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さだまさし コンサートツアー2021 宇都宮市文化会館レポート(ネタバレ有り)


2021年6月25日、宇都宮市文化会館にて
さだまさしさんのコンサートが開催されました。前回の公演が1月だったので5ヶ月
と言う短いインターバルでの開催となりました。今回のツアーは事前予告として
リリースされたばかりのベストアルバム
『さだ丼』収録曲順に演奏すると言う大胆な
構成。これは様々な意見があると思いますが、
従来のコンサートでは貼り出していたセット
リストが密を避ける理由から貼り出せない
のと、CD未購入者へのPRとして分かりやすく
したのかなと。大胆な考えだと思います。
ある程度想像の付く内容だと思いますが、
今回もネタバレ有りレポートとします。
ネタバレ見たくない方はここまでにして下さいね。


さださんも昨年より試行錯誤の上でコンサートをやり続けてくれた事もあり、今まで感染者を出さず開催してくれたので、今回の収容率は約80%位かと。三階席だけ閉鎖で、後はほぼ満杯。主催者側は感染対策もバッチリやってますが、ワクチン摂取も進んでいるからか1月の時よりもお客様の心構えがやや緩くなってきた印象を受けました。引き続き気を引き締めて楽しみたいものです。客入れBGMは全く無し。

ステージは三角と四角の図形が連なり、手前から奥にゲート状に続いていく不思議なセットでした。さだ工務店の楽器もセッティングされていて、期待は膨らむばかりです。場内アナウンスがあり、2ベルが鳴った後に場内が暗転。さだ工務店のメンバーがぞろぞろと入場し、持ち場に付いていよいよ始まりました♪

1、北の国から
演奏が始まり出してから、さだまさしさんが登場。とても大きな拍手を浴びながら歌い出してくれました。さださんが曲に合わせて手を左右にゆっくりとワイパーし始めると、お客様もそれに合わせてワイパー。中には光るリング上のものをかざしてワイパーする方もチラホラ見受けられました。
間奏のトランペットをベース担当の平石カツミさん。ティンパニーをドラム担当の島村英二さんがそれぞれ演奏。その一曲の為だけに用意された楽器でしたのでとても貴重でした。
演奏後は割れんばかりの拍手。この日の拍手は終始、声は出せなくても精一杯の想いが伝えられるものだったと思います。

MC(要約)
こんばんは〜さだまさしです。
今年の1月以来5ヶ月ぶりに帰ってきました。
昨年は音楽が身動き取れなかった。
どうにかコンサートを続けられないか?
音楽は希望でありたい。SHOW MUST GO ON。
チェックシートやマスク、除菌マットなど、
あらゆる対策をしておりますが、インド株を
お持ちの方はどうにかして下さい😅。
今朝PCR検査してマイナス。仮に私が感染者
だったとしても大丈夫。飛沫が物理的に客席まで飛ばないようにしているし、お客様も歌ったり踊ったりしなければOK。そしたらさだのコンサートは笑うから危ないと言われて傷ついた😅。前回のツアー41公演、感染者を出さなかったのは皆様のお陰。
今回のツアーはアルバム『さだ丼』の曲順通り
にやるコンサート。いつもなら色々混ぜるけど
今回は混ぜない。
換気の方は、ホールは心配ない。専門家からは1時間半から1時間45分位の開催が良いと言われましたが、ご安心下さい。アルバムは合計で1時間位。あとの40分位は喋ります😅。
今日もごゆっくりお楽しみください❗️

2、案山子
先程のMC中にティンパニーは撤去され、ドラムセットに戻る島村英二さん。田代耕一郎さんはスティール・ギターに持ち替えて演奏。庄司さとしさんのオーボエも素晴らしかったです。

3、道化師のソネット
原曲より敢えてキーを下げ、曲の本来持つ
テーマをより強調させる取り組みは、
意外と佐野元春さんにも通じるなと思いました。演奏後に響き渡る拍手の大きさが印象的でした。

MC(要約)
2曲目と3曲目にこの曲をやるのは初めて。
もう二度とない曲順。案山子のオリジナルは
高いキーで歌っていて、仕送りをされている側の声だったけど、今は仕送りをしている側の声に聞こえる。リリースした時が1番下手だから。何十年も歌ってきてるけど、当時出した曲を今の声で歌い直すと言うのは、そうした発見もあった。
宇都宮の思い出として、マネージャーの廣田と
ギョーザ🥟の表と裏はどちら側なのかで論争した事がある。その後、宇都宮駅前にギョーザ🥟の像が出来ると聞いて、これでどちらが表か裏かがハッキリすると思い観に行ったら、ギョーザ像が立っていたので分からなかった。
ドロー、引き分けだった。
(お客様に向かい)今年は浜松に(ギョーザ消費量で)負けたの?負けた気持ち分かるよ。
ヤクルト(スワローズファン)だから😅。

最近ワクチン注射を一回打った。何らかの
事情でワクチン打てない人も居る。皆が安心して(コンサートを)楽しめるようになるにはまだまだ油断出来ない。飲食店も大変だけど
音楽家(業界)も大変。業界がバタバタ倒れている。まだ満席には(開催)出来ないけど、
もう少しの辛抱。あと半年くらい。
この半年がキツいのよ💦

4、無縁坂
ここでバイオリンを手にして奏でるさださん。
弦の響きが強調されてよりドラマティックな
アレンジに。終盤にさださんと弦二人との
弦のハモリが絶品でした。

5、桃花源
ギター、ベース、バイオリン、チェロのみで
序盤は演奏。間奏の田代耕一郎さんのソロは
素朴ながらも力強い演奏でした。そこに加わる
庄司さんのオーボエのソロ。さださんは
終盤には指揮者となりバンドを束ねてました。

6、天までとどけ
この曲ではトラブル多発。先ずは歌い出す直前のギターだけのイントロになる部分の演奏をさださんがトチる😅。気づかなかった方もいるみたいですが演奏後に本人が告白してました💦
更にこの曲の途中から何度も音声トラブルが続き、さださんも若干苦笑いしながら歌っていたように思います。この日はサビの部分の高音も若干出しにくい感じで、この曲でもそれが気になりました。

MC(要約)
(先程の音声トラブルを受け)今、スタッフが裏でバタバタしてる。原因の調査してるので、その間繋ぎでトークします😅。改めて、この曲順は有り得ない。アルバムさだ丼、聴いてない人はロビーで売ってます😏。
全国色々な所を旅する時、フルバンドだったり少人数の編成だったり単身弾き語りだったり、その時の予算の都合で変わりますが、と言う話から昔、石川鷹彦さんと一緒に活動していた頃のエピソードを披露。観音崎のスタジオでレコーディングしてた時に、隣町があの黒船のペリーが襲来した浦賀だったと言う事で、さださんは石川鷹彦さんに、ペリーが来た浦賀に行きませんかとお誘いした所、「ペリーは知ってるけど、もう帰ったんだろ❓」と時系列無視な返答だったとの事😅。
久米島に行った時は、新種の蛍が発見された時期と重なり、しかも訪れた時期が丁度見頃だったと言う事で地元の方に案内され皆で観に行く事に。
現地に着いて見事な蛍を拝見出来たけれど、石川鷹彦さんは地元の方に「(新種の蛍を指して)これ、今まで気づかなかったの❓」と質問。そしたら「居たけど、新種の蛍だとは気づかなかった」と地元の方から返されたそうです😅。
散々石川鷹彦さんの話をしたので、「今頃クシャミ🤧してるだろうなぁ」とさださん。これが後の大ネタ噺に繋がるのでした。

それから伊豆大島に歌いに行った時のエピソードで、地元の方に「生きた歌手が来たのは初めてだ❗️」と言われたらしく、死んだ歌手が何人来たのか聞きたかったとの事😅。そして話は大昔ペドロ&カプリシャスと広島でライブをやった時に髙橋真梨子さんや犬にまつわるエピソードを披露。その流れで歌われたのはこの曲

7、にゃんぱく宣言
短い曲なのですぐ終了。そこから関白宣言の話題に。今回のアルバムで歌い直すのが大変だったとの事。それは当時のレコーディングはテンポとかが適当で揃えるのに苦労したらしいです。そしてオリジナルにも収録されてた子供の笑い声やコーラスを改めて録り直すのが大変だったとの事。当時の子供はさだまさしの事を知っててくれたけど、今の子供はさだまさしの事を全く知らなかったらしい。笑って〜と頼んでも自然な笑いが出るものじゃなかったけど、参加した子供の1人が「今回なぜ歌い直そうとしたんですか❓」と、此方に対して上から目線の質問をいきなりしてきて周りの子供は大爆笑。お陰で良い笑い声やコーラスが録音できたので感謝してるとの事でした😅。

8、関白宣言
以前だったらサビの「ラララ」コーラスを観客全員で歌うのが恒例でしたが、コロナ禍ゆえに手拍子のみで参加。しかし歌えない分お客様の手拍子の厚みは凄かったです。そして昔ならマリンバの宅間さんが曲の終盤でさださんと掛け合いの演奏をしてましたが、今のバンド、さだ工務店ではオーボエの庄司さんやバイオリンの藤堂さんが中心となってさださんと熱演を繰り広げます。先程のMCで子供の笑い声と言われた部分は、倉田信雄さんらさだ工務店のメンバーが代理で対応。さださんからは「最低の笑い声だ」と言われながらも大盛況となりました。

MC(要約)
関白宣言のお陰で全国どこへ行ってもさだまさしを認識してもらえるようになった。ありがたいことに僕の場合はヒット曲が他にもあり、アルバムも売れたので助かりました。
・・・と言う話から、石川鷹彦さんも登場するさだまさしさんの大ネタ噺『八丈島の体当たり追っかけ娘』に突入😅。これはさだまさしさんのトークだけ収録したCDにも入っていますし、動画サイトなども探せば見つかると思いますので是非お聴きください❣️

大ネタ噺終了後は、ツアーグッズの(あ、さだ飴)の紹介をした後、再びMC。何歳まで歌うのか?を自問自答した事もあるけど、待ってくれている人がいるから、歌えるうちは歌おうと決めたと仰ると場内からは惜しみない拍手が👏
そこからバンドメンバーの紹介が始まりました。

♪さだ工務店のテーマ♪
演奏しながらメンバーのソロパートを交える形でのメンバー紹介でした。

9、あなたが好きです
隠れた名曲みたいな存在になっている、今回のアルバムのお陰で久々に陽の目を見た楽曲。さださんは高いキーが若干キツそうでしたが、素晴らしい演奏でした。

MC(要約)
今回のアルバムは、映画やドラマに使われた曲を中心に選曲しました。次に演奏する「聖夜」は映画ニ百三髙地で使用。山本直純さんに頼まれて書いた曲。「しあわせについて」は映画ひめゆりの塔で使用。一昨日(6月23日)は沖縄慰霊の日。日本人だけでなくアメリカ人の戦死者まで記載されていると言う話から、さだまさしコンサートの特徴である生命をテーマにした内容の話が増えていきました。

10、聖夜
11、しあわせについて
この曲で水分補給をしたからか、高いキーも回復して出やすくなってきました。この曲の後に照明スタッフとさださんがステージ上でやりとりをする光景があり、場内爆笑でした。

MC(要約)
しあわせって難しい。個人の持ち物だから、客観的には言えない。不幸せと一緒で比較をするのではなく、感じ方みたいな説明でした。宮沢賢治の「ほんとうのさいわい」みたく、幸せとは実はポケットの中に入っているんだけど、不平不満ばかり言っていたらそれがポケットの中に入ってしまい、下の方に入っている幸せが気付けないんじゃないかと思うとの事。今のさだまさしさんにとっては、音楽をやれる事が幸せ。そして、音楽で幸せん感じてもらえるようになるならさらに幸せですとの事。あと二曲。と言う事で楽曲の説明をした後に、「次に会う時はマスクを取って。踊ったりは出来ないけど😅。バンドの仲間たちや、ステージの外でがんばっているスタッフに盛大な拍手👏を❗️」と仰ってから本編ラスト二曲が始まりました。

12、SMILE AGAIN
13、奇跡2021

特筆すべきは「奇跡2021」。この日不調気味だった高いキーも完璧で、この日持てる力をフルに出してきたような素晴らしい歌唱と熱演でした。
ここで本編終了。


14、いのちの理由
アンコールはアルバム最後に収録されているこの曲。「奇跡2021」で昂ぶった気持ちをなだめるように、まるで子守唄のように優しく歌うさださん。約2時間と、従来のさだまさしコンサートに慣れた方には短いと感じるかもしれませんが、とても凝縮されて素晴らしいコンサートだったように思います。


おわり。




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