ベイスターズの4番打者

ベイスターズの4番打者を長く務めた筒香がチームを去る可能性が高いです。今シーズン初頭からメジャーへのポスティングを求めていました。シーズン終了後チームも筒香のポスティングでのメジャー移籍を求めました。チームとしても筒香がいなくなることを覚悟して、筒香と共に優勝を目指してシーズンを闘う最後であることをどこかで意識して臨みました。結果は残念なことに優勝を逃し、CSでも勝ち残れず今日からの日本シリーズに臨めませんでした。

筒香が入団した2010年は4番に村田がいて、3番に内川もいました。日本を代表する打者が2人もいながらベイスターズは最下位近辺を低迷していました。筒香が入団すると内川、村田が次々FAでいなくなり、かつての近鉄「いてまえ打線」の4番中村紀洋、ヤクルト、巨人で4番を務めたラミレスといった晩年を迎えた選手がベイスターズの4番に座ります。入団1年目にファームで26本のホームランを打った筒香はDeNA初年度の2012年には1軍でホームラン10本を放ち新たな4番打者誕生を感じさせました。しかし入団4年目には完全に迷った打撃になり、三塁手としても中村紀洋からレギュラーの座を奪えないままファームで苦しみます。マシンが打線を作った前でボールをさばく打ち方を押し付けられ筒香は疑問に思いながら、その打ち方を実践するうちに故障したり、あげくは打球が前に飛ばなくなりました。2013年オフに大村二軍監督が筒香の悩みに向き合い、筒香自身が考える極力打つポイントを近くして反対方向を意識して打つという打ち方を徹底的に反復させて二週間かけて筒香は復活します。2014年にはバルディリスの加入で正式に外野コンバートされ22本のホームランを放ち、時には4番を打つようになります。2015年には新キャプテンとなりブランコがいなくなった打線の4番を多く務めました。2016年にはホームラン44本、打点110で二冠王。チームもはじめてCSに進出します。完全にチームの主砲となった筒香ですが、今シーズンは2番や3番を務める場面も多くなりました。しかしキャプテンとしてチームを引っ張ってきた筒香は打順が何番であろうと4番打者という存在感があったのかと思います。

ポスト筒香という部分ですがホームラン、打点の二冠王ソト、ベテランのロペス、打撃職人の宮崎がいるので負担という意味では筒香が入団した時期に比べると少ないのかとは思います。一番手は今シーズンすでに4番を経験した佐野でしょう。チャンスに強く飛ばす力は秀でています。続いてはスィングのパワフルさでは筒香も凌ぐ細川。細川は確実性をもう少し上げたいところ。細川と似たようなポジショニングが伊藤裕。セカンドができるので出場チャンスは多くなりそうです。筒香が村田とは違った4番打者像を作り上げたように新しい4番打者候補が自分色のベイスターズ主力打者として成長することを期待したいです。

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