渡辺淳之介氏 世界市場で勝負の為 社長退任
渡辺淳之介、WACKやめるってよ の衝撃
昨年東京ドームで解散したBiSHが所属していたWACKの創設者で社長の渡辺淳之介氏がWACKの社長を退任しました。その理由がロンドンのゴールドスミスカレッジというマルコム・マクラーレンなどが学んだ大学院に入学するからということでびっくりしました。
学科は「Creative & Cultural Entrepreneurship」だそうです。起業がメインになるその学科で起業家精神をクリエイティブとかカルチャーの観点で研究するプログラムなんだとか。渡辺氏はつばさレコーズでBiSを担当し、地下アイドルのような地位から、横浜アリーナで解散ライブをするところまで育て、WACKを設立し、BiSHをはじめ、ファンがアーチストを育てていく、地下アイドル型の頂点を目指していました。AKB48も地下アイドル的な存在からのスタートでしたが、大物プロデューサーである秋元康の存在があり、放送局等に顔が効く存在でした。そこからすると渡辺氏はWACK創立当初20代と若く、アーチスト、アイドル達と一緒に走る存在だったような気がします。設立10年でBiSH解散後に残ったのは、アイドルシーン、音楽シーンの変化から取り残されたという思いだったようです。20代からアウトプットし続けてきた男が、40代突入を前にインプットのために社長業を離れるという決断をしたのだと思います。
K-POPがいきなり自国を超えて世界でヒットした
渡辺氏はK-POPと呼ばれるジャンルのアーチストが、世界でヒットして、渡辺氏が「自分はジャパニーズだ」って伝えると、「K-POPが好き」ってめっちゃ言われるのが悲しいと言います。K-POPアイドルの源流は1991年結成のソテジワアイドゥルとされ、韓国音楽界で初めてヒップホップとR&Bを融合させたダンスポップを導入し成功しました。この第1世代のK-POPアーチストの後は、練習生制度が普遍化し、積極的な海外進出により、世界的にヒットした東方神起、BIGBANG、Wonder Girls、少女時代、KARAなどです。KーPOPの世界進出を決定づけたのは、2012年7月にYGエンターテインメントがPSYの『江南スタイル』のPVをYouTubeで公開したことです。欧米諸国を中心に世界的大ヒットを記録し、PSYは一躍、韓国を代表する世界的スーパースターになりました。YouTubeはK-POPの欧米進出にとって重要なプラットフォームとなり、訓練されたダンス、ヴォーカル、そしてダンスポップという世界的に受け入れやすい曲調と共に、一気に世界を席巻しました。
常にアメリカ市場を狙っていたUK音楽
渡辺氏が大学院に通うイギリスのロックバンドは、英語という共通語のアドバンテージはありつつも、常にアメリカの市場を狙っていました。ザ・ビートルズ、ザ・ローリングストーンズ、クイーン他、UKロックを世界中が知るのはアメリカでのヒットからでした。YouTubeでK-POPが成功したのも、ダンス、ヴォーカルの力だけでなく、英語を中心とした外国語の修練もあります。結局、日本市場、ましてや地下アイドル市場のサクセスストーリーに拘っていては、マーケットのパイを増やせないため、渡辺氏はロンドンの大学院で学ぶのだと思います。
UKガールズグループの歴史とWACK進出のカギ
渡辺氏はロンドンでWACKの所属アーティストが出演するイベント「WACK in the U.K.」を開催しています。ロンドンのライブハウスはかなり厳しく、初期のデュラン・デュランがビール瓶投げられるとか普通だったようです。そういった場所で、情報を発信するということは意味があります。UKガールズグループは、日本のアイドルグループも参考になると思います。
・Bananarama
UKアイドルガールズグループで存在感がありました。1980年中盤から大ヒットを飛ばしています。ビーナスは誰でも一度は聴いたことがあるのではないでしょうか?
・Spice Girls
有名なサッカー選手ベッカムの奥様であるビクトリアさんが在籍するグループです。スパイス・ガールズは世界中で8500万枚以上のレコードを売り上げた商業的に最も成功を収めた女性グループであり、イギリスのポップカルチャーに大きな影響を与えたと言います。デビュー曲「WANNABE」も90年代を代表するヒット曲となっています。世界31カ国でチャート1位、
・Little Mix
人気オーディション番組『Xファクター』第8シーズンで優勝したグループです。2022年から活動休止していますが、デビュー・シングル「Cannonball」は米ビルボードチャートBillboard 200では初登場第4位とSpice Girlsを上回る順位でした。
やはり世界市場を狙うには英語、ダンス、ヴォーカルのクォリティの高さとYouTubeで食いついてもらうキャッチーさが必要になってきます。ビジネスルールも日本国内と違う部分もあるので、渡辺氏のインプット成果に期待したいです。
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