しくじりティーチャー 私みたいになるな!!僕の最強の勉強方法

この記事では二次試験を2回受験した私が1年目に失敗したと思うこと、そして2年目に行った勉強方法を紹介します。
勉強方法では振り返り方法に力を入れて記載しています。
なぜか・・・

2年目の受験生時代に私はいろいろな合格体験記を読みました。

・振り返りにめちゃくちゃ時間をかけた!
・できないところをなぜできなかったかしっかり振り返るようにした!
・こういう本を読んだ!
・こういう講座に出た!

こういう情報をたくさん見つけて、実際に参考にしました。
でも1つ見つけられなかった情報があります。

どうやって振り返りやっとるの!?
振り返りが超重要なのは分かったが、振り返りのやり方が書いていない・・・

なのでこのnoteでは私が実際にやっていた振り返りの方法を具体的に記載しています。
振り返り方法に悩んでいる人の一助となれば幸いです。

好評いただきありがとうございます!



1年目の失敗

1年目の点数

1年目は事例ⅠのみAでそれ以外はB以下でした。
これが2年目はこう

ビリギャルなみの成長を遂げました。


1年目なぜ合格できなかったか・・・
失敗したと思うことは4つあります。

①量をこなすことに拘り過ぎた

一次試験が終わり、初めて二次試験を解いた時の点数はふぞろい採点で20点でした。
超低得点を叩き出したことで焦り「これはヤバい!」「とにかく質よりも量だ!」と短絡的思考をしてしまいました・・・・

②事例を解いた後の振り返りが雑過ぎた

量をこなすことに拘りすぎたため、振り返りが疎かになってしまいました。事例を解き終わる→ふぞろい採点で採点する→解説を読む
振り返り時間は事例1つにつき30分程度でした・・・雑すぎた。自分の弱点が何かを把握する振り返りができていませんでした。

③解答プロセスが整っていなかった

1年目の解答プロセスはおおまかに設問分析→与件を読む→解答を書くの流れでしたが、設問分析が雑で早く与件を読もうとしていたり、解答メモの書き方は決まっていなかったり、与件へのマーカー引きに時間がかかったりと、解答プロセスにたくさん問題がありました。

④ふぞろい解答(キーワード詰め込み)を体に染み込ませることができなかった

ふぞろいは合格者の再現答案を元に作られているので、近い答案にすることが合格の秘訣なのにもかかわらず、キーワード詰め込み解答に苦手意識があり、できていませんでした。
これらの失敗を元に現在の課題とその対策を考えました。

R4二次試験の答案分析をしてみた

課題と対策の話をする前に自分にとって大きな気付きを得た答案分析のお話をします。
不合格が分かった後、「自分に足りなかったものは何だったのだろうか・・・?」と思い、X(旧Twitter)に落ちている再現答案をかき集めて事例I〜ⅢのA答案とB答案以下の特徴は何か帰納的に考えてみました。

実際の答案分析(R4事例Ⅰ)

Xに落ちている再現答案をスプレッドシートに書き写して、各設問に対する解答の得点が高い(低い)であろう理由を自分なりに書き起こしてみました。

A答案の共通点は
・因果関係がしっかりした解答が書かれている
・与件から根拠を抑えた解答ができている
・ひとつひとつの文章が端的で分かりやすい解答ができている
・いくつかの設問で(R4事例Ⅰだと設問1と2)でキーワード詰め込み解答ができている

逆にB答案以下の共通点はA答案の共通点で書かれていることができていない答案が多かったです。特に因果関係がおかしい、与件根拠を抑えていない解答がたくさんありました。イメージしやすいようにR4事例Ⅰ第2問B答案の解答を元に見ていきましょう。

R4事例Ⅰ第2問
A社が新規就農者を獲得し定着させるために必要な施策について、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。

あるB答案の解答
助言は①従業員間で明確な役割分担を行い、 帰属意識を高め、②経営理念や組織目標を明確にし、士気向上を図る、③社内表彰制度や職務拡大の実施、④ OJT等研修会の実施等の施策を行う。 以上で従業員満足度を高め士気や定着率向上。

この解答のおかしなところにツッコミを入れていきます。

>①従業員間で明確な役割分担を行い、 帰属意識を高める
ツッコミ
→役割分担を明確化することで帰属意識って高まる?自分が勤めている会社で「あなたの役割は〇〇です!〇〇をメインに仕事をしてください」と上司に言われて、「この会社好き!」ってならないと思う。よって因果関係がおかしい。

イメージ画像

>②経営理念や組織目標を明確にし、士気向上を図る

ツッコミ→「人にやさしく、環境にやさしい農業」というコンセプトが与件に記載されており、経営の方針は一定決まっていると推察できる。また与件内では経営理念や組織目標が明確ではないといった記載はない。与件根拠から解答できていない。

イメージ画像

Xに落ちているB答案以下の再現答案を眺めているとあることに気づきます。
不合格者は
「施策とその効果について誤った理解をしている」
「与件を読んだつもりになっているが、重要箇所を抑えて読めていない」
「過去問で使われた施策を暗記して、与件根拠無視で使っている」

「えっ、今頃そんなことに気づいたの・・・これらのことが悪手なんて当たり前のことじゃんか!」とツッコミたくなる人もいると思いますが、上記のことを自分ができていないことに私は気づけていなかったのです。
ふぞろいを使った勉強ではB答案にしっかりと目を通したことがなかったので、得点が入る理由は考えてみたことがあっても、得点が入らない理由をしっかり考えたことがありませんでした。

この答案分析でより深く自分の弱点を知ることができました。

もしかしたら
「そんなの他の合格者のnoteにも書いてあるよ!」
「予備校講師のレジェンドが言ってたよ!」
と言いたくなる方もいるかもしれないですが、自分なりに答案分析することで初めて自分の弱点に気付くことができるかもしれません。
「二次試験は難しい解答を求められていない、聞かれたことに根拠を持って答えるだけ」と誰かが言ってたと思いますが、その意味がここでやっと理解できたと思います。

課題と対策

1年目の反省、答案分析から自分の課題が見えてきました。

課題①振り返りのやり方を変更する

自分の課題を元に振り返りシートを作成して、自分の問題点とその対策を記録していくようにしました。
振り返りシートの項目はQ、設問、設問分析結果、1回目解答、2回目解答、答案例、点数、反省点・対策、ベスト答案

実際の振り返りシート

添付しておくので使いたい人どうぞ

振り返りの手順
①まずは事例を解きます。
②解答が終わったら、自分の解答内容と一番しっくりくる答案例を書き写します。
③実際に事例を解く時にやっている方も多いと思いますが、再度各設問の設問分析をします。設問からどんな解答になるか仮説立てのトレーニングを行います。設問分析をした後、答案例を見て、他に仮説立てできたことがないか振り返ります。
④超重要。振り返りを行います。自分の解答と答案例を見て、自分の解答で足りなかったところ、自分の悪い癖、その対策を書き出します。最後にマイベスト答案を作成。
ここが最も重要なので、イメージしやすいように振り返りのやり方を具体的に書いていきます。

R3事例Ⅰの問3を元に説明します。

■設問
A社は、現経営者である3代目が、印刷業から広告制作業へと事業ドメインを拡大させていった。これは、同社にどのような利点と欠点をもたらしたと考えられるか、100字以内で述べよ。

■自分の解答
利点は①事業拡大をすることで、経営リスクの分散ができること。②既存顧客への提案の幅が増え、売上増加が狙えること。欠点は、既存顧客への訴求のために新規需要の増加が必要で、競争が激しく、受注増加が難しい。

■答案例
参考書からの引用となるため記載省略

■反省点・対策
反省点と対策を書き出します。ここで自分の悪い癖も記載するようにします。ここのポイントはまずはとにかく思いつくままに書きなぐることです。

ここでの反省点は以下のように記載しています。
・欠点のところは何を書けばいいか分からなかったが、何を書けばいいか分からない時、だらだらと長文を書いてしまう癖がある。短文で可能性ありそうなものをたくさん書く意識を持つ。与件文の引用が長くなりすぎる場合、一次知識の活用を行い、短文化を心がける

同じような反省を別の年度でもやってしまった時や2回目も同じ過ちをしてしまった場合、それは自分の弱点です。

私の悪い癖例(実際に書いたものを抜粋しています)
・効果を書き忘れる→対策として、対策から効果までの一連の流れを暗記する。
・因果関係が適切でない解答をしている→対策として、施策と効果を暗記する
・余計な冗長文を入れてしまう癖がある。端的に解答することを意識する。
・与件からキーワードを無理やり引っ張ってこようとしてしまう癖がある。→言い換え方法を暗記する。
・ターゲットの書き忘れがある。→だなどこを解答メモに書いてから解答する。
・「与件に強みはこれ!と書かれていないと、強みとして記載しない癖がある。→特徴が書かれていたらそれは強みとして認識する。
・生産面という制約条件を無視してしまっている。制約条件をところどころ無視してしまう。
・対応策を書いたらその効果を書くこと。
・主語が抜ける

人は忘れやすい生き物です。何度も何度も悪い癖を言語化して、修正する意識を持つことで悪い癖が抜けていきますし、身に付けたい回答の型が体に染み込んでいきます。

他の設問の振り返り結果はこちらを参考にしてください。


■振り返りが終わったらすること
事例を解いて記憶があいまいな一次知識やインプットすべきことをグーグルスプレッドシートにまとめていきます。
こちらのシートは定期的に見返してインプット量を増やすようにしました。
通称「インプットシート」

※R5事例Ⅳの第四問の記述は事例I〜Ⅲのインプットシートが役立って、書けたと思います。

2回目同じ事例を解いた後、基本的に振り返りの流れは一緒ですが、2回とも同じ間違いをした設問は別シートに移しておきます。
通称「見返す設問リスト」

見返す設問リスト

課題②解答プロセスを整えること

解答プロセスは以下流れに変更しました。

※与件を読みながら随時解答メモに使えそうなキーワードをメモしていく。
※事例Ⅱについては設問分析できることが少ないので設問分析の時間は5分程度を目安にしてました。

■解答プロセスの主な変更点
1.解答メモの型を作成しました。
変更前のメモは各設問の番号と与件文で振った重要箇所の番号を紐づける程度のものでした。

初年度の解答メモイメージ

※もっと番号は書いてますが、超雑な解答メモしか作ってませんでした・・・

2年目の解答メモイメージ

※事例Ⅰの解答メモです。(汚くてすみません)
SWOTを左上上部に書き、右上上部に組織の状況および人事施策 中段左に5フォースに該当するキーワード、右に組織図 下段は左から各設問、設問分析、制約条件、解答骨子

解答メモの型を作るのにあたって参考にしたのは
EBAメソッドで「読み・解く」合格答案作成講座です。


こちらを参考に事例I〜Ⅲで自分専用の解答メモを作りました。

2.設問分析をしっかりと行うようにしました
設問分析は先ほど紹介したインプットシートを使用して知識量を増やしていくと、立てられる仮説が増えていきました。
R3事例Ⅰ問3で私が行っていた設問分析結果は下記です。

問3
A社は、現経営者である3代目が、印刷業から広告制作業へと事業ドメインを拡大させていった。これは、同社にどのような利点欠点をもたらしたと考えられるか、100字以内で述べよ。

ここで設問分析すべきは太字の部分です。

設問分析結果

事業拡大をする利点は
・経営リスク分散
・新たな需要の獲得
・余剰資源の活用
・シナジー発揮でコスト削減

事業拡大をする欠点は
経営資源の分散
競争が激しい

設問文から仮説立てが多くできると与件から該当箇所を見つけやすくなります。
そして仮説が当たってたら「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!(古)となります。」

3.制約条件に気を付ける意識を持った。
制約条件を解答メモに記載するようにしました。私は初年度の二次試験R4事例Ⅱ問4で制約条件を無視した解答を記載しました。

R4事例Ⅱ問4
B社社長は、新規事業として、最終消費者へのオンライン販売チャネル開拓に乗り出すつもりである。ただし、コロナ禍で試した大手ネットショッピングモールでの自社単独の食肉販売がうまくいかなかった経験から、オンライン販売事業者との協業によって行うことを考えている。中小企業診断士に相談したところ、B社社長は日本政策金融公庫『消費者動向調査』(令和4年1月)を示された。これによると、家庭での食に関する家事で最も簡便化したい工程は「献立の考案」(29.4%)、「調理」(19.8%)、「後片付け」(18.2%)、「食材の購入」(10.7%)、「容器等のごみの処分」(8.5%)、「盛り付け・配膳」(3.3%)、「特にない」(10.3%)とのことであった。B社はどのようなオンライン販売事業者と協業すべきか、また、この際、協業が長期的に成功するためにB社はどのような提案を行うべきか、150字以内で助言せよ。

ここでの制約条件はオンライン販売事業者との協業」であるのに、解答ではホテルや旅館と協業と書いたのです。

この問題を振り返って、設問文が長くなるとうまく文章整理ができていないと気付きました。なので解答メモには制約条件と何に答えるのかを記載。
こうすることで制約条件を無視した解答を減らせました。
「問いに答えていない」の問題がある人は制約条件を意識できていないのではないかと疑ってみるとよいかもしれません。

4.与件分内の重要箇所のメモ方法を変えた
初年度は強み・機会を青色マーカーで、弱み・脅威を赤色マーカーで色付けして番号を振ってました。そして該当するであろう設問に番号を記載していました。
ただこれをやっても自分にとってあまり意味がないものになっていました。
・マーカーを引き終わった後、もう一度与件を見返した時、マーカーの色を意識して見ていない
・設問に関連する重要箇所の番号数のメモが多いと、解答を書くときに抜け漏れが多々発生している
そのためシャーペン1つで戦うことに決め、重要な箇所には線を引いて番号を振るのみにしました。
解答メモには番号+与件内から引用した文章をそのまま記載しました。番号だけだと「分かってたのに書くの忘れた!」解答記載時に抜け漏れが多々発生していたのですが、文章を書いてメモすると不思議と抜け漏れがなくなりました。

2年目の勉強計画

1年目の勉強時間は
1年目1次試験700時間、2次300時間
1年目に2次試験の勉強は結構していたので、貯金はあると思っていました。落ちた直後から勉強を始めてもモチベーションが続かないと思っていたので、本格的に勉強に本腰を入れ始めたのは6月から行いました。
ざっくりした2023年の勉強計画は下記です。
■1月〜3月
R4の答案分析、自分の弱点を把握する。苦手な事例Ⅱを休日に1つずつ解く縦て解き(5年分くらいやりました)
■4月、5月
休日に1つ事例を解く+平日週2~3くらい、事例Ⅳを1回1時間勉強する。GWに金城先生の単発講座を受ける(可もなく不可もなくという講座でしたが、1つ気付きがあった)
■6月~8月
休日に事例を1つ解く(事例Ⅰを縦て解き→事例Ⅲを縦て解きで各々5年分くらいやりました)+平日事例四を1時間解く
■9月~10月
9月下旬から毎週土曜日に事例Ⅰ~Ⅳまでセルフ模試、日曜日に振り返り、平日は事例Ⅳを1時間解く

賛否両論あることに対する意見

賛否両論ある意見に自分なりの見解を回答します。

Q:一次知識の復習は必要か?
A:特別してないです。過去問を解く中で記憶が曖昧なものはインプットシートに書き足して復習してました。知識は過去問をベースに身に付けていったイメージです。

Q:過去問以外はやるべきか?
A:基本はやらなくていいのではないかと思います。問題の傾向が違うものが多いと感じるからです。ただ過去問やり込み過ぎて、初見問題に慣れるという意味では数問はやってもいいかも。

Q:予備校に行くべきか?
A:私はいらないかなと思います。授業料が高いし、授業に出る労力もかかるが、合格率が飛躍的に高まるわけではないからです。

Q:模試は受けるべきか
A:いらないと思います。某予備校の模試を受けて、本試験とまるで違う傾向の問題が出たためです。本番の時間配分を確かめるという意味で一回受けてもいいかもですが

Q:使用した教材・過去問は?
A:ふぞろいと診断士ゼミナールです。1年目の最初はTACも使ってましたが、解答読むのが面倒過ぎてやめました。

以上となります。
もし何か聞きたいことがあればDMください。
1人30分程度相談に乗ること可能です。

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