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短編小説・ショートショート

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原稿用紙20枚以下の短編小説をまとめています。
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#日記

【深夜の1時間創作】ビリヤード2【投げ銭】

【まえがき】 限られた1時間で好きなことを書くシリーズです。念のため述べておきますが、毒にも薬にもなりません。「ただの日記」としてお楽しみいただけましたら幸いです。では、ドウゾ。 ------------------------ 【前回の話】 「入んないっすねえ」 僕が盛大にショットを外したのに対し、ため息交じりにだいちゃんが言った。 「そろそろキメてくださいよー、だんだん眠たくなってきました」 「じゃあ、だいちゃんがキメたらいいじゃない」 苦笑しながら台を離

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【深夜の1時間創作】ビリヤード【投げ銭】

【まえがき】 最近、書きたいことがありすぎるのにうまく書く時間が捻出できないというか、もともと書きたいことを書こうと思うと「だーーーーーーーーー」っと長文で垂れ流してしまって、後々まとめるのに大変苦労するという困った性分です。 なので、これはもはや「内容をきちんとまとめよう」なんて考えはかなぐり捨てて、「限られた1時間の中で好きなことを書こう」と思い立った所存。というわけで「深夜の1時間創作」です。はじまりはじまりー。 (※ちなみに、この200字程度のまえがきを綴るだけ

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【創作】タヌジゾウ(1,907字)【投げ銭】

僕の幼いころ、家の裏の池のほとりにタヌジゾウと呼ばれる化け物が住んでいた。普段は地蔵の形をしているけれど、実はタヌジゾウが化けたもので、夜な夜な正体を現しては池の中に住むタニシや鯉やらを食べていた。 タヌキが地蔵に化けたものだからタヌジゾウという名が付けられたが、実際に動く姿を見ると、タヌキとは別物だった。確かに体は茶色く、毛深く、口は尖って獣の牙を生やしていたが、キンタマは銀杏ほどと呼ばれる実際のタヌキより大きく、スイカほど。でっぷり出た腹を時おり手で太鼓のようにポンポン

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【創作】32MBのUSBメモリーが壊れた心の痛みは失恋と変わらないことがわかる話(3,614字)【投げ銭】

【原題:棺(ひつぎ)(2006.10.1.)】 「今日ね、情報処理の授業中にメモリースティック壊しちゃったんだ」 よく授業で隣になる女の子に向かって、僕はそう話し始めた。 「メモリースティック?」 「ホラ、あれだよ。パソコンに差し込んで、データ保存するやつ」 「あー。あれか」 「大学のパソコン、ちょうど差込口が俺の脛(すね)のあたりなんて変なところに付いてるからさ、ちょっと足ぶつけちゃったんだけど。そしたら、もう機能しなくなっちゃって」 訊かれてもいないのに、メ

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