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千賀を育成した男が語る体力がないアマチュア


お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

投げ込むな!走り込むな!練習するな!試合に出るな!

野球通みたいで何もわかっていない球場に絶対いかないファンあるあるで、酷使はダメ!ということで投げ込むな、走り込むな、練習するな、試合にでるなとSNSで力説する人がいます。野球は動かないでベンチに座っているだけのスポーツだから、家でテレビ観戦している自分ぐらいの体力があればいいと思っているのでしょう。1989年近鉄にコーチとして入団した立花コーチは、長距離走をトレーニングから排除して、ベテランの大石選手の足を速くしたり、投手の球速を上げて、近鉄の優勝に貢献しました。立花コーチの走り込み・投げ込みを徹底させる従来の長時間練習とは大きく異なる短距離型の指導は吉井や野茂といった成功の門下生を作る一方で、従来指導型の首脳陣と対立しました。特に93年に就任した鈴木啓示監督とは合わず退団しました。退団後、メディアで旧来型の指導を批判する発言はマスコミで大きく取り上げられ、「投げ込み、走り込み」は短距離型スポーツである野球とは相容れないとファンに印象付けました。

練習して数秒で音を上げる千賀を走り込みでMLB投手に育成した倉野

立花氏をはじめとして、プロ野球の中でトレーニング系の科学的指導が浸透してきて、MLB経験者がNPBでも増えた結果、投げ込み、走り込みへの否定の声が増えました。プロだけではなく、暴力的体育会系の象徴ともいえる長時間の長距離走や投げ込みについても高校、大学、社会人からどんどん減っていきました。ソフトバンクやレンジャースでコーチをした倉野コーチは、「今のルーキーはテクニックはあるが体力がない。大学、社会人を出てもプロで即戦力になれる選手はほとんどいない。」と言います。短距離型スポーツである野球ですが、半年強の長いシーズンを乗り切るスタミナや先発投手でいえば長いイニングを投げるスタミナは必要です。ところがアマチュア時代、長距離走などをほとんどせず、試合以外の投げ込みもせず、筋力アップだけで150km/h超の速球を投げる選手が入団してきても、プロの1か月に及ぶキャンプで既にスタミナ切れしてしまう選手が多いようです。千賀も入団時は他のルーキーがこなす1つのメニューもできないほどだったそうです。そこを倉野コーチが走り込みさせることで、プロとしての体力が付き、高校時代130km/h台だったストレートが30km/h近くスピードアップしたのです。倉野コーチは「投げ込みするなとか走り込むな」と騒ぎ立てるkとで日本の野球界がレベルダウンしている危機感を持っています。


バウアーが教えてくれた投げ込み、反復練習の効果

ベイスターズにバウアーが入団して、動画でその練習方法を公開しました。自分が投げるべきボールを習得するために筋力の疲労度と相談しながら、何度も繰り返し投げ込みをし、投げるべき回転数をクリアする、そして自分の今ある筋力では時速何km/hまで投げてもいいのかを判断するのです。また必要な走り込みもして体力を作り、当然のことながら短距離走やジャンプのメニューも加えて自分を追い込んでいく、シーズン中でも極めて多くの練習メニューを消化します。中4日で登板したりできたのも、バウアーがきちんと投げ込みでフォームを固め、体力を付けているからだとわかりました。ベイスターズの選手たちもかなり刺激を受けたと思います。ベイスターズの投手陣にバウアーが在籍したことの効果が生まれることを期待します。


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