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高校時代からピッチトンネルを意識した男 小園の覚醒


お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

体の成長が終わらない小園の革新的育成

2021年ドラフト1位の小園は投球がまとまっていることもあり、比較的デビューが早いのではないか?と言われてました。2つ上の佐々木朗希や奥川が2年目から一軍で投げていたことから、そう思われていました。しかし1年目は3試合に登板しただけで身体づくりに専念しました。小園が高校時代投げて居た150km/h台のスピードボールを投げるには筋力が足りないと測定でわかり、さらに身長が伸び続けていることで腕への負荷を抑えた形で練習しなくてはいけないことがわかりました。2年目に入ると小園が高校時代から憧れて、意識していた「ピッチトンネル」の第一人者バウアー投手がベイスターズに入団しました。バウアーのやり方も導入して、ボールの握り方で打者の空振が奪える回転数、前に飛ばない回転数を意識して小園の肘の腱や肩、肘の関節に負荷がかからないように二軍で16試合先発しました。出力を抑えたこともあり、2勝5敗、防御率4.21、そして高校時代は制球がいいとされたのに39与四球と制球面の問題が露呈しました。小さなテイクバックから鋭い腕の振りを見せる本来の投球スタイルに小園は徐々に近づけています。1年間近くで見本となるようなバウアーを見てきたことが小園への一番の育成となりました。何よりも出力を抑えて投げさせるという前代未聞の育成が成功するかどうかで小園の運命も変わります。

高校生投手の育成は難しい

ヤクルトの奥川が1年目は二軍で調整して、2年目一軍で中10日という緩いローテで9勝しました。しかし3年目、4年目は故障で棒に振っています。身体が変わる時期に高校生の時と同じ感覚で投げていては身体に負荷が掛かります。高校生時点で故障する選手もいれば、プロ入り後故障する選手も多いのは身体の関節が柔らかく固定されていない時期の負荷だからです。関節が緩ければ、自分の筋力が耐えられる以上のしなりでスピードを出すことも可能です。でもそれが命取りになるのです。小園はメディカルチェックで未然に故障を防ぐプログラムの中で、意図的に出力を落として2年を過ごしました。身体と相談しながらの投球スタイルで制球力も失いました。しかしすべてが一時的なものです。バウアー直伝の指先からボールへの回転の伝達をマスターして、140km/h台前半でも打者を討ち取れる投球でまずは一軍に上がることが小園の課題でしょう。身体の成長が止まったところで、筋力アップをすれば160km/h台の速球を連発することも可能なので、まずは20歳の小園の投球で実績を積み上げることが大事でしょう。

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