チリも積もれば|5/11 対阪神7回戦はすごかった!

ご覧いただきありがとうございます。
どれくらいヤバいかっていうとマジヤバい。

試合振り返り

1回

中川颯と伊藤将司という先発。
近本中野と簡単に打ち取るも前川はフェンス直撃の二塁打。
ピンチを招きますが大山を抑えて無失点で立ち上がります。
近本のショートフライはかなり風に流されて森敬斗がギリギリの捕球になりました。

一方その裏、関根がヒットで出塁するも牽制で誘い出され結果的には3人で終わります。
攻める姿勢は大事ですしチャレンジする上での失敗そのものは構わないと思いますが、その前の投球で帰塁しかけるなどセットポジションが読めていないのに出てしまったのはどうなのかなと思いました。
惑わされた直後だっただけにまずは自分の認識を修正する時間があってよかったのではないかなと疑問に思うシーンでした。

2回

先頭の佐藤がヒットの後、井上は三振も梅野は一塁横を抜けていくヒットで一死1,2塁。
さらに木浪がタイムリー、近本のポテンヒットでこの回3点失います。
非常にレフトからライト方向に吹く風の強さもありフライが取りづらい日でした。
ここのポテンヒット自体は全員が取りに行った上で真ん中に落ちたため仕方ないと割り切る必要がありそうです。
一方で中川颯はそこまで球数が嵩んでいるというわけではなくゾーンに来た球を打たれており、相手の対応をうまくズラしていけるかという部分が課題になりそうです。

その裏、先頭の牧はストレートの四球。
さらに佐野は右中間を抜けていくタイムリーツーベースですぐに一点返します。
身体が反ってフォロースルーの方向がセンターに向いており、2022年9月6日に東京ドームで大勢からホームランを打った時の佐野のような打撃でした。
さらに山本のショートゴロで三塁へ進む佐野をタッチアウトにしようと木浪から送球されたボールが佐野の広い背中に当たりエラーに。
無死1,3塁で京田の放ったあたりはセカンドゴロゲッツーコースと思いきや山本にタッチしようと中野が追いかけてから一塁送球。
一塁はアウトも山本は二塁セーフとなりさらに一点追加します。
京田の足であればセカンド送球してからの併殺は微妙なタイミングだったため、もう一追いされていたら山本も二塁でアウトになっていたかもしれません。
しかしうまく目の前で止まって誘い出して生き残るという高度な走塁はファインプレーだったと思います。
結果的に後続は打ち取られて2点止まりも反撃の狼煙は上げることができました。

3回

前川に死球、大山に二塁打と3球でピンチを作ると佐藤のフライはまたも風に流されてポテンヒットに。
ここは非常に流されていたので結果的に取れたかどうかは別として、ショート森が追いかけるべき打球だったとは思います。
少なくとも即任せる打球ではなかったのでその辺りは今後の課題として連携していってほしいかなと思います。
さらに失点は止まらず井上タイムリー、梅野四球、木浪と伊藤は佐野の良いプレーもあり連続ファーストゴロも近本がグランドスラムでこの回6失点。
苦しいイニングになりました。

その裏の伊藤将司は三者凡退で抑えます。
ただ筒香の当たりは悪くない当たりではありました。

4回

この回から坂本が登板。
チームとしては苦しいですが、こういった場面でないとチャンスがもらえないと考えると昇格後の早い段階での登板チャンス2度目はある意味ツイているかもしれません。
結果的に井上に安打を許すも無失点。
最速151キロで大山から見逃し三振を奪うなど良いアピールができたと思います。

その裏、先頭の牧の普通のサードゴロを佐藤が送球エラーで出塁。
さらに佐野、山本といずれも初球を痛打して無死満塁。
続く京田の追い込まれてから喰らい付いた一塁ゴロで1点を追加します。
三振をしないことが何よりも大事な場面だったので良い仕事だと思います。
ただ続く森は初球のスライダーを捉えきれずにピッチャーゴロとなってしまいました。
初球ということで本当にその球を狙っていたのか、事を起こそうとしすぎしまったのではないかという内容でしたし、少し残念な結果にはなってしまいました。
ただ前の打席で見逃し三振だったこともあり意識として振ろうとすることが強まることは良いことだと思います。
結果的にこのイニングは代打度会も凡退し一点で終わります。

5回

この回から三嶋が登板。
二死から連続四球は本人も反省しているとは思いますが、結果的には無失点で乗り切ります。
ストレートが抜けているのが苦しかったですがスライダーを使って修正することができたように思えます。

その裏、先頭の蝦名がセンター前ヒットで出塁すると、二死から牧、佐野の連打で一点追加すると山本が四球、京田が走者一掃となるライトオーバーの二塁打でこの回4点を追加します。
大差になったことでむしろ早いカウントから迷わずに振っている印象で、実際にこの回の打者8人で5球を超えたのは山本1人だけでした。
迷わずに積極性を見せつつも打ち損じることなく、左中間から右中間のセンター方向中心に無理のない形で打ち返すことができていた点も非常によかったと思います。
特に京田はスライダーを前で捉えて、多少詰まったものの外野を越える、らしいヒットだったように思えます。
この場面で富田に変わり、森敬斗は左投手相手に悪くない当たりもレフトフライ。
しかし2点差まで追い上げてきました。

6回

三嶋が続投。
スライダーを中心に三者凡退。
関根の好プレーもあり追い上げムードの中で苦しい打順をいとも簡単に料理したこのイニングは、背景を考えても非常に良い仕事だったと思います。

その裏、代打伊藤光がセンターオーバーの二塁打で出塁します。
3ボール1ストライクというカウントでタイムを取りましたが、ほんの少し相手の投げ急ぐ姿を見たことでストライクを取りたがっている心理から真っ直ぐ一本に絞ることが出来たのかもしれません。
ただ後続は打ち取られて無得点に終わりました。
蝦名は粘ってライトフライ、関根は初球を悪くない方向に飛ばすも力を伝えきれずにセカンドフライと悲観するほどの内容ではなかったと思います。

7回

この回は徳山が登板。
一死から木浪がセンター前ヒットで出塁します。
続く代打糸原はショートゴロも併殺崩れとなります。
もし併殺を取るならショート森が一つ後ろで捕球して自身で二塁ベースを踏んで一塁送球だったと思います。
しかしバウンドが若干嫌なバウンドで、ハーフバウンドで捕球してそのプレーに向かうリスクを考えると一歩前に出てショートバウンドで合わせて確実に一つ取りながら牧の肩に任せるという判断は妥当だったと思います。
結局徳山が後続を抑えて無失点で終えてくれました。

その裏は漆原が登板。
一死から連打で1,3塁のチャンスを作り今日5打点の京田を迎えます。
しかし追い込まれたところからなんとか喰らいつくも併殺で無得点に。
これは阪神二遊間のプレーに一切のロスがなく、紙一重ではありましたが三振せずに当てた結果で仕方ないものだと言えそうです。

8回

山﨑康晃が登板。
先頭の中野はストレートをインローに投げ込み空振り三振。
しかし前川にヒットを打たれ大山に死球を与えてピンチを招きます。
ただ佐藤に対してはツーシームを引っ掛けさせて併殺でこの回を切り抜けました。
絶好調というわけではなさそうでしたが、大きな間違いはしなかったためなんとか抑えることが出来た印象でした。

その裏、岩崎が登板。
先頭の森には代打を出さず、悪くない当たりのピッチャーライナー。
大和や楠本が控えている中、ここで代打を出さないことは森に対する首脳陣の期待や腹を括ろうという気持ちを感じました。
続く代打桑原はストレートの四球で出塁。
さらに蝦名はカウント有利からアウトハイのストレートを思い切り叩いてバックスクリーン横へ突き刺さる同点2ランホームラン。
変に打球方向の意識をしすぎず、来た球を強く返すという形に見え、蝦名らしい理想的な打球でした。
場面を考えるとレギュラーに向けてさらに蝦名が一皮剥けた瞬間にすら思えます。
続く関根は大ファールを放つもショートゴロに倒れ筒香を迎えます。
2球見逃して簡単に終わると思いきや3球目のスライダーを叩いて勝ち越しホームラン。
2球目のスライダーを見逃したため、頭に無かったのかなとは思いましたが、逆にその球を見ることが出来たことで一球でアジャスト出来たように思えます。
普通の打者は振ることでタイミングを合わせますが、以前から筒香は見逃すことでタイミングを合わせることができるのが良い部分ですし、ここもその良さが出たかなと思います。
さらに岡留に変わって牧。
ここは2球振って追い込まれるものの、フルカウントまで整えてから甘いスライダーを特大のホームラン。
筒香とは反対に、振って合わせつつカウントを整えて投手と対等な立場に戻しての内容は打席運びのお手本と言っても過言ではないかもしれません。
とにかくこの回4点取って逆転しました。

9回

森原が登板。
3人で抑えてゲームセット。
最後はフラフラと上がった今日ずっと苦しめられたフライを牧がなんとか捕球して悪夢を断ち切り終わるというなんとも綺麗な終わり方でした。

総括

7点差を逆転した素晴らしい試合でした。

まず中川颯は苦しみつつ打たせて取ったあたりが風に邪魔されるなどタフな内容だったと思います。
ゾーン内での勝負は出来ていたものの、早い段階で打たれており、ストライクゾーンに入れるだけではなくそれ以上の勝負をしなければならない点が課題だと言えそうです。

反対にリリーフは非常に頑張ったと思います。
坂本、三嶋、徳山、山﨑、森原と繋ぎ、特に坂本、三嶋は打席の回り方次第でどこまで投げるか分からなかったと思いますが、ランナーを出しながらも我慢して抑えてくれたことが勝ちに繋がったことは間違いないと思います。
坂本は大山を三振に取れる威力のある球が良いアピールになったと思いますし、三嶋も抜けていたストレートからスライダー中心に切り替える修正力がさすがだなと思う登板でした。

守備に関しては強風で難しかったとは思いますが、3回の佐藤の打球だけは結果はともかくもっと森が追いたかったシーンだと思います。
難しい打球ですがベストを尽くせたプレーではないと思いますし、もしかすると森なら取れたんじゃないかと思えるだけに頑張ってほしいです。
気をつけなければならないのは次回の似たようなプレーでの深追いで、取るためはもちろん怪我を防ぐためにも連携の確認は再度やってくれると良いなと思います。

打つ方に関しては今日はあれだけ取られても希望が捨てられませんでした。
少なくとも面白い展開には持ち込めると思える現状で、その理由としては筒香がいるからです。
理屈ではなく、筒香が打線にいるだけでなんとなく打順も回るし結果も残るように思えます。
ハマスタの雰囲気もそうですしオカルトに思えますが、各選手が打席の中で精神的な有利に立てているように思えます。
余計な進塁打意識などではなく強く打つ上でコンタクトする、などベストを尽くせている内容が増えており今後もずっと期待が持てる打線になりました。
打つしかなくなったということも大きいとは思いますが、やはり進塁打意識は本当に終盤の終盤に引き出しとしてあれば理想で、軸や土台は今日のような強いスイングであることを成功体験として刻み込む1日になってほしいなと思います。

非常に面白い試合でした。
勝ったから当然ですが、やはり伸び伸びとスイングしている姿は個人的に大好きです。
佐野も身体を反ってセンター方向に強く振っていましたし、蝦名が切り拓くなどいろんな手応えがあった試合でもありそうです。
すぐに勢いに乗れるかどうかはわかりませんが、長期的に見たら今日がターニングポイントになってくれると思っています。

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