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ラミレス野球と三浦野球

お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

データ最優先のラミレス

チームの得失点差からみた勝利のポテンシャルであるピタゴラス勝率というものがあります。ラミレス監督在任時は以下の通りの勝率でした。
2016年 69勝71敗3分 率.493/3位 P率.486
2017年 73勝65敗5分 率.529/3位 P率.499
2018年 67勝74敗2分 率.475/4位 P率.443
2019年 71勝69敗3分 率.507/2位 P率.488
2020年 56勝58敗6分 率.491/4位 P率.542
退団した2020年を除いてラミレス監督はベイスターズの本来の姿を上回る勝率を残す采配をしたことになります。ラミレス監督は初来日時の監督、若松監督にデータ野球の大切さを学びました。巨人在籍時の監督、原監督には4番打者にもバントさせる非情さを学びました。8割データ、2割ひらめきなどとラミレス監督は発言してましたが、数字に強いラミレス監督らしく、データを重視して、NPBでいち早く極端な守備シフトを導入しました。また打順や捕手についてもデータによる相性で決めていました。8番投手に拘った頑固さはいかがなものか?と思いましたが、データを解析する能力がチームの力を引き上げたことは間違いないでしょう。選手という素材を監督が最適配置することでチームを引き上げる、ステーキハウスのシェフが食材の味を最大限活かしてお客様に提供するような野球をしていたといえます。

戦略重視の三浦野球

ラミレスの野球に対して、三浦監督は選手という素材を加工してきれいに盛り付ける日本料理のような野球です。つまりチーム戦略を前面に打ち出して、その中で選手が役割を果たすような野球を目指しているようです。ラミレス監督は走れる選手がいないことから積極的走塁や戦略的走塁を選手に課してなかったようです。1アウトランナー3塁で外野フライで3塁ランナーがタッチアップしないという場面を見ました。これに対して三浦監督は1つでも先の塁に進むという野球をしようとしています。2021年は暴走も多かったですが、2022年の途中からようやく成功例が増えてきました。また二軍監督を務めた三浦は多くの選手にチャンスを与えて、失敗しても再度チャンスを与えるタイプの監督です。これによってラミレス監督の終盤、チャンスが与えられなかった桑原、関根、嶺井といった選手が復活してきました。二軍にいた経験から選手層を厚くするために試合でチャンスを与えることの大事さを感じたのでしょう。逆にデータ分析があまりできていないのか、同じ相手に同じ攻め方で失敗していることが多々あります。打たれたコースをもう一度、次の打席で投げて、次は仕留めたいという投手的発想なのかもしれません。

2022年の後半戦はトロイカ体制

三浦監督は2022年前半まではチームの勝敗を一人で背負い込んでいるような感じでした。しかし三浦監督を自分の次の監督に据えようとした中畑元監督のアドバイスにより、巨人1981年の「藤田監督・牧野ヘッドコーチ・王助監督」体制のような形をとっているようです。「三浦監督、青山ヘッドコーチ、石井野手総合コーチ」のトロイカ体制です。1981年の巨人は引退したばかりの王助監督が選手と監督・ヘッドコーチの緩衝材となっていたようですが、2022年のベイスターズではヘッドコーチ歴が長く、ラミレス監督と選手の緩衝材になっていた青山ヘッドコーチが選手と三浦監督、石井コーチの緩衝材になっているようです。石井コーチの厳しい指導は自主性が重んじられたベイスターズ選手達には面食らう部分もあったようですが、「打てないときにいかに点を取るか」という野球を広島、ヤクルトに教え込んだ石井コーチの指導は淡泊なベイスターズ打線には必要です。三浦監督も走り込み、投げ込み、シーズン中も横浜スタジアムで階段ダッシュするなど試合前の練習も重要視するタイプでした。練習量を含めたチーム方針の変化はチームにけが人を増やすなどの副作用もありましたが、チーム力を確実に高めてきました。青山ヘッドコーチが三浦、石井が厳しくなり過ぎないようにチェックしながらチームを高めていく体制に注目したいです。

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