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スプライト登場以降の【代行者】について

こんにちは、案山子と申します。
大変久方ぶりのnote投稿となりました。
今回はタイトルの通り【代行者】の解説記事になります。
というのも、2022.5.3に行われたみりんCS二人チーム戦において【代行者】で準優勝というそれなりの結果を残すことができたため、この構築を広く共有したいと思い当記事を執筆した次第です。
小さな頃にお年玉でロスト・サンクチュアリを3箱買って遊んでいた身としてはとても思い入れのあるテーマであり、同様に代行者や天使族が好きで勝ちたいという方には是非読んでいただきたい内容になっています。
興味のある部分だけでも見ていただければ幸いです。


0.デッキレシピ

上記ツイートが実際に使用した際のものになります。今回はこの大会後にさらに微調整した以下の構築を前提として解説を進めていきたいと思います。

テキスト等の詳細は以下のリンクから↓

なお、この構築・記事ともに2022.5現在の大会環境を前提としたものとなっています。
あとからこの記事を読んでいただく方には環境意識という面では意味のない部分が多いと思いますので、ギミックの基盤の部分の動きに関してのみ参考にしていただければ幸いです。
また、カジュアルデッキ的な視点での考察ではないという点にもご留意ください。


1.現在の環境と【代行者】

※デッキの動きのみ知りたい方はこの項は飛ばしていただいて結構です。


まずデッキ解説の前提として現在の環境を簡単に確認すると、圧倒的トップシェアとして【スプライト】が君臨しており、その下に【ティアラメンツ】や【エクソシスター】、【スプライト】に有利を取れる【エルドリッチ】などが存在し、その他の数多のワンチャンあるデッキたちが少数ずつ分布している、というものがおおよそのシェア率かと思います。

率直に言って、この環境における最強デッキは十中八九【スプライト】でしょう
一枚初動の存在や多数の妨害手段といった現代遊戯王の基本がそろっているというのはもちろん、《鬼ガエル》+《スプライト・ブルー》などの二枚初動による圧倒的な誘発貫通力と、その少ない枚数での貫通力からくる誘発スロットの豊富さは、他のデッキでは追随を許しません。
また構築上で引きたくないカードがデッキ内に極めて少なく初手にムラが出づらいというのも強みの一つで、この点も安定感やスロット数といった部分に貢献しています。
総じて、デッキやテーマ全体の総合力という面では、他のテーマでは【スプライト】に抗えない、というのが私感です。


そんな環境で【スプライト】以外の、特に非環境のデッキを大会に持ち込むのであれば、何かしら明確に尖った部分、「この強みが活きれば勝てる」という部分がデッキに必要だと思っています。
私が【代行者】をCSで使おうとした理由は、単純にテーマが好きで《スプライト・エルフ》により大幅に強化されたからですが、勝ちを目指して出場する以上はその点を意識しないわけにはいきませんでした。
つまるところ、《増殖するG》の受けが良くなりようのない【代行者】というデッキで、中途半端な貫通力や中途半端な最終盤面、中途半端な誘発枚数をとっているのでは、当然【スプライト】に勝てるべくもなく、また【スプライト】の劣化にもなりかねない、ということです。


では【代行者】のプランを【スプライト】に有効な形で尖らせるとなると取り得る手段は様々ありますが、結論として今回私が採用したものは、

「【スプライト】の後攻は誘発の枚数で勝負せずに天使族固有の強みである《朱光の宣告者》に一任し、空いたスロットにサブギミックとしてスプライトを採用することで誘発貫通手段を爆増させ、先攻に大きく寄せた構築にする」

というものです(詳細は後述します)。

巷では《大天使クリスティア》を採用し同様に先攻猿で勝つプランもあるようですが、こういったものを採用しなかった理由に関しても後ほど解説したいと思います。


2.先攻展開

※デッキ内のカードの効果が分からないという方は、先に構築のリンクからテキストを読んでいただくか、各カード解説の項で確認していただくことをお勧めします。

A.《神秘の代行者 アース》のみ

まず以下の動画をご覧ください。

デッキの基本となる《神秘の代行者 アース》一枚展開の分岐前までの動きであり、《宣告者の神巫》を着地させることができます。
盤面にいる《スプライト・エルフ》でこの《宣告者の神巫》を自分・相手ターンと使いまわすことでアドを取っていくのがこのデッキの基本的な動きになります。

この動きをした際に自分ターンに墓地に送る天使族は《トリアス・ヒエラルキア》であることが多いです。
《トリアス・ヒエラルキア》で《宣告者の神巫》をリリースすることでデッキから天使族をリクルートし、さらなる展開につなげていきます。

ここで《異次元の精霊》をリクルートした場合にはレベル10シンクロを出すことができます。
《フルール・ド・バロネス》を出すもよし、《マスターフレア・ヒュペリオン》→《天空神騎士ロードパーシアス》コピー→《失われた聖域》サーチという【代行者】の鉄板ムーブをしてもよし、といったところです。

《イーバ》をリクルートした際には《代行者の近衛 ムーン》をリンクし、《イーバ》で《宣告者の神巫》と《朱光の宣告者》をサーチしつつ《代行者の近衛 ムーン》で《マジェスティ・ヒュペリオン》を落として蘇生、《天空神騎士ロードパーシアス》を正規召喚し《失われた聖域》サーチ、と動きます。

一例として《マスターフレア・ヒュペリオン》を出した場合の展開・最終盤面は上のようになります。

妨害は、
・《失われた聖域》によるモンスター無効
・《マスターフレア・ヒュペリオン》による除外
・《スプライト・エルフ》:
  《宣告者の神巫》蘇生→《旧神ヌトス》
  or《宣告者の神巫》蘇生→《イーバ》→《朱光の宣告者》
  or《水晶機巧-ハリファイバー》蘇生→《冥府の執行者 プルート》

リソースは、
・《失われた聖域》でセットした《天空の聖水》
・《マスターフレア・ヒュペリオン》による《天空神騎士ロードパーシアス》再コピー
・《スプライト・エルフ》で自ターンに《宣告者の神巫》再蘇生

その他、《マスターフレア・ヒュペリオン》が対象耐性持ち3200打点なため処理にやや労力が要り、その点でも圧力をかけることができることから、一枚初動からの基本盤面としてはかなり質が高いものになっていると言えるでしょう。


ちなみに、《宣告者の神巫》のリクルート効果からの分岐は上記《マスターフレア・ヒュペリオン》展開含め三パターン紹介しましたが、いずれを選ぶかはかなり悩ましく、対面のデッキタイプやどんなカードをケアするかによります。

《マスターフレア・ヒュペリオン》に行った場合

・《マスターフレア・ヒュペリオン》展開はリソース量が最も多く、継続して使える妨害も複数あり、面に触る手数も十分なため、スプライトのギミックを相手にするには一番信頼が持てる
捲られたとしても、次のターン以降に《命の代行者 ネプチューン》で《マスターフレア・ヒュペリオン》を蘇生する択が取れるのも強力。
反面、《原始生命態 ニビル》が直撃したり、強い打ち所を探して待たれた《幽鬼うさぎ》が《マスターフレア・ヒュペリオン》に直撃したり、またサイド後の《冥王結界波》や《サンダー・ボルト》が重く刺さったりと、ギミック外に裏目が多い

《フルール・ド・バロネス》に行った場合

・《フルール・ド・バロネス》展開はリソース量・妨害数・メタ耐性すべてに不安が残るが、唯一魔法・罠に対して発動無効を構えられるため《烙印融合》に強い
また手札コストが不要なため、誘発を乗り越える過程で手札がカツカツな際にも取れる。

《朱光の宣告者》+《天空神騎士ロードパーシアス》に行った場合

・《天空神騎士ロードパーシアス》展開は最も無難で、強い《原始生命態 ニビル》の打ち方をされても他の誘発がなければ一応の妨害は構えられるのが魅力(動画も参照のこと)。
また妨害のある場所が前・後ろ・手札と散っていることから《冥王結界波》や《サンダー・ボルト》に対しても最も耐性が高く、サイチェン後の信頼感は高い
早めに《マジェスティ・ヒュペリオン》にタッチできているため墓地リソースを刈りやすくなっている点、次ターン以降の10シンクロ成立が容易である点、《天空神騎士ロードパーシアス》が残れば返しに即《アクセスコード・トーカー》から入れる点などもよい。
ただし墓地に《宣告者の神巫》が残らないため、《朱光の宣告者》で《宣告者の神巫》を切るまでは《スプライト・エルフ》で《宣告者の神巫》を釣れない点には気を付けなければならない。
特に、罠デッキがモンスター効果を使わずにベタ伏せで返してきた場合には相手ターン中に《旧神ヌトス》で伏せに触る動きができず、またそもそも妨害の質がモンスターへの妨害に寄っていることもあり、総じて罠デッキに対しては展開が通っても弱い

最も嫌なポイントに《原始生命態 ニビル》を打たれた場合の動画です。
タイミングは遅いですがなんとか《朱光の宣告者》は回収できます。
素引きのカードで妨害が十分な場合は返しのリソースを拾うこともできます。

B.《スプライト・スターター》のみ

※追記(2022.5.14)
この項目にはルール上不可能な処理が一部記載されていたため、記述を大幅に修正しました。

《スプライト・スターター》しか初手にない場合にも、実は最低限の展開はすることができます。
《スプライト・スターター》→《スプライト・ブルー》→《スプライト・ジェット》→《スプライト・スターター》とつなぎ、《ギガンティック・スプライト》から《宣告者の神巫》につなげて展開するのです。

《スプライト・スターター》の制約が最初からかかってしまうため盤面はかなり貧弱で、この記事で紹介した構築ではせいぜい三妨害(《朱光の宣告者》、《スプライト・エルフ》、《スプライト・レッド》)が関の山ですが、この展開は召喚権を使用していません。
また手札コストもいらず、《スプライト・スターター》のみで確定することから、他のカードで妨害を受け切った後の展開として利用できるため、覚えておいて損はないでしょう。


C.《神秘の代行者 アース》+《スプライト・ブルー》

《神秘の代行者 アース》と《スプライト・ブルー》を合わせ引きしている際の展開は細かい分岐が非常に多く、その全容を載せることはできません。

最も簡単な例として、《神秘の代行者 アース》に誘発を貰い《スプライト・ブルー》にも誘発を貰った場合には、盤面に残ったその二体で《水晶機巧-ハリファイバー》を作りAのいずれかに帰着させます。
※但し墓地コストの兼ね合いで《朱光の宣告者》+《天空神騎士ロードパーシアス》展開は不可

しかし必ずしもその二点に誘発を貰うとは限らず、どのタイミングで貰うどの誘発をケアするのか、どんな捲り札を見るのか、相手のデッキタイプは何かなどで都度変えていかなければなりません。
大まかな分岐点としては、

・《スプライト・ブルー》のサーチは《スプライト・レッド》か《スプライト・ジェット》か
・《水晶機巧-ハリファイバー》は上に出すか下に出すか
・《スプライト・エルフ》は上に出すか下に出すか
・《宣告者の神巫》の落としは《トリアス・ヒエラルキア》か《イーバ》か
・《宣告者の神巫》のリクルートは《異次元の精霊》か《イーバ》か

などかあります。

その中でも最大値の一つをとる展開例を挙げます。

妨害は、
・《失われた聖域》によるモンスター無効
・《マスターフレア・ヒュペリオン》による除外
・《スプライト・レッド》によるモンスター効果無効
・《水晶機巧-ハリファイバー》→《冥府の執行者 プルート》による疑似《月の書》効果
・《スプライト・エルフ》:
  《宣告者の神巫》→《旧神ヌトス》
  or《宣告者の神巫》→《イーバ》→《朱光の宣告者》

リソースは、
・《失われた聖域》でセットした《天空の聖水》
・《マスターフレア・ヒュペリオン》による《天空神騎士ロードパーシアス》再コピー
・《スプライト・エルフ》の蘇生効果
・《失われた聖域》が割られた場合、《冥府の執行者 プルート》による回収

となっており、《神秘の代行者 アース》一枚展開と比較すると、カードが一枚追加された以上の最終盤面強化になっています。
これは他の最終盤面を目指した場合にも同様で、盤面強度は《神秘の代行者 アース》一枚時と比べて大きく向上します。


では誘発貫通の面はどうでしょうか。

・《神秘の代行者 アース》に無効系誘発を貰った場合の展開例

上の動画において、
・《スプライト・ブルー》に誘発
  →《水晶機巧-ハリファイバー》展開
・《水晶機巧-ハリファイバー》に誘発
  →《ギガンティック・スプライト》展開
・《スプライト・エルフ》に誘発
  →《ギガンティック・スプライト》展開
・《宣告者の神巫》のいずれかの効果に《灰流うらら》
  →つらい
   盤面強度を代償に《スプライト・スターター》先打ちで貫通可
・《マスターフレア・ヒュペリオン》に《幽鬼うさぎ》や《灰流うらら》
  →《スプライト・レッド》でケア
・《原始生命態 ニビル》
  →つらい
   《イーバ》リクルートや《スプライト・スターター》先打ちで貫通可

・《スプライト・ブルー》に誘発を貰った場合の展開例

上の動画において、
・《水晶機巧-ハリファイバー》や《スプライト・エルフ》に誘発
  →《ギガンティック・スプライト》展開
・《宣告者の神巫》に《灰流うらら》
  →つらい
   
盤面強度を代償に《ギガンティック・スプライト》先出しで貫通可
   ただし《幽鬼うさぎ》《原始生命態 ニビル》がケア不能になる
・《幽鬼うさぎ》や《原始生命態 ニビル》
  →つらい
   A同様に《天空神騎士ロードパーシアス》展開ならケア可能

・《水晶機巧-ハリファイバー》に無効系誘発を貰った場合の展開例

《スプライト・エルフ》のリンク先の対象耐性と《スプライト・レッド》によりほぼ全ての誘発をケア
但し最終盤面はやや不安が残る

その他の打ち所や誘発についてもなんらかの形でのケアが存在していることが多く、総じて《神秘の代行者 アース》+《スプライト・ブルー》の持ち方は二枚初動とは思えないほどの誘発貫通力があります


先攻展開まとめ

紹介したもの以外にも初手の組み合わせや打たれた誘発に応じて様々なケアの択がとれそうだということは分かっていただけたかと思います。

紹介できなかった小技としてあるのは、
・《宣告者の神巫》の被リリース時効果や《命の代行者 ネプチューン》で蘇生した《神秘の代行者 アース》のリリース耐性を盾に、《原始生命態 ニビル》をケアしながら先出し《フルール・ド・バロネス》
・《朱光の宣告者》+《神秘の代行者 アース》+スプライトの引き方の際は《命の代行者 ネプチューン》を最後まで使わないことで誘発ケア
・《トリアス・ヒエラルキア》素引きで《神秘の代行者 アース》や《宣告者の神巫》への無効系貫通
などなど。

また、こういった先攻展開の一例を紹介することで、このデッキはあくまでも代行者側が軸でありスプライトギミックはその補助であるという点を伝えられたらなとも思っています。


3.後手捲り

後攻は滅多に捲れません。
どのみち普通の誘発を少々入れたところで【スプライト】には貫通されるだけですので、《朱光の宣告者》や《浮幽さくら》、《月女神の鏃》といった確定一枚で大きな効力を発揮するカードに期待するプランで構築しています。
他の対面に対しても同様で、【ティアラメンツ】や【エクソシスター】には《接触するG》、【エルドリッチ】には《レッド・リブート》のような尖ったピンポイントメタにすべてを任せています。
そのくらいしなければならないほど現在の環境は先攻環境であり、また環境デッキも先攻の勝ちを落とさないことを重視して構築をしているとの認識です。
先攻環境でこんな訳の分からない非環境デッキを握るからには、こういった尖ったプランを取るほかないでしょう。


相手の面に触る方法

ここでは、そういったメタカードで相手の盤面を大きく弱体化させたときに完全にまくり切るためにも、相手の盤面にギミック内から干渉する方法を整理しておきます。

破壊や墓地送りによるもの

・《代行者の近衛 ムーン》の起動効果
・《マスター・ヒュペリオン》の起動効果
・《宣告者の神巫》からの《旧神ヌトス》落とし
・《トリアス・ヒエラルキア》の二体以上リリース時効果
・《フルール・ド・バロネス》の起動効果
・《アクセスコード・トーカー》の起動効果
・《天霆號アーゼウス》による墓地送り

それ以外のもの

・《マスターフレア・ヒュペリオン》の誘発効果
・《冥府の執行者 プルート》の月の書効果
・《相剣大公-承影》の誘発効果

覚えておきたい点の一つは、破壊・墓地送り以外で能動的に盤面に触る方法は《相剣大公-承影》しかないという点です。
墓地送りも《天霆號アーゼウス》しか存在しません。
《魔知ガエル》や《暗影の闇霊使いダルク》にリソース回復効果を発動させないためには《相剣大公-承影》+除外トリガーを絡ませるしかなく、自ターンに《相剣大公-承影》まで行くことを狙うのか、《スプライト・レッド》などでリソース回復を直接止めるのか、《マスターフレア・ヒュペリオン》で相手のアクションに合わせてリソースを剥いでいくのか、そもそもワンキルを狙うのかなどは早めに決めた上で動いていきたいところです。


後手の展開パターン

後攻でどういった動きをするかはかなり状況次第な部分が多く、先攻展開以上に体系化が難しいものです。
ここでは、そんな中でも行う頻度が高く、パターンと言ってもいいだろうというものを一つ紹介します。

【代行者】の最も基本的な初動カードである《神秘の代行者 アース》一枚から、盤面を4枚破壊しつつワンキルすることができる展開です。
手札に天使がダブついており手札コストに余裕もある場合であれば、《イーバ》のサーチを《朱光の宣告者》+《異次元の精霊》とすることで、メイン終了まで待たれた《原始生命態 ニビル》ならケアすることもできます。
ついでに《スモーク・モスキート》や《ヌメロン・ウォール》のような訳の分からないカードによるワンキル阻止も防ぐことができます。
またスプライトが絡むなどでリンク数に余裕があるときは《異次元の精霊》を絡める必要がないため《朱光の宣告者》による謎カードのケアも簡単になり、同時に《スプライト・エルフ》も残ることから《アクセスコード・トーカー》まで待たれた無効系のケアにもなっています。

勿論実際には相手の妨害があるでしょうから《神秘の代行者 アース》を持っているだけで勝ちにはなりませんが、《レッド・リブート》を叩きつけた際など、このルートを知っているかどうかで大きく変わるシーンは多々あります。
またこの展開の終盤の、
《代行者の近衛 ムーン》で《マジェスティ・ヒュペリオン》落とし
→《天空神騎士ロードパーシアス》で《マスター・ヒュペリオン》サーチ
→+一体で《アクセスコード・トーカー》+《マスター・ヒュペリオン》
という展開はライフカット時によく使用するパターンでもあり、是非覚えておきたいところです。


4.採用カード解説

この項ではデッキ内の各採用カードの採用理由や役割、小技などを解説します。

代行者関連カード

このデッキの基盤の部分です。
デッキのエンジンとなるのは《宣告者の神巫》かもしれませんが、それは妨害手段の一つだったり展開の中継地点であったりするだけで、この代行者関連カードが一切絡まずに勝つゲームというのは存在しません

採用枚数等に関して
《神秘の代行者 アース》《天空の聖水》
  初動なので3
《命の代行者 ネプチューン》
  単体で何もせず、貫通札としても微妙、3枚は使わないので2
《マジェスティ・ヒュペリオン》
  素引きが弱く、複数枚利用する場面もほぼないため1
  触る手段も《天空の聖水》や《代行者の近衛 ムーン》など十分
《マスター・ヒュペリオン》
  《マジェスティ・ヒュペリオン》同様1
  ただより役割が薄く、常に採用を悩むカード
  現在は《神秘の代行者 アース》からのワンキルのために採用
《失われた聖域》
  このテーマ固有のパワーカード
  先攻の素引きは強力だが複数枚使う場面はなく、サーチも効く
  後手の素引きが弱すぎるため1
エクストラデッキのカード
  複数枚使用するシーンはないが必須なため1

注意点

①《神秘の代行者 アース》のサーチ範囲
  《天空の聖域》があっても《マジェスティ・ヒュペリオン》はサーチできない

②《マスター・ヒュペリオン》《マジェスティ・ヒュペリオン》のコスト
  《マスター・ヒュペリオン》の破壊効果:墓地の光・天使
  《マジェスティ・ヒュペリオン》の除外効果:手札・墓地の天使

③《命の代行者 ネプチューン》のリリース耐性付与
  《代行者の近衛 ムーン》を蘇生した場合自身コストの破壊ができない
  また《スプライト・レッド》や《トリアス・ヒエラルキア》のコストにもならず、その状態が相手ターンまで持続するため注意が必要

④《失われた聖域》の発動時処理
  発動時のセット処理が強制なため、無効効果は同一チェーンで使えない

たまに役立つ小技など

①《マジェスティ・ヒュペリオン》のダメージ共有効果で【@イグニスター】にワンチャンを作れる
  具体的には、相手が《ピカリ@イグニスター》初動などで《めぐり-Ai-》のダメージを受けている場合、《マジェスティ・ヒュペリオン》の横に《天空神騎士ロードパーシアス》などの打点2000以上の天使を並べるか、または《異次元の精霊》などの打点300以下の天使族を並べることで、打点6000の《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》に自爆特効からワンキルができる

②《代行者の近衛 ムーン》で自身コストに《スキルドレイン》を割れる

③《冥府の執行者 プルート》で自分モンスターを裏返すことで、《無限泡影》や《幻影霧剣》といったカードをケアできる
  またコストに天使族指定がないため、《増殖するG》などに当たる《墓穴の指名者》をケアできる

④《冥府の執行者 プルート》で妨害したい際、《失われた聖域》→《冥府の執行者 プルート》を同一チェーン上で発動することで、《コズミック・サイクロン》を持たれていても《失われた聖域》の魔法・罠セットか《冥府の執行者 プルート》の妨害かのいずれかは通すことができる

⑤《命の代行者 ネプチューン》で出した《神秘の代行者 アース》はリリースされないため、2.C.で挙げたような《転生炎獣アルミラージ》下《水晶機巧-ハリファイバー》の動きにおいて、《原始生命態 ニビル》で《水晶機巧-ハリファイバー》の成立を阻害されない。


代行者以外の天使族カード

代行者カードがそのパワーを十分に発揮するために必要なカード群です。
特に《宣告者の神巫》がこのデッキのエンジンで、序盤はいかにしてこのカードに触るかに終始します。

採用枚数等に関して

《宣告者の神巫》
  初動としての質は低く積極的に引きたいほどではない
  2枚使う場面は多く、《D.D.クロウ》なども考えると2は必須
  初動が足りないと感じれば3にしたいが現状は2で十分に感じている
《朱光の宣告者》
  このデッキを使う意味なので絶対に3
《イーバ》《異次元の精霊》《トリアス・ヒエラルキア》
  わけの分からない天使たち
  引いて役に立つこともあるが基本的には引きたくないため1
《天空神騎士ロードパーシアス》
  先攻1ターン目と返しとで1枚ずつ使うパターンがあるため2
  よっぽど入れたいカードがあれば妥協できる部分
《旧神ヌトス》
  《宣告者の神巫》の択として必須なので1

注意点

①《宣告者の神巫》のレベル変動
  レベル8天使とシンクロしたい場面は勿論、スプライトモンスターをSSしたい場合にも注意が必要
  《宣告者の神巫》+スプライトで《宣告者の神巫》が通ってしまった場合は《宣告者の神巫》で《神秘の代行者 アース》をリクルートするなど工夫しなければスプライトは出せない
  なおレベル変動はそのターン中のみなので、相手ターンに《スプライト・エルフ》で蘇生した《宣告者の神巫》であれば返しのターンにはレベル2に戻る

②《異次元の精霊》の帰還効果
  これは発動する効果であり、《異次元の精霊》自身がフィールドに残っていなければ発動できない
  旧テキストだと分かりにくいため要注意

③《イーバ》の除外コストは光・天使
  《マジェスティ・ヒュペリオン》や《冥府の執行者 プルート》は不可

たまに役立つ小技など

①《宣告者の神巫》+《トリアス・ヒエラルキア》素引きで《スキルドレイン》を破壊できる

②忘れがちだが《トリアス・ヒエラルキア》には複数リリース時の追加効果があり択として優秀
  ただ欲張って3体リリースすると《灰流うらら》を貰うリスクもある

③《宣告者の神巫》を召喚して誘発を貰った場合、レベルが変動しないため手札からスプライトモンスターをSSできる

④《宣告者の神巫》で《イーバ》を落としたのち、スプライトモンスターと合わせて《冥府の執行者 プルート》を正規召喚できる
  《冥府の執行者 プルート》を残して妨害にするためには《失われた聖域》が必要だが、《宣告者の神巫》で《イーバ》を落とすと《失われた聖域》はほぼサーチできないため、《失われた聖域》素引き時にのみ択に挙がる
  ちなみに理論上は《代行者の近衛 ムーン》で落とした《失われた聖域》を《冥府の執行者 プルート》で拾うこともできるが、どんな状況かは分からない。

⑤《トリアス・ヒエラルキア》に限らず、《スプライト・レッド》や《代行者の近衛 ムーン》でも《宣告者の神巫》のリクルート効果を誘発できる
  またヒュペリオン系をアドバンス召喚することで《宣告者の神巫》のリクルート効果を誘発し、《神秘の代行者 アース》リクルートからレベル10シンクロにつなげることもできる

スプライトカード

【代行者】の先攻の貫通力を爆発的に上げてくれる、極めて優秀な補助輪・サブギミックです。
《ギガンティック・スプライト》のおかげでスプライトカードしかない際ににも代行者側にアクセスすることができ、相方としてはこの上なく相性が良いです。
ただ基本的に補助輪でしかなく、代行者ギミックが十分回っている際に《ギガンティック・スプライト》でスプライトカードにアクセスするかは要検討です。

採用枚数等に関して

《スプライト・ブルー》
  先攻で《神秘の代行者 アース》と合わせて最も強く、引きたいため3
《スプライト・ジェット》
  スプライトで最も採用枚数の難しいカード
  引きたい寄りではあるがスプライト過多はハンドで浮く
  まれに2枚目が欲しくなるため現在は2
  3枚入れるなら《スプライト・スマッシャーズ》も同時に検討したい
《スプライト・レッド》
  素引きも弱くないが引きたいほどではないため1
  ここを増やすなら先に《スプライト・キャロット》が優先
《スプライト・スターター》
  一枚初動でもあり後手やグダった試合のトップで一番強い最強カード
  減らす意味がないので3
《スプライト・エルフ》
  【代行者】に革命を起こしたカード
  展開上2は必須で、枠があるなら3入れたいが無いので2
  先攻展開で2使用するパターンもあり妥協は出来ない
《ギガンティック・スプライト》
  妨害の貫通役が主な役割
  制約もあり、積極的に出すカードではないため1

その他メインデッキのカード

スロットが少ないため手札誘発はクリティカルなもの以外意味ない、との考えから、対【スプライト】用の誘発には《朱光の宣告者》に加えて《増殖するG》のみを採用しています。
《灰流うらら》は相手の初動が強いときには無意味と判断して打たないこともあり、どちらかと言えば《墓穴の指名者》《抹殺の指名者》と同様に《増殖するG》のケア札としての採用です。

《金満で謙虚な壺》に関しては特に採用理由として語ることはなく、採用可能なデッキなら入れない意味がないくらいのカードだと思っています。

メインから先攻に寄せるプランを取っているため、《三戦の才》も自然と入ってきます。【スプライト】環境で採用される標準的な手札誘発の枚数からして腐るシーンは少なく、先攻をより盤石にするためのカードとして重宝します。
枚数は要検討ですが、サイドチェンジの都合でデッキ枚数を41にしたく、二枚目を採用しています。
結果を残したCSでは《三戦の才》1と《浮幽さくら》1とで散らしていました。
《浮幽さくら》もまた一枚で仕事をしてくれるカードで、滅多に抹殺されない強みもあるのですが、先攻に振り切るつもりならメイン戦の後手は割り切って先攻用の《三戦の才》でよかったなと感じています。

《金満で謙虚な壺》に関して

召喚権が無い時や《増殖するG》ケアが出来ない時など、明確に探したカードがあれば基本的に6枚コストから即打ちします。
特に《増殖するG》のケア札を探す観点からすると、デッキがバレていると《金満で謙虚な壺》にチェーン発動されることもあるため、《金満で謙虚な壺》に《灰流うらら》を貰い《増殖するG》ケアカードを掘れないリスクも承知の上で、初手打ちが安定だと考えています。
《神秘の代行者 アース》+スプライト+《増殖するG》ケアがそろっている場合には後打ちや3枚コストも検討します。
勿論こういった細かいプレイは人によって方針が変わる点ですので、デッキ解説とは直接関係はなく、一つの考え方程度に捉えていただきたい点です。

除外コストについては状況にもよりますが、
《転生炎獣アルミラージ》(後手で優先順位↑)
《天空神騎士ロードパーシアス》二枚目
《アクセスコード・トーカー》(先手で優先順位↑)
《ギガンティック・スプライト》
《天霆號アーゼウス》(先手で優先順位↑)
《冥府の執行者 プルート》(後手で優先順位↑)
《相剣大公-承影》
などがよく飛んでいきます。

その他エクストラデッキのカード

基本的にどれも必要最低限の枚数のみ採用しているため採用枚数に関して語ることはありません。

自由枠になり得るのは優先順位の低い方から
《天霆號アーゼウス》
《相剣大公-承影》
ギリギリで《アクセスコード・トーカー》
くらいまでです。
既に紹介したエクストラデッキのカードも含め、他は全て必須枠です。

細かい話題

《天霆號アーゼウス》は優先順位が低く常に採用を迷っており、実際に出たCSでは不採用だった
ただ《浮幽さくら》用の《餅カエル》の方が不要だったとCS後に感じたため、入れ替わる形で再雇用
手札に《命の代行者 ネプチューン》とスプライトを抱えた状態で《神秘の代行者 アース》+スプライトで《ギガンティック・スプライト》を組み《天霆號アーゼウス》に変身、妨害を踏んでから《水晶機巧-ハリファイバー》展開というのが想定している動き
採用しているとサイド後の《次元障壁》に対してシンクロ宣言でもエクシーズ宣言でもデカブツを出せるようにはなる
ただ《ダウナード・マジシャン》が入っていないためパワーが中途半端で、他に入れるカードがあればすぐに抜ける

《フルール・ド・バロネス》は使用頻度はそう高くないが、使う場面ではこのカードでなければいけないため必須
先攻展開を通し相手ターンをしのいだ返しに、相手の伏せのケアやトップ《原始生命態 ニビル》のケアで最速で出しに行くことが多い
ギミックを厚く引いているときは手札の被った代行者をコストにヒュペリオンを出し、《神秘の代行者 アース》と合わせて《フルール・ド・バロネス》をちらつかせてアクションを強要させ、改めて《命の代行者 ネプチューン》+スプライトから動き出す、というプレイもしばしばやる

先攻でモンスター数に余裕がありそうなときは《転生炎獣アルミラージ》の下で《水晶機巧-ハリファイバー》展開をすることで《幽鬼うさぎ》の打ち所を限定させることもある

《相剣大公-承影》は耐性と打点が強力で、お互いリソースがギリギリのゲームでは妨害にならない《相剣大公-承影》単騎でも勝ちを拾えることがある
《相剣大公-承影》がいるだけで《粋カエル》や《妖精伝姫-シラユキ》に睨みを利かせられる点も強力

サイドカード

【スプライト】の後手用の《月女神の鏃》《浮幽さくら》、
【ティアラメンツ】【エクソシスター】用の《接触するG》
【エルドリッチ】用のお守り《レッド・リブート》
全体面の先攻用の《神の宣告》

これだけで構成されています。
サイドデッキのカード選択はその地域の分布次第なので、軽く紹介するにとどめます。
基本的な構築プランは先述の通り、後手は少ないスロットで効力を発揮するカードに絞ること、先の勝ちを落とさないことです。
またしっかりと調整できる環境がないため大味なカードでアームレスリングに持ち込んでいるという側面もあります。

どのカードも強力で引いた試合ではきちんと仕事をしてくれたため、今回出たCSにおいてはカードの採択は正解でした。

《浮幽さくら》に関してははじめ《冥王結界波》でもよいのかなと思っていましたが、《神の宣告》の流行や後手で喰らう《増殖するG》のこともあり、しっかりとリソースを剥いでターンを返すゲームにもシフトできるこちらを選択しました。
勿論《三戦の才》《墓穴の指名者》を貰うリスクもありますが、実際にあった《浮幽さくら》と《増殖するG》を投げ合うゲームの際には確かなパワーを感じることができたため、結果論かもしれませんがこちらでよかったなと感じています。

《月女神の鏃》は《三戦の才》《神の宣告》を意識したカード選択です。「《三戦の才》を打たれるリスクに見合ったリターンがあり、重ね打ち前提でない手札誘発」というのが《浮幽さくら》《PSYフレームギア・γ》以外に思いつかず、制限となった《PSYフレームギア・γ》を採用する踏ん切りはつかなかったため、今回は《月女神の鏃》を採用しました。

ちなみに実際にあった【スプライト】の後手のゲームで、
《月女神の鏃》+《墓穴の指名者》で前の妨害を消したが《次元障壁》を打たれ《相剣大公-承影》などのシンクロ体が出ず、うまくリソース回復を防げなくなったため無理やりワンキルを狙う
という展開になったものがあり、少なくとも《冥王結界波》にはしなくてよかったなと実感しました。


5.不採用カード解説

ここでは今回紹介した構築に採用しなかったカードのうち、相性が良いが断念したものだったり、「なんでこれ入れないの?」と言われそうなものについて解説をします。

《大天使クリスティア》

代行者に知識が無いという方以外であれば、最も気になる点かと思います。

巷では《神秘の代行者 アース》一枚で《大天使クリスティア》なる展開を採用した【代行者】が存在しており、勿論私も検討はしました。
先攻猿カードとしては申し分ない制圧力でありプランにも合致しているように見えますが、そんな《大天使クリスティア》を私が採用しなかった理由は、ひとえに《大天使クリスティア》は実質出ないからです。

こちらが有名な《神秘の代行者 アース》確定一枚から《大天使クリスティア》+《朱光の宣告者》二発+《スプライト・エルフ》を構える展開です。

ポイントは、《大天使クリスティア》を《天空神騎士ロードパーシアス》でサーチしているという点です。
《天空神騎士ロードパーシアス》の天使族サーチには《天空の聖域》が必要で、その《天空の聖域》は《命の代行者 ネプチューン》でサーチされており、その《命の代行者 ネプチューン》は《神秘の代行者 アース》によってサーチされます。
これは《神秘の代行者 アース》が通らなければ《大天使クリスティア》は出ないということを意味しています。
勿論《神秘の代行者 アース》が止まった場合でも《命の代行者 ネプチューン》素引きや《天空の聖水》からの《命の代行者 ネプチューン》サーチで貫通できますが、《天空の聖水》で《命の代行者 ネプチューン》をサーチするには《神秘の代行者 アース》を素引きしている必要があります。
したがって《神秘の代行者 アース》への妨害を貫通して《大天使クリスティア》に行ける初手は、

《神秘の代行者 アース》+《命の代行者 ネプチューン》
《神秘の代行者 アース》+《天空の聖水》
《天空の聖水》+《命の代行者 ネプチューン》

の三パターンに限られます。

ただこれは《神秘の代行者 アース》への妨害を貫通して《大天使クリスティア》に行ける組み合わせではあっても、《水晶機巧-ハリファイバー》や《スプライト・エルフ》への妨害を貫通して《大天使クリスティア》に行ける組み合わせではありません。
そこを貫通するためにはさらに特定のカードの素引きが求められたりと、誘発一枚を確定貫通して《大天使クリスティア》に辿り着くのに必要な要求枚数が多すぎるのです。

また現在の環境は【スプライト】が圧倒的シェアを占める大誘発環境であり、最低でも誘発二枚程度は毎回飛んでくると言っても過言ではありません。
そんな環境では、極論、誘発を複数乗り越えて出せるカードでなければ初めから使えないのと同じです。

勿論私が気が付けていない貫通ルートが存在している可能性もありますが、私は現状では見つけることができませんでした。
以上の事から、《大天使クリスティア》は実質サーチができず素引きが貫通にもつながらないカードである、と判断し、採用を見送りました。
考え方の違い、想定する環境の違いなどで採用する方もいらっしゃるかとは思いますが、今回の私のプランには合致しなかった、ということです。


《天空の聖域》

《スプライト・エルフ》登場以前の、CSに持ち込むには一歩パワーの足りない【代行者】には採用していたカードです。
このカードを採用しない理由が気になるのは、恐らく【代行者】を以前から使用していた方かと思います。

基本的にはテキストに意味はなく素引きしたくない不要牌です。
かつての【代行者】は二枚初動デッキであり、また展開中に《天空神騎士ロードパーシアス》をコピーした《マスターフレア・ヒュペリオン》が手札コストを要求してくるため、サーチできる手札コストとして泣く泣く採用していたものです。
《水晶機巧-ハリファイバー》が誘発を貰った際などはサーチしたこのカードを発動することで《冥府の執行者 プルート》の妨害を作るという役割もあり、当時は採用せざるを得ない必須枠だったように思います。

しかし今回《スプライト・エルフ》の登場により【代行者】は晴れて一枚初動デッキとなったため、手札コスト一枚の重みはそれほど大きくなくなりました。
また展開の最低終着点がかつては《マスターフレア・ヒュペリオン》の着地だったのが、《スプライト・エルフ》で《宣告者の神巫》を使いまわすことに移行したため、必ずしも《マスターフレア・ヒュペリオン》の手札コストが必要なわけでもなく、そもそも《命の代行者 ネプチューン》を毎回除外するわけでもなくなりました。

もし《大天使クリスティア》を採用するのなら必須カードになるのですが、私はそこも採用を見送っています。

以上の全てが《天空の聖域》を採用しなくて済む後押しとなり、やっとこの謎のフィールド魔法から【代行者】は解放されることができました。
(かつての【代行者】の《天空の聖域》を捨てて《失われた聖域》をサーチする動きもそれはそれでエモかったものですが……)


《天空の歌声》

こちらもかつての【代行者】にはしばしば採用されていたもので、【代行者】を以前から使用していた方にとっては採用候補なのではないでしょうか。

このカードの最大の役割は、一枚のカードで《マスター・ヒュペリオン》と《命の代行者 ネプチューン》をまとめて回収し盤面を伸ばすことにありました。
《マスター・ヒュペリオン》に特殊召喚のターン1制限がないことを利用した、先攻を取った返しのワンキルルートがあったのです。

盤面に《失われた聖域》+《天空の聖水》
墓地に代行者1、墓地or除外に《命の代行者 ネプチューン》から、

①《神秘の代行者 アース》サーチNS《マスター・ヒュペリオン》サーチSS
②《代行者の近衛 ムーン》SS《マジェスティ・ヒュペリオン》落としSS
③《天空神騎士ロードパーシアス》SS《天空の歌声》サーチ
《天空の歌声》で《マスター・ヒュペリオン》《命の代行者 ネプチューン》回収
⑤《命の代行者 ネプチューン》で《マジェスティ・ヒュペリオン》蘇生
⑥《アクセスコード・トーカー》SS
⑦《マスター・ヒュペリオン》SS

《マスター・ヒュペリオン》+《アクセスコード・トーカー》で総打点ジャスト8000

ただこちらも先攻展開の基盤が変化したことからサーチする頻度が激減し、初手にあった時の弱さばかりが気になるようになってしまいました。
《イーバ》のコストで墓地から代行者が消えていることもしばしばあり、《マスター・ヒュペリオン》自体ですらやや使いづらさが目立っています。
そういった事情もあり、このカードも採用を見送ることになりました。


《スプライト・キャロット》《スプライト・スマッシャーズ》

枠の都合です。
このあたりのスプライトギミックを厚くするなら、手札で浮くリスクを軽減する意味でも、サーチする側との枚数比的にも、《スプライト・ジェット》も三枚にしたいところです。
《スプライト・スマッシャーズ》は《増殖するG》が通ってしまった際にワンチャン作れるカードとして優秀で、実際欲しかったシーンもありますが、そういった場面ではどのみち敗色濃厚ではあるため採用するかはかなり悩ましいラインです。
他の利点として、採用していることで【スプライト】相手に《抹殺の指名者》で宣言できるようになるという面もあります。
《三戦の才》などを中心に採用の是非を検討できるカードはメインデッキに存在しているため、常に採用を視野に入れておくべきカードだと思います。


《ダウナード・マジシャン》

これも枠の都合ですが、《天霆號アーゼウス》自体使用頻度が低いため無くても問題ないのかなと感じています。
ただ《ダウナード・マジシャン》が居ないために《天霆號アーゼウス》の使用頻度が低い、という考え方もあり、一度試してみる必要はあるとも思っています。


《I:Pマスカレーナ》《トロイメア・ユニコーン》

先攻で展開が通っている際などに稀に欲しくなるカードです。
ただ基本的には上振れカードであり、このカードで妨害数を増やしたとしても何か特定のメタカードに強くなるという訳ではないため、現状は不採用となっています。
《I:Pマスカレーナ》《トロイメア・ユニコーン》で2枠も必要になってしまうためなかなかセット採用には踏み切れなさそうに思っていますが、《トロイメア・ユニコーン》の方はこのデッキに足りていない除去手段を提供してくれるという側面もあり、単体なら採用する可能性もありそうです。


6.【スプライト】と比較する系の話題

最後に、【代行者】に関してTwitterで目に入ったスプライト関連の話題に少しだけ触れておきます。

「【スプライト】の方が強くない?」

当たり前です。
いま総合力で【スプライト】に勝てるデッキは無いと思います。
だからこそ、【代行者】で勝つために「この点なら【スプライト】にも太刀打ちできる」という点を伸ばした尖った構築にしています。
ちなみにプレイは【代行者】の方が簡単なのでおすすめです。
引いた猿カードを叩きつけるだけなので。


「【スプライト】に入れるならガエルの方がいい」

関係ありません。
ガエルを採用した一般的な【スプライト】はスプライトが主役ですが、このデッキのスプライトは代行者を活かすための補助輪に過ぎない存在です。
【スプライト】に天使が混ざっているのではなく【代行者】にスプライトが混ざっているだけ、というとややファン寄りの思考にも聞こえますが、実態としてそのように構築したものです。
想定しているゲームプランも違えばデッキ構成も違うため、採用カードの一部が同じだからと言って単純に比較できるものではないと考えています。


7.おわりに

ここまで読んでいただいてありがとうございます。
以上で今回自分が使用した【代行者】に関して考えていたことはほとんど紹介できたかなと思います。
デッキに関することは可能な範囲で記述したつもりですが、もし「これも書きたかったのに忘れていた」という内容があった場合には随時追記していきます。

代行者が好きな方には、少しでも参考になったなら幸いです。
代行者を触ったことがないという方も、少しでも興味を持っていただけたなら嬉しいです。

文責は案山子(Twitter:@Batteryman_yp)にあります。
ご指摘・ご質問もこちらにお願いします。

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