ベイスターズドラフト都市伝説

くじ運が悪い

ドラフトの時期になると毎年くじ回避の独自ドラフトということが話題になるベイスターズです。1978年に指名希望選手の入札制が導入されると2年連続木田投手を外し、1980年は原内野手を外すというくじ運の悪さをいきなり発揮します。DeNAになった2012年からは1度も最初の入札では当たっていません。最後に1位のくじで当たったのは2008年ドラフトの松本外野手となります。くじ運は確率だから必ず当たる時がやってくるという人がいますが、くじ運は高校数学で習う大数の法則によるものですので現実には1/12の確率とかではありません。

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というやつです。つまり12球団が同じ確率に収束していくのには16000回のくじ引きを経た後のこととなります。16000年経つとどこの球団も同等に当りが出ると言うことですね。そこまで待てるベイスターズファンがどこまでいるのかということです。やはり運なのだなという感じです。

東都大学リーグから指名拒否されているという嘘

ベイスターズは東都大学のチームから指名するなと言われているということがまこしやかにSNSで語られています。1987年オフに東洋大に決まっていたPL学園野村投手を強硬指名、1988年オフに東洋大に決まっていた堀江内野手を指名、石井琢朗投手を獲得したということから東洋大は大洋を出入り禁止にしたという噂について私も信じておりました。しかし1989年東洋大入学で後にプロ入りした知人に話を聞いたら、「大洋に行くなと監督から言われたことは一度もない。だいたい後輩の関口君には大学時代から大洋のスカウトが来ていたし、監督とも進路相談していた。」と東洋大が大洋スカウトを出入り禁止にしたという噂は嘘だということがわかりました。まして東都大学全体から指名拒否を受けているというのは全くの嘘です。東都リーグに所属するチームは個別の大学ですし、指導者も違います。東都大学のことを一括りにして馬鹿にしたベイスターズファンの虚言だと言うことがわかります。中塚スカウトが2000年前後は張り付いており、日大村田、那須野を自由枠で獲得しています。中大については大洋漁業から大洋の球団社長になった久野氏が後に中大理事長になったということもあり、大洋は東都で中大にだけ強いと言われていた時期があります。球団代表やマルハ社長になった久代氏も中大の出身ではありますがこれが中大に強い根拠になるかはわかりません。ちなみに中部一族は中大と関係がありません。

東海大が指名拒否

東海大とベイスターズで問題が起きたのは2002年ドラフト時に逆指名を当時の長谷川スカウトが約束していた東海大の久保投手について、逆指名で立大多田野投手、日大村田内野手獲得に算段が立つと反古にしてしまったことによります。この件で東海大や系列高校に強かった長谷川スカウトが退団し、巨人に入ったため久保投手、東海大望洋高長田内野手についてベイスターズ確実と言われていた選手が巨人の指名となりました。この件で東海大系の大学、高校はベイスターズスカウトを出入り禁止としたとなっていますが、現実には東海大に強い長谷川スカウトがいなくなったところで、マークが薄くなったことで指名が少なくなったというところでしょう。大学も社会人も12球団しかないNPBに対して個別のスカウトを出入り禁止にすることはあるかもしれませんが、特定に球団に行くなということは学生や社員の進路を狭めるだけなのでほとんどあり得ないのです。

問題は特定の学校との密接な関係

逆指名や自由枠の時代には非常に有効だった有力大学、社会人チームとの密接な関係ですが、自由獲得枠がない現在ではそれが仇となることもあります。ベイスターズがかつてから獲得を多くしているのが法大、明大、横浜高校といったところです。法大はフロントから野口氏がいなくなり少し疎遠になっていますが、加賀美、三上、三嶋、石田と法大歴代のエースを獲得している縁は見過ごせません。明大は明大コーチも務めた松岡スカウトがいた時代から密接な関係です。古くは明大五人衆獲得時からの縁かもしれませんが非常に多く獲得しています。横浜高校は筒香前後の世代が荒波、石川、乙坂など豊富です。密接な関係の相手先について目玉選手が獲得できればいいのですが、ベイスターズはどちらかといえば二番手以降の選手を獲得する傾向があります。明大でいえば川上憲伸や森下はスルーです。横浜高校でも松坂は外れましたが、成瀬、涌井は獲得していません。近い関係過ぎて近視眼的なスカウティングになっていないかどうかを確認する必要があるかもしれません。

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