ベイスターズ経営

ニッポン放送が株を手放していた

2013年にニッポン放送が30%近く持っていたベイスターズ株を手放していたことを今更ながら知りました。現在はTBSが2%ちょっと持っている以外はDeNAが株主です。DeNAは補強費を出さないから球団経営に不誠実だという声はあるのですが、実は年間売上52億で赤字が25億もあった会社を5年で単年黒字が出せるようにしたのです。2019年度は200億に迫る売上があり、15億近い利益も出しています。2020年もコロナ禍で赤字にはなっていますが上期だけで50億を超える売り上げです。TBS時代の1年分を無観客や半分の観客の9月末までに売り上げているのです。これはベイスターズの経営を親会社の宣伝費として考えるのではなく、本社企業とのシナジーを真剣に検討したからといえるでしょう。

プロ野球は親会社の宣伝費で運営

親会社がない広島と前述のように独立採算で運営しているベイスターズ以外のチームは親会社の宣伝費を注ぎ込んで運営するスタイルだと思われます。巨人、阪神は球団として赤字にはなっていないようですが選手補強費などは別腹のようです。パ・リーグはリーグ全体でマーケティング会社を作るなど各球団が赤字脱却する努力をしていました。球団創設1年目から黒字だった楽天ですが、石井GMが三木谷オーナーにおねだり補強をするようになってからは数十億の赤字に転落しています。

ベイスターズが強くなることでNPBが盛り上がる

ベイスターズと同じように親会社からの宣伝費を使わず強いのがソフトバンクです。売上も400億近く球場やホークスタウンを含めた一体運営と本業が通信業に代わるタイミングでホークス買収があったため、球団運営とのシナジー効果が出ているのだと思われます。ベイスターズはまだソフトバンク球団の半分程度の売上なので選手補強にまでは手が回らず、先に練習設備やデータ解析設備に投資しています。こういった部分への投資や経営についてはなかなかファンからは理解が得られにくい部分ではあります。特に利益をあげることは悪いことと日本では子供のころから教えられている人が多いので球団が黒字であること自体に嫌悪感を示す方が多いようです。ただベイスターズの球団経営が骨太になれば、仮にDeNAが売却しても宣伝目的ではなくスポーツ事業としてシナジー効果を求める企業が買収する可能性があるます。プロ野球は企業の宣伝目的、プロ野球選手は男芸者であるという考えから脱却したチームとしてベイスターズがNPBを盛り上げて欲しいと思います。

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