ある球団は極めて安い宿に宿泊しているのを選手関係者に見られて指名回避を言われたことがあるようです。

FA外国人戦略

外国人はV９時代に獲得していなかったこともありルートが少なく、長嶋監督時代からジョンソン、ライトなどネームバリューがあるベテラン外国人中心に獲得していました。長く活躍したのはクロマティが最初。その後は他球団で活躍したハウエル、マルチネス、ローズ、ベタジーニ、ラミレス等成績が期待できる選手を中心に獲得していました。近年は育成経由で育てる外国人選手も増えています。FAでは落合、広沢、清原、江藤、小笠原など同タイプ同ポジションの選手を獲得する傾向が強かったです。ただ想像以上に当たり外れが大きく巨人にだけ有利に作用している感じではありません。

監督

ずっと生え抜きの監督が務めています。一時は星野監督が噂されたりしたこともあり今後方針変更はあるかもしれません。ただ他球団も近年は生え抜き監督にシフトしてきているため人材豊富な巨人としてはあえて他球団の監督を据えることはないのかもしれません。生え抜きではないですが巨人経験者のラミレスには監督として秋波を送っているという噂はあるので阿部監督までの繋ぎの起用はあるかもしれません。