佐野恵太の必然

雨天中止で気持ちを切り替えろ!

2021年5月13日のベイスターズと巨人の試合は雨天中止になりました。5月12日の桑原がフライを上げて走らなかったシーンはかつてのベイスターズを見ているようでした。試合の途中で選手たちが「今日は負けだ」、「引き分けでいい」と試合を決め込んでしまい試合が淡々と進むのです。もっと昔は左投手が先発してきただけで打撃コーチが「打撃フォームが崩れるから打つな」と指示したとか。負けが込んだ時にその流れから抜け出せない理由は「自分を決めつけてしまう」ことです。この雨天中止で全選手、首脳陣共に気持ちを切り替えて欲しいです。「自分を決めつけない」ことで4番になった佐野がいるチームなのですから。

ドラフト9位からの活躍

佐野が2020年ベイスターズの4番キャプテンに抜擢され首位打者になったことで他球団の幹部がスカウトに「君たちの目は節穴か?」と言ったなどの記事が今更ながら出ていました。左打ちの一塁手、外野手(守備や走力に特徴がない)は指名リストから外すなどの理由で見逃した・・・等々のことが書いてありました。佐野についていえば活躍への仕掛けがベイスターズにあったことについては触れられていませんでした。2016年ドラフト9位で右投左打の佐野が指名されたのですが、2017年ドラフト8位で同じく右投左打の楠本が指名されています。佐野は2017年開幕一軍の切符を勝ち取りますが18試合2安打で終わっています。楠本は2018年佐野同様開幕一軍入りすると56試合で15安打しています。ベイスターズの編成的には佐野に絶対的な信頼があったわけでなく、佐野か楠本のどちらかが代打でいいから成功してくれれば御の字という意味で同じような立ち位置のライバルを敢えて2年連続下位指名しているのです。楠本は大学の全日本で4番を打ったこともある本来なら上位指名があってもおかしくない選手ですが、肩を故障し遊撃手から一塁手あるいは外野手にコンバートされ守備面の問題から各球団が指名を回避しています。佐野についても楠本についても野球の強豪校からのドラフト下位指名なので事前にプロ入りについて調査していなければ指名拒否のリスクもあるためベイスターズは調査をしていたはずです。佐野は楠本の入団と自分の立場を脅かす活躍に刺激を受けて代打一番手のポジションを固めつつ筒香の控え役をこなし、筒香退団時に4番キャプテンの座を掴みました。楠本がいなければ佐野がここまでの存在になったかはわかりません。逆に楠本には佐野のポジションだった代打の切り札の座に座って欲しいです。

佐伯も苦汁の日々だった

左打の一塁手として1992年ドラフト2位で入団した佐伯貴弘も外国人選手とのポジション争いで控えに回ることが多い選手でした。佐伯が若手の頃には一塁手には駒田、左翼手にはブラッグス他外国人が次々据えられます。そんな中で入団4年目の1996年からレギュラーの座を掴むも油断するとすぐ控えという立場で一塁と外野を行き来しながら19年間41歳まで現役を務め1597安打を放っています。佐野がレギュラーになったのも佐伯と同じ4年目です。佐野も今後外国人選手などライバルに脅かされることが多いと思いますが佐伯のようにしぶとく必要な戦力として長くベイスターズに残って欲しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?