阪急杯2022全頭分析

 先週行われたフェブラリーS。「福永うめえ」この一言に尽きる一戦でした。ほんとにこのジョッキーはゲートが上手いですし、ポジション取りに懸ける思いが強い。まあカフェファラオという位置を取りに行かないと難しい馬ではありましたが、本馬の2連覇がかかったGⅠにテン乗りで結果を出すあたりはプロフェッショナルだなと。素晴らしい競馬でした。

 またしても前置きが長くなってしまいましたが、ここからは阪急杯の分析を。東西2重賞で迷いはしましたが、中山記念の方は難しそうですしね笑。今回は纏めるのが遅くなったので、馬名の前に馬番を書いております。それではいきましょう。


①トゥラヴェスーラ 鮫島克駿 56.0kg

前走:京王杯SC2着 鮫島克駿 56.0kg
 高松宮記念の4着は流れと好騎乗がハマった感があったが、京王杯SCが圧巻。4角を5番手以内で通過した馬が掲示板を占める中、唯一頭、14番手から差し切ろうかという勢いで2着。いざ実りの秋というところで肺からの鼻出血が判明し、今回は長期休養明けの一戦となる。
 焦点は状態面で、昨年のような走りができればかなり強い。長期休養明けの重賞で人気を背負ってどうかという不安はあるものの、それを補って余りあるほど前走が強すぎる。
 差し届かずは頭の片隅に入れておきたいが、この馬は評価せざるを得ない。馬群を割って伸びてこれる馬だし、1枠でもそこまで悪くはない。
バタバタの狙い目
単勝10倍
 

②グルーヴィット 団野大成 56.0kg

前走:淀短距離S4着 Cデムーロ 57.0kg
 良い脚はあるが、反応が悪いのか、鞭を何発も入れないと加速しない馬。前走は、最後伸びるかというところで痛恨の進路カット。特徴が裏目に出た。
 基本的に大崩れしないタイプだが、重賞での好走は左回り&稍重〜重に偏っており、ベスト条件とは言い難い。
 前走のような位置がとれればチャンスはある。その点では、2枠は恵まれたと言えるか。逆に言えば前につけなければ可能性はないとも思う。
バタバタの狙い目
単勝30倍

③リレーションシップ 松田大作 56.0kg

前走:ニューイヤーS8着 Mデムーロ 56.0kg
 3走前、阪神1400mの戎橋S快勝。このレースで3着に負かした馬が後にリステッドを勝利しており、低レベル戦ではなかった。
 前々走も阪神1400mのスワンS7着。上手く運んでのこの着順はやや力が足りない気もするが、別定の初重賞で実績馬を相手にこの着差なら及第点
 前走は初の1600m戦で流れも向かずに直線伸びきれなかったが、得意コースに戻ってメンバー落ちるGⅢなら力は上位。先行して上手く立ち回ることができれば面白い。    
 絶好枠を引いた。できればなにかを行かせて番手が理想だが、ハナでも。枠によってオッズは多少渋くなりそうだが、本命候補。
バタバタの狙い目
単勝20倍

④ザイツィンガー 坂井学 56.0kg

前走:洛陽S13着 国分恭介 54.0kg
 1400mに適性ズバリの差し馬。スパッと加速するタイプではなく、一歩ずつ徐々に加速するような馬。だからこそ直線の長いコースの方が合うため、OP入りからのレース選択は疑問。
 昨年春の重賞を見ても分かるようにOPレベルなら通用はするが、今回のメンバーだと通用するかどうか微妙なライン。東京1400mで買いたい。

⑤エイティーンガール 秋山真一郎 54.0kg

前走:京阪杯1着 秋山真一郎 55.0kg
 後方から末脚にかける馬。ゲートも遅い。ただ、少しでも後ろに向く展開になれば良い脚をもっており、差し切る力がある。
 洋芝巧者の印象もあり、タフめのコンディションでの外差しという好走レンジの狭い馬。メンバー内での実績は上位だが、人気で買う馬かどうか。
 基本的に枠関係なく最後方からになるため、馬場と展開が向くかどうか。

⑥リンゴアメ 国分優作 54.0kg

前走:淀短距離S10着 川須栄彦 53.0kg
 2020年の函館2歳S覇者。それ以来馬券内すらないが、出遅れや不利などまともに走れていないレースもいくつかある。
 阪神ではまずまず走れているし…と思ったがここは別定重賞。50kgの軽斤量でも走れていない馬が斤量差なしの重賞では厳しい。夏の函館のハンデ戦へGO。消し。

⑦ヴィジュネル 藤岡康太 56.0kg

前走:京都金杯12着 藤岡康太 54.0kg
 3勝クラスを勝ち、古馬重賞初戦の前走は惨敗。直線入ってすぐに垂れ、弱いと言わざるを得ない内容。
 ただ、奥多摩Sや豊栄特別でグレイイングリーンと接戦している点は評価可能(むしろ勝っている)で、オッズに差が出るなら。ジリジリ伸びる脚が特徴で、3歳春以降は1400で連続好走。
 スタートを決めて外目の2、3番手につけられれば。内の先行しそうな2頭を見ながら進められるのは好材料。
バタバタの狙い目
単勝30倍

⑧サンライズオネスト 武豊 56.0kg

前走:カーバンクルS1着 北村宏司 54.0kg
 前走1200mのOPを勝利。最後にグイッと伸びる勝ち方はこの馬の特徴で、今回と同コースの3勝クラスを勝った際も最後に差し返す根性を見せた。
 阪神では3勝を挙げており、OP勝ちの実績はメンバー内では上位。ただ、パワーを生かして伸びてくる馬であるため、タフな流れや馬場の方がプラスで、スピードが求められると厳しい。

⑨タイセイビジョン 幸英明 56.0kg

前走:阪神C4着 三浦皇成 57.0kg
 不器用な差し馬。前々走で敗れたエイティーンガールにも近いが、最終コーナー回って同じ位置にいれば確実に負ける。一級品の差し脚ではないため、前走のように馬群を割る形か、中団から差す形がベスト。
 前有利の展開で鞍上が諦めていたような京王杯SC以外のGⅡ、GⅢでは崩れておらず、実力はある。
 ただ、展開待ちになるのが欠点。人気で買うかと言われれば微妙。決め手比べならもっと適した馬はいるし、かと言って前々で運べるかというとそれも難しそう。単勝のイメージはない。

⑩ダイアトニック 岩田康誠 56.0kg

前走:京都金杯4着 岩田康誠 57.5kg
 2020年春、先行競馬が板につき本格化。元々は京都専用機の印象も強かった馬だが、高松宮記念でも勝ち負けするほどに。
 その後は骨折もあって数も使えずに凡走が続いたものの、前走4着と復調。明確な敗因あっての3連敗だったこと、調子さえ戻れば力上位であることを示した。
 ただ、京都金杯での好走はイン差し競馬であって、ロスなく運べたのも事実。鞍上お得意の競馬でもあった。得意の1400mに戻って、とも思うが、安定感があったのは先行競馬。
 実績最上位なのは間違いなく、連続で好走していた頃の競馬ができれば格が違うと言っても過言ではない。今回は2年以上ぶりに56.0kgで出られるのも大きい。不安要素はあるが、本命候補。
バタバタの狙い目
単勝5倍

⑪ミッキーブリランテ 和田竜二 56.0kg

前走:カペラS16着 菅原明良 56.0kg
 連続で惨敗→連続で好走 を繰り返している馬。好走の多くは自身が上がり33秒〜34秒前半を出したとき。しかし、末脚比べで勝てるほどの決め手もない。
 1200mは忙しく、今回がベスト舞台とは思う。ゲートの出が悪いときもあって人気では信頼しづらいが、穴なら一考。
 外枠よりは内枠のほうが良かった。

⑫グレイイングリーン 岩田望来 56.0kg

前走:新春S1着 岩田望来 56.0kg
 前走は内も伸びる馬場だったとはいえ、強烈な脚でインから差し切り。このが武器で、阪神1400mも2-0-2-0の好成績。
 懸念材料としては、重賞実績がないこと、展開次第な部分、そして人気。近走は伸びる場所を走ったという見方もでき、手放しで高評価もいかがなものか。
 4歳馬ということもあって人気しそうだが、頭では買いづらい。

⑬モントライゼ 藤岡佑介 56.0kg

前走:アイビスSD12着 川田将雅 53.0kg
 前走は適性合わず&熱中症、前々走は向正面での不利&直線で右往左往しての5着。葵Sの馬券内馬は3頭とも夏の古馬混合スプリント重賞を勝っているし、この馬も力はある。
 復帰に半年かかったことへの懸念や、3歳時のレースで能力が測りきれない部分はあるものの、人気落ちなら印は回したい。
 成長を考えずに成績だけを見ればグレイイングリーンよりよっぽど強い。

⑭クリノガウディー 福永祐一 56.0kg

前走:マイルCS14着 岩田望来 57.0kg
 成績を見て一目で分かる通り、左回りに好成績が集まる当馬。昨年の中京狙い撃ちローテはそれを意識してかと思えば、秋は右回り3連戦。謎。
 スワンS後には調教師が『右回りだと行けませんね。ペースが落ちつくとかかりますし、左回りで改めてですね』というコメントも残しており、謎は深まるばかり。
 右回り1-1-0-12、阪神内回り0-0-0-5。近走では折り合いの悪いところも見せているし、実績や騎手で人気になるなら消し。 


 以上です。今のところは、前々決着に全振りしたいと思っています。そうでなければ買う価値のないレースかなと。外差しが決まる馬場、狙い目で挙げた各馬のオッズが渋ければ回避の予定です。

最終予想
◎トゥラヴェスーラ
◎エイティーンガール

 上位人気と見ていた実績馬が人気せず。内有利のトラックバイアスから先行馬が売れた模様。ということでシンプルに実績のある馬を。トゥラヴェスーラが16.8倍、エイティーンガールが18.8倍と明らかな過小評価だった。

結果
1着ダイアトニック
2着トゥラヴェスーラ
3着サンライズオネスト

 内から抜け出した2頭のワンツー。外目の3番手を追走したサンライズオネストが3着に。まだ内の伸びる馬場で、直線は内から3頭目までギッチリ固まりながらもスルスル伸びてこれた馬が上位進出。
 この中で外枠から5着のグレイイングリーンは見直し可能。ただ、まだそこまで強くはないとの評価。同じくタイセイビジョン、エイティーンガールは距離短縮で。分析の通り、馬場や展開の恩恵は必要。
 4着リレーションシップ、7着グルーヴィットは道中位置を下げたのが痛かった。先行できればとも思うが、底が見えた感も。
 モントライゼ、クリノガウディーはうーんという負け方。ザイツィンガーは鞍上の話す通り噛み合えば、という感じで京王杯SC出てきたら最後の買い時。
 
 分析を見れば分かるように、言ってしまえばほぼ的中です。これをものにできないのが弱さ。エイティーンガールは人気落ちとはいえどう頑張ってもこれないだろ、というトラックバイアス。自信のあったトゥラヴェスーラの単勝、そこから高評価のダイアトニックやリレーションシップに流せていれば…という感じ。
 〈バタバタの狙い目〉はかなり調子がいいので、次週からはこれをしっかり吟味して書きたいと思います。で、その通りに印を打つ。週中に固定しすぎて臨機応変さを失うのも良くないですが、もう少し自分の分析を信頼することにします。強い馬が勝つことが多いという基本を忘れないようにしたいですね。

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