2020秋

2020年、秋… なのだろうか。

台風10号の凄まじい脅威が報じられております。なのに、このような戯れ言を書いていていいのかと。色んなカキコミを拝見するに、進路にあたる地域の皆さんの状況が手に取るようにわかり、わかるが故に恐怖すら覚えます。

東京に来てから30年くらい経ちました。受験のため泊まったホテルを抜け出して、深夜の繁華街を徘徊しました。初めて独りで歩いた東京は結構な雪が積もっていました。実家がある街も雪は降るが、ここまで積もる都会に驚きました。

無事学生生活が始まった年に震度5の地震、翌年に大雪がありました。地元でも経験したことのない事象。思えば、これは序章に過ぎなかったのです。田舎で20年近く平穏無事に過ごしてきたのは何だったのか。

高校卒業後にいったん就職したこともあり、大学4年生… 卒業の年は1989年でした。ご存知の通り時代は昭和から平成へ変わりました。会社の入社式では社長が「平成という新しい時代を迎え、君たち新人類が~…」とか訓示していたわけです。そういえば就活の試験や面談でやたらめったら「ペレストロイカ」についてどう思うかとか「ベルリンの壁崩壊」についての考えを求められたりとか、知らんがな!そんなもん。で、ペレストロイカの急進的な施策には反対です!と答えたら、「内定」しました。

そこから2年で会社を辞め、当時はエロ本と呼ばれていた青少年の健全な成長を阻害するおそれのある図書の編集バイトを経て、青少年の健全な成長を阻害するおそれのない図書を発行する出版社へ転職しました。その後、わけあって昔はIT系と呼ばれた企業に所属することになりました。

とまあ、これだけでも濃厚な流れなのですが、時代はバブル~バブル崩壊という笑えない背景となっていたのです。しかし、バブル崩壊を確信しとっとと会社を辞め、転職先からITへの流れに期せずして乗っかっていた自分は何事もなかったかのように過ごし、やがてフリーの身分となりました。いやはやサラリーマン時代も色々あったなぁ…。

サラリーマン時代の後半に阪神淡路の大地震と地下鉄サリン事件が立て続けに勃発しました。この頃にゲリラ豪雨という言葉がよく聞こえてきた気がしたのですが、よくよく調べるとかなり古くから使われており、世間でさかんに引用されたのはかなり後年という記述がありました。意外です。

フリーになってからも中途半端に何社かで働くブレた生活を7~8年送るのですが、9.11同時多発テロが2001年に起こり、以来凄まじい出来事… 数十年~数百年に1度という出来事がいくつもあったのはご存知の通りです。かなり端折りました。申し訳ございません。

ここまで引っ張っておいてなんなんですが、日本航空123便墜落事故と岡田有希子ちゃん訃報のインパクトは凄かったです。きっと若い自分にはそれを受け止める耐性がなかったためだろうと思うのですが、何事も被害の当事者になっていないことが奇跡と思われ、現在も普通に生活出来ていることに本当に感謝したいと実感しています。

全くの私事ですが、かつて神宮球場へ野球観戦に行った帰りに移動するためタクシーを探していたのですが、あまり来ない貴重なタクシーを発見して駆け出したヨメが転倒しました。その時の「ドスン!!」という音、神宮球場の救急処置室で包帯ぐるぐる巻きになったヨメ。これは当事者(に近い)人間としてかなりショックでした。かなりの怪我でしたので。

その頃は他人のことより、それに比べれば他愛もないことに心を痛める自分が確かにいました。

まだ秋の気配がない9月の湿気のなか、色んな事象が頭を過り、上京以前に構想していたあれもこれもやってしまった人生なぞいつ終わっても悔いなし! という妙な覚悟をキメた自分が朦朧と歩いていました。決してネガティブな意味ではないのですが。

昔に比べて春や秋は短くなった気がします。過ごしやすい季節より辛い季節が長く感じるのです。辛いことがない期間など長ければ長いほどいいのです。それは不可抗力なものであれば受け入れられるものの、「人災」によって引き起こされる側面が毎度蔑ろにされておりまして、そこに気付いていない人類がまだ多数存在すること、それこそ一番の脅威ではないかと思えるのです。

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