5年間現地に参戦していなかったプロデューサーが「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS "STARLIGHT FANTASY"」を両日参戦して今思う、「全てのPへの感謝」「ここから始まるPとしての道」

まえがき

初めまして。
ばれりん(@BRRLN_PICT)という名前で
デレマスのプロデューサーをやっている者です。

当方、アイドルマスターシンデレラガールズという
巨大な沼に沈み始めて早五年、
沼に沈んだ当時は無職で大量に時間があり、
公式からも二次創作からも
あふれ出る供給を大量に摂取し続け、
たぎる心をフルに稼働して
毎日毎日イラストを描いたり、
アイドル達の尊い話に思いを馳せて涙を流したりと、
デレマス漬けの生活をしていました。

ですが、時間の流れは残酷なもので、
就職した結果昔よりも
趣味のために使える時間が少なくなったり、
ストレスが増えた結果
お酒に逃げて泥のように眠る日があったり
いつの間にかしゅがはと同じ年齢になって
腰も弱くなり、フィジカル面が
昔より減衰してるのを感じたり…
そんな事を「デレに向き合わない」理由にしてしまい
結果的に昔のようにガツガツとデレマスを追ってく事が
難しくなってしまいました。
飽きたわけじゃないんだ。ただ時間や体力が無い、と。

そうやって時が過ぎていくと、
自分自身の変化をもそうですが、
アイドルマスターシンデレラガールズ という
一大コンテンツも、かつては公式が少しでも
告知を出せば熱狂する人達がわんさかいた時代から
少しずつ、みんな落ち着いて物事を咀嚼するような
日々へと変わっていく。
当然、今後を憂うような意見も
少しずつ見えてきたりもします。
あの時吹いていた、大きな、とてつもなく大きな風は、
また新たな場所へ分散していくのかな
、と感じました。

かつて、デレマスというコンテンツに対して、
「安心できる居場所をやっと見つけられた」と感じ、
ここにいたいと思った。
ただ好きなだけで、何かを得られるし、
ただデレマスに触れているだけで楽しかった。
楽しそうにしている人を見ているのもまた楽しかった。
そんな夢のような時間も、
良い思い出になっていく訳です。

なら、別の場所を探そうか、
理想の居場所はまたどこかにあるんじゃないか
と思う事もありましたが、
この決断を下す事は結局、自分には出来ませんでした。
愛着があるという事、
かつて楽しかった思い出が大切でしょうがない事。
そして何より、デレマス文化に触れ続けた中、
やっていなかった事が一つだけあったからこそ、
自分はこの場所を離れる事が出来なかったのです。

「今度、横浜でデレステ9周年ライブかぁ…」

今回お話する内容は、
プロデューサーとしての心の色を、
情熱を、少しずつ無くしてしまっていた自分が、
生まれて初めてライブという文化に触れたお話です。

IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
"STARLIGHT FANTASY"
という公演に両日参加して、何を思ったのか。
何をプロデューサーに伝えたいと思ったのか。
長くはなりますが、
どうか一人の同僚のメッセージを
読んでいただければと思います。

注意:
このノートは、初めて現地に行ったレポと
それに付随して伝えたいデレマスへの感謝を
書き綴ったものです。故にクソ長いです。
セトリ一曲単位で感想を綴っている訳ではなく、
個人的な山場に対してだらだらと書いているので、
興味がなかったら、読み飛ばしながらでかまいません。

DAY1は割とライブに行く人なら割と当たり前の事を
キャーキャー言ってるだけです。
CHAPTER2のDAY2あたりから、今回のライブ、
ひいてはアイマスライブ特有の
良かった点を記しています。
CHAPTER0~1は全然飛ばしてもらって構いません。
よろしくお願いします。


CHAPTER0:CGSF_DAY0

「経緯」変化を求めて

前述した通り、
自分はこのコンテンツに浸かり続けて
5年が経過しました。デレマスが好きです。
こんなにハマったコンテンツはないし、
惰性でここにいようとは思っていました。

デレマスと同じくらい
デレマスのアイドルの絵を描く事が好きです。
だから絵を描き続けました。
絵を描くという事は、考え続けるという事です。
「この子はこの時どんな表情になるんだろう」
「この子はどんなテイストの
 イラストが似合うんだろう」
急激に沼に沈んだ当時は、
こんな事を考えるのは容易でした。
どんな発想でもアウトプットしてみたい。
どんなにうまくいかなくても
絵を描く事は楽しかったし、
どんなに拙い成果物も愛おしく感じた。
いいねをしてくれる人がいたら、
それだけで嬉しかったし
デレマスに触れている自分が好きだった。

思いついては絵を描いて、
絵を描きながら次の絵の事を考えて、
また絵を描いて…その繰り返しが死ぬほど楽しかった。
それでも、その渦中にいる当時は分からなかったけど、
そんな夢みたいな永久機関は存在しないのです。

新しい事を考えようとしても思いつかない。
面白い事を思いついても、描けない。
かつて、絵に挑戦していた自分は、
4年の歳月を経て、まあ、なんというか
頭の中で考える絵くらいは描けて
当たり前の人間になった。
(長年やってるなら、そりゃ未経験の人より
   出来るでしょ、という意味)
好きな事が全てが思いのままな人間に憧れて
始めた二次創作だったのに、
気が付けば自分の出来る範囲でこなすようになり、
挑戦をしなくなり…
「描きたい理想」から離れ
「現実的にこれくらいなら描けるかな」
というリミッターを勝手にかけてしまった結果、
もう何も思いつかなくなってしまったのです。
前書きでも述べたように、
デレマスを追う事も十分にできなくなり、
そんな自分に嫌気がさす事もありました。

そんな時、
デレマスの大きなライブがまたあるよ!
という告知をTwitterで見ました。
「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
  "STARLIGHT FANTASY"」
横浜・Kアリーナ。
自分はこの5年間、
今までデレのライブに行った事がありませんでした。
理由はいろいろありますが、一番がこれです。

「タスク管理が苦手過ぎる!」
正直これが一番の理由です。
タスク管理??と思うかもしれませんが、
要はチケット応募に関するタスクの管理です。
実は過去にも、デレマスのツアーライブに
行こうとしていた事がありました。
当時は友人と連番を取って
行こうと思っていたのですが、
「1のライブの先行応募」→「1のライブの先行応募当選」→「2のライブの先行応募」→「1のライブの一般応募」→「2のライブの先行応募」→「3のライブの先行応募」→「2のライブの先行応募当選」→「1のライブの一般応募当選」…
あああああああああ!!(発狂)
当時は行けたらどこでも行こうと思ってたのですが、
各所の先行応募にことごとく落ちた結果、
様々な場所の先行一般受付当選などが絡まりすぎて、
ああ、なんかちょっと大変だなこれ…となってしまい、
当時は諦めてしまったのでした。

それ以降、遠い場所の現地はなぁ…とか、
お金がなぁ…、知らない場所行く気起きないなぁ…
みたいな弱気な心になってしまい、
現地に行く事に対しての
気力がなくなってしまいました。
ですが、
今回のCGSFは嬉しい事に横浜・みなとみらい。
まあまあ近いし、
自分はみなとみらいという街が好きです。
9月中旬、涼しい夜風に吹かれて
みなとみらい(中華街)の辺りで連泊して
飲んだくれてみたい!
という汚い欲望もありました。

そして前書きで述べたとおり、
少しずつ趣味が停滞している自分が嫌だったのもあり、
何かを変えるために、
ちょっと神頼みのような気持ちもありましたが、
久しぶりにアソプレに入って
先行応募に募集してみました。

当たっちゃった…。
職場で当選を知りました。
うわ、どうしよう!!どうしたらいい!?
今まで全く触れた事の無い文化に飛び込むの!?
名刺!?俺はプロデューサーなのか!?
ファンなのか!?当日会場に来る人たちは
本当に同志なのか!?どんな人たちがいる!?
話しかけられたらどんな調子でいればいい?
サイリウム!?何色を持っていけばいい!?
UOとかよく聞くけどアレってもってっていいの!?
結構厄介とかそういう話聞かない!?

聞いた事はあっても
他人事だった全ての現地に関する文化が、
突然自分事になってしまい、
もう、俺は、俺はーー!!!

「ちょっと、また後で考えるか…」
当時7月頭。9月中旬の事を考えるのはやめました。
(だらしない)
月末に大きな仕事がある事や、
単純に当時も仕事がちょっと忙しかったので
後回しにしてしまいました。

7月、あー疲れた。
8月、あー連休だ。お盆何しよっかなあ(何もしない)
   あ!七海のソロ曲試聴きた…
  え?めっちゃいい曲なんだけど…

そうやって気が付いたら9月も中旬。
今週末現地じゃねーか!!
当然名刺のデザインなんか一つも考えてないし、
あー…もうちょっと…行くか!もう行こう!
配信でしか見た事の無いライブを
現地で見に行ける!それだけでいいじゃないか!

さて、ここからライブのお話…
と言いたいところですが、
一つ話しておきたい事があります。
アイドルマスターにおけるライブの根幹。
「プロデューサー」というロールプレイ。
「アイドル」というロールプレイ。
自分は、当時(今はもう思ってません)
この文化に対し未だ懐疑的でした。

「ロールプレイ」疑念と不安

アイドルマスターというゲームは、
もう自分たちからすると当たり前ですが
事務所に所属するプロデューサーになって、
輝かせたいと思ったアイドルの卵を導く。
そんなフォーマットで
一躍有名なコンテンツとなった無印を元に、
現行するコンテンツとしてミリオン、シンデレラ、
シャイニーカラー、SideM、
そして記憶に新しい学マス。
派生してそれぞれで個性を発揮するブランドが
分家として群雄割拠しています。
そんなブランドたちに共通して言えるのは、
「自分たちプレイヤーは、
 自分の好きなアイドルを客観的に分析し、
 アイドルに対する解釈を深め続ける。
 時に魅力を売り込み、
 同志を手厚く囲み、より輝ける場所へ
 アイドルを連れていく、
 私たちはプロデューサーである!」
という意識をプレイヤーの大半が持っている事です。
(主語が大きすぎるので、当然異論は認めます)

なので、
好きなキャラは「推し」ではなく「担当」だし、
同じくアイマスに触れる
ユーザー同士を「同僚」と呼ぶし、
ライブの際にはユーザー同士の交流として、
「わざわざ名刺を自分でデザインして、
 刷って、交換する」
という通常ありえない文化が
当たり前のように浸透しています。
ライブ中も、客席でサイリウムを振りながら
大きな声援を上げる数万人の人間全員に対して、
演者は「プロデューサーの皆さん!」と呼ぶし
数万人の人間はそれを当たり前のように受け入れる。
公演後のブランドに関する告知を
「業務連絡」と題し、数万人の人間は
それを受け入れた上で新たな情報に喜びを分かち合う。

魂を吹き込む声優の皆さんも、
アイドルに容姿を似せるように髪型やメイクを工夫して
曲中は演じる事を徹底する。
それに対して、プロデューサー達は
「あの時、現地には
 確実に○○(アイドルの名前)がいた!」と
幻覚を見た事を涙ながらに語る。

自分は、その全てに対して懐疑的でした。
(何度も言いますが、当時の意見です。)
だって、さっき文章に起こした通り、
「担当」「同僚」
それは言い換えでしかないじゃないか。
確かに俺は安部菜々が大好きだし、
解釈は深めておきたいよ。
でも、結局俺含め皆安部菜々が好きなだけじゃんとか。
Pといいつつ推し活みたいになってないか?
(推し活が悪いという訳ではなく)とか
声優の方々がアイドルに容姿を寄せるのは、
ライブ中の没入感を増やすための施策や、
ライブの演出に携わる人達の愛の表現だったとしても、
さすがに三次元が二次元に見える訳がないだろうと。

ああ、きっとライブに慣れている人には、
自分よりも熱がある人には、綺麗な心の人には、
きっとそんな素敵な景色が見れるんだろうな…。
羨ましいけど、自分には無理だろうな…
こんな邪推が浮かんでしまうのだから、と。

…書いてて過去の自分に心底呆れるのでもうやめます。
理由はこれら全ての冷笑に似た愚かな思考が、
今回のライブによって受けた衝撃・感動によって
反転した意見に思いっきり転換するからです。

これら全てに対する反証、
Pの皆さんが見ている世界の美しさに追いつけた喜びを
じっくり、時系列に沿って言語化していきます。
既に地獄のミサワさんのレポ漫画をはじめ
様々な人たちがこの衝撃を語っているので
二番煎じどころの騒ぎではありませんが、
自分がこのnoteを通して伝えたいのは、
「デレマスに関わってきた
全てのプロデューサーへの感謝」
です。
どうか読んでいってください。

CHAPTER1:CGSF_DAY1

「好きな事が一緒」その実在性

DAY1といいつつ前日仕事終わりからのお話です。
仕事終わって即、駅に車を置きに行き
横浜へ向かいました。
実はまだあんまり実感が湧いておらず、
まあ、でも横浜にこれから3泊!楽しみだな~!
くらいの気持ちで。
横浜のHUBでクソデカいビール3杯飲んで
変な酔い方をした後、石川町(中華街の先あたり)に
あるやっすいホテルに泊まって
「ああ、こんな心持ちで
 明日本当にLIVE楽しめるのか…?」と
ちょっと不安な気持ちを募らせながら、
ギシギシする小さなベッドで縮こまって寝ました。

翌日、あんまり眠れず朝7時。
とりあえず元気出す為に
しっかり朝ごはん食べようとしてすき家に行く。
…あっつ~。
秋になって涼しいと思ったから横浜来たんだけど。
(現地参戦の14日,15日の横浜は
 マジで9月としては異常なくらい暑くて、
 普通に日中34℃とかありました。滅茶苦茶だよ)
まだサイリウムもなんも買ってないし、
とりあえず横浜ヨドバシまで買い出し行って、
ついでにデレマスコラボ中のワールドポーター行って、
そのままライブ行くぞ!という事で、
「よし、Pになりきってみるか!」
と事前に準備していたものを取り出します。

ずっと懸念していた、
ライブ中に自分は没入できるかどうか…
という問題に対し、できれば没入したい!
という気持ちは当然ありました。
なので、没入感を向上させるための
秘密兵器を用意していたのです!

いでよ!!



すみません、大口をたたきましたが、
単純にスラックスとYシャツとネクタイです。
大真面目です。それを着るという話です。

着てみました。
ネクタイ結ぶ動画を成人式ぶりに見ました。
に、似合わね~…

…と、とりあえず行こう。

横浜ヨドバシに到着して、6Fホビーフロア。
横浜近辺でのライブが近くなると、
UOやペンライトを分かりやすい場所で
催事販売してくれるありがたいお店です。

ここで、ついに観測する事になります。
他のプロデューサーの存在です。
いや、そりゃいるんだけど。
ライブの公式Tシャツを着ている人々が
UOを箱で買っていきます。すごい緊張しました。
別に何か言葉を交わした訳ではないです。
プロデューサーと分かる人が沢山、いた。
というだけの話です。
自分は狭い世界でデレマスに触れてきた人間
だったので、Twitterで知り合った人が
デレを知ってるとか、好きとか、
そういうのはあったけど。
本当に見ず知らずの人間が、この人達もまた、
何かの拍子で沼に沈んだプロデューサー達
なんだと思うと、なんか、本当に、
プロデューサーの集まる場所に臨むんだ…!と
引き締まる思いでした。

その後はワールドポーターという、
Kアリーナ近辺の商業施設へ。
特に何か買いたかった訳ではなくコラボで展示されてる
ぴにゃこら太とみりあちゃん達を見に行こうかな、
くらいの理由です。

どうやらバンダイナムコ公式ショップがあるようで、
そこでもデレのグッズ販売がありました。
そのショップの近辺で、少しずつですが
ライブ文化に関して、心が動く瞬間がありました。

それは、小春を応援してる!と
一目で分かる恰好をした人たちの多さでした。
自分自身はU149のアニメ以降
小春の魅力に気づいた人間でしたが、それでもなんか…
昔から好きだったみたいに
すげえ安定した愛着がずっとあるんだよなぁ…
としみじみ感じるアイドルです。
普段自分は、道行く人に対して、
あーこの人も○○が好きなんだ~とかを
意識した事はないんですが、なぜかこの瞬間、
見ず知らずの人に「自分と共通した好きなものがある」
という事を嬉しく思いました。
デレマスが好きな人達が大量に集まるライブの前に、
「この人、このアイドルの担当なんだ!」
と分かる安堵や、
「きっと話したら分かり合えるんだろうな」
と一個壁が薄くなる感覚。

それが分かるだけで、言葉を交わさずとも
なんだか心が温かくなりました。
(コミュ障なんです)

と、同時に。
ぬいぐるみや缶バッチの意義もすごく感じました。
要は、自己満足の範疇に収まるものと思い
特に重要視していなかったそれは
コミュニケーションを介さずとも、
他者からの識別を容易にする
重要な役割を持つものだったのです。
「この人は同志だ!」と。
次があるなら、
なんか持ってきたいかも…と思いました。

「初ライブ」文化への衝撃

それからワールドポーターを後にして、
海外移住資料館(何それ?)にあった
役所感の強い(?)カフェで少し涼みつつ
さっき買ったペンライトの試運転をしたのち、
ついにKアリーナへ向かう事となりました。

暑い。もう本当に暑いし既に歩き疲れた。
汗をぬぐう手が止まらぬ中、
15分ほど歩いてついにKアリーナの近辺へ!
近くのセブンイレブンで飲料水を買って、
店を出て気づけば周りは、
Kアリーナへ歩を進めるPさん達ばかりでした。
軽快な足取りです。
皆楽しみにしてるんだと分かった自分も
少し早足になって皆について行くのでした。

それから少し歩いて、Kアリーナの歩道入口に
一人、チラシを配っている人がいました。
「小春ちゃんをよろしくお願いします!」
あ、また小春Pがいる!
「お疲れ様です!」と挨拶をして受け取ると、
チラシに書いてあったのは、
ライブで小春ちゃんがソロ曲を披露した暁には、
「ペンライトを緑とピンク」にしてもらいたい、
という告知でした。
すげぇ!こういうの本当にあるんだ!
ていうか、誰がどんな色だと良いとか、
あんま知らないな…と今更気づきました。
まあ勉強する時間もないし行くしかないんだけど!

そして、Kアリーナ会場前。
圧倒的な人の多さ。
まあライブ会場だしそりゃ人は待ってるだろうけど、
この、え、もう何千人いるの?みたいな人達全員が、
俺と同じコンテンツを愛しているの!?

一気に緊張が走ります(勝手に)
俺はプロデューサーにふさわしい人間なのか?
皆は誰が好きなんだろう?
自分と同じアイドルを担当してる人はいるのかな?
うわ名刺交換本当にやってる!

…あああああああ~~~~~…

名刺作ってくれば良かったぁ~~~~

そうか…他の人たちが何を好きなのか知ろうとした時、
コミュニケーションをするためには挨拶が必要で、
名刺があったら話しかけやすいな~~~~
交換を目的として、「名刺お持ちですか?」と
一声で初手のコミュニケーションを成立させられる。
もらった名刺から、誰を好きなのか判断できる。
お互い共通した趣味を持っているから、
1,2分のコミュニケーションなら
深い話ができなくても、通じ合える喜びがある…
そっか~…これを出来なかったのは…
結構後悔かもなぁ…
ちょっと落ち込んで、いやでもPと!
触れ合いたい!俺も!と感じ、
Twitterのタイムラインで
現地に行くと言っていた相互FFの方に
急遽DMを送り、短い時間ではありましたが
お話をさせて頂きました。
名刺ももらってしまいました。
ごめんなさい…次は絶対名刺作ります。

よし!いつの間にか開場の時間だ!!行くぞ!!!

「ロケーション」始まりに向けて

アソビチケットのQRを読み込んで発券。
本当に…これで行けるんだよな…!?
読み込めなかったらどうしよう…
発券機から出てくるチケットを
ドキドキしながら受け取り、少し歩を進める。
そういえば、事前の座席指定とか無かったよな。
自分の席どこなんだろう…と
チケットに記された座席を見てみる。

「ARENA」
おお!!!アリーナだ!!!すげー!!!
…って事は、このLEVEL1っていう入口から入ればいいのか…

うわっ…広っ…
入口を抜けて後ろを見返すと、
視野に収まらないほどの客席、
視野に収まらないほどの高さ…

ライブ会場ってすごいなぁ…
こういう場所に来るのすら初めてだったのもあって、既に圧倒されました。

「8列78番」
え、どこ?何言ってんの?
78番?席順の事かな?
ARENA後方っぽいけど、ちゃんと見れるかな?

「78番」
あ、この〇番って大まかな位置の事か!
すげえ!滅茶苦茶センターじゃん!!…あれ?

「8列」
あ・・・・・・あ・・・・・・・・・?あ・・・・・・・・
そ、そういう、事?
列、って、え、席順の、事?

ステージに配置された城が、くっきりと見えます。
8列とは、席順の事です。
本来はステージ手前にも
席の名義があると思われるのですが、
手前側はカメラ機材などを動かすスタッフさん達が
リアルタイムで踊るアイドルを映し出す為に
キビキビと動いてくれる場所なので席がありません。
要は1列~5列までの席は、今回のライブでは
用意されていないという事になります。
つまり、自分は右も左も分からない初心者ながら、
ガッツリセンターかつ前から3番目の席で、
人生初めてのデレマスのライブを見る事になります。
いや…緊張するって…
幻のポケモンくらいの実在性だった
大橋彩香さんを始めとする声優さんたちを
こんな近くで観測する事ができるの…?
自分みたいな人間に、勿体ないって…

そうして座っても落ち着かない状況の中、
他のPさん達も次々と周辺の座席に座っていきます。
「え!?ここでいいの!?」
というリアクションを沢山聞きました。分かります。
先に入っただけですが先輩面させて頂きます。

ちょっと時間が経過すると、スピーカーから
控えめな音声でデレマスの楽曲が流れ始めます。
最初の方、ゆかりちゃんのソロ曲が流れていました。
緊張した心をほぐしてくれました。
なんか救われました。いい曲だ…。

たまに誰かに刺さる曲が流れた時、
刺さった誰かが叫んでみる瞬間があったり、
それをアハハと和やかに笑う場面があったり、
毒茸伝説が流れた時、
急にコール勢の声量が大きくなったり
ライブの熱が少しずつですが、
高まってきているのを感じました。

でも、まだ自分でやるのは恥ずかしかったです。
ヨドバシで買ったペンライトを少し点けては
「あ、結構まぶしいな…目立つな…」と消して、
ちょっと振ってみて、
あ、こんな感じなんだ…とやめてみたり、
Romantic nowが流れて、
あ!皆もやってる…!と軽く声を出してみたりと
周りに合わせて色々やってると、
公演開始前ラストの音源
気持ちいいよね 一等賞!が流れ始めました。

ユッキ誕生日おめでとーーー!!!
という大きな声が聞こえたのを覚えています。
うわー盛り上がる曲!と思いながら聴いてると
Cメロの終わり、サビにつながる部分で、

いち、に、さん、ご、に、に、さん、ご!
3,4がなくてGO!GO!GO!!!!!
(ビリビリビリビリ!!!!!!)

この辺りでグンッ!!!!!!
と音圧が上がり始めました。
凄い!!本気の音響が来た!!!
否応なしに心を奪われます。
周りからは大きな歓声と拍手!
サビのコールも皆どんどん声が大きくなってきて
自分も釣られて声を出しながら、
どんどんとライブに向けてプロデューサー達の
ボルテージが高まっていくのを感じました。

そして暗転。
いよいよ、人生初のデレマスライブが始まる!

「声」無数の内の一つになること

事前に用意された映像が流れ始め、
初手に披露されたのは「Fantasia for the Girls」!
演奏が始まると同時に響く歓声!
…に自分もワンテンポ遅れて一緒に声を出します。
裏打ちのリズムで「はい!はい!」と
サイリウムを振る。
2万人のP達が一気にひとつになります。

勇壮なバックミュージックを背に、
はーちゃんの高音が響き
透き通るピアノをメインに据えたイントロが始まり、
「STARLIGHT FANTASY」がついに始まる…!!!!

…で、合ってるよね?

まだ、現地について深く理解出来ていない自分は、
目の前の光景に追いついていくので精一杯でした。
実は、本当にお恥ずかしながら5年経ってなお、
アイドル達とその声優さんとのリンクが
未だに出来ていないのです。
皆踊りながら歌っててすげえ…!
・・・というシンプルな感情ばかり出てきます。
一番サビ終わりにて
ステージギミックによる炎が噴き出し、
初手のFantasia for the Girlsは強制的に
終了する事となります。
(炎が本当に熱かったです。貴重な体験でした)

その後、華やかにスタートを切る
Sing the prologue♪や
メンバー見ただけで絶対来るでしょ!!
って事で期待していたTeenage☆Groovin'、
現地の大音響で聞いてみたかった
さよならアンドロメダなど、
初現地の人間にとっては刺激が強すぎて
もはや良かった、という言葉でしか言語化できない
ような、ハイレベルな構成が自分を襲います。

ここまで、
ステージと同じくらい、
他のPさん達の傾向を観察しながら
なんとなくライブの感覚を学んでいました。
「曲の始まりは大きな声で歓声を」
「ボーカルが伸びる時、
 ペンライトは大きくゆっくり掲げる」
「間奏中は裏打ちのリズムで掛け声を」
「ペンライトは四つ打ちのリズムで、
 静かになったら2stepのリズムで」
「曲の終わりは労いを込めて歓声を」
…時に未知のコールが聞こえてきて、
慌てて追いついてみたり、
苛烈に渦巻く感情の台風に、
ただただしがみつくしかなかったDAY1前半戦。
ついに「自発的な激情」を起こすチャンスが訪れます。

「アンデッド・ダンスロック」
アンデッド・ダンスロックは、
弦をなでるような「ギュゥ~ン↓」という音から始まる楽曲です。
つまり、初手の一音が特徴的である事から、
一発で今から始まる曲が判別できる上に、
歓声と同じタイミングでイントロが始まる楽曲
となっています。

ここまで、誰かに合わせて声を出していた自分は、
「あ!分かった!これアンデッドダンスロックだ!
 よく聞いてたなあこれ懐かしい!!!」
と理解したその瞬間、
心の奥底から燃え上がる熱狂と、
叫び声を抑えられませんでした。

そんな「一人の声」は、
他のPさん達の歓声に迎合して、

アイドルに向けた「2万人の大きな感情」になり、
「ライブの盛り上がりを示す」事象になっていきます。

裏を返せば、歓声と一言にいっても、
声を出した一人ひとりに
様々な感情があるという事です。
曲のひとつひとつに、十人十色の大きな思いがあり、
その感情の全てを伝える事は出来なくとも
それでも、その思いの原動力となる
「好き」という気持ちを皆で揃えて
自分たちは歓声を上げる。

生まれも育ちも名前も性格も何も知らない、
2万人のP達が何を語らずとも揃い合い、
アイドルへの愛を届けようとする。
打算や愛想なんかじゃない、本物の感情。
なんと素敵な事か。

配信で見ていた時、
演者さんの凄さが現地の全てだと思っていた。

Pたちの存在もライブの醍醐味であると気付いた時、
一段と深くライブに没入していく事になります。
こんな世界を自分は知らずにいたのか!

「光」本能に訴えるもの

ライブも気づけば終盤に差し掛かり、
全力で腕を振り全力で声を出し身体はバッキバキ。
シャツはもう汗でベットベトです。
ここまでアリーナ最前列で
屈指のライティング、
踊り歌うアイドル達の最高の演技、
歌声に感情を委ねて全力で応援し続けました。

そんな時、
「生存本能ヴァルキュリア」が流れ始めます。
うわーやっぱりライブ映えする曲だなぁ…
と思いながらサイリウムを振っていると、
気づけばラスサビに突入。

ま、眩しい!?
セットのライティング演出じゃないなこれ!?
こ、このオレンジ色の光はUOか!?
いや、さっきから度々UOを使用している人はいたけど、
視界の中で点のように光るUOが星みたいで綺麗だな~
とかそのレベルだったぞ!?
なんだ!?
誰かが使ってるなあとかそんなレベルじゃないぞ!?
こ、これは…!

ここでついに、
ついに客席でステージを応援するPとしての
(こういった光で応援する文化のあるライブ特有の)
美しい景色にたどり着く事になります。
周りのP達ほぼ全員が
ラスサビの「生き残れ!」に合わせて、
UOを光らせ始めたのです!!
めっちゃ…綺麗ですやん…音と大量の光がリンクして…

…これ、後ろどうなってるんだ…?
何度も言うと嫌味ったらしいですが、
今自分はアリーナ前方でライブに釘付けになっています。

そういえば、一回だけ後ろを見ました。
Kアリーナが開場して、1階ゲートから入ってきて、
アリーナ席から振り返った景色。
視野に収まらないほどの客席を、
その時は人もまばらな状態で見ていました。

周りは全員UOを焚いている。
自分も慌ててヨドバシで買った
5本セットのUOを2本折った。

(アイドルの皆さん、ごめんなさい…
 本当、本当少しだけ、
 少しだけ後ろを見る事を許してください…)

これは、もしかしてもしかすると…!!

振り返った時、そこにいたのは
無数の客席を埋め尽くすプロデューサー。
その無数の手の先で光るそれは…
それを形容する言葉は…

UOの海だ!!!!!!!!!!!!!!

うわあああああ!!!!!!???!??

・・・なんだ、この・・・何・・・?

時間にして2秒ほどですが、
後ろを振り向いたまま完全に動きが固まりました。
無数の光は広い会場を埋め尽くし、
楽曲に合わせ2万人の手で揺れながら、
暗闇の中強くオレンジの光を放ち続けます。
それはもう、感情にならなかった!!!!
綺麗すぎる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
目を通して脳に直訴する暴力的な視覚効果を前に、
正直どんな言葉を使えばあの時の衝撃を表現できるのか分かりません。

いかんいかん!!!ともかく今はアイドル達を!!!!
あくまでも主役はこのライブに向けて
日々鍛錬を重ねてきたアイドル達。
急いでステージの方に視線を向けて、
Pとして出来る事を続けます。

最後は、
「Fantasia for the Girls」の完全版を全員で歌い終幕!
速攻でアンコールが起こり
ちひろさんの業務連絡が始まります。
モバマスコンプリートブックが初披露され、
辞書としても異常なほどの分厚さに、
横転するほど笑い転げました。
アンコールの二曲を見届け、
ついに、本当にDAY1の公演が終わります。

客席の照明が照らされていき、
アイマス最高!のコールが響き渡ります。
(初めて聞きました。)
盛大な拍手を後に規制退場のアナウンスが流れ、
自分たちの座席は早々に案内されました。
なんだか、ボーっとした気分の中
「…なんか、凄かった…」
フワフワとした気分の中、会場を後にしました。

「空白」短すぎる余韻

Kアリーナを出ると、
日中の暴力的な熱さはどこへやら、
穏やかな夜風がビルを縫って吹いてきます。
き、気持ちいい~…

とりあえず人生初の現地が、終わった。
みなとみらいの風景を眺めながら、
少し今日のライブに思いを馳せてみる。
…う~ん…?言葉が出ない。
なんだろう…曲めっちゃ良かったしUO綺麗だったな…
アイドルの実在性…は分からなかったけど、
演者さん達かっこよかった…
はっしーって本当にいるんだ…なんか…
ん~…Twitterで何か語りたいけど、
外向けの言葉が全然出てこないなぁ…

まま、ええわ!
ただ、こんだけ汗かいたし
もう飲むしかねえだろ!!って事で
みなとみらい駅近辺の店でビールを飲む。
疲れた後のビール染みるぅ~~~!!

…っと危ない危ない、
体調管理はPの役目とちひろさんも言ってた。

明日もあるんだった。
緩んでいた顔をスッ…と神妙な面持ちに変え、
ホテルへと帰ります。
汗でビシャビシャになった体を洗い流し、
ベッドに横たわりながら、こんな事を感じていました。

「…これ、本当に明日もあるの?」
そうなんです。明日もあるんです!
自分は初めて現地に参戦し、
苛烈な体験に身を委ねていました。
言葉こそなかなか出てこないですが、
人生の中でも指折りの、新鮮で楽しい経験でした。

この規模の波が…もう一度来るのか…?
現実感がありません。
CHAPTER0では全く準備をしていなかったと
言っていましたが、
決してライブが楽しみじゃなかった訳ではありません。
好きなコンテンツを生で見れる事に対する期待、
情熱を持てなかった自分が
変わるチャンスなんじゃないかという希望
それは当落発表の日からグツグツと煮え続け、
その全てが今日回収された。
「な、なぜこれがもう一度…?
 しかも明日…?寝て起きたら、また…?」

いや、訳分からんわ…とりあえず寝よ…

こうして、初の現地参戦が終わります。
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
"STARLIGHT FANTASY" DAY1。
そこで見て、聞いて、感じた事は、
noteに改めて書くまで整理できないままでした。

そして、この時の自分は知らないのです。
この規模の波では収まらない程の感情が
DAY2で爆発する事を。
全てが地続きである事を。
ボルテージは未だ、上がり続けている最中である事を。

現地に出向く前に感じていた不安。
DAY1で得た全ての経験。

その全てが、DAY2で
感動を超え、土石流のように溢れ出す
想いに向けてつながっている事。
ライブを通じて、再び心の炎が燃え始める事。

CHAPTER2に移る前に言っておきます。
DAY1で長々と語った「感動」というものは、
本当に伝えたかった事ではありません。
DAY2では、今書いた事が更に深まって深まって、
その先でついに感じる事の出来たものがあって、
それを「この記事で本当に伝えたいこと」として
書き起こしたいと考えています。

ここまで読んでくれた方、長くて本当にすみません。
まだまだ続きます。
ここまで読んだらもう最後まで見届けてほしい。
曲がりなりにも
デレマスのプロデューサーを5年続けた、
デレマスしか縋るものが無い男の、魂を、どうか…

CHAPTER2:CGSF_DAY2

「起点」きっかけは作れる

起床。8時。
朝食を食べて今日の事を考えます。

「…まず、名刺に近い何かを考えないと…」
DAY1で得た感動は大きなものでしたが、
それと同じくらい大きく後悔した事がありました。
Pとの交流が、満足に出来なかった事。
昨日、ライブを通じて他のPと共同体になれた。
その喜びを知った時、
名刺を作ってこなかったせいで現地の同僚たちと
話す事が出来なかったのを非常に後悔しました。
名刺交換のような自然な流れの
コミュニケーションを取るために、
今からでも出来る事ってなんだろう…?

んー…メモ帳切って自分の絵トレス量産、
名刺みたいにしてみようか…?

無理でした。ipadで普段絵を描いてますが、
紙が薄すぎるせいか
めちゃめちゃタッチ認識して画像が動きます。
しかもめちゃくちゃ時間がかかります。質も低いです。
これは…現実的じゃないなぁ…

ネットプリントはどうだ!?
そうだ!
絵のデータが大量に入っているipadが手元にあるなら、
イラストをネットプリントを刷って、
名刺代わりに交換してもらうのはどうだ!?
今日参戦するおとはー、七海、杏!
いい具合に上振れてる絵がある!
これならPの皆にも喜んでもらえるかな!?

という事で、刷ってきました。計30枚。
写真用紙なのでツヤツヤでいい感じです。
…あー…。今、自分のだらしない部分に気付きました。

あまり時間もなかったのでせかせか刷ってきましたが、
絵を刷っただけでは、大事な情報が抜けています。
「自分が何者か」という意思表示です。
これだけでは誰かに絵を押し付けているだけで、
自分が同志である事を分かってもらえません。

あああああ~~~~
じゃあもう…手書きで行くしかないかぁ…
うん…一回横浜出て昼食食べて、
どっか休める場所で書いて現地に行こう…

横浜の地下街にある喫茶店で
バカでかいアイスコーヒーを頼んだ後、
大量のネップリに手書きで
自分の名前とTwitterのIDを書きまくりました。
恥ずかしい…。黙々と作業していると、
いやでも俯瞰になってしまいます。
何をやってるんだ俺は…。

サイズ的にお相手の名刺ケースに入らないじゃん…名刺の代わりにこれ渡すってもしかして迷惑か…?よくよく考えたら自分程度の人間がイラスト配布て…この程度の絵をネップリ用紙に載せる意味あんのか…?しかも手書きで自分の名前書くって…あーあーサインみたいになってるよ作家気取りかお前は…主役はアイドルなのに俺のサインなんかいらねえだろ…てかTwitterID長い!!もっと簡潔にしとけ2年前の自分よー!!

ひたすら機械的に、名義入りのポストカードを
量産し続けた結果、急に自分が、
見ず知らずの人間に話しかけに行こうとしている事、
そんな人たちに、
親にすら見せた事の無い絵を開示しようとしている、
という事に気付いて気が狂いそうになりました。

…しかし…

やるしかないだろもう!!
もう名刺作ってる時間もないし
自分がきもいと思われようが
なんだろうが関係ねえよ~~!!
今からでもプロデューサーと
話すきっかけを作りたいんだよ~~~!!

もう本当に、自分はただただプロデューサーとして、
同僚と関わりを持ちたいだけの人間なんだと
脳をぶん殴ってひたすら用紙に名前を記し続ける。

今思えば、
「プロデューサー」という
ロールプレイに疑念を抱いていた自分とは
なんだったのだろうか。
そりゃデレマスは大きなコンテンツなんだから、
好きな人なんかいくらでもいるでしょ。
そんな人たちと交流を持って何になるの?
何の意味がある?かつての自分よ…

分かってくれとは言わないが一つ言わせてほしい…

分かんないからやるんだよ!!!
2万人のうちの1人になれた時
冷めてたはずの胸が少し熱くなったんだよ!!
知らない人達とライブを通し
心で通じ合えた事が嬉しかったんだよ!!!
無数のPたちが、
どんな人間なのか!!
俺は知りたいだけなんだよおおおお!!

うおおお熱くなってきた!!
なんか、そう思ったら30枚って少なくない?
名刺交換募集してる人めちゃくちゃいなかった?
なんなら名刺ケースを持ってる人ってもっとたくさんいたよな?
…いやもう30人なんかじゃ絶対物足りなくなる!!
自分は、このコンテンツを愛する同志である
プロデューサーの皆の事をもっと知りたい!!
ネットプリント倍プッシュだああああああああああああああああああああああ!!

「すみません店員さん
 用紙切れたので交換してもらっていいですか?
横浜駅前のローソンで、情けない声ひとつ。

店員さんに迷惑をかけながら
ローソンをウロウロしていると、
印刷しようとしている方が
後方で待っているのを見つける。
はぁ~~本当ごめんなさい。
プロデューサーとして、
公共の場での迷惑だけは
絶対にかけないと誓っていたのに、
名刺を用意していないばかりにこんな事になって、
自分がだらしないばかりに本当にすみません…

ちょっと落ち込みながらも、
無事に増刷したポスカを受け取る。
もう開場まで2時間ちょっと。
当然新規で刷ったネットプリントには
何の名義も入っていないのですが、
どこかで涼みながらサインを描く余裕はもうない。
もう自意識がバグってきてるので、
とりあえず朝に刷った30枚を配り終えたら、
その後で名刺交換の時にスラスラ名前とTwitterID,
「STARLIGHT FANTASY楽しみましょう!」
の文字を書いたらプロデューサーも
喜んでくれるんじゃないかと痛い勘違いをしながら
昨日と同じく、あのKアリーナへ向かいます。

「交点」あの日から今日まで

さて、昨日と全く同じ光景へ。
相変わらず名刺交換を募るP達が沢山いる。
「ポスカと名刺を交換させてください」という
旨ツイートしたところ、
交換したいとわざわざ自分に連絡をくれた
相互FFの方がいらっしゃったので、
お互いこの辺にいるよーこの辺だよーと
DMで連絡を取り合い、落ち合う事に成功。
昨日お会いした方と同じく、
会えば笑い合い、喜び合い、
なんだか初めて会った気がしません。

そんな中、名刺の「交換」を初めてします。
お相手の名刺を頂き、こちらは不格好なポスカを渡す。
そうして初めての名刺交換が成立すると、
ついにここから、
「本当の名刺交換」の時間が始まります。

「お二人とも名刺交換中ですか?
 私も名刺交換よろしいでしょうか!」

ここで初めて、本当に見ず知らずの
プロデューサーさんとの交流が始まります。
名刺を頂き、ご担当されているアイドルを確認し、
1分にも満たない時間ではありますが、
お互いの好きを分かち合って
最後には、「今日も現地頑張りましょうね!」
と互いに激励を交わし、プロデューサー達は、
現地に参戦する大勢の中の一部へと戻っていく。

短い時間であったとしても、
相手をプロデューサーとして認識する時間を、
相手にプロデューサーとして認識された時間を
温かく感じます。どんどん交換していくぞ~!!

開場まで残り1時間45分。
持ち込んだポスカ60枚のうち、
5枚ほど名刺と交換させて頂きました。

Pからのお誘いを待っているだけでは
絶対に捌き切れない量です。
(自分の直筆サインが入ったポスカを家に置いとくの
 本当に恥ずかしいから絶対に余らせたくない)
なので必然的に自分から声をかける事になるのですが、
初対面のコミュニケーションを切り出すのは苦手です。

緊張しています。
プロデューサーさんと話す時間を渇望していた訳ですが
運命共同体と言えど、まずは初めましてな訳です。

「警戒されていないか?」
「自分は変な人間だと思われていないか?」
行動を起こした瞬間、渦を巻き始める不安を搔い潜り、
本日も快晴、35℃の炎天下で
なんとか言葉をつむぎます。

(15分後)

ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…

うだる暑さと緊張で吐きそうです。
自分はフィジカル面に加え、
メンタルの面でも汗っかきという呪われた体質を
しているので、緊張と暑さで開始10分にして
ドロッドロの汗がガンガン流れ始めます。

このままでは開演前に倒れてしまう…
熱中症になってライブを楽しめないのは嫌だ…
でも俺、プロデューサーと同僚になりたい…

い、一度休もう。
Kアリーナ前は日差しのよく通るロケーションですが、
日陰になる場所もあります。
海からの風自体はいい具合に涼しいので、
そこに腰を下ろして、休憩中でも出来る事があると
増刷したポスカに黙々と自分の名前を書き出します。

緊張してる時、こういう単純作業をしていると
少し気持ちが落ち着きます。一呼吸ついたところで、
再びプロデューサーの元へ
在庫ポスカを交換しに行きます。

多種多様、人の数だけ「好き」の色が違うPがいます。
デレマスと向き合う日々の中、
「自分が好きなアイドル」にしか
意識を向けてこなかった。

「自分が好きなアイドルを、他に誰が好きなんだろう」
「自分の知らない他のプロデューサーは、
 誰が好きなんだろう」
なんて考えた事も無かった。
閉じた世界で自分を満足させるために
好きなアイドルの絵を描いて、それで良かった。

でも、勿体ない事をしてきたなと思います。

デレマスはこの13年間で増員に増員を重ね、
今では総勢190人のアイドル達がいます。
明らかに最初からこんな規模になることは
想定されていなかった事から
違法建築、データベース九龍城とも呼ばれています。
無印のおまけとして始まったデレマスは、
燦然と輝く765プロダクションの隣に
いびつで不完全なお城を建て始めました。

好き勝手増築して、人が集まりだして、
また増築して、人が集まって、
不完全な部分を補修して、
人が集まって…

遠目で見た時、
デレマスは綺麗なお城のように見えますが
細部を見るとメチャクチャな構造をしているし、
取っ散らかっています。
不便な構造をしている箇所は探せばいくらでもあるし、
諍いや争いなんかとは無縁の平和な理想郷…
という訳にもいかない「競争の世界」でもありました。

こんなアホみたいな場所に住ませやがって、
と思うと同時にこんな場所だからこそ残る歴史が、
感情が山ほどあります。
ユーザーの「好意」「愛」「羨望」「不平」「不安」
熱く燃えるプラスも、
胸を割くほどのマイナスも取り込んで、
このコンテンツは変な話、いびつな形を保ったまま
ギリッギリのバランスで巨大化していきました。

そこの一人として自分は、
5年前この場所に足を踏み入れ、
上記で話したいびつ故の魅力は知っていながらも、
周りの住民に興味を持つ事もせず、
ただ自分なりに消費を続けていました。

そして今、
現地でプロデューサーの人たちと出会い思うのです。
閉じた部屋から出てみると、
想定していた通りの不完全な世界が、
どうしてこんなにも美しいのだろう、と。

5年前のあの日まっすぐに伸び始めた
線の先にあるものを見据えて
歩き続けた先にあったのは思った通りの景色で、
そんな景色を思っていた以上に美しく感じた。

このプロデューサーは、
このアイドルを担当しているんだ。
分かる!
俺もあの時あの曲に出てたこのアイドルが好きだ!
分かる!まだ声は自分の鼓膜には届かないけど、
それでもこの子にしかない魅力がある!
このプロデューサーは、
こんなユニットを担当しているんだ。
分かる!最高のコンビだ!
尊くて可愛くて絵にしていて楽しい!
分かる!今はまだ曲はなくとも、
この子たちはもっと輝ける!

きっと、同志と巡り合えた時、
こんな感じのコミュニケーションになるだろうなと
想定していた事が、想定通りに起きる。

「予想外の事態にこそ、感動が生まれる」
「逆に、安易に予想できるものに感動はない」
と思っていたはずなのに、
その一つ一つが、
対面する度に予想していたよりも輝いている。
安部菜々を担当されている方の名刺を見た時、
本当に嬉しかった。一気に心が跳ね上がった。

好きを共有する事の素晴らしさに気付くまで、
5年もの歳月をかけてしまった。

ある意味、「予想に感動は無い」
という予想を打ち砕かれた事で、
「予想外への感動」が生まれたともいえる。
(くどくど何を言ってんだ)

楽しい名刺交換も気づけば終盤。
ある程度配り終えて気が付けばもう、
プロデューサーに話しかける事も緊張しません。

TLで拝見した事のある方にお会いしたり、
名刺と一緒に塩分タブレットを貰ったり
(本当に助かりました。命拾いしてます本当に)
エビ揉みをさせてもらったり、
アイドルのぬいをなでさせてもらいました。
昨日お会いしたプロデューサーにも、
ポスカをお渡ししました。
名刺の裏に書いてあるディティールの
細かいアイドル打線で爆笑しました。
ライブと同じ位、いろんな事がありました。
あと前セクションで話した
ローソンのプリンターのごたごたで
後ろにいた方も実はプロデューサーさんでした。
お時間を取らせてしまい申し訳ありませんと平謝りして
ポスカを渡すと、「TLで見ましたよ!」と伝えてくれた。
フォロワーさんだった。なんだその出来すぎた偶然は。

プロデューサーの皆さんは皆優しく、
こんな邪魔になるだけのポスカを
可愛い、ありがとうと言ってくれました。
「外回りの営業してるみたいで
 プロデューサーの鑑ですね!」
と言ってもらった時、
本当に嬉しくて元気を貰いました。
そんな事ないよ…
ここにいなくとも、
配信からアイドルを応援する人たちや、
遠路はるばる応援に駆け付けた人たち、
皆等しくプロデューサーの鑑だよ…

色々と楽しい事がありましたが、自戒の意味も込めて
今後自分が気を付けなければならない事を残します。
「自発的な交流目的の場合、
 ただの正装で来るとかえって怪しい」
です。
前に話した通り、スーツで現地に来ているのですが
世の中怖いもので、
こういう心が明け透けになる状況につけこんで
怪しい勧誘を仕掛ける人たちもいます。
俺たちオタクの純粋な心を踏みにじりやがって…

はい。Pのつもりでいたのに、相手から見た時に
そういうタイプの怪しい人に見えてしまう、という話です。

結果的には円満な交流でも、ファーストコンタクトで
あ、これ怪しまれてる…(涙目)になる事が多かったです。
アイドルのぬいなど、担当がいる事を明確にした方が
お相手からもプロデューサーなんだ!
と気づいてもらいやすいです。
あと、まるでスーツしか正装が無いかのように考えて
動きづらい恰好で現地に参戦した訳ですが、
現地においての正装は別にスーツだけでは無いですね。

担当アイドルがプリントされた法被もTシャツも、
ライブを盛り上げるためのプロデューサー達の
創意工夫だし、動きやすい恰好で臨む事も、
ライブを盛り上げるためには大事な事です。

どんな格好なら
「アイドル達を最大の熱量で応援できるか」が大切。
プロデューサーとしての役目を果たす為なら、
どんな格好も正装です。

最後に残ったあんきらのポスカを、
杏ぬいを持っている方にお渡しして
60枚のポスカを全て名刺と交換完了。
名刺ケースを持ってきていなかったので、
シャツの胸ポケにもらった名刺を入れていたのですが
60枚分の名刺の厚みと言ったらもう…
なんか感無量でした。
全部、その人その人が担当を、
自分を知ってもらえるために
安くない費用を払っているのはもちろん、
わざわざ愛を形づくっているものですから。
大切に保管したいと思います。

ライブ前からこんなに楽しくてどうなっちゃうんだ!?
感情の嵐が今日も吹き荒れるであろうゼロポイントに、歩みを進めます。

「インフレ」感情に限界は無い

QRチケットを読み込み、発券。
2日目になると慣れたものです。
今日の座席もチケットが発見された瞬間に
判明する神頼みなのですが、
個人的な願いがひとつありました。

「今回はもうちょっと後方がいいな…!」
本当、出過ぎた願いです。

何が言いたいかというと、
最前線で見るアイドル達のパフォーマンスは
とても美しかったし、
ステージの細かいディティールを、
ライティングを、ギミックを間近で見れたのは
最高の経験でした。

しかしまだ自分はちゃんと見れていないのです!
プロデューサー達が一斉に灯す愛の光を!
曲に合わせゆらめく、2万人の感情の波を!
その先で踊り歌う、アイドルの姿を!
自分がDAY1で見た景色をもとに、
本当に見たいと思ったのは、
アイドルとプロデューサー、
その二つが重なる最高のパフォーマンスでした。

チケットを確認すると、LEVEL2、後方右端の席。
もうセンターでもないしアリーナでも無い!

改めて綿密に練られたライブ会場の設計に驚きます。
今回の席が右端後方であるが故、
扇状に広がる客席のほとんどがステージを見ながらでも
視界に入るようになっています。
これは…サイリウムの海もステージも見られる…!
いい具合の位置を取れたと確信し、
一列前の席に間違えて着席したのを
スッ…と修正します。

昨日のように、控えめな音量で音源が流れ始めます。
やっぱりこの時点での声出しは
ちょっと気恥ずかしかったですが、
Starry go aroundの様式美と化した
初見殺しに爆笑の渦が巻き起こったり
またまたユッキの曲、
今日は2周目dear my dreamerで音圧が上がっていき、
やきうコールの吹き荒れる中、
P達はスターライトファンタジーの世界へ旅立ちます。
熱狂への動線を作るように
セットリストが組まれている事の親切さに
今日も感謝しながら、自分もまた物語の世界へ!
物語を演じるアイドル達への最大のリスペクトを
示すべく、ペンライトを光らせるのでした。

今日はDAY2。一部メンバーは入れ替わり、
昨日は
ちとせ嬢と聖ちゃん、ライラさんが来てくれましたが、
今日は七海ちゃん、飛鳥にゆかちゃんが来ます。

Fantasia for the girlsの負けイベを浴びて、
各アイドルの役職が発表されます。
DAY1では語りませんでしたが、
勇者や踊り子、マリオネットや
占星術師、天使と悪魔など・・・

様々な役割を持ったアイドルたちが
それぞれのモチーフに沿った楽曲に
選出されてライブを盛り上げます。
両日通して参戦している
アイドル達の役職は皆既に知っている為、
必然的に今日から参加する3人に注目が集まります。

中野由香 悪魔👿!!
うおおおおおお押忍にゃん悪魔!?すごい采配!
やっぱり、これは今日、
ついにやきうの時間が来るぞ!!

浅利七海 精霊🧚!!
うわあああああ!!待ってたよおおおおおお!!!!
皆のペンライトが青く光ります。

そして、二宮飛鳥。

飛鳥を演じる青木志貴さんは、
超絶カッコいい存在として現地参戦Pには
特にクソデカい感情を向けられています。
飛鳥は厨二病を患っている、
という部分から一歩踏み込んで、
強く気高く、可愛く格好良い、
強いキャラクター性の芯
を作り上げた
崇高な、カリスマのような存在です。

ですが、
ここまで熱を持ってライブに臨むに至った自分に、
まだ理解できていない感情がありました。

それは演者さんを、
そこにいる1人の人間を、錯覚する事。
Pの皆が涙ながらに語る「アイドルの幻覚」。

ここまで、自分は時系列に沿って
プロデューサーたちとの繋がりの嬉しさを
中心に感想を語ってきました。
それは自分が行動に起こせば
肌身で感じる事ができたので。

DAY1ではそういった
「現地でしか出来ない事」の部分を
中心に文字を起こしていますが、
まだ、「現地でしか感じ取れない事」
に対する感覚をまだ掴めていませんでした。

それは、「アイドルを見る事」への没入の極みであり、
曲を歌うアイドルの裏で起こった物語に
想いを馳せる事であり…

初の現地で少しずつ知る、
ライブを楽しむ為に最低限必要な要素の、
最後の1ピースをこの日ついに埋める事になります。

さて、話を戻して…

二宮飛鳥

ソルジャー⚔️!!!!!!

キャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!

周りから、待っていたと言わんばかりに、
悲鳴のような、黄色い声が響き渡ります。
鼓膜がビリビリします。
周りの熱気に当てられ自分も声が出ます。
今までに見た事のないボルテージの上がり方です。

だってこれ、
まだ志貴さんは別に出てきてないんですよ?
ただ飛鳥のイラストがモニターに映されて
その役職が飛鳥専用に作られた新規のものだった、
という話です。
飛鳥というアイドルの活躍に期待する感情だけで
序盤時点で客席のボルテージを一気に加速させた。

あ…飛鳥って…本当に凄いんだ…!!

その後は、
DAY1のセトリに沿って物語は進んでいきます。
同じ曲を聴いても退屈じゃない?
と思っていた頃の自分を殴りたい。
昨日も聴いたSing the prologueは、Teenage Groovinは、
昨日よりもずっと楽しい!!
振り付けやプロデューサー達の声援、
盛り上がり所を把握しているからこそ、
見どころを心の準備をした後で
目に焼き付ける事ができます。
昨日よりも遠い場所から応援しているはずなのに
プロデューサー達の光の波が、
アイドル達の振り付けに重なって
昨日よりもずっと、デレマスの世界にいる事を感じる。

そして、
エモーショナルなロックチューン・スバルを超えて
次の曲。激情は涙へと変わっていきます。

響くのは、鉄琴とピアノの優しいメロディ。

「アイム・ア・リトル・プリンセス」

小春ちゃんの、
伸びやかで優しい歌声が会場に響きます。
ここに来て小春のソロ曲が、
ついにライブで、大きな箱の中でお披露目されます。
パニエをふわふわと揺らしながら踊る小森結梨さん。
その瞬間、思い出したのは…

「小春ちゃんをよろしくお願いします!」

Kアリーナ前で、
「小春の曲が来たら、
 ペンライトを緑とピンクにしてほしい」
と、チラシを配っていたPさんの姿でした。

これは、あの人の為にも!!
やらなきゃいけない事がある!!

今日のライブ開演前まで時を遡ります。
DAY2である今日も、
例の小春Pは道行くプロデューサー達に
同じ旨のチラシを配っていました。
絶対に今日来るよ、絶対に今日聞きましょう…!
と心で願いながら、
全く同じ内容のチラシを、願いを込めて
もう一度受け取ります。

実は少しだけ昨日のセトリに対して、
不安要素がありました。
昨日のソロ曲の出番はイブちゃんの一曲だけでした。
小春は来なかったか〜と考えた時、
思い返すとチラシを配っていたPさんも、
小春のソロ曲が今日来る!
と確証を持って配布している訳では無いんだなぁ。
「もし来た時は、こうしてほしい」
そんな、言ってしまえば博打のような状態で、
炎天下の中、初日に来なかったとしても、
ずっとチラシを配っていたんだ…
絶対に報われてほしい…。
俺、ペンライト1本しか持ってなかったから
もう1本追加で買ったよ…!

という事で、
今自分の手元には2本のペンライトがあります。
大急ぎで目線を手元に写し、
カチカチ操作して、緑とピンクに色を変える。

そしてまた前方へ目を戻すと、
会場のPたちの手の先で光るペンライトは、
チラシの素敵なイラストに描かれていた舞台のように、
綺麗な緑とピンクで埋め尽くされているのでした。
もう、とにかく、
あのプロデューサーが報われて良かった…!
そう思った瞬間、頬を涙が伝いました。
視線が潤んで、「うああ…」みたいな
情けない声が出ます。
自分が現地で初めて泣いたのは、
担当の活躍を見て喜ぶPを想像した時でした。

終始涙目で応援する自分。
よく見ると隣の人も泣いてます。
小春ちゃん、ありがとうね…頑張ったね…
盛大な拍手と歓声が響き渡り、
この感情を整理するよりも先に、
スターライトファンタジーの物語は進んでいきます。

もうこの時点で自分のテンションは最高潮。
ライブにまつわる様々な素晴らしい事象に
巡り会えたのもそうですが、何より
「このライブ、気付いた事が多くなればなるほど、
どんどん面白くなっていく!
それを積み重ねた今が、一番楽しい!」
と気付いた瞬間、心はエンジンのように、
まだ見ぬ感情に向けて熱と推進力を持ち始めます。

そして…

遂にその時は訪れる

THE IDOLM@STER CINDERELLAGIRLS
“STARLIGHT FANTASY”
DAY1&DAY2

渦巻き溢れ出す感情の爆心地!
その最大瞬間風速が記録される瞬間。

ローパスをかけたような曇った音のシンセリード。
昨日と同じく、
「悪」との一戦を彩るのは「Trust me」

暗闇の中、レーザーライトが走る。

ついに闘いが始まる緊張感の中の第一声。

「ボ ク が 相 手 だ ! ! !」

無数の人間がひしめく中、1人の声が、場を支配した。

その声の持ち主を、
視認は出来なくとも聴いただけで分かってしまう。
14歳、反抗期も真っ盛りな多感な時期。
穿った目線でセカイを見てきた故に、
時に人とぶつかりあい、時に人と認め合い、
真せたい自分をパフォーマンスに乗せるアイドル。

この声は…

二宮飛鳥だ!!!!!!
脳が感情を手繰り寄せるよりも先に喉に力が入る!!!
空気を吐き出しながら声帯が震え出した!!!

ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!

…は?なに…何!?落雷…?

違う、これは、「人の声」だ!!!
今、え、人の声か!?こんな!!!こんな事あるか!?
2万人の歓声の音圧に対する衝撃は、
昨日から感じていたはずだぞ!?
今までの熱狂は、臨界点じゃないの!?!?

こ…これが……

これが…「二宮飛鳥」…………???

勝てるわけがない…
ソルジャー…イケメン…?違うな、王子様…?

いや…

これは「偶像」そのものだ……

今目の前で起こっているのは、
悪を打ち砕かんと戦うファンタジー世界のアイドル達。
そんな世界で、勇壮に剣を振るう少女たちを演じる
プロの演者達。

光や映像でその世界を表現するプロの演出家。
支払った金額と引き換えに楽しさを提供する商売。

現れた巨悪も、絶望に染まる炎も、
そこに助けに来るソルジャーも、
全ては作り物、全ては演出…のはずなのに…

今ここに立っている自分は、焼き切れた脳は、
孤高の戦士アスカが助けに来てくれた事を
信じて止まない!!!!

本当にカッコいい!!!!!!!!!!!!
かっこよすぎて涙出てきた!!!なんで!?
脊髄が飛鳥への魅力を叫べと伝える!!!

感情って、
ここまで昂る事が出来るのか!!??!?!?!?

個人としても、2万の共同体としても、
激情のボルテージは、遂に最高潮を迎えます。
もう、何が起こったのかは殆ど覚えていません。
歪んだギターと重厚なドラム。
イントロで裏打ちに合わせて発せられる声は、
スピーカーの音圧を押しのけるほど
Kアリーナにこだまします。
とにかく夢中で、喉が枯れる事も忘れて、
ただただ腕と喉を死ぬ気で使い続けました。

ライブの魅力を超えた、
本能を剥き出しにさせる程の理想。
誰もが崇める偶像に、
二宮飛鳥はなってみせたのでした。

「幻」現実を超える愛

MCを挟み、後半戦へ。
ここから、戦いの時に備え勇者たちの旅と、
その地その地で出会う仲間たちとの絆を深め
少しずつ結束を深める少女たちの光景を
歌と踊りで表現していきます。

乙倉から始まるクレイジークレイジー
エッ…いや、待て待て!!
乙倉!!お前にはまだ早いって!!
小春ーー!!??!?!?💚💗アーー!!!!

やきうの時間 HALLOWEEN GAME
かっとばかっとばかっとばせー!!!!!
日本人が野球観戦を好きなのは、
かっとばせー!って言いたいから!

待望 モラトリアム
押し付けのモラル もう飽き飽きしてんの~
なんか、もう何回聞いても救われる…

この一連、一体何が冒険譚なんだ。
どんな旅をしていたらこんな事になるんだろう。
統一感の無い、デレマスらしい混沌の旅は続きます。
もう、ライブ文化に懐疑的な自分はいません。
今はもうただただ楽しい!どんどん行こう!!

「Treasure☆」

来たか…
これが来るって事はそういう事、だよな…。

ついに冒険らしい曲がやって来ました。
雄大な海、船の上、輝くものを探す王道のストーリー。

LING-RINGの3人の船旅をメインに、
ナターリアとイブちゃん、
異国のアイドル達との出会いを経て
海の上を冒険していきます。

ああ、これは…来てしまうんだな…

世界各地を旅しながら仲間を集める冒険の物語。
陸の世界はどこまでも地続きですが、
海の世界はそうもいきません。

Treasure☆とはまた別のお話。
浅利七海ちゃんのソロ曲、「にんぎょ姫練習中!」は
海の世界で生きる人魚が、
泳ぎもダメダメ、歌もへたっぴ、
それでも、海だけじゃなく陸の上の皆にも
お姫様に憧れる私を、私らしさを見てほしい!という、
日の照らす温かい海の中を、明るくも優しく照らす
七海らしい歌です。

七海のソロ曲が聴ける日が来るなんて、
なんだか感慨深いなぁ…CDを買って何回も聴きました。

「もしかしたら、
 この曲も現地で披露されるんかな…」

そんな淡い期待もありましたが、
DAY1では披露されず、
全てはDAY2でのセトリ次第、という形になりました。

プロデューサー達との会話を思い出します。
「今回の公演は物語に沿ったセトリを作ってるはず。
 七海のソロ曲を考えると、
 そこに繋げるまでの話の導線が必ず必要になる」

間違いなく、Treasure☆はそこを見据えての選曲だ…!
海の中を泳ぐ七海を映す為には、

海を旅する必要がある!!

「も、もう気が気じゃない…!」
当時はもう、
「ここまでライブに没入した状態で七海の
 ソロ曲なんか聴いたら頭おかしくなってまう!!」
そんな気持ちが立ち込め、既にちょっと涙目です。
しかし、ぐっと気張ってプロデューサーとして平等に!
次に来る曲がどうかではなく、
大事なのは目の前のアイドル達。
大航海の行き先をペンライトの青い光で照らしながら
アイドル達が活発に、楽しそうに踊り、
時に、荒れ狂う海の中船で転げ回るような
ハチャメチャな冒険を見届けて、大きな声援の中
舞台は暗転していきます。

自分にとっての「感動」は今まで独善的なものでした。
「良いものは、
 誰かの意見に左右されずとも良いものである」
という芯を大切に今まで生きてきましたが、
それは自分が良いと思うものを守る頑固さでありながら
その感動を狭い世界でしか増幅しえない
という面も持ち合わせています。

感動は共有を通して際限なく、膨らんでいきます。

現地を通して、
共通の好きを持つ他者を意識する瞬間が来た。
現地を通して、
心に掛けた増幅のリミッターを外す瞬間が来た。

全てが糧となり、全てはアイドルへの感動へ!
次は…!次の曲は…!!!

優しく耳に届く泡の弾ける音。
時間にして0.5秒にも満たない瞬時。
「来たああああああああああああ!!!!!!!」
ペンライトは青のままでいい!!
海の中、立派なお城の前で奏でられる、
輝くようなメロディ。
ライトアップされて、軽やかに踊るアイドルは、
井上ほのかさん演じる浅利七海。

「にんぎょ姫、練習中れすっ!!」

舌たらずで、よく伸びる快活で綺麗な声。
かつて七海に声が無かった頃から、今この瞬間まで
一体どれだけの歳月を要しただろうか。
テキストで読むだけだったセリフに
命が吹き込まれた時、まるで昔から
聞いていたかのように、「浅利七海の声」が
スッと耳に入ってきたのを覚えている。

今もそうだ。
今、リテイクの効かないこの一発勝負の状態で、
はっきりと見えるかどうか位にはずっと先にいる
井上さんから発せられるその声は
浅利七海そのものだった。

もうイントロの時点で涙が止まらない。
今、目の前で起こっている光景は、
浅利七海を知った5年前から、
今日まで1825日の間待ち焦がれていたものだ!!!

ふわふわと精霊の衣装をなびかせながら踊る七海。
その背には、シンデレラの目指すお城を、
青く輝き暗闇を照らすペンライトの光を
受けて歌い踊るその姿は、本当に海の中を自由に、
すいすいと泳いでいるようでした。
カナヅチだった七海が本当に立派になって…

いつもなら1、2滴の涙を落として
クライマックスの感情が、
土石流のように押し寄せてきます。
ボロボロ涙をこぼしながら、
自分はかつて、声が無かった頃の七海と、
その当時の担当Pたちの事を思い出していました、

「#すいすい七海」というハッシュタグがあった。
シンデレラガールズ総選挙では、
各々担当Pがアイドルを押し上げる為に
そのアイドルの魅力を広報し、
時に他担のPと手を組み、死に物狂いで
担当を押し上げてきたプロデューサー達がいました。

2019年当時、
声のついていない七海は、Cool属性15位という大健闘。
当時前線に出て活躍していたアイドル達に
負けない輝きを見た自分は、
少しずつ七海の魅力に惹かれていきます。

それから2年経って、
VO総選挙で堂々の1位に輝いた七海。
良かったね〜!おめでとう〜!と心から思った。

それから総選挙記念曲である
Let’s Sail away!!がリリースされ、
最高の船出を見送られながら、
七海の活躍は続いていきます。

ギョーてん!しーわーるどでは初のセンターを飾り、
デレマス10周年を記念するNew blight starでは
デレマスを代表するアイドル達と、
その切磋琢磨の美しさを歌い上げました。
ギョギョっとニャんだふるの相方である
みくにゃんと、菜々さんと共に
全開ミラクルアドベンチャーという
電波チックなテイストも持ち合わせる七海を知った。
時が経つ程に新たな七海を知っていく。

アイドルとしての可能性を無限に拓いていく七海は、
「大海を泳ぐ魚たちのように、
 自由に前へ進む意思を感じさせてくれる存在」
として、
自分がデレマスを好きな理由であり、
自分の好きなデレマスを象徴するような
アイドルになっていきます。

この場所で歌う七海の事を思えるのは、
あの日、七海を応援していたPたちがいたからです。

総選挙でアイドルを応援していたプロデューサー達は、
何かを対価に動いた訳ではありません。

七海を担当するプロデューサー達も、
当時選挙活動に勤しむ中、
今頑張れば、全七海Pが待望する景色を、
2024年にライブで披露できるんだ!!

なんて考えていた人は一人もいないはずです。

当然結果が出ない事だってありました。
それでも、根気強く諦めの悪い人たちが
「七海を好きだ!」その一点で、何年も何年も
浅利七海を皆に知ってもらう事に一心になり続けた。

「人に勧める」という行為のリスクを、
当時自分は恐れていた。
感動を多くの人間に共有してこなかったように、
好きは自分の心の内にとどめておいた方が、
自分が大切にするものを守る事が出来た。

しかし、それを恐れないほど強固な愛を持つ
プロデューサーが沢山いて、
そのお陰で知る事が出来た。
そのお陰で声を聴く事が出来た。
そのお陰で今ここで歌う七海を見る事が出来た。

目を向けてこなかった沢山の人たちのおかげで
アイドルに対し大きな感情を持つ事が出来ている。

ユーザーは「プロデューサー役」だなんて、
無粋な物言いをしてきた自分に対しても、
アイドルは輝きを見せてくれる。

間違いなくユーザーなんて枠に収まるもんじゃない。
あの時、七海の魅力を自分に気付かせてくれたのは
まぎれなく、
「七海を担当するプロデューサー達」だった。

もう涙で前が見えない。
袖で目をこすりもう一度ステージを見渡すと、
音数を引いた静かなメロディに合わせて、
最後のサビが始まった。

海の天井きらら そっと手を伸ばしたら
少し未来の私と約束しよう

少し涙ぐんだ歌声と、
プロデューサー達が照らす青い光。

いつか七つの海超えて 泳ぎは練習中
きっと皆に会いに行こう がんばって練習中

2万人のペンライトが作る、海のような綺麗な光の中、
衣装をなびかせながらすいすいと泳ぐように、
軽やかに未来へと進んでいく。

wind is blowing 優しい風は寄り添って
遥か遠くへと練習中

あの日Pたちが涙を流しながら見ていた景色に、
2日間の旅路の終盤で、
ようやくたどり着く事が出来た。

Like a Sunshine 海の中から光り放つ
みんなに届けと練習中

そうか、そうだったのか…
だから、こんなにも、美しいのか…
ありがとう…しっかり届いたよ…

「あの時、現地には
 確実に○○(アイドルの名前)がいた!」と
幻覚を見た事を涙ながらに語る。
自分は、その全てに対して懐疑的でした。

嫌な事を言っていたころの自分

そんな自分がいたからこそ、
敢えて全く同じ言葉で皆に伝えたい事がある。

そこにいたのは、海の世界で夢を語る人魚姫。
あの日Kアリーナには、浅利七海がいた。

幻覚とは、
「全てが作り物という現実を受け入れた上で、
 それでも尚、溢れ出る偶像への無限の愛」だった。

ありがとう…本当にありがとう…

全てが回収された。
「プロデューサー」という、
好きなことに苦労も厭わずに向き合える人。
「アイドル」という、
その愛をまっすぐに受け止めて、輝きを放つ人。

人は、直観で理解できないものに対して、
理由を求めずにはいられない。
大抵寝る前に考えるような、そんな素朴な疑問は
自分一人でこねくり回した理屈で解決される。
解決されたと思い込んで、
もう理由を考える事なんかしない。

DAY1,DAY2の公演を通して、
以前「疑念」と呼んでいた全ての概念は
ここにいる皆の力を、
デレマスを好きでいてくれる人達の力を以てして、
新たな解釈を見せ、輝き始めた。

そうして、自分に大きな気づきを残した
「にんぎょ姫練習中!」は
盛大な歓声と共に、
見て聞いて感じて、今起こった奇跡から
宝物のような思い出へと変わっていくのでした。

真の意味で、
ライブの醍醐味にたどり着く事が出来ました。
もう、何も疑う事はありません。

自分は、
まだ何も実績を残していないプロデューサーで、
先駆者の拓いた輝きを享受する存在だ!

なら今出来る事は一つ、
アイドルのこれまでを見てきたプロデューサーとして
純粋な賛美を、応援をアイドルに最後まで全力で!!

ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…

すみません。やっぱちょっと休ませて…
これは今noteを書いている自分の状態でもあり、
ライブに参戦している自分の状態でもあります。
この後もデレマスを始めてから初のイベント曲、
「未完成の歴史」や、
飛鳥と千夜ちゃんのサプライズ新曲を始めとする
バカ火力5連戦のセトリなど…
沢山の山場がありましたが、
単純に脳の許容量を超えています。すみません、
本当にもう「すごかった」しか言えません。書けません。

自画像(近影)
あとで絶対BD買うので、アイドル全員の活躍は
その時にじ~~~っくりと見させてもらいます。

色々あって、DAY2もアンコールの時間!

業務連絡で発表されたのは
来年の大規模ツアーライブ開催決定の告知!!
あ、そうなんですか、絶対に行きます。(絶叫)
大歓声とUOが光ります。なんでまだ持ってんの皆。
熟練したP達はサイリウムが体から生えてくるようです。

アンコール後のラスト2曲では、
卯月のソロ歌唱から始まって大団円の
「Life is HaRMONY」。
本当に、人生は一人では歌えないハーモニーです。
そして、「お願い!シンデレラ!」が披露されました。

いや、お願いシンデレラのコール難しすぎる!!!
公式から明確にコールが指定されているので、
ある程度知っているつもりではいたのですが、
初見では全く追いつけません。
デレステでは全ての難易度で入門に位置付けられる
おねシンが、現地だと最難関になるのは
なんか胸が熱いですね。

そして…おねシンが終わる、という事は
楽しかった時間ももう終わりという事。
アイドル達が手を振りながら、
ゆっくりと、しかし確実にひとりひとり、
舞台から降りていく。
開演前のように、プロの声優の一人に。
皆、現実に帰っていきます。

最後に残った颯と奈緒が大きな声で
プロデューサー達にメッセージを伝えると、
THE IDOLM@STER CINDERELLAGIRLS
"STARLIGHT FANTASY"は、
大きな拍手と歓声の中、
本当の本当に、終わってしまうのでした。

「閉幕」魔法が解けて

楽しかったライブももう終わり。
会場の照明が付くと、昨日と同じように
規制退場のアナウンスが流れ始めます。
LEVEL2後方なので、
退場出来るのはしばらく先になります。

前方の客席を見ると、
皆スマホでTwitterを開いています。
U149の作者である廾之さんが、
小春の絵を上げているのをPさん達のTLを通して
見えてきました。
ああ、廾之さんありがとう…
自分のスマホでは全然電波が入らないので、
退場してから見させていただきます…。

そして、Kアリーナを出る。
用を足して横浜駅に向かう出口を会場から見ると、
もう沢山の、人、人、人。
雑踏の中2万人のPさん達が
日常に帰っていくのを感じます。
本当にお疲れさまでした。

昼間、沢山のPさん達がいた会場前は、
もう人もまばらです。小春Pたちが集まって、
今日の公演のすばらしさを語り合っていました。

「すみません失礼します!
 小春ちゃん本当に最高でした!」
と伝えようかとも思いましたが、
無粋な気がしてやめました。
その感動は、小春をずっと担当していた皆で、
語り合ってほしい、分かち合ってほしい…。

いや、でもやっぱりPと語り合いたい…!
昼間に会った相互フォローの方にDMし、
ちょっと飲み行きましょうと連絡すると
帰宅の電車も迫る中、「いいですよ!」と
快く承諾してもらいました。
その方と連番で来ているPさんも
いらっしゃるとの事で、いやもう多ければ多い程がいい!2万人全員と飲みたいよ俺!!

初日と全く同じ場所のHUBで、今日良かった事を語る。
クソデカいビールを飲みながら。
初日の不安を紛らわす逃げ酒ではなく、
ライブに来て良かった!本当に楽しかった!と
先輩のプロデューサーさん達に感想を聞いてもらい、
正真正銘、勝利の美酒を飲みました。

連番のはーちゃん担当のPさんが見せてくれた、
サイゲのフラスタに書かれていた颯のサイン。
「こんなへっぽこなはーだけど、
 みんなついてきてくれる?」
立派なセンターだったよ…!と3人で褒めたたえる。
時間にして1時間ほどでしたが、
アイドルを語り、ライブを語り、ずっと皆笑顔でした。

「絶対にまた現地で会いましょう!
 次は名刺持ってきます!」
固い握手を交わし、店を出る。
一人電車に乗って、町を歩いて、
ついに自分も、プロデューサーから、
横浜の無数の人だかりに戻っていくのでした。

「心」旅の終着点

ホテルに帰って
汗でビシャビシャになった体を洗い流し、
ベッドに横たわりながら、こんな事を感じていました。

「…これ、本当に明日からないの?」
そうなんです。明日はもうライブが無いんです!
自分は初めて現地に参戦し、
苛烈な体験に身を委ねていました。(2回目)
今までにないほどの感情、今までにないほどの愛。
正直、ライブ前の自分とは考えている事が違いすぎて、
言い過ぎかもですが、生まれ変わったような気分です。

もう…少なくとも今年はもう、ライブがありません。

寂しい…寂しすぎる。
あんなにも楽しかった出来事が
もう、過去のものになってしまった。喪失感が凄い。
思い出になっていく沢山の経験を振り返る。

ああ…七海のステージ、本当に良かったなぁ…
皆どう思ったんだろう…気を紛らわすように、
今日の七海のことをTwitterのTLやパブサで見てみる。

皆泣いてる…そうだよね…泣くよねあんなの…
海のようだった、七海Pで良かった。
この日をずっと待っていた。
七海の声優がほの花さんで本当に良かった。

しばらく辿っていると、
七海を演じた井上ほのかさんが
今日の舞台の事をツイートしているのを見つけた。

https://x.com/inoue_honokuma/status/1835325385367863561

一人になって、少し緊張の糸が緩んだのか、
もう、十何年ぶりに嗚咽も止められずボロボロ泣いた。

あの時、皆で青く光らせたペンライトを
皆が海のようだと思ったことが、
ステージの上に立つほの花さんにも伝わっていたこと。
何より、自身が演じているはずの七海に、
出逢えて幸せだと感じてくれたこと。

演じている人たちも、それを見る人たちも
心からそのアイドルが大好きなんだ。
その感情には、嘘も偽りもない。

偽善や綺麗ごとという言葉が存在するくらいには、
世の中には美談に対する疑いで溢れている。
それは正しいことだ。嘘とは、打算や悪意。
それを見抜けなければ、その悪に蝕まれてしまう。

だけど、このライブを通して見てきた美しい情景は、
そこにいたからこそ分かる。間違いなく、本物の愛だ。

このライブに両日参加した自分は、
今まで心の中でバラバラになっていたピースを磨き、
組み上げて、最後、本当に最後の最後で、
素直に他者の感動を受け取り、共感する事が出来た。

「ああ、生きてて良かったなぁ。」
26年生きていても、
まだまだ知らない事が沢山あります。
なんとなくで応募したライブで、
ただただ素直に「生きてて良かった」
と思える日が来るなんてなぁ。

あぁ…涙止まらん…

ちょっと待って本当に涙止まらないんだけど!!
何これ!?!?!?!?
このまま意識を保っていたら干からびてしまう!
ダメだダメだ!!もう、寝よう…。

….お疲れさまでした…。

CHAPTER3:CGSF_AFTER

「結論」新たな旅へ

皆様、本当、こんなアホみたいに長い文章を
読んでいただきありがとうございます。
文章なんか普段書かないので、
無駄も多くすでに文字数が3万文字を超えています。

もう少しだけ続きます。
本当長ったらしくてすみません。
せめて結論はいさぎよく、簡潔に言わせてください。

THE IDOLM@STER CINDERELLAGIRLS
STARLIGHT FANTASY

両日参加して、何を思ったのか。
生きてて良かった。
もうこれに尽きる。2週間たってもまだこれに尽きる。

何をプロデューサーに伝えたいと思ったのか。
アイドルへの本物の愛を見せてくれた事を、
心から感謝します。
皆、自分が大好きな
「デレマスの魅力」を担う存在です。

89文字で終わっちゃったよ!!!
こんな素直な気持ちを、
本心からの感動を伝えたいがための3万文字でした。

皆さま、改めて
STARLIGHT FANTASY DAY1もDAY2も
配信で見ていたプロデューサーさんも全員お疲れさまでした!!
自分が見てきた感動を、少しでも共感してくれたら嬉しいです!!
どこかの現地でまたお会いしましょう!!!

…あーダメだ!一個忘れてた。

…ごめんなさい、泣きの一回ください。
これで本当に終わります。終わりますので。

ちょっとだけ、まだ伝えたい事がありました。

自分は、やはりデレマスしか居場所がないようです。
この場所で生きていく事が、自分の生きがいです。

今後も、
プロデューサーが担当するアイドル達の輝きを
絵で表現できるようなプロデューサーでいたい
と思います。
自分が好きなデレマスに、プロデューサーに、
出来る限り貢献できるプロデューサーでありたい。
そんな、今の気持ちを忘れないために
書いたnoteでもあります。

そして、来年デレステは10周年を迎えます。
長寿も長寿です。まえがきでも言ったように、
少しずつですが、
風はいくつもの場所へ分散していきます。

それでも、

行く末なんて誰にも分からないからこそ、
今出来る事をしたいと思う。
「終わったとしても」「新たな始まりが来るとしても」
そんな絶望や希望の2択に縋る必要はない。
ただ、あなたが愛したものを、
思い出としてだけでなく、
できる限り、今、大切にしてあげてください。
それだけは絶対に、
未来がどうであれ出来る事だからね!!!

以上です!!
ありがとうございましたーーー!!!!!!!

おわり










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