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広島に学ぶ FAで主力がいなくなっても強いわけ


お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

西川がFAで抜けて厳しいと思われた広島が優勝争い

2023年3位だった広島ですが、打率.305本塁打9打点56の勝負強い西川龍馬がFAでオリックスに移籍しました。ベイスターズも西川にいいところで打たれていたので、広島は2024年厳しいシーズンになると思っていました。3年連続優勝の後、2019年~2022年はBクラスで、2021年オフには主力打者の鈴木誠也が抜けて、昨年オフには西川が抜けるという中での優勝争いはすごいです。

FA,自由枠ドラフトで広島流スカウティング、育成が通用しなかった時期

広島は厳しい練習で選手を鍛え、自前の選手で上位に食い込むという歴史が1975年以降できていました。しかし1993年FAと逆指名ドラフトが導入された影響か、1998年から2012年まで15年連続Bクラスに甘んじます。川口、江藤、金本、新井、大竹、丸等がFAで他球団へ移籍したり、黒田、前田、鈴木誠也がMLBへ移籍したり、戦力が削られる中で2016年からセ・リーグ3連覇しています。FA制度があると一軍で育てながら試合にアジャストさせると、結果が出始めた頃にFA対象となってしまいます。2016年以降FA等での移籍選手を上回る、若手選手の戦力化が出来ている理由は何でしょうか?

結果を出すコーチ陣

オリックスの三連覇の礎を築いた水本勝巳ヘッドコーチは長年広島の二軍の指導者をしてきました。二軍監督も務め、広島三連覇の戦力供給のために貢献しました。水本コーチはオリックスで監督代行で勝ち星をあげ、一軍経験の監督代行で初めて勝ち星をあげた監督にもなっています。他球団でも評価されるような選手に目配りできる指導者がいたことが、チームを強くした原因の1つでしょう。投手陣でいえば、現在三軍統括の畝龍実コーチの存在は欠かせません。長くスコアラーでデータ収集を続け、動作解析のエキスパートとして、2016年からの三連覇時の投手コーチとして畝氏はローテ作成、フォーム矯正などで広島投手陣をステップアップさせました。玉村や遠藤といった投手が高卒後、時間かけずに一軍で活躍できているのは、畝氏のようなプロでの実績は少ないが、それがゆえに選手の疑問に丁寧に応え、指導できるコーチがいたからだと思います。打撃では20年近くコーチ歴のある朝山東洋コーチ、イチローの師匠新井宏昌コーチの推薦でこーちになった迎祐一郎コーチの指導で、ホームランこそ出ないが、強いスイングで長打を打てる選手が育っています。

若手を思い切って抜擢する

FAで主力が抜かれてしまった後に、広島は下手に過去実績のあるベテランをFAやトレードで獲得せずに、信頼できるコーチ陣が育てた選手たちを大抜擢することで選手層を厚くします。捕手の中村奨成を外野にコンバートして、すグ試合に使ったり、二俣をすぐ起用したり、矢野をショートに定着させたり、若手の起用に躊躇いがありません。また新井監督が失敗を恐れずプレーすることを望み、選手の1度の失敗で信賞必罰というパワハラルールで、試合から干すということがないのも選手層を厚くする要因だと思います。

ベイスターズが見習うべき点

二軍から上がってきた選手をほとんど使わず登録抹消などが、ベイスターズではまだ見受けられます。使えない選手なら一軍に上げない、一軍に上げたら競争させながら試合で起用するという広島方式を取り入れれば、選手層は厚くなるでしょう。コーチの指導については選手と合う、合わないもあるので、なんとも言えないのですが、広島の畝コーチのようにアナリスト系コーチが選手を指導するということを靏岡コーチや大原コーチにさせてみても面白いかもしれません。靏岡コーチはU18侍ジャパンに選ばれた甲子園での特大ホームランを子供の頃の憧れにしていた選手もいるかもしれません。大原コーチは新人最多登板日本記録を打ち立てたタフネスさがあります。何しろ二人ともアナリストとして、選手に気付きを与えることができる人材です。作戦立案だけでなく、ちょっとしたアドバイスができるようにしてあげたら面白いと思います。

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