DeNAが親会社になって10年

チームの成績

2012年「熱いぜ!横浜DeNA」を掲げて中畑監督就任。46勝85敗13引分で勝率.351で5年連続の最下位。2013年「勝」を掲げて64勝79敗1分で勝率.448で5位。勝率4割に乗ったが6年ぶり、最下位脱出の6年ぶり。2014年「心」で67勝 75敗 2分勝率 .472で5位。2015年「導 TO THE GLORY TOGHTHER」で62勝 80敗 1分勝率 .437で最下位。ここで中畑監督は退きます。2016年ラミレス監督就任「WE PLAY TO WIN」。横浜スタジアムの経営権取得。69勝 71敗 3 分勝率.493で3位。2005年以来11年ぶりのAクラスと初めてのクライマックスシリーズ出場。2017年「THIS IS MY ERA.」で73勝 65敗 5分勝率 .529で3位。クライマックスシリーズを勝ち抜き19年ぶりに日本シリーズ出場。勝率5割を超えたのは2001年以来16年ぶり。2018年「VICTORY is within US.」で67勝 74敗 2分勝率 .475で4位。ラミレス監督3年目にして初のBクラス。2019年「Go Beyond the Limit.」で71勝69敗 3分勝率 .507で2位。球団創設70周年でクライマックスシリーズを本拠地開催できる2位を確保。2020年「NEW GENERATION IS HERE.」で56勝 58敗 6分勝率 .491で4位。ラミレス監督退団。

観客動員数

2012年1,165,933。2013年1,425,728。2014年1,564,528。2015年1,813,800。2016年1,939,146。2017年1,979,4466。2018年2,027,922。2019年2,283,524。と順調に観客動員数を増やしています。ファンイベントや試合前、試合終了後の催し物、グッズの種類を増やすなど確実にファン層を拡げています。2015年には神奈川県内の小学校、幼稚園・保育園の子供たち72万人に帽子を配るなどして未来のファンの心も掴んでいます。

球団収益

2005年には観客動員数で100万人を割ったり、最終的には年間25億円にも及ぶ赤字を出す球団になっていベイスターズですが2019年には年間15億円を超える利益を上げており、B/Sで見ると2020年3月決算時点で47億円の利益剰余金がある状態になっています。2016年に横浜スタジアムをTOBしてベイスターズの連結子会社にしたことも大きく利益に寄与しています。コロナ禍で試合数が減り、満員にすることが2020年はできませんでした。2019年の右翼スタンドに続き、2020年左翼スタンドの観客席を増設したことで観客動員をフル稼働にできるようになれば球団の売上は巨人、阪神に匹敵すると思われます。また球団の利益という意味ではNPBでNo1に躍り出る可能性があります。

プロ野球というビジネス

ベイスターズの親会社であるDeNAはスポーツ事業という分野を完全にビジネスとして有価証券報告書に記載しております。宣伝費で男芸者よろしくどんぶり勘定でやるのがいいこととされてきたプロ野球ファンの感情の中では穏やかではないでしょう。「勝つことがファンサービス」というファン感情とは別もののスポーツジャーナリズムに賞賛されるような男臭さもこのチームからは排除されています。老若男女きちんとマーケティングしてスタジアムに足を運んでくれるファン、グッズ等をショップやオンラインで購入してくれるファン、ベイスターズアプリで課金してくれるファンなどに刺さるサービスというのを随時提供しています。オンラインでの様々なイベントもコロナ禍では他球団より先行していました。ベイスターズにDeNAはシナジー効果を求めており、ビジネスの主役となる選手たちにプレーやサービスに応じた対価を年俸という形で払っている感じがします。

データ野球

トラックマンやブラストモーション、ラプソードなどを積極的に取り入れて選手が感覚的に「球質が重い」とか「力強い打球」、「キレ」、「ノビ」といっていたものを全て数値化して自分の現状を把握して、どの部分を強化すべきかわかるようになっています。その成果が2020年の佐野の首位打者です。DeNAになってからは他球団のデータも含めてデータドリブンを積極的に行い、チームの指導、作戦にも使うようになっています。前述したように我々ファンに対してもデータ分析されており、チームにお金を落とすリードをきちんと把握されています。コールドリードをいかにリードナーチャリングしていくかをとても研究しています。選手もファンもプロスペクトの存在を球団としてデータで認識しており、チームの成績より先に観客動員や売上の方が結果を出してきたのがDeNAが親会社になってから10年目までの実績と言えるでしょう。


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