[LHTRPG]暴威は満ち潮の如く
シナリオガイダンス
これはCR3の〈冒険者〉を対象とした『LHTRPG』のシナリオである。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHTRPG』を遊ぶことができる。あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。
このシナリオには戦闘1回、ミッション1回が含まれる。オンラインでのセッションは特に時間がかかる場合もあるため、予備時間を確保して遊ぶことをお勧めする。
GM向け情報
▼シナリオ背景
サブ職業「竜騎士」への転職イベントが発生することで知られるダンジョン「地竜の胎洞」から見慣れないエネミーが大量に湧き出し、近隣の村が被害にあっているとの報が〈アキバの街〉にもたらされた。円卓会議は対応を図るべくクエストを発行、モンスター達の鎮圧を依頼する。冒険者たちは「地竜の胎洞」に赴き、エネミーたちの増殖を阻止しなければならない。
▼PC番号およびシーンプレイヤーの扱い
このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。
▼参考・出典
このシナリオは、2014年に作られた同作のセルフリメイクとなる。再構築にあたり諸データやロールプレイ指針を変更しているため、前作をプレイされた経験がある方は注意されたい。また、本シナリオの再配布を禁止する。
プリプレイ
今回予告
レギュレーション
このシナリオは以下の環境で遊ぶことを想定して作成されている。GMの決定した難易度によって【因果力】が増減するため忘れず反映すること。
▼使用ルール
『ログ・ホライズンTRPGルールブック』
『ログ・ホライズンTRPG拡張ルールブック』
GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。
▼推奨キャラクター
このシナリオは、戦闘1回、ミッション1回で構成されている。
このシナリオは、CR3のキャラクター4人で遊ぶことを想定して作られている。冒険に挑むキャラクターは、アーキ4職(戦士職・回復職・攻撃職×2)が揃っていることが望ましい。不足する場合は戦士職・回復職を優先すること。
▼おすすめサブ職業
狂戦士、武侠、勇者、アイドル、祈り手、学者、斥候、魔盗賊、坑夫など
▼PCの立場
PCたちは〈アキバの街〉でパーティを組んでクエストを受注し、「地竜の胎洞」の攻略を目指す。
PCが希望するならば、コネクション、ユニオンを取得してもよい。
▼セッション難易度
以下の難易度から1つ選択する。そのとき『ログ・ホライズンTRPG』未経験者がプレイヤーに含まれているのであれば「難易度:イージー」を選ぶこと。
▼因果力の増強
GMが許可するなら、プレイヤーは次のどちらかを行ってもよい。
・手持ちの「因果力チケット」を消費して追加の【因果力】を最大1点まで得る。
・PCの所持金から50Gを消費して「温泉」を使用し、追加の【因果力】を最大1点まで得る。
使用するEXパワー
このシナリオでは以下の専用EXパワーを合計1回まで利用できる。
《クリティカルアーツ:大防御》_[EXパワー][パーティー]
タイミング:イニシアチブ_判定:なし_対象:広範囲20(選択)_射程:20Sq
コスト:因果力4(協力)_制限:シナリオ1回
効果・解説
このEXパワーのコストは[戦闘不能][死亡]状態のキャラクターも支払いに参加できる。
3ラウンド目以降に使用できる。対象は【ヘイト】を-2してもよい。
〔対象:ヘイトトップ〕対象は[軽減:30]を得る。この効果はラウンド終了時まで持続する。
《クリティカルアーツ:大回復》_[EXパワー][パーティー]
タイミング:イニシアチブ_判定:なし_対象:広範囲20(選択)_射程:20Sq
コスト:因果力4(協力)_制限:シナリオ1回
効果・解説
このEXパワーのコストは[戦闘不能][死亡]状態のキャラクターも支払いに参加できる。
3ラウンド目以降に使用できる。対象の[戦闘不能][死亡]を解除し、【HP】を対象の【最大HP】と同じまで回復させる。
《クリティカルアーツ:単体火力》_[EXパワー][パーティー]
タイミング:メインプロセス開始時_判定:なし_対象:自身_射程:至近
コスト:因果力4(協力)_制限:シナリオ1回
効果・解説
このEXパワーのコストは[戦闘不能][死亡]状態のキャラクターも支払いに参加できる。
3ラウンド目以降に使用できる。あなたがこのメインプロセスで行う「対象:単体」の攻撃は、[攻撃判定]をクリティカルしたとして扱い、ダメージロールに+[(CR×2)+10]される。
《クリティカルアーツ:範囲火力》_[EXパワー][パーティー]
タイミング:イニシアチブ_判定:なし_対象:広範囲1(選択)_射程:4Sq
コスト:因果力4(協力)_制限:シナリオ1回
効果・解説
このEXパワーのコストは[戦闘不能][死亡]状態のキャラクターも支払いに参加できる。
3ラウンド目以降に使用できる。対象に[(CR×2)+5]点の直接ダメージを与える。
〔対象:モブ〕対象を[戦闘不能]にするか[死亡]させる(あなたが選択)。
オープニングフェイズ
GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。
インタールード
シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
OP1:【暗闇の中で】
シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
・シーン解説
「竜の胎洞」の内部で、事件の黒幕が〈カペラ〉に遭遇するシーンである。
時期は大災害より約1か月。6月初旬の頃となる。この出会いによってカペラは〈大災害〉以来繰り返されてきた死亡・復活のサイクルから脱出するが、同時に彼の手駒として利用されてしまうこととなる。
・シーンの終了
オーバーチュアを描写し終えたら、OP2【泥竜排除作戦】に進む。
OP2:【泥竜排除作戦】
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
・モンタージュ
大災害から2か月が経過した〈アキバの街〉。冒険者たちは今日もクエストボード前に集まり、次の活動を何にしようかと話し合っている。
ところが、今日はいつもより職員たちが慌ただしい。勘のいいものは、何か大きいクエストが動き出す前兆であると予感するかもしれない。PC達が一通りのリアクションを済ませたら、以下を描写する。GMは、自分が過去にプレイしたPCなどを職員役にすると、ロールプレイがはかどるだろう。
冒険者たちが会議室へと移動すると、同じようになんだなんだと建物の外から集められた冒険者たちが入室してくる。緊急という言葉はなるほど重いものらしい。一同はとるものもとりあえず、立ったままで以下のような説明を受ける。
・アキバの街から北へ馬車を用いておよそ1日ほどの場所に「地竜の胎洞」というダンジョンが存在する。
・「地竜の胎洞」はゲーム時代にサブ職業[竜騎士]への転職クエストで立ち寄る場所の一つであった。ここには地竜王ニドヘッグを祀る祭壇があることが知られている。
・遡ること一日前、「地竜の胎洞」から見慣れない泥のような姿のモンスターが湧き出すという事件が発生した。名前を〈泥骨竜鬼〉ドーバという。
・たまたま近隣の村に滞在していた冒険者たちがそのエネミーを一度は撃退したが、どうやら大量のモンスターが洞窟内部にいるらしく、しかも増え続けているようである。
・早急に大規模討伐を行わない場合、近隣の村に被害が予想される。クエストを受ける冒険者たちは手分けをして討伐に当たられたい。
・クエスト報酬として、円卓会議からはひとりにつき前金で50G、成功報酬で100Gが支払われる。また、ダンジョンまでの移動は自動的に手配してもらうことができる。
説明後、エネミーの情報について詳細に聞き出そうとするならば難易度11の[エネミー識別判定]を行う。判定に成功したPCは〈泥骨竜鬼〉ドーバの情報を得てもよい。また、このエネミーはゲーム時代からいたものの、[竜騎士]クエスト関連でしか登場しない非常に珍しいエネミーであったことも明らかとなる。
・シーンの終了
PCたちがクエストの呼びかけに応じ、冒険の支度をはじめたらMD1【忍び寄る戦線】に進む。プレイヤーが望むならば、この後に一般アイテムの購入などを行うシーンを追加しても良いだろう。
ミドルフェイズ
インタールード
ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点ずつを配布しよう。
MD1:【忍び寄る戦線】
モンタージュ
円卓会議の馬車で移動しながら一夜を過ごし、朝を迎える一行。のどかな空気の中で山間の街道をしばらく進むが、集落につくかという頃、にわかに馬車団の先頭が騒がしくなる。PC達がリアクションをとると、御者の〈大地人〉が慌てた様子で様子を知らせてくれる。
「冒険者の皆さん、大変だ!例のモンスターがたくさんこっちに向かってきやがる!!」
PCはそれぞれ難易度12の[命中判定]を行う。演出を含めてメインプロセスに使用できる特技を使ってもよく、既に〈泥骨竜鬼〉の情報が開示されている場合は判定に+1の修正を加える。判定に失敗したキャラクターは[疲労:5]を受ける。
PCをはじめとした冒険者の一団は無事に街道の〈泥骨竜鬼〉を倒し、足早に村へと急ぐ。幸い、村人に犠牲者は現れなかったものの、たどり着いた村はドーバたちの残骸である泥に塗れ、あと少しで大変なことになる状況だったことが推察される。
しばらくの後、このままでは村が危険と判断し、冒険者たちのミーティングが開かれることになる。集合の時間になると、馬車団の先頭にいた冒険者たちが村長を連れて、村の集会場に現れる。
「先ほど見てもらった通りだ。既にモンスターは洞窟から完全に溢れ、戦線を拡大し続けている。もしかしたら、まだ周辺に這い出てきた分がいるかもしれない。」
「当初は全員でダンジョン攻略にあたる予定だったと思うが、部隊を2つに分け、何人かを村の防衛に当てようと思う。」
「俺たちはここで村人を守ろう。君たちは、洞窟に潜って奴らの増殖を押さえ込んでほしい。」
「俺たちの分まで、しっかり討伐してきてくれよ!」
プレイヤーが希望するなら、このシーンで他の冒険者や村人との会話を行おう。〈泥骨竜鬼〉の高い再生力や、被害を受けた家の様子、大地人の不安などを話のタネに、PC達のクエストへの意気込みを高めると良い。
PCが食事などを食べるシーンを描写するなら、大地人の子供を登場させてひと口ねだってみるのも良い。食事を分けてもらった子供は目を輝かせ、おいしいおいしいとそれを味わい礼を口にする。この描写は、クライマックス後にカペラに接する際のヒントとなりうる。
竜騎士のことについて村人や他の冒険者に尋ねるなら、これまでの転職クエストの流れについての情報を得ることもできる。あらましは以下の通り。
・シーンの終了
PCたちがミーティングを終え、ダンジョンに向かうことにしたらMD2【暴威は満ち潮の如く】に進む。
MD2:【暴威は満ち潮の如く】
このシーンはミッションシーンとなる。GMはミッション用のシートやコマを準備すること。
このミッションでは、PCたちは1つのパーティとして行動し、【ヘイト】と疲労カウンターを共有する。また、他の冒険者たちを表現するために、味方パーティコマを使用する。味方パーティコマは、【HP】(最大10点)と【ヘイト】(初期値0点)、[再生:2]を持つ。
・ミッションの準備
ボード上に、以下のコマを配置する。
ラウンド1 エネミーコマ×9
ラウンド2 エネミーコマ×6
ラウンド3 エネミーコマ×5
・ミッションの進行
1.このミッションはラウンド進行をとる。各ラウンド、PCは下記のシナリオ動作から1つを選んで実行する。
2.メインプロセス終了時、手番キャラクターは味方パーティコマの行動として1D6を振り、効果を適用する。
3.ラウンド終了時、以下の処理を行う。
・PC達のパーティは[現在の【ヘイト】+現在ラウンドに残存しているエネミーコマの数]点の疲労カウンターを得る。
・味方パーティコマは[現在の【ヘイト】+現在ラウンドに残存しているエネミーコマの数]点のHPダメージを受ける。その後、再生を適用する。
現在ラウンドに残存しているエネミーコマがあれば、それを次のラウンドに全て移して新たにラウンドを開始する。
4.味方パーティコマの【HP】が0以下になった場合、味方パーティコマは失われる。
・使用できるシナリオ動作
戦線を突破する_[シナリオ動作]
タイミング:メインプロセス_判定:基本(運動、解除/9)_コスト:ヘイト1
現在ラウンドのエネミーコマを1つ削除する。〔達成値11〕さらに1つ削除しする。〔達成値14〕さらに1つ削除する。〔自身:狂戦士、武侠、勇者など〕達成値に+1する。〔ヘイト1〕達成値に+1する。
味方を援護する_[シナリオ動作]
タイミング:メインプロセス_判定:基本(知識、知覚/9)_コスト:-
味方パーティの【ヘイト】に-3する。〔達成値10〕さらに【HP】を2点回復してもよい。〔達成値13〕エネミーコマを1つ削除する。〔自身:アイドル、祈り手、学者など〕達成値に+1する。〔ヘイト1〕達成値に+1する。
戦況を分析する_[シナリオ動作]
タイミング:メインプロセス_判定:基本(操作、解析/8)_コスト:-
次に判定するキャラクターの達成値に+2する。〔達成値10〕パーティの【ヘイト】を-2してもよい。〔達成値13〕くずれた泥骨[換金](20G)を1つ入手する。〔自身:斥候、魔盗賊、坑夫など〕達成値に+1する。
休息をとる_[シナリオ動作]
タイミング:メインプロセス_判定:なし
[ヘイトトップ]では使用できない。パーティの【ヘイト】を-4、疲労カウンターを-3してもよい。2D6を振る。〔2〕味方パーティの【ヘイト】に+2する。
・シーン終了
ミッションの清算が終わったらシーンを終了し、MD3【妨害者】に進む。
MD3:【妨害者】
・モンタージュ
たどり着いた「地竜の胎洞」深部には、地竜王ニドヘッグを祀った大きな四角い祭壇が置かれている。泥を吐き出し、エネミーの増殖を続ける祭壇の中心には、黒い鎧を纏った一人の少女が、何事かを小さな声で唱え続けながら佇んでいる。彼女はその作業に集中しているのか、PC達が彼女に対して行動を起こすまでこちらに気付くことはない。
少女のステータスを閲覧するなら、以下の設定を開示する。
少女に戦闘を仕掛けるならば、祭壇を取り巻く泥が噴出して冒険者たちの行動を阻む。これにより、不意打ちなどの試みは全て失敗する。PC達の攻撃に反応したことで、少女は一団に気付いて次のように話しだす。PC達に返答を求めよう。
彼女は催眠状態となっており、自分が何をしているのかが理解できていない。「エネミーの増殖をやめろ」「なぜこのようなことをするのか」などの働きかけに対しては、キョトンとした顔でこちらの様子を窺うのみである。
その雰囲気は虚無感という言葉がぴったりで、整った顔立ちにも関わらず、彼女からはまるで生気を感じることができない。
カペラは[アキバの冒険者]をキーワードに、狂気に飲み込まれる。
カペラが吼えると、彼女の足元からタール状の液体が勢いよく溢れ出し、冒険者の何人かを撥ね飛ばす。同時に泥は固化して〈泥骨竜鬼〉の姿を形成する。このシーンを目撃したことにより、彼女が〈泥骨竜鬼〉を生む張本人であることは明白となった。どのように事を運ぶにせよ、まずは彼女を鎮静化させなければならないだろう。周囲の冒険者が生み出された〈泥骨竜鬼〉たちを抑えており、最も彼女に対しての戦力となるのは彼女に最接近している君たちだ。さぁ、泥を撥ねのけて勝利を収めよう!
PC達が戦闘を行う意志を固めたらシーンを終了し、CL 1【異形の竜を纏う姫】に進む。ミドルフェイズの終了にともない、PC全員に【因果力】を1点ずつ配布すること。
次はいよいよクライマックスフェイズである。ここでプレイに休憩を挟むと良いだろう。インタールードこの後ブリーフィングシーン、および戦闘シーンが予定されている。
次のシーンが戦闘の前に準備を整える「ブリーフィングシーン」であることを宣言しよう。
クライマックスフェイズ
インタールード
ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
CL1:【異形の竜を纏う姫】
・戦闘準備
次の戦闘シーンは本シナリオの核であり、手ごたえのある戦闘が予想される。[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
・シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
CL2:【汚れた祭壇の戦い】
・エネミーの動き
因果力に余裕があるなら、カペラは《泥骨竜の錬成》を使用して戦力を増やしつつ、遠距離から《再行動Ⅱ》でモブエネミーを動かそう。ときには自身が陽動となりつつ、「瞬間転移」を併用しながらうまくPC達の機動力をそぎ落としていくとよい。このエネミーの弱点は、プリプレイで配布した《クリティカルアーツ:範囲攻撃》である。PCがEXパワーの存在を忘れて苦戦しているようなら、使用を促してみてもよいだろう。豊富に因果力があるなら、自身に再行動を使って1ラウンド間に2回の《泥骨竜の錬成》を試みるのもよい。
・カットイン
PCが【竜の祭壇】を起動したなら、地竜王ニドヘッグの助けを借りることができる。以下のような短い演出を挟み、PC全員に[竜]タグを与えよう。
・シーン終了
戦闘に勝利したら、シーン終了となる。倒したエネミーのドロップ品を入手するのを忘れないようにしよう。
また、冒険者たちは、「地竜の胎洞財宝表」(PC人数×1)回ぶんの財宝を見つける。財宝表ロールを行うこと。
エンディングフェイズ
インタールード
ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
E1:【泥中の一等星】
・モンタージュ
カペラのステータスは正常化し、一般の冒険者と変わりのない少女へと戻っている。彼女は現在の状況を把握できていないため、ほとんどの問いには黙して答えることができない。
彼女は〈大災害〉以降、洞窟ダンジョンのリスポーン地点に嵌った状態となり、約1カ月の間何も食べないまま死亡と復活をひたすらに繰り返してきた。そのような状態でこの事件の「黒幕」に拾われ、「アキバの冒険者を絶滅せよ」との洗脳を受けて地竜の胎洞に配置され、いわば「苗床」となっていた。
彼女は「助かった」「(PC達に)助けられた」と感じることができれば緊張感を解き、投降や会話に応じてくれる。彼女の凍ってしまった心をとかすには、例えば「味のある食物」や「優しい言葉」が有効となるだろう。
・シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、彼女の身柄は円卓会議預かりとなる。それを見送ったところで、このシナリオは終了となる。エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
アフタープレイ
「アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。
上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。さらに、活躍したPCのプレイヤーには「因果力ゲット」を追加で1枚配布しよう。
この「因果力ゲット」配布は優れたプレイヤーを見つけ出すための措置ではない。その日のプレイを振り返って互いの健闘をたたえるためのものである。ぜひ全員の好プレイを思い出して、チケットを配布しよう。
・タグ報酬
クライマックスシーンでプロップ【竜の祭壇】が起動されていたなら、参加したPCは[竜騎士]タグを得る。以降のセッションで[竜騎士]をサブ職業として用いる場合は〈魔獣使い〉や〈カースブレイド〉相当として扱うようにGMへ申請するとよいだろう。
・セッションの終了
すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!
データセクション
エネミーデータ
シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。
〈泥竜騎士カペラ〉 [ボス][人間]
▼特技
《汚染された竜の印》:常時_
このエネミーは[弱点(竜、光輝):4]を持つ。
このエネミーから見て3Sq以上離れた場所に存在する[人間]キャラクターは、[攻撃判定]の達成値に-2される。
《泥骨竜の錬成》:_メインプロセス_一般(1+2D/6)_エンカウントシート上に[泥骨竜鬼]タグをもつキャラクターが2体以下である場合に使用できる。このエネミーからみて2Sq以内の任意のSqに、〈泥骨竜鬼〉を[戦闘不能]状態で配置する。この特技で配置されたエネミーからはドロップ品を得られない。〔因果力3〕[泥骨竜鬼]タグをもつキャラクターが3体以上の場合でも使用できる。
《クロススラッシュ》:[特殊攻撃][剣]_メジャー_対決(5+2D/回避)_単体_至近_対象に[追撃:10]を2つ与える。〔マイナー〕攻撃終了後、このエネミーは2Sqまで[瞬間転移]してもよい。
《再行動Ⅱ》:_本文_単体_4Sq_ラウンド1回_対象が[行動済]になった時に使用する。対象は即座に[未行動]となり、その後ラウンド終了時まで【行動力】が0となる。
《汚泥の奔流》:セットアップ_自動成功_広範囲20(選択)_至近
対象の[戦闘不能]を解除し、【HP】を5点まで回復し、[未行動]にする。このエネミーは自身のBS1つを解除してもよい。
▼解説
汚染された竜の印によって暴走し、〈泥骨竜鬼〉を産み出し続ける冒険者の少女。ステータスにも影響が及び、本人の意思はほとんど失われている。その姿は暴威と呼ぶに相応しい。
〈泥骨竜鬼〉ドーバ [モブ][人造][物品][竜][泥骨竜鬼]
▼特技
《マッドスナップ》:[白兵攻撃]_メジャー_対決(4+3D/回避)_単体_至近_
対象に[37+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕対象に[放心]を与える。
《濁流の誘い》:ダメージ適用直後_自動成功_単体_3Sq_ラウンド1回
このエネミーが対象の攻撃でダメージを受けた時に使用する。対象を1Sqまで[即時移動(強制)]させてもよい。この移動は対象がこのエネミーに接近するように指定しなければならない。
▼解説
汚染された竜騎士の紋と土を媒介にして生み出される、〈竜牙兵〉スパルトイの不完全品。竜騎士転職クエストの途中で偶然生み出される、という設定をもつ存在で、本来は自由にフィールドを徘徊するようなモンスターではない。
〈泥骨竜鬼の火炎吐き〉ドーバ・ブロウラー [人造][物品][竜][泥骨竜鬼]
▼特技
《フレアブリーズ》:[魔法攻撃][火炎]_メジャー_対決(4+3D/回避)_範囲(選択)_3Sq
対象に[30+2D]の魔法ダメージを与える。〔マイナー〕このエネミーはラウンド終了まで[軽減:4]を得る。
《タールの噴出》:ダメージ適用直後_自動成功_単体_3Sq_ラウンド1回
このエネミーが対象の攻撃でダメージを受けた時に使用する。対象の【移動力】に-2する。この効果はBSとして扱われ、ムーブアクションを使用することで解除できる。このダメージに対しては「タイミング:ダメージ適用直前、直後」の行動を行うことができない。
▼解説
〈泥骨竜鬼〉のうち、炎の魔力を取り込んでいる上位種。〈竜牙兵〉の失敗作であることに変わりはなく、耐久性が低く行動も単調であるが、単純であるが故の再生力によって冒険者たちの行動を阻む。
プロップデータ
シナリオに登場するオリジナルのプロップデータを記載する。
【竜の祭壇】 [地形][高さ:1]
探知難易度 なし 解析難易度 7 解除難易度 なし
▼効果・解説
〔起動:インスタント〕このプロップからみて「対象:広範囲20(選択)/射程:至近」に[竜]タグを与える。この効果はシーン終了まで持続する。
シナリオ設定
描写に際しての設定を紹介する。この項に書かれている設定は、あくまで参考用である。描写に際しては、GMは背景情報を自由に変更しても良い。
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